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株式会社インユー代表 松浦 愛氏

今回は株式会社インユー、松浦 愛氏にお話を伺ってきました。

「社長の履歴書」だけの特別なインタビューです。

ぜひご覧ください!

株式会社インユー会社概要

会社名称 株式会社インユー
代表者 代表取締役社長 松浦 愛
設立 2016年 2月
主な事業 ・インターネットウェブサイト、ウェブコンテンツ等各種メディアIN YOUの企画運営
・PR活動の企画、立案、実施及びコンサルティング
・イベント・キャンペーン・パーティー等の企画・運営ならびにそれらのコンサルティング
・インターネットメディアを利用した各種情報提供サービス
・ECサイト運営
・マーケティング業務の代行
・各種商品の企画開発、制作、プロデュース及び販売
会社所在地 〒150-0002

東京都渋谷区渋谷2-2-5 5F (クルスビル)

会社HP https://inyoumarket.com

 

 

聞き手:まずは、松浦様のご経歴をお聞かせください。

 

松浦さん:大手ブランドに新卒で入社した後、ベンチャー企業に転職して数年間マネージャー業務やセールス関係、新規事業に関する仕事をしていました。

その後、外資系スタートアップに短期間在籍したのち、現在の会社を起業しました。

 

 

聞き手:起業しようと思ったきっかけは何だったのでしょうか?

 

松浦さん:いつかは自分の好きな分野で起業できればいいなあという思いはありましたが、絶対したいとか、いつまでにということを考えたことは特になかったですね。

 

ちなみにかつては、マスコミやメディア業界に行きたいという憧れがありました。

ところが、業界で働く人とお会いしたり、現実を見ていくうちに自分が本当に望んでいる業界ではないのではないかと考えてしまい、進路に迷ってしまったんですね。

 

そこで、まずは社会に出てみようと。

当時はまずは都会に出たいという思いが強く、とにかく東京だということで安直な考えで東京にある大手に入社しました。

ところが、本当にやりたい仕事ではなかったことと、環境面も思わしくなかったことが原因で体調を崩してしまったんです。

 

そういう状況を見直したいと思い、自分探しの過程でベンチャー企業に転職しました。

こちらは比較的のびのび仕事ができる環境で、自分の健康や毎日の食事などの些細なことを気にかける時間と心の余裕ができました。

 

そこから、オーガニックライフや食材に興味を持つようになり、そういうレストランに行ったり、ブログや記事に書いて紹介したりということを個人的な趣味としてやっていました。

個人的な活動の中で小さなコミュニティも作り、同じような趣味の人たちを募ったパーティーや食事イベントのようなものをやっていたこともあります。

もちろん、お小遣い程度にしかならず、そのときはそれが本当に仕事になるのか分かりませんでしたが、この原体験がのちに起業するきっかけになったのは確かだと思います。

 

また、両親や知人も含め、いざ独立する際に、それに対して背中を押すような人が周りに多かったのも大きかったですね。

普通、27歳くらいの女性が独立したいと言い出せば「リスクを考えろ」などと言って、止める人も出てくるでしょうが、驚くことに止める人は一人もいなかったんです。

「軌道に乗りそうならやれば?」「今やったほうがいい」という好意的な意見を言う人ばかりでしたね。

 

チャレンジすることに対して前向きな人がいかに周囲にいるかで、人生は大きく変わるのだと確信しています。

 

 

聞き手:株式会社インユーの事業内容を教えていただけますでしょうか?

 

松浦さん:私たちは、「全ての人にオーガニックな暮らしを」というスローガンを掲げて

おり、「自分から始めるオーガニック革命」という言葉もサブスローガンとして提案しています。

それを基にして、IN YOU MARKET=インユーマーケットというオーガニックのオーガニックマーケットプレイスをやらせていただいています。

現在、およそ750以上のベンダーさんが参画しており、国内で一番厳しい基準での商品選定をするなど、 数あるオーガニックショップの中で最も安心できるような場所を目指して運営しています。

 

 

聞き手:御社ならではのサービスや特徴はありますでしょうか?

 

松浦さん:いわゆる普通のオーガニックショップのような場所はいくつか他にもあると思いますが、私たちの特徴は、選定基準です。

 

オーガニックにはトレーサビリティという概念があります。

トレーサビリティとは、製造工程をトレースすることで、その商品がどういうステップで製造されたのか、どういうステップで栽培されたのかという過程を追うことです。そこを追えないものや不完全なものはオーガニックとして売ることはできません。

私たちは、基本的にオーガニック認定マークがついているというだけで掲載するのではなく、仮にマークがついていないとしても、商品の背景を調査した上で選んでいます。

 

例えば、栽培の中で化学薬品や農薬を使っていないかなどを調べています。

他のショップの中には一部の商品や、あるいは大部分の商品が農薬を使っていたということも結構あると聞きます。

 

オーガニック商品は普通の商品より1.2~2倍以上価格が高いものもありますが、その価格の中には栽培方法が大変だからという手間賃の他に、「安心」の料金も含まれているのではないか、と考えています。

つまり、少し高く売るのであれば消費者が安心だと本当に思えるものでなければいけないと思っているんです。

 

エンドユーザーにも当然、そこをとても気にする方が多く、ものすごく細かな問い合わせもきます。

そういう方々の気持ちを踏まえ、何がパーフェクトなのかを考えた末に辿り着いたのがインユーマーケットです。

 

 

聞き手:栽培されている方に対してはどのようなことに気を遣っていますか?

 

松浦さん:オーガニックと認定される基準には、オーガニック認証や有機JAS、USDAなどがあります。しかし、認定されていなくても安心安全な食品も、実はあります。

 

認定はお金を支払い、基準を満たせばとれるのですが、逆に基準を満たしていてもお金を払わなければとれません。

作り手の中には、お金は払わずに自らのポリシーでオーガニックなモノづくりや栽培をやっている人もいるため、私たちはそういう人たちのこともカバーしたいと思っています。

 

例えば農薬を使っていないものの、これまで自分の作物の農薬チェックなどをしたことがない人には、調査やチェックをしている機関と協業をして検査をサポートしたり、どういうものを使っているのか、電話や対面でヒアリングしながら口頭チェックや書類審査を行ったりもしています。

 

また、何かあったときに問題になっては困るので、リスクヘッジのために最終的には書面での契約を結んでいます。

”自分の商品は安全だ”と確約するためのものですね。

 

 

聞き手:ベンダーには個人の方が多いのでしょうか?

 

松浦さん:個人と法人の半々でしょうか。

例えば家族経営ファームや、個人事業主のような方もいますし、それなりの規模感で企業でしっかり製造しているところもあります。

 

 

聞き手:ベンダーはどのように探しているのでしょうか?

 

松浦さん:問い合わせや、紹介経由も何割かありますし、イベントなどで本当に良いと思った作り手さんの商品を見つけることもあります。多種多様ですね。

あとは、最近は海外の方を通じて出会うこともありますね。

 

 

聞き手:なかなか見つけるのは大変そうですが。

 

松浦さん:日本のオーガニックの市場規模は海外に比べて小さいと言われているので、優れたプロダクトを探すのはとても難しいです。

ただし、今はまだオーガニック商品を作っていなくても、近年の時代の背景も影響してか、”いずれは作ってみたい”という人も何割かいるので、そういうポテンシャルのあるベンダーを募って集めるケースもあります。

 

 

聞き手:これまで何か苦労したことがあれば教えていただけますでしょうか?

 

松浦さん:立ち上げたばかりの頃は、私の他に数人のスタッフしかいなかったので、凄い業務量を一人で全部やっていました。

直後にもう一人雇用した後も、やっぱり人が足りなさすぎて悲鳴をあげる日々でしたね。

 

当時ものすごく少数で回していたので利益こそ出ていたけれども、人が本当に足りない状態がずっと続いていて、なかなか大変な思いをしました。

お客様に対して失敗をおかしたスタッフもいて、その際は身内までも巻き込んで徹夜でお客様対応にあたったほどです。

大晦日の夜なのに電話が来て、泣きながら仕事したこともありましたね。

責任感の問題も含め、仲間の重要性と働く方々の優秀さやレベルがいかに大事なのかを実感しました。

 

創業当初は、どこにどういうコストをかければいいのかという知見もなかったために、何でもコストコントロールしたいと思ってしまっていたのもあるのかもしれません。

会社を大きくするまでは、お金をたくさん使えないという気持ちもあり、適切なところにすら投資できず、いいスタッフも見つけられないという、あってはならない状況に陥っていました。

 

 

聞き手:どのようにして、その危機的状況を乗り越えたのでしょうか?

 

松浦さん:一つは人の大切さに気づき、”誰でもいいからとりあえず採用して働いてもらおう”という浅はかな考えを捨てたことです。

我々の事業に理解を示してくださる方や、人間性としても仕事としても優秀な方を採用できるよう、来るもの拒まずではなく、時にシビアな視点で吟味することが重要であることが大事だと今は思っています。

 

二つ目は、自分たちでサービスを作れるようにしたことです。

外注すれば、コストカットができてトータルでは利益が出やすく、安いこともありますが、結果的にクオリティが低くなったりシステムや体制そのものが脆弱になったりするので、自分たちで作ることが大事だと思ったのです。

 

三つ目は、自分が全てに対して口出しするのをやめたことです。

現在メンバーは18名ほどいますが、マネジメントが得意な人に私の目が届かない部分を任せるようにしました。

全部自分でやろうとすると事業を拡大できないので、全て一人でやるという考えを捨てました。

 

 

聞き手:松浦さんから社員さんに向けて発信していることはありますでしょうか?

 

松浦さん:私たちのクレドにもあるように、エンドユーザーを第一に考えるということです。

基本的にそれを全員に徹底してほしいと思っています。

そこを第一に考えて何事も決断し、行動してほしいです。

 

 

聞き手:現在の課題はどのようなものがありますでしょうか?

 

松浦さん:全てにおいて、体制を整えることです。

メンバー集めもそうですし、システムや物流などにおいて課題や、もっとよくできるポイントは常にあるので、改善しないといけないと思っています。

 

時代が進むと技術も更新されるので、今までのやり方に甘んじるのではなく、乗り遅れないようにしないと企業は廃れてしまいます。

その時代に生きている人が求めているものを作り続けることが、最低基準だと思いますが、その最低基準をキープするのはベンチャーにとっては決して簡単なことではありません。ですので、最低基準を満たしたサービス作りを行うだけでなく、より多くの人に支持されるクリエイティブなサービスを作りたいと考えています。

 

 

聞き手:松浦さんの未来展望や夢などをお聞かせください。

 

松浦さん:オーガニックは全ての人にいいものですが、まだまだ「一部の人のためのもの」「富裕層のためのもの」と解釈されることがこの国では珍しくありません。

その壁を壊し、心身ともに本質的に生きる人を増やしたいと考えています。そのためにはテクノロジーやITの力も使って広げていくことが必要ですが、オーガニックという領域はまだまだ発展途上で、特にテクノロジーとの関連性が弱いと思っています。

そこを解決するために、新しい発想で自分も自社のサービスを真っ先に使いたくなるようなサービスを作り、世界中に広めて、ラベルを見ずとも欲しくなるような、安心安全なものをもっと手に入れやすくしていきたいと思っています。

 

 

松浦さんが経営者におすすめする本を教えていただきました!

『自分の小さな「箱」から脱出する方法』 アービンジャー インスティチュート(著)、金森重樹(著)、冨永 星(著) https://amzn.to/3HtUWNa

身の周りの人間関係はすべて自分が原因で引き起こしている。
それこそが、本書のいう「箱に入っている状態」である。

「どうして彼は問題ばかり起こすのか?」
「なぜパートナーは勝手なことばかり言いだすのか?」

こうした問題を、私たちは「相手の問題」と考えがちだが、本当の問題は「自分」にある。
読み進めるうちに、家庭や職場での人間関係を深め、十分な成果を出す環境を作る方法を学べる。
世界的ベストセラーであり、日本でも25万人が読んで大反響を巻き起こした名著。

投稿者プロフィール

『社長の履歴書』編集部
『社長の履歴書』編集部
新入社員を含めたフレッシュなメンバーを中心に、出版サポートの傍らインタビューを行っております!

就活生に近い目線を持ちつつ様々な業種の方との交流を活かし、「社長に聞きたい」ポイントを深掘りしていきます。

代表者様のキャリアを通して、組織の魅力が伝わる記事を発信していけるよう、これからも一生懸命運営してまいります!