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株式会社Oneplat代表取締役 泉 卓真氏

今回は、株式会社Oneplatの代表取締役、泉 卓真氏にお話を伺ってきました。

「企業間取引のグローバルスタンダードとなり、公平で公正なデジタルプラットフォームを構築すると共に、地球環境の改善に貢献すること」という熱い思いを胸に、食品流通と金融クラウドサービスの事業を展開されています。

「社長の履歴書」だけの特別なインタビューです。ぜひご覧ください!

株式会社Oneplat 会社概要

会社名称 株式会社Oneplat
代表者 代表取締役社長 泉 卓真
設立 2019年2月1日
主な事業 AI × MoneyPlatform
会社所在地 〒104-0045

東京都中央区築地2丁目7番12号

会社HP https://www.oneplat.co.jp/

 

 

聞き手:まずは泉さんのご経歴を教えてください。

 

泉さん:高校生のときに大手回転寿司チェーンでアルバイトをしていたのがきっかけで、アルバイト先の外食産業の企業に就職しました。

その後、同業の企業にヘッドハンティングをされて、外食業界を何社が経験しました。本部でスーパーバイザーとして店舗を出店したり、外食産業に関して知見を広げる機会になりました。

 

私が起業を考え始めたきっかけの一つに読書があります。仕事のためによく読書をしていた中で、起業や自己啓発の本に出合って経営者を意識するようになりました。

例えば、高級なお寿司が手軽に食べられるようにと回転寿司が生まれましたよね。経営者になって、そういう社会の問題解決をしてみたいと思ったんです。

 

まず初めに立ち上げたのが、株式会社いずみという水産卸売会社です。水産卸売に注目した理由は二つあります。

一つ目は、母方の実家が漁村だったので、生産者の販売価格と外食産業が仕入れている商品価格に大きな開きがあることを知ったんです。それで、もっとスマートな流通の仕組みや配分のシステムがつくれるのではないかと思いました。

二つ目は当時、これからはアジアの時代が来ると注目されていましたから、そこに注目しました。私が生まれた北海道が持っているどこにも負けないコンテンツとは何だろうと考えたときに、「食」だと思ったんです。「食」の中で「魚」を選んだのは一つ目に述べた通りです。

 

そこからいくつかのルールを決めました。

 

1、誰のために何を提供して、どのように地域貢献するかを決める。

2、5年ごとにビジネスモデルを変える。

3、競合を変える。

4、ITやテクノロジーをしっかり運用する。

 

まず5年間、水産卸売をやって札幌のすすきのや大通りを中心にお客様を構築していきました。

6年目からは地域商社を目指し、肉・野菜の会社をつくり、全国に物流のインフラを引いて、輸出もできるようにしました。

11年目からはIT会社になろうということで、日本卸売市場のようなプロモーションやコンテンツをつくり、RPAやOCRを社内に導入しました。

16年目からテクノロジー会社になると決めていたので、株式会社Oneplatという金融ソリューションの開発に入っていきました。

 

聞き手:5年ごとにビジネスモデルを変えた理由は何ですか?

 

泉さん:一つ目は、ビジネスモデルの価値に寿命があると思ったからです。二つ目は、社是にもあるように「新しい価値の創造をする」ためです。

 

既存の流通方法や提供の仕方以外で、みんなが見つけられていない仕組みやシステムを提供したいと思っていました。そこにはどうしてもITテクノロジーが必要だったんです。

 

聞き手:競合を変えるというのはどういうことですか?

 

泉さん:分かりやすく言うと、水産会社の競合は水産業です。競合を変える、つまり水産会社と戦うために地域商社になるとします。そうすると、われわれにとって魚だけが収益ではないので、肉・野菜で利益が上がれば、魚は原価でも相対収益が出るわけです。すると、水産会社は戦う相手として脅威の度合いは減ります。

 

魚・肉・野菜を扱う地域商社では、地域のものを県外、海外に売る力がある会社が強くなっていきます。なので地域商社になったときに、次はIT会社になろうと考えていました。地域商社だけどIT会社としてマネタイズの仕組みを持っていることで、より競争力が付くと考えたからです。

 

ですから、私達を水産会社と思っていた方々は、私達を理解、分析するのは簡単ではなかったと思います。

 

聞き手:株式会社Oneplatの事業内容について教えてください。

 

泉さん:Oneplatのサービスは、国内の事業者様向けに提供しているソリューションです。主に買い手、納品書や請求書を受け取ったり、支払いをしたりする側に使っていただくサービスになります。

 

Oneplatの主なサービス内容は、四つです。

 

1、複数の納品書・請求書を一つに取りまとめ、リアルタイムに精度100%で電子化し、業務コストを削減する。

2、取りまとめたデータを会計仕訳に連動して入力作業をなくすことで、業務時間を減らす。

3、総合振込データや振込手数料の計算、仕訳の消込など、会計業務の合理化をすることで、業務工数を削減する。

4、金融機関との開発による高度なセキュリティと運用度の高い機能で、財務・経理部門のリモートワーク化に貢献する。

 

まず納品書・請求書を一つに取りまとめ、業務コストの削減につなげる方法なんですが、各販売者様(仕入先様)にoneplatのアカウントが自動で発行されます。

そのアカウントを使って各販売者様(仕入先様)が、oneplatに納品書や請求書のデータを登録します。つまり、購入者様(お客様)は、oneplat内で納品書から請求書まで全て一元管理ができます。

これはリアルタイムで精度も100%でありながら、現在のフローに合わせて承認の段階、権限の割り振りも自由に設定ができます。

 

Oneplatのポイントが三つあります。

 

一つ目は、電子化を電子帳簿保存法、インボイス制度に対応した形で行えるにもかかわらず、フローを変える必要がないところです。さらに、現在使っているシステムや仕組みもそのままでご利用いただけます。oneplatを併用することで、そのシステムや仕組みの利便性を大きく向上させることができます。

二つ目は、業務時間の削減です。ご利用いただいている会計システムや基盤システムに自動で取り込むことができるので、経理の方の仕訳の入力作業が圧倒的に削減されます。固定費が2000万くらい削減になったという企業さんも出て来ていると聞いています。

三つ目は、会計業務の改善をします。取りまとめたデータは総合振込データに変換して、そのままネットバンキングへ送信できます。振込元口座、振込先口座などの振込手数料の自動計算や、消込といわれる仕訳も自動入力ができます。つまり、支払い後の作業を削減できます。

この全てのサービスをスマホやタブレットで、いつでもどこでもご利用いただくことができます。

 

購入者様のメリットは、納品書から請求書まで入力作業を削減、人件費・交通費・オフィスの削減、紙の保管をなくせることです。

取引先様のメリットは、納品書・請求書の作成費用、郵送料金が一切なくなることです。それから、納品書・請求書の突合ミスがなくなります。なぜかというと、購入者様が承認したものだけが請求書に変換できるからです。そして、請求書の書式は、インボイス制度対応なので、適格請求書をワンクリックで発行することができます。

 

oneplatは、初期導入費無料、導入サポート、運用まで全て無料で、月額22,000円という使いやすい金額になっています。

 

最後にoneplatの強みについてです。

 

ご説明のまとめにもなりますが、oneplatでは納品書や請求書まで全て一元管理ができるので、日時決算が行え、突合作業もなく、圧倒的に工数を削減し、システムの連携や紙の保管を行うことができます。納品書からリアルタイムで、また精度100%で取りまとめられるサービスは、国内ではOneplatだけだと思います。

 

聞き手:泉さんがこれまで苦労したエピソードを教えてください。

 

泉さん:まず、食品流通のグループ立ち上げの苦労についてです。

 

食品流通は商慣習や仲買権、買参権、入札権という権利がたくさんある業界なので、新しい流通の仕組みを夢見て入っていくと、ものすごいアレルギーと反対勢力にあって大変でした。

ですから、新しい流通によって生産者のみならず業界全体に利益があるというのを根気強く伝えていきました。また、特殊な業界でイノベーションを起こす過程では、必ず起こるによって会社が崩れてしまわないためにも、企業の成長とともに経営者としての経験を積むことで、コンプライアンスは厳しく徹底して運用してきました。

 

もう一つは、Oneplatの立ち上げの苦労についてです。

ベンチマークできる企業がない中で、新しい金融システムをつくるというのは至難の業でした。

 

さらに、コンプライアンスやリスクに関して、どこよりも敏感な金融関係に出資や業務提携をしていただくというのは、並大抵のフローではありませんでした。銀行法、貸金業法、資金移動業法、出資法など、法律に沿ったシステムづくりが必要だったので、非常に厳しい道のりでした。

 

聞き手:二つの苦労体験から何か学びはありましたか?

 

泉さん:二つの問題を乗り越えて思ったのは、どういう方にどういう形で役に立つサービスなのか、だからこういう方には間違いなく喜んでいただける、というのをしっかり持っていると、お話をするときの温度やメンタルが違うということです。

 

食品流通の場合は、もっと流通が知りたいという方がいらっしゃいますし、金融のほうは、もっと便利で合理的に生産性の高い仕事をしたいと思っている方がいらっしゃいます。そういう方たちに、豊かになる仕組みやシステムというものを提供するという意味では、共通していると思っています。

 

聞き手:Oneplatの課題は何ですか?

 

泉さん:スピードを上げたいというのが課題です。

 

聞き手:最後に、今後の泉さんの展望や夢を教えてください。

 

泉さん:私の夢は、会社とイコールになっています。

食品流通では「食品流通のOSを創り、新しいインフラで、世界中に豊かさを届ける」ことで、「日本の食文化に一番貢献する企業になる」。

そして、金融ソリューションでは「企業間取引のグローバルスタンダードとなり、公平で公正なデジタルプラットフォームを構築するとともに、地球環境の改善に貢献する」ことで、「より多くの事業機会が提供され、誰もが多様な選択肢を持てる豊かな世界を、持続可能な形で実現する」という思いです。

 

食品流通を最適化するOSによって、良い物が安く良い状態で皆さんの手元にお届けできるようになります。そして、企業間取引のグローバルスタンダードとなるデジタルプラットフォームを構築することで、より多くの事業機会や選択肢を提供できるようにもなります。このように、たくさんの人により良い仕組みと、より大きな価値を提供して世界中を豊かにしたいというのが会社のミッションであり、私の夢・目標でもあります。

 

誰にでもできることを「誰でもできないレベル」で提供していくために、引き続き精力的に励んでいきたいと思います。

 

 

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投稿者プロフィール

『社長の履歴書』編集部
『社長の履歴書』編集部
新入社員を含めたフレッシュなメンバーを中心に、出版サポートの傍らインタビューを行っております!

就活生に近い目線を持ちつつ様々な業種の方との交流を活かし、「社長に聞きたい」ポイントを深掘りしていきます。

代表者様のキャリアを通して、組織の魅力が伝わる記事を発信していけるよう、これからも一生懸命運営してまいります!