今回は、株式会社ワーク・ライフバランスの代表取締役 小室淑恵(こむろよしえ)様とともに、創業からともに支えてこられた取締役の大塚万紀子(おおつかまきこ)様にお話をお聞きしてまいります。
株式会社ワーク・ライフバランス 会社概要
会社名称 | 株式会社ワーク・ライフバランス |
代表者 | 代表取締役 小室淑恵(こむろよしえ) |
設立 | 2006年7月 |
主な事業 | 働き方改革コンサルティング |
社員数 | 30名(取材時) |
会社所在地 | 〒108-0023 東京都港区芝浦3-6-5 Biz Feel 田町 |
会社HP | https://work-life-b.co.jp/ |
株式会社ワーク・ライフバランスはどんな会社ですか?
大塚さん:2006年に創業して2021年現在15年経ちました。
働き方改革のコンサルティングを中心にセミナー、講演研修なども行いますし、実際に依頼を受けた企業のコンサルティングもしています。また、毎日の時間の使い方から働き方改革のヒントを得られる「朝メールドットコム®(https://work-life-b.co.jp/service/asacom.html)」や、組織の働き方をガイドする「カエル会議オンライン®(https://work-life-b.co.jp/service/kaeru.html)」といったITツールもご提供しています。
ワーク・ライフバランスを提供するという仕事をしているので、弊社では社員が30人ほどいますが、誰かしら育児休業や介護休業、自分自身をブラッシュアップするための長期休暇を取っていますし、休みやすい環境も整えています。
そして、残業をしないこと、希望の休みが取れる体制を作り、お客様のワーク・ライフバランス実現をサポートさせていただくためにも、常に自分たちで取り組み、その成果・効果をお伝えしています。
他にもワーク・ライフバランスコンサルタントという職業を広めていく養成講座(https://work-life-b.co.jp/service/course.html)も行っています。
学生時代はどのように過ごされていましたか?
大塚さん:中学・高校とミッション系女子校だったこともあり、社会的に弱い立場と言われれている皆さんのそばでお役に立ちたい、と弁護士になることを目指して大学時代を過ごしました。ただ、実際のところ、「本当に弁護士になりたいんだろうか」「私には別の仕事のほうが向いているのではないか」と悩む日々でした。でも、親からの期待もあり、他の道を探る勇気も持てず…という感じでしたね。
ところが、司法試験に落ちたところで、「これではまずい! 親や周りの期待に応えるだけの人生ではなく、私自身の個性を活かして生きていきたい」と一大決心し、23歳の時に初めて両親に反抗しました。今思えば、非常に遅い反抗期だったんだろうな、と思います(笑)。その後は、IT企業の楽天で人事部・総務部・法務部でのインターンを1年半経験。「学生だからこの程度で」ではなく「あなたのアイデアで価値を出そう」という関わり方を先輩方がしてくださったことで、ビジネス界で自分の力を活かしたい、と思うようになりました。
これまでどんなお仕事をされてきましたか?
大塚さん:就職活動もしたのですが、楽天以上に魅力的な会社に出会えず、きちんと面接も受けて(笑)、楽天に新卒として入社しました。当時はまだ従業員規模が数百名ほどの会社でしたが、退職する頃には数千人規模の会社となっていて、急成長する組織の中で働く経験ができました。
また、楽天は当時では珍しく、女性の感性を大事にしている会社でした。通販を利用するのが若い女性のほうが多いということで、女性の感性がビジネスに直結するとても新しい仕事で面白かったです。
なぜ小室さんと会社を興すことになったんですか?
大塚さん:小室とは、同じようにIT企業でインターンをしていたという縁でつながりができました。株式会社ワーク・ライフバランスを創業するまでにも、商品企画やマーケティングを行う女性チームでともに仕事をしていたんです。私にとっては「姉」のような存在で、キャリアについてもライフイベントについても、当時も今も良き相談相手です。
楽天で忙しく働いて2年ほどたったとき、ふと「私のキャリアはこのままでよいのだろうか…?」と思うことがあって、小室に相談したのです。小室からは「キャリアのことを心配しているわりには、あなたは目の前の仕事にしがみついているだけ。世の中は広いのに、あなたは今与えられているものの中でしか、学ぼうとしていない」と言われ、ハッとしました。
またそのとき、ワーク・ライフバランスについても教えてもらいました。
それまでの私は、「ワーク・ライフバランス」とはプライベートを充実させたい・働くことはほどほどでよいと考えるような人の「さぼり」を正当化する言葉だと思っていました。でも、小室から「ワーク・ライフバランス」はライフで多様な経験や知識、人脈などをインプットし、それらを活かして仕事で新しい価値を作り出すための戦略の一つだ、と教わりました。決してぬるま湯で仕事をするのではなく、効率化を徹底することが「ワーク・ライフバランス」なのだ、と目からうろこが落ちた思いでした。
この出来事がきっかけで、「ワーク・ライフバランスの本質を広めたい」と小室と一緒に2006年に株式会社ワーク・ライフバランスを設立したんです。
これまでで大変だったことはなんですか?
大塚さん:創業は2006年7月ですが、実は4月に小室が出産、9月には私自身の第一子妊娠がわかるなど、創業者が二人とも時間的にも身体的にも制約を抱えながらのスタートでした。
実は小室の出産後、私の妊娠がわかるまで、私は毎日残業していたんです!
当時の小室は乳児を育てながらの仕事でしたから、自由に動くことができませんでした。「動きにくい小室の分まで、私が頑張ろう!」と残業をしていたのですが、それを見ていた小室にある日泣かれてしまったんです。
「私だってあなたと同じように残業したい。あなたは私のために残業しているのだろうけれど、あなたが残業すればするほど、自分が無能な経営者であると圧をかけられているように、プレッシャーを感じるのよ。なので、この気持ちを理解して欲しい。今すぐ、残業をやめてほしい」と言われてしまいました。
よかれと思ってやっていたことが、かえって相手を苦しめていた…この出来事は私にとって大きな衝撃で、次の日から残業せずに帰るように工夫しよう、と決意しました。
これまで仕事漬けのスタイルを送って活きた大塚さんにとって、定時で帰ることにどんな苦労がありましたか?
大塚さん:一番の気づきは、私はのんびり仕事をしていた、ということです。当時の私は終了時間の概念がありませんでした。1つひとつの作業にかかる時間がイメージできなかったんです。
また、仕事の優先順位も間違えていました。小室から指示が来たら自分が優先しなければいけない仕事を後回しにしたり、勝手に自分であれこれ考えて先回りして仕事をしていたつもりでも、実際は必要ないことをしていたりと、自分の仕事の管理と取り組み方を見直すところから始めました。
また、気持ちが乗らなかったらお菓子を食べたり、苦手な業務をつい先延ばしにしたり、時間がかかったりもしていました。集中して進めねばならない仕事は午前中にやり切る、などの工夫を始めたのもこのころです。
衝撃的な事件以降、転職して仲間になってくれるメンバーには、残業が時には人を傷つけることがあること、また残業をしないためにはどうしたらいいかといった工夫を必ず伝えています。
これから会社をどうしていきたいですか?
大塚さん:お客様の多岐にわたる課題の先を常に見たいと思っています。
そのために、まずは私達の中でどのような課題がこれから発生するか、そしてそれらをどのように解決するかを色々と試して、お客様に自信を持って提供できるよう取り組んでいます。
私達が見る未来の課題はお客様の3歩先、私達の実践は1歩先、お客様には半歩先をご提供したい、と思っています。
最先端の技術や取り組みは、伝統的な企業だとマッチしないことがあります。
そのため、無理なく取り組める半歩先のご提案をこれからもしていきたいですし、私達はお客様を取り巻く情報を敏感に察知して、実践していきたいです。
「情報」は、仕事だけをしていれば察知できる、というわけではありません。ライフの時間で社員1人ひとりが様々なものを吸収して社内に持ち帰ってくれることをこれからも期待しています。
社会全体で言うと、私達が働き方改革のノウハウを社会や国・企業・個人にご提供し、その実現をお手伝いすることで、過労死がなくなったり、男性も気軽に育児休業ができたり、女性が管理職にチャレンジできたり、一人ひとりの個性を活かして価値が出せたり、私たちの暮らしの基盤を支える企業の経済活動が増えたり、といった様々な社会の発展につなげられたら嬉しいです。
大塚さんが経営者におすすめする本を教えていただきました! 『愛するということ」エーリッヒ・フロム https://www.amazon.co.jp/dp/4314005580 ●愛は技術であり、学ぶことができる―― |
投稿者プロフィール
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新入社員を含めたフレッシュなメンバーを中心に、出版サポートの傍らインタビューを行っております!
就活生に近い目線を持ちつつ様々な業種の方との交流を活かし、「社長に聞きたい」ポイントを深掘りしていきます。
代表者様のキャリアを通して、組織の魅力が伝わる記事を発信していけるよう、これからも一生懸命運営してまいります!
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