今回は株式会社 入江感動経営研究所の代表取締役、入江 元太(いりえ げんた)氏にインタビューをおこないました。
日本電気株式会社(NEC)に入社、営業職を経験し、退職後は日本コンサルティングブレーンでコンサルタントの経験を積み、株式会社 入江感動経営研究所を創業された入江氏。
起業を決めたきっかけや事業で大切にしていること、今後の展望などを伺ったインタビュー、ぜひ最後までご覧ください。
株式会社 入江感動経営研究所
会社名称 | 株式会社 入江感動経営研究所 |
代表者 | 代表取締役 入江 元太 |
設立 | 2010年10月10日 |
主な事業 | 人財育成、コンサルティング |
会社所在地 | 〒351-0025 埼玉県朝霞市三原4-11-2 |
会社HP | https://iriekando.com/ |
はじめに事業内容を教えてください
いろいろな会社にお邪魔して、研修を行うことが主たる事業です。この3つの研修を主として行っています。
1つ目はリーダーや管理職、経営層への「リーダー研修」。
2つ目は「PDCA高速回転」についての研修です。どの会社も、緊急性の高い仕事はどんどん着手されていくと思うんですが、半年後や1年後に花が開くような、いわゆる「種を蒔く」仕事にはなかなか手が付いていないという部分があるので、そういった仕事に対してPDCAを回すための研修をよく行っています。
3つ目が「理念の構築と浸透」についての研修です。これは社員みんなが理念に基づく行動ができるよう伴走していく研修です。
実際の研修の様子
次に、起業にいたるまでの経緯を教えてください。社会人としてはどのようなスタートを切ったのでしょうか?
1997年に日本電気(NEC)に入社して、それから営業を12年間していました。
当初は起業するなんて思ってもいなくって、転機となったのは師である角田識之先生との出会いです。
今では角田先生には、僕の著書でもある「『人財育成』の教科書」の帯を書いていただいたのですが、当時角田先生のメルマガを購読していて、そのメルマガの熱量が凄くて、関西にセミナーで来られるということで聴きに行ったんです。
その時すごく感動して、角田先生はコンサルタントの仕事をされている方だったので、影響を受けて中小企業診断士の資格勉強を始めました。それが今の仕事をしていくきっかけですね。
ただ、NECを辞めてまで「他の仕事をしたい」とは正直思っていなかったんです。30歳の時に社内研修で自分の人生設計図を書いたんですけど、その時にやりたいこととして思い浮かんだのが「この会社で偉くなりたい」という思いだったんですよね。
部長や事業部長になると100人規模の人と仕事ができる、そんな機会めったにないと思い、出世街道を爆進するんですけど、いろいろあって出世の道が断たれてしまって(笑)。
ちょうど中小企業診断士の勉強をしていたので、「この会社で上に立てないのなら、中小企業診断士の資格を活かした道でいこう」と思って会社を辞めました。
―出世が難しくなり、方向転換されたんですね
今は良かったと思っていますけど、当時は必死でした。長男も産まれて大変な時期でしたね。
転職活動では、営業職ではなくコンサルタントの求人を探しました。
10社くらい落ちて「どうしよう」と思っていたんですが、なんとか採用していただいて、そこから今に繋がるキャリアが始まった感じですね。
転職先は日本コンサルティングブレーンという会社でした。
コンサルティング部に配属されて、あるとき3日間の新人研修を任されました。今考えてみればその研修がターニングポイントなるんですけど、研修テキスト作成から自由にやっていいよ、と任されました。普通、新人に3日間もの研修、任さないですよね(笑)
研修当日は、受講者が10人くらいいて、僕はド緊張していました。最初はなに話したかもよく覚えてないくらいなんですが、1時間ほど経つとだんだん気持ちがのってきて、すごく楽しくなってきたんですね。研修最終日の3日目はもうノリノリでした。
最後に、受講者が感想を発表してくださるんですけど、「入江先生の研修を受けることができて本当によかった」なんて言ってくれて、めっちゃ感動して、その時「この仕事を天職にできたら最高!」と思いました。
こうした、人に伝える、教えることで、人が変化するきっかけになる人になりたい!という思いが、この仕事を10年以上続けている原点となっています。
起業に踏み出したきっかけについて教えてください
その後、1年ほどコンサルタントとして仕事をするんですけど、それと並行して師の角田先生がやっている「臥龍本気塾」に通いながら、中小企業診断士の勉強を続けていました。
中小企業診断士の資格試験に合格した時、角田先生から「これから入江君はどうしたいの?」と尋ねられて、「いつか先生みたいに独立できたら最高です」と答えたんですけど、そうしたら「『いつか』と思っているうちはそうならない。夢には日付を入れないと。夢に日付を入れると目標になる。『いつか』とは『いつ』なの?」って言われて。直感で、「半年後の10月には、こんな状況になっていると思うので、そうなったら独立できますかね」と言ったら、「それいいんじゃない。がんばりなよ」と背中を押してくださって。結果、10月には見事そういう状況になり、2010年10月10日に会社を起業するに至りました。
実際に起業されて苦労したことは何でしょうか?
研修って本当におもしろいんですよね。人が変わる瞬間に立ち会うことができる、感動的なお仕事だなって、いつもそう思っています。
ただ、研修って、ともすれば「打ち上げ花火」になりがちなんですよね。受講した瞬間、そしてしばらくの間、人はがらりと変わるんですが、3日、1週間、1ヶ月も経つうちに、だんだん元に戻ってしまう。1年も経ったら完全に元通り。そんな会社さまが、ちらほらと出てくるんですよね。
これは悩みました。社員さまの命の時間と、会社さまからお金をいただいて研修しているのに、変わらないのであれば、何のために研修やってるんだろう、と。悩んで悩んで悩みながらPDCA回しているうちに、研修が徐々によくなっているところに、コロナ禍ですよ。
2020年4~6月期の研修は中止、延期の嵐。売上ゼロ。会社経営としては壊滅的な状態になりました。事務所を自宅に戻す、社員さんは雇用できない、申し訳ないことをしてしまいました。
その後どうなりましたか?
コロナ禍でオンライン対応するしかなくなりました。Zoomで研修するなんて考えたこともなかったくらいなのですが、習うより慣れろというか、やるしかなくってやってみると、最初は超シドロモドロなんですが(笑)、徐々に慣れてきて、普通に話せるようになってくるんですよね。そうしているうちに、徐々にですが、研修が戻ってきました。
僕は今まで、月1回の研修を、半年~1年間行う、という形がメインだったのですが、オンライン化をしていくと、研修と研修の間にもう1回、ミニ研修というか、受講者の実践報告会をしてもらうようにしました。これがものすごくよくって、PDCAが2週間で高速に回っていくんですよね。社員さんの進化成長に、まさしく伴走できるようになってきました。
人って、やれば変わるけど、やらなければ何も変わらないじゃないですか。
その「やる」ということに伴走できるようになったのは、コロナのおかげかもしれません。オンラインを組み合わせたハイブリット型の研修ができて、成果が出るので、お客さまがお客さまを紹介してくださり、今はなんとか、売上というか、お役立ち高がコロナ前に戻りました、受講者のみなさんの満足も伝わってきて、結果、コロナもよかったのかもしれない、くらいに思っています。
そして、研修開始前に、社員のみなさんから「働きがい調査アンケート」をとるようにしました。社員さんのホンネというか、会社に対する思い、お悩みをわかって研修をするのと、わからずに研修するのでは、成果がまったく変わってきます。これを、今までは、研修を進めながら社員さんから聞き出していたのですが、研修前にやってみよう!という想いで始めました。この「働きがい調査アンケート」のフォーマットがものすごくよくって、社員のみなさん、このシート、というかスマホに、思いをぶちまけてくださるんですよね。このぶちまけてくれたホンネを集計・分析し、会社の強み・弱みを理解したうえで研修を進めることで、地に足が着いた、社員さんや会社の課題を解決できる研修になってきています。
今後の展望について教えてください
弊社の理念は、「人財育成で、人と組織を元氣にする!そして日本が元氣になる!」です。僕ができる人財育成や研修の仕事を通じ、受講者のみなさんに元気になってもらい、職場や家庭が、さらには地域、そして日本も元気になってほしい!という想いでお志事をしています。
そして今、講師は僕1人体制なので、どうしても月に10社ほどの研修をするのが上限になっています。せっかくいいフォーマットがあるのに、それ以上広げられない、価値を提供できない、世のため人のために貢献できない、というのはどうかと思うので、組織化にチャレンジします。講師の場合、雇用、というスタイルよりも、独立独歩で研修する講師のほうが、いい研修する傾向にあるので、研修チームをつくって、複数講師で研修を行っていきたいと思っています。
さらに、学生の育成についても、将来的にたずさわりたいと思っています。若者が変われば、日本が変わる、です。やりますね!
最後に、おすすめの本を1冊教えてください
『徳川家康』(山岡荘八著)、
全26巻の大作です。
天下統一を成したリーダーに、リーダーシップを学ぶ、という思いで読み始めたのですが、これがものすごくおもしろい。僕がはまって読んでいるうちに、中学1年生になる長男も興味をもってくれて、今では長男も、「めっちゃおもしろいーーー」と言って、読みあさっています。
・部下や民衆の声、そして声なき声にも耳を傾ける。
・おごらない。質素倹約。
・堪忍。待つ。許す。
これが、乱れた天下を統一し、その後260年もの平和をもたらしたリーダーの姿です。現代の経営者、リーダーにも、ぜひ読んでほしい1冊、というか、26冊です。世界一長い小説だそうですが、びっくりするくらいサクサク読み進みます。うちの長男、1冊500ページもある本を、3日くらいで読んでるんじゃないかな。中学生でも読めるくらいだから、歴史に興味ない人でも絶対に読めます。3巻・桶狭間まで読んだら、必ずハマる。心より、オススメします。
オススメの一冊はこちら!
徳川家康(1) 出世乱離の巻 山岡 荘八 (著) https://www.amazon.co.jp/dp/4061950231/
竹千代(家康)が生まれた年、信玄は22歳、謙信は13歳、信長は9歳であった。動乱期の英傑が天下制覇の夢を抱くさなかの誕生。それは弱小松平党にとっては希望の星であった──剛毅と智謀を兼ね備えて泰平の世を拓いた家康の生涯を描いて、現代人の心に永遠の感動を刻む世紀の大河ドラマ発端篇! |
投稿者プロフィール
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新入社員を含めたフレッシュなメンバーを中心に、出版サポートの傍らインタビューを行っております!
就活生に近い目線を持ちつつ様々な業種の方との交流を活かし、「社長に聞きたい」ポイントを深掘りしていきます。
代表者様のキャリアを通して、組織の魅力が伝わる記事を発信していけるよう、これからも一生懸命運営してまいります!
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