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株式会社million代表取締役社長 清水貴之氏

今回は、株式会社millionの代表取締役社長である清水貴之氏にお話をうかがいました。

 

株式会社million 会社概要

会社名称 株式会社million
代表者 代表取締役 清水貴之(しみず たかゆき)
設立 2017年1月
主な事業内容 1. 飲食店の経営
2. 飲食店のコンサルティング事業
3. EC販売および企画開発製造事業
4. キッチンカーの経営
5. 食品(冷凍・調理商品等)の企画開発製造
6. 人材教育・セミナー事業
7. スペースレンタル事業
8. 電子商取引による商品販売
9. 販売代理店事業
社員数 50名(アルバイト含:取材当時)
会社所在地(本社) 〒107-0062
東京都港区南青山2丁目11番地14号 青山コシビル3F
会社HP https://www.million.ne.jp/

 

 

まずは、起業をするまでの清水様のご経歴を教えてください。

 

大学卒業後、丸亀製麺などを運営するトリドールホールディングスに入社しました。丸亀製麺は、今でこそ全国で一番店舗数の多いうどん屋さんですが、当時はまだ数店舗しかなく、お店を増やしていこうという時期でした。多いときには3日に1店舗増えているような環境下で、会社も非上場からマザーズ、東証一部と成長し、会社の成長と共に、自身も成長し、最年少マネージャーや幹部という役職に就き、26歳のときに、海外子会社である韓国の社長を任せていただきました。その後は、トリドールホールディングスが買収したファストフードの運営会社に出向となり、日本法人の代表として、アメリカやスペインなど海外18か国の管理業務を担当しました。

29歳のときに帰国して、別の会社のCOOを務めながら、今の会社の前身となる合同会社を立ち上げた後、2017年に設立したのが株式会社millionです。

 

起業にあたって、海外でのご経験は大きなきっかけとなりましたか?

 

そうですね。もともと、起業の意思はありましたが、韓国の社長として丸亀製麺の韓国進出を一人で執り行う経験を積んで、経営の楽しさを知ったことは大きなきっかけでした。海外子会社ではありましたが、完全に一人で海外に行っていたので、組織の中の会社を経営しているというよりも、一人でベンチャー企業を経営している感覚に近かったんです。プレッシャーも含め、責任を持って取り組むことの面白さを感じたので、起業しようと思うに至りました。

 

それから、日本と海外の仕事への価値観の違いにも影響を受けたと思います。海外の方は仕事の目的意識がはっきりしているので、仕事を楽しむ人や積極的に取り組む姿勢が強い人が多かった反面、帰国後、久しぶりに品川駅のスターバックスで出勤する人たちを眺めていたとき、携帯を片手に同じ方向に向かって行きたくなさそうに歩く日本人の姿が、皆同じに見えたんです。飲み会で上司や仕事への愚痴をこぼす様子も珍しくないと思います。

僕は、人生の8割は仕事だと思っているので、そういう光景を見て、日本人は人生の8割をやりたくないことに費やしているように感じたんです。それを変えたいと言うと大袈裟ですが、仕事の時間が一番楽しくないと嫌なので、ワクワクしながら仕事ができる組織を作りたいと思ったこともきっかけの一つです。

 

株式会社millionの事業内容をお聞かせください。

 

主事業というより根幹事業はコンサルティング事業です。飲食の経験を元にしたノウハウの提供はもちろん、『イメージをカタチに、ワクワクをビジネスに』という経営理念の下、お客様のイメージや挑戦したいことを実務化し、利益が出るビジネスとして成立するようにサポートしています。コンサルティングとコンシェルジュの両面を併せ持ち、共に実施するという意味で、弊社ではこれを「withコンサポ」と呼んでいます。

 

それから、実際に自社でも飲食関連の事業を行っています。僕自身、飲食が好きですし、何より他社様のコンサルを担う上で、弊社のメンバーが社内で実務を経験することは必須だと考えています。僕は、トリドールで洗い場から経営までを幅広く経験させてもらった結果、今があると思っているので、現場に入らずにノウハウだけを提供することは一切ありません。特に、弊社の「withコンサポ」はノウハウの提供だけではなく、お客様側に入り込んで一緒に作り上げる実務型のコンサルなので、まずは自社の店舗を運営したり、店長として経験を積んだりしてもらっています。

ですので、自社でもサンドイッチカフェの運営や、フードトラックの出店、EC販売用の食品や冷凍食品の開発・製造、ゴーストキッチンの運営など、食に関わる新しい取り組みを展開しています。社内の取り組みを拡大することは社員育成にも繋がりますし、サポートのレベルアップにもなると考えています。

 

お客様からのご依頼は、どのような経路が多いですか?

 

起業したての頃は、前職の知り合いからの受注や、一度依頼を受けたお客様からのご紹介が多かったんですが、最近はホームページへの直接のお問い合わせや、掲載していただいたメディアをご覧になってのご連絡も増えてきました。個人事業主の方から、中小企業や大手企業まで、幅広くご依頼いただいています。

また、お客様の特徴としては、4割ほどが飲食店以外の異業種の企業様だということです。僕が、飲食業界の中に留まっていてはなかなか会えないような方々とも海外での経験を通じて交流を持った関係で、IT企業や公共関係、建築、不動産などの方々ともお仕事させていただいています。異業種の企業様から、新たに飲食事業に進出したいというご相談を受けることもありますし、飲食と関係ない業務のパッケージ化などのお仕事もさせていただいているので、お客様の層はかなり広いです。

 

今までに苦労されたご経験があれば教えてください。

 

大きく3つあるんですが、1つはトリドールを韓国で立ち上げたときですね。会社の設立をはじめ、日本でも経験しなかった物件探しや、税理士さんとの打ち合わせなどを、誰かから教わることも指示されることもなく、言葉が通じない国で進めることには苦労しました。

 

それから、起業してから2~3年目の頃に、コンサルティングと飲食店運営のバランスを取るにあたって壁にぶつかりました。コンサルティング事業だけを進めるのではなく、依頼を受けるなら自社でも店舗を運営する必要があると思い、実際に運営を始めた時期だったので、店舗運営の比重が大きくなってコンサルの案件が止まってしまったり、営業活動ができなくなったりしたんです。財務面でも、コンサルだと月締め翌月末払いですが、店舗なら毎日売り上げがあるので、キャッシュフローは安定するけど利益が出ない状況になり、方向性を決める際に幹部のメンバーとぶつかることもありました。

でも、厳しくても諦めなかったことで、なんとか乗り越えられました。よくある話かもしれませんが、厳しいときこそ、気付けば普段以上に営業活動をしていたり、新規のアポイントを取って足を運んだりしていたんです。その結果、月末に大口の案件が入ってきて全ての帳尻が合ったり、海外から4件ぐらい一気に依頼が来て、むしろ忙しくさせてもらえたりしたこともありましたね。

 

そして、最後は、やはりコロナウィルスの影響です。飲食に限らず全ての方が影響を受けたので言うまでもないですが、移動制限による国内はもちろん海外案件の失注や、運営店舗の方針転換、体制全般の見直しも必要となり、本当に頭も体もフル回転させた時期だったと思います。もちろん、今も影響が完全に消えたわけではないですが、この経験は自分自身も仲間も強くさせたことは言うまでもないと思います。

 

普段は、社員の皆さんとどのように接していらっしゃいますか?

 

そうですね。社員からもよく言われるんですが、僕は社長っぽくない社長なので、距離が近いかなと思います。社長とメンバーは役割が違うだけで、上下関係は特に考えてないので、同列の立場でいるつもりです。お客さんのためになることを考えたり、自分たちが仕事を楽しんだりすることを目的に集まっているメンバーなので、方向性さえ同じであれば良いと思っています。家族だとか大袈裟なことは言えませんが、仲間としてフラットな関係でありたいですね。

 

株式会社millionにおける現在の課題がございましたら教えてください。

 

課題は人財ですかね。この先、より多くのイメージを形にしていきたいので、そのために少しずつ人財を増やし、案件を増やしていきたいと思っています。ただ、そのイメージに合うような、一緒にやりたいと思える人に出会うのは簡単なことじゃないですし、むしろ簡単には出会いたくないとも思っているんです。それに、能力があるから採用というわけでもなくて、同じ想いを持って一緒にワクワクできそうか、という点を重視しています。採用基準の項目を作って、面接シートに落とし込んではいるんですけど、割と最終的には気持ちの面で決めてしまっているので、全然採用に至らないんです(笑)。でも、人を増やして会社を大きくすることが目的ではなく、人生の8割を楽しみながら、お金を増やして生活を豊かにすることが目的なので、それに共感してくれる人と一緒に仕事がしたいです。その結果として、仲間が増えて、仕事が増えて、会社が大きくなれば良いなという感じですね。

 

未来の展望や、今後叶えていきたい夢がございましたら教えてください。

 

『イメージをカタチに、ワクワクをビジネスに』というテーマは、創業当時から今でも変わっていないので、それを更に拡大していきたいという気持ちでいます。元々そういうつもりで決めたわけではないんですが、社名のmillionの通り、数多くの人たちとワクワクすることを作っていきたいですね。そして、僕らはそのために、最終的にはプラットフォームになっていきたいと思っています。様々な方と話す中で、思い描くイメージがあっても、それを実現できずにいる人たちがたくさんいるということを知りました。帰国した頃は日本に対して残念な印象も受けましたが、お金やアイディアが埋もれてしまっているだけで、やりたいことを秘めている人は日本にもたくさんいると知り、プラットフォーム化することで、より多くの方々と一緒に、イメージを形にしやすい仕組みを作っていけたら、もっと楽しくなるんじゃないかなと思っています。

 

最後に、御社のPRをお願いいたします。

 

楽しく仕事がしたい方は、ぜひ一緒にやっていけたらと思います。居心地の良い雰囲気ではあるものの、逆にベースはしっかりと、仕事に対してはプロフェッショナルとして働いているのが弊社の特徴です。それから、大企業と比べても遜色ないぐらい、経営理念の意味合いや想い、行動基準などがメンバーに浸透しているんじゃないかと思います。雇用に限らず、副業やパートナーでも構いませんし、これまでの基本や当たり前ではなく、これからを一緒に創っていくことに興味があれば、是非一緒にワクワクしましょう!

 

 

清水さんが経営者におすすめする本を教えていただきました!

『金持ち父さん貧乏父さん』 ロバート キヨサキ(著)、シャロン・レクター(公認会計士)(著)、白根美保子(翻訳)

パーソナルファイナンス専門の作家で大学講師でもあるロバート・キヨサキが、全く違うタイプである2人の人物の影響を受けて構築した、ユニークな経済論を展開している。1人は高学歴なのに収入が不安定な彼自身の父親、そしてもう1人は親友の父親で、13才のとき学校を中退した億万長者である。彼の「貧乏人のパパ」は一生のあいだ金銭問題に悩まされ、ついには家庭生活崩壊の憂き目をみる。一方、「お金持ちのパパ」はそれとは全く対照的な人生を謳歌することとなる。この教訓を肝に銘じていた筆者は、47才で仕事をリタイアすることができた。コンサルタント兼公認会計士のシャロン L. レクターとの共著である本書では、彼とお金との関わりあいを支えてきた哲学が披露されている。

筆者の言い分が延々と続くのにはうんざりさせられるが、それでもなお、学校教育では絶対教えてくれない「経済面でのリテラシー」の必要性を主張する本書は説得力がある。変わりばえのしない仕事を極めることよりも、収入を元手に資産を賢く殖やすことの方が、最終的には必ず人生に富をもたらすという主義に基づき、仕事に見切りをつけるための資産を得るにはどうしたらよいかを教えてくれる。

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投稿者プロフィール

『社長の履歴書』編集部
『社長の履歴書』編集部
新入社員を含めたフレッシュなメンバーを中心に、出版サポートの傍らインタビューを行っております!

就活生に近い目線を持ちつつ様々な業種の方との交流を活かし、「社長に聞きたい」ポイントを深掘りしていきます。

代表者様のキャリアを通して、組織の魅力が伝わる記事を発信していけるよう、これからも一生懸命運営してまいります!