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株式会社コトラ代表取締役 大西利佳子氏

今回は、株式会社コトラ代表取締役、大西利佳子氏にお話を伺ってきました。

 

「人が変われば、企業が変わる」「仕組みが変われば、人が活きる」という経営理念を掲げて、プロフェッショナルが活躍する社会をつくるためのサービスを提供しています。

 

「社長の履歴書」だけの特別なインタビューです。ぜひご覧ください!

 

株式会社コトラ 会社概要

会社名称 株式会社コトラ
代表者 代表取締役 大西利佳子(おおにし りかこ)
設立 2002年10月
主な事業 【ハイクラス転職支援 コトラ】
金融、IT、コンサル、製造業、経営層を中心としたプロフェッショナル人材紹介事業

【コトラプロ】
ハイクラスクラウドソーシングサービス事業

【コトラコンサル】
コンサルティングサービス事業

【コトラミ】
理系新卒学生向けセミナー開催と理系新卒人材紹介事業

【価値観サーベイ KOTORA 25】(法人版)
【価値観サーベイ【KOTORA 25】(個人版)
仕事の価値観を測るアセスメント事業

社員数 70名(取材時)
会社所在地 〒107-0052 東京都港区赤坂1-7-19
キャピタル赤坂ビル2階
会社HP https://www.kotora.co.jp/

 

 

まずは株式会社コトラを立ち上げるまでの流れと、大西さんのご経歴を教えてください。

 

新卒で株式会社日本長期信用銀行(長銀)に入社しました。もともと起業に興味があったため、金融機関が社会勉強として非常に役立つのではないかと思ったからです。

長銀という組織は、いわゆる長期信用銀行法という企業に、長期資金を提供するという特殊な銀行でした。ただ公的な役割を終えようとしていたにもかかわらず変化できなかった結果、金融危機で98年10月に破綻を迎えました。

 

その後、長銀は一時国有化されて、最終的に外資ファンドに売られてからは新生銀行として劇的に組織が変わりました。この時に「人が変われば企業が変わる」と実感しました。それがきっかけで人材ビジネスに興味を持ち、会社を辞めて起業することにしました。

 

転職ではなくて起業することにしたのはなぜですか?

 

会社を辞めるときに私が「会社をつくってみたい」と諸先輩方に言うと、「おまえが仕事ができるのは銀行の看板があるからだ。看板がなければ仕事はできない」と言われたんです。

 

私はそれは違うと思いました。銀行の看板があると、お客様のためになっていない取引でもお金を払ってくれるというのは事実でした。ただ、その看板がなくても本当にお客様のためになることをすれば、お金を払ってくれると思ったんです。それを証明するためにゼロから始めようと考えました。

 

起業後は順調でしたか?

 

ゼロから始めたので、立ち上げは非常に大変でした。ただ起業するに当たって、いろいろな方に助けられました。

 

最初の依頼は、新しく立ち上げるコンサルティング会社の陣容を採用したいので手伝ってほしいというものでした。

当時はまだ個人情報保護法がなかったので、知り合いから教えてもらった1000人の連絡先に電話をしました。すると、6、7人が私に職務経歴書を預けてくれたというのが一番のスタートです。その人たちのうちの何人かが就職して、そこで私もこの仕事の大変さや楽しさを実感しながら事業を始めました。

 

当時はコンサル・IT・金融など広くやっていたんですけれども、初めから手広くやり過ぎるよりも、一つの業界に絞るほうが顧客貢献になると思いました。それで、オルタナティブ・ファンド、バイアウトファンドであったり、不動産ファンドであったり、非常にニッチなところに絞って専門エージェントを始めました。

 

その後、コーポレート・ファイナンスやファイナンシャル・アドバイザリーの領域に広がっていきました。もともと投資ファンドのスペシャリストを人材紹介していたのもあって、現在ではプロフェッショナルの方たちの人材紹介がメインになっています。

 

プロフェッショナルに絞るときに非常に重要なのは、相手の仕事内容を我々が正確に理解するという土台です。それがないと相手との基本的なコミュニケーションが成り立たないんです。そのため株式会社コトラでは、お客様の業界、業務知識を得られるよう、お客様の業界経験者を採用し、経験のない若手には研修に力を入れています。

 

また、組織を活性化するため、少し若い層にも我々の業務に携わってほしいと思うようになりました。それで理系学生の新卒事業を買収して、企業と有望な学生たちをつなぐワンストップサービスの提供を始めました。今では22歳から59歳まで、かなり幅広い人たちが完全にフラットな関係で仕事をしています。

 

若い人たちが成長するというのは、非常に心躍る体験です。また、新しいものを吸収したいという思いが非常に強い若い人たちは成長の伸びが著しいですから、自分たち自身も非常に良い刺激を受けていると感じています。

 

創業からしばらくは「金融の転職だったらコトラだよね」と言われていたのが、この数年来、金融以外のプロフェッショナルにもかなり幅を広げています。いろいろな業界をまたいで人が行き来する時代ですから、我々自身も業界にこだわることなく、業界を越えて採用したいと思っている企業様の橋渡しになることが非常に重要だと思っています。

 

改めまして、株式会社コトラの事業内容を教えてください。

 

主に6つの事業を展開しています。

 

  • プロフェッショナル人材紹介(コトラ ハイクラス転職)

金融やコンサル、IT、経営層に特化して人材紹介サービスを提供しています。

 

  • 人材クラウドソーシングサービス(コトラ HRフリーランス)

「専門的な仕事を依頼したい人」と「HRのスキルや知識を活かして仕事をしたい人」が出会う場を提供しています。

 

  • コンサルティングサービス事業(コトラ 人的資本コンサルティング)

人的資本の情報開示(ISO30414)のコンサルティングから、ありたい姿の設定、そのギャップを埋めるための人的資本施策の企画、実行支援の人的資本コンサルティングをしています。

 

  • 価値観サーベイ(コトラ HRサーベイ)

働く上での価値観を明らかにすることで、組織づくりやオンボーディングに役立てます。

 

  • 新卒人材紹介事業(コトラ ハイクラス新卒)

理系を中心としたスキルのある国内大学、大学院の新卒人材と企業をつなぐワンストップサービスを提供しています。

 

  • DX(Salesforce)導入・活用支援事業(コトラ HR DX)

「Salesforce」を活用したHRのDX(デジタルトランスフォーメーション)支援を通じて、顧客企業の生産性の向上と、人材が活き活きと働ける環境を両立させる組織づくりに貢献します。

 

株式会社コトラの魅力というと何ですか?

 

社員が顧客主義を貫くことができるというところです。私が起業したのは、お客様に正しくサービスを提供して「win-win-win」の三方良しなビジネスを自らの手で、つくり上げたかったからです。

お客様のためになることをすれば、お客様からお金をいただくことができます。それで自分たちのコストを賄い、利益を出して納税するというサイクルをつくることが、社会貢献の第一歩だと考えています。

顧客と向き合い、提供する価値を研ぎ澄ますことで信頼を積み上げていく方針を今後も継続していきます。

 

お客様が事業を発展していく上で、組織の仕組みは非常に大切です。ですから、「人が変われば、企業が変わる」に「仕組みが変われば、人が活きる」というキャッチフレーズを追加して、仕組み・働く場を整えるというサービスの提供を2年前から始めました。

人的資本を可視化して、あるべき姿とのギャップを埋めていくことが人の価値の向上、企業の価値の向上につながり、豊かな社会の実現につながると考えています。

 

私自身、成長こそが楽しいと考えています。株式会社コトラでは、130%成長を継続したいと思っています。130%成長を18年続けると100倍になるので、20年で100倍になりたいというのが大きなビジョンです。

 

現在の株式会社コトラの課題は何ですか?

 

一番の課題は、自分たちの自己定義だと思います。自分たちは人材紹介会社で人を紹介するだけだと定義していると、もっと何を社会に貢献していきたいのかというような、よりスコープを広げて考えていくことが非常に難しくなります。

 

3人のレンガ積みの職人の話というのがあります。道でレンガを積んでいる人に「何をやっているんですか」と聞くと、1人目は「俺はこの忌々しいレンガを積んでいるんだ」と言いました。2人目は「俺は教会を造っているんだ」、3人目は「俺は神のご加護がみんなに届くようにと願って造っているんだ」と言いました。同じ行動をしていても、それぞれ見方が違うわけです。

 

我々も少し目線を上げつつも地道な活動をしていく、この二つを両立していくことが自分たちの範囲を広げて価値を高めること、そしてやりがいにつながっていくサイクルだと思っています。

 

大西さんが、社員の方々に日頃から伝えていることなどございますか?

 

ものごとの優先順位というものについて話しています。

1、モラル、2、顧客、3、仲間、4、収益です。この順番は変えてはいけないと思っています。本当にお客様のためになることをすればお金をいただけるということを前提にすると、収益まで至らない活動は、本当には顧客貢献できていないと思っています。

この順番は変えずに最後まで至る、これがプロフェッショナルな仕事であると考えています。

 

日頃から社員には「すべからく客を向け」という言葉を伝えています。

 

最後に、未来の展望や夢を教えてください。

 

組織の生産性の向上と、人の付加価値の向上を通じて豊かな社会をつくることに貢献していきたいと思っています。社会が豊かになるために成長は一つの要だと考えています。

 

子どもを見ていると毎日楽しそうにしています。なぜかと言うと、子どもは日々少しずつ肉体的・身体的に成長していくからです。昨日はできなかったことが今日はできるようになることや、今日はできなかったことも明日はできるのではないかという希望があります。そこが子どもが楽しそうな源泉ではないかと思っています。

 

一方で、大人というのはフィジカルな成長が止まってしまうので、自分たちで生きがいのある社会・人生をつくっていくためには、成長することを意識しないといけないと考えています。成長の楽しさを仕事で実現したい人をサポートしながら、社会の輝きに貢献していきたいと思っています。

 

 

大西さんが経営者におすすめする本を教えていただきました!

『サピエンス全史セット【全2巻】』 ユヴァル・ノア・ハラリ(著)、柴田裕之(翻訳)

国家、貨幣、企業……虚構が他人との協力を可能にし、文明をもたらした!

ではその文明は人類を幸福にしたのだろうか?

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投稿者プロフィール

『社長の履歴書』編集部
『社長の履歴書』編集部
新入社員を含めたフレッシュなメンバーを中心に、出版サポートの傍らインタビューを行っております!

就活生に近い目線を持ちつつ様々な業種の方との交流を活かし、「社長に聞きたい」ポイントを深掘りしていきます。

代表者様のキャリアを通して、組織の魅力が伝わる記事を発信していけるよう、これからも一生懸命運営してまいります!