今回は、株式会社JESTO代表取締役 齊藤永聖氏にインタビューさせて頂きました。斎藤氏は自社メディアの運営から、Webデザインや紙媒体の制作まで幅広く手掛けています。
ピンチをチャンスにするとらえ方などをお話して頂きました。社長の履歴書だけの特別なインタビューをぜひご覧ください!
株式会社JESTO 会社概要
会社名称 | 株式会社JESTO |
代表者 | 代表取締役 齊藤 永聖氏 |
設立 | 2010年4月1日 |
主な事業 | ブランディングデザイン事業
飲食事業 メディアポータル事業 インキュベーション事業 |
社員数 | 5名 |
会社HP | http://www.jesto.co.jp/ |
現在の事業内容について
2010年の会社設立当初は、Webメディア系で二つの事業、そしてデザイン事業、合わせて3つの事業が中心でした。二つの事業のうち、一つは『比較サイト』や『アフィリエイト広告モデル』、もう一つは『日本の文化を海外に発信していくサイトの運営』でした。創業当時はWebメディア、デザイン、半々くらいの割合でやっていましたが、今はデザインのお仕事が中心となっています。
事業内容としては主に、ブランディングデザインという領域のお仕事を全般に引き受けさせていただいてます。その中で、ロゴや名刺、ホームページのデザインをしたり、写真撮影や動画制作など企業がブランディングにおいて必要なお仕事だったり、ここ最近は空間のデザインやアートディレクションなど大きな仕事を任されることが多くなってきました。お客様としては会社の規模や業種にかかわらず、個人様から上場企業、政府系まで本当に多岐に渡ります。その中でも、自分たちでレストランなどを運営していることもあるのですが、国内外問わず、レストランや飲食店様から色々なお仕事をいただいてます。
具体的にはどのような案件があるのでしょうか?
例を挙げますとここ4〜5年、日本のシェフが海外に出て行きたいという話があったんですね。アジアの中で50のレストランを選んで順位づけしていくというイベント(Asia’s 50 Best Restaurants)があり、その時にいろいろと、一緒にお仕事をさせてもらいました。具体的には現地のレストランに一緒に食べに行って、その場でイベントの交渉など。実際にイベントになると、その前から、コーディネートやイベントでは一緒に同行して、通訳、撮影、料理のお手伝いなど色々な経験をさせていただきました。
そうやって少しずつイベントなどをやっていくことにより、メディアやTVに出ると、海外のお客様も増えるので、じゃあホームページを新しくしたり料理の写真を撮りたいとか、そういう話が出てきて。そういう経緯でレストランの仕事は1/3程度を占めていますね。日本とか海外とか拘らず、どこからの依頼にも対応しています。
起業されてからの変化いかがでしょうか?
特に感じるのは共に働く【人】ですね。時代に合わせて会社で働くスタッフの規模や環境は臨機応変です。インターンに積極的だった頃もありましたが、引き受け始めた創業当時は、そのインターンがアメリカで当たり前になってきた頃でした。その頃の学生は意欲やモチベーションが高くて、インターンからアルバイトや正社員になった人も多かったです。
2015年くらいから、『インターン』=『就活の一環』という時代の流れになってきたため、お互いの期待していることや求めていることに差がでてきたため、インターンについては最近は一旦ストップしているのが現状です。
後はコロナ禍を経て、オフィスも完全に無くしてしまいました。
デザイナーなどの仕事はパソコン一台あればどこでもできるので、各自好きな環境でやってもらっています。設立当初からいろいろ変わったこともありますが、仕事の本質や、意識してやっていることは、そんなに変わっていないと思います。
起業するきっかけは何だったのでしょうか?
自分で会社を持ちたいと思っていたのは、小学生とかそのくらいの小さな頃から。父や母方の父、…おじいちゃんですね。みんな会社を持っているので、起業するのが当たり前だと。ぼんやりと思っていた感じです。だから特別な準備をしたとかはなくて、みんなと変わらない学生生活を送っていましたね。
学生時代についてはいかがでしょうか?
国外へは学生の時から度々訪れていました。高1のとき、中学校時代の友人がイギリスに留学していたんです。その同級生に会いにイギリスへ1ヶ月間サマーキャンプへ行ったときにカルチャーショックを受け、その時すぐに「長期で行きたい!」と思ったんですが、年間1000万位かかるので無理だと諦めました…。
その後大学の時に1年、カナダに留学しました。色々な国からのたくさんの留学生と交流もしましたし、旅行もたくさんしました。様々な文化に触れたり体験をして、いかに日本が恵まれていることを再認識させられました。そこから「日本の文化を海外へ発信して行きたいな」という思いが生まれたと思います。
海外へ行った経験は現在のデザインの仕事でも常にリンクしていると感じます。
例えば「フランスだといまこういう色の組み合わせが流行っているのか」とか。国をまたぐことで起こる様々な出会いや経験がデザインに良い意味で影響をあたえてくれたともいえます。そのため、海外や地方へ行く時には、その国らしさや風土が感じられるホテルを選んだりとかして、発見を大事にしています。そのように経験や記憶が生かされることは、自分自身の持つ引き出しの多さになります。
その後、社会人時代はどのようにすごされましたか?
就職活動の時期、最初は電通や博報堂といった大手の広告代理店を見ていました。漠然と、広告に対して「良いイメージ」を持っていたからです。そんな中、注目のベンチャー企業だったサイバーエージェントを受けたんですね。そこで藤田社長が、「これからはネットの時代だ」とアツく語ったことに共感し、そこからネットのベンチャー系に完全にシフトしました。「面白そうだな」と思って最初に就職した会社の社長は、「3年以内に社長を30人作って、全員を世界に送り出したい」というような目標を掲げていました。海外に焦点を当てていたところも、選んだポイントでしたね。
起業して良かったことをお聞かせください
本当にありがたいことに色々な経験をさせていただいているということです。やったことないことも依頼されたり、本当にうちでいいのかな?と少し不安になることもしばしばあります。
個人として会社に所属する立場だったら、経験できることは限られていたと思います。もちろん、職人さんのように一つのことに磨きをかけてその精度を高めていくのも仕事の魅力の一つだと思います。グラフィックデザイナーには写真撮影なんて仕事はこないので…。でもうちは、そういう意味では、グラフィックデザイナーが撮影もします。クライアントとしては、同じ会社に全て任せることができるので、方向性でブレのないものを作ってもらえるという安心感につながっていると考えてます。
起業後、特に苦労したエピソードを教えてください
準備はしていたんですが、最初の2年は自分の給料は取れていませんでした。創業して3年目くらいで個人も会社も貯金がなくなった時はきつかったですね。でも何かをしたわけじゃないんですが、そんな状態から徐々に仕事が入ってきて、お金の面はなんとかなりましたね。
あとはコロナの時ですね。一時的にパツンと仕事が無くなりました。本来なら毎年継続する案件が、更新無しで売り上げゼロ、ということが起こりました。でも渦中は売り上げがないが、何とかなるだろうという気持ちではいました。
うちに限って言えば、コロナの時は逆に「チャンスだな」と。デザインの勉強をしなおしたり、ロゴの提案の資料の仕方を作り直したりなど、普段できないような作業をしました。立ち止まる時間だったからこそ、自分たちを磨く時間ができたと思います。ピンチだったけど、チャンスに変えた感じですね。ずっと進んでいると、現状維持のままだったり、伸ばさなきゃいけないところが見えなくなるところってあるじゃないですか。そのサイクルが3年に1回くらいと思っていて、ちょうどコロナがその時期で、色々な見直しの良いきっかけになったと思います。
これから起業しようとしている人にアドバイスを頂けないでしょうか?
「自分の可能性を自分で狭めてほしくないな」とは思っています。断ることは簡単だけど、出来そうにないと思えることも、どうしたら出来るんだろう、から入っていけばアプローチできる可能性はありますよね。何でも「やってみること」が大事ですね。小さい階段を登っていくことで、次のステップに進めることが必ずあります。何をやるかよりも、みんなで同じ方向を向いて進めていけるか、価値観が共有できるかのほうが重要だと思います。
この先10年のキャリアプランや目標があれば教えてください
最近目標を作るの辞めちゃったんですよね…。会社を作ってしばらくの頃はいろいろと目標を立てていたけど、絶対その通りにいかないので。時代に即して変わっていかないと、と思います。
10年というスパンでのプランだったら、「若い人を育てていかなきゃ」というところでしょうか。個人的には、年齢を重ねるとデザインの感覚は鈍っていくと思うので…。いろんな世代に受け入れていただけるデザインを作れるような人材を育成しないと、という考えはあります。それから、ちょっとずつでも大きい仕事をやってみたいと思います。例えば都市計画デザインとか。都市風景、植栽や道路計画も含めて、大きい都市計画だけど、小さい道路標識やサインの細部までデザイン出来たら楽しそうだなと思うので、いつかはやってみたいですね。
おすすめの本はありますか?
●入社1年目の教科書
1冊目の理由は、社会人1年目向けの本となっていますが、社会人としても経営者としても重要なこと、大切なことがこの一冊に詰まっていると思います。初心忘れるべからずといったところでしょうか。慢心せずに何度でも見直して、襟を正す意味でも内容や読みやすさを考えても素晴らしいです。
入社1年目の教科書 岩瀬 大輔 (著) https://www.amazon.co.jp/gp/product/4478015422/ 新入社員が仕事を進める上で大切な「仕事の3つの原則」と具体的な50の行動指針を1冊に凝縮! 仕事の原則1「頼まれたことは、必ずやりきる」 仕事の原則2「50点で構わないから早く出せ」 仕事の原則3「つまらない仕事はない」 ビジネスパーソンとしての第一歩を踏み出すための心構えは、ベテラン社員でも実践できていないものが多く、新社会人をはじめ、後輩・部下を指導する人、転職・異動1年目の人、仕事の取り組み方を見直したい人まで、幅広い層に支持されている。 |
●「売る」から、「売れる」へ。 水野学のブランディングデザイン講義
2冊目は一応ブランディングやデザインの領域で仕事をさせていただいているので、その分野でのおすすめの本です。とても読みやすく、わかりやすい初歩的な1冊です。経営者においてもデザインは自分で手を動かさないにしてもなぜデザインやブランディングが経営やサービスにおいて大切を知るにはよいと思います。
「売る」から、「売れる」へ。 水野学のブランディングデザイン講義 水野 学 (著) https://www.amazon.co.jp/gp/product/4416115156/ いまの時代に、どうすれば「長く売れつづける」のか──。 あらゆるビジネスパーソンが抱えるこの課題をデザイン視点から解決する、 慶應義塾大学の名物講義「ブランディングデザイン」がついに書籍化。「中川政七商店」「茅乃舎」「東京ミッドタウン」「相鉄」などで コンサルタントとしても活躍するクリエイティブディレクターの水野学が、 ビジネスや経営における「デザインの正しい使い方」を わかりやすく解説した1冊です。 |
投稿者プロフィール
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新入社員を含めたフレッシュなメンバーを中心に、出版サポートの傍らインタビューを行っております!
就活生に近い目線を持ちつつ様々な業種の方との交流を活かし、「社長に聞きたい」ポイントを深掘りしていきます。
代表者様のキャリアを通して、組織の魅力が伝わる記事を発信していけるよう、これからも一生懸命運営してまいります!
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