注目キーワード
  1. 創業
  2. 二代目
  3. 社員
  4. 病気
  5. お金

日本創倫株式会社 山本秀樹氏

今回は、日本創倫株式会社、山本秀樹氏にお話を伺ってきました。

 

超高齢化社会に突入した日本において、シニアの方々に楽しみながら働ける場所を提供するという貴重な事業を運営しておられます。

 

「社長の履歴書」だけの特別なインタビューです。ぜひご覧ください!

 

日本創倫株式会社 会社概要

会社名称 日本創倫株式会社
代表者 代表取締役 山本秀樹(やまもと ひでき)
設立 2014年2月
主な事業 ・オフィサー事業
(代理店監査およびWeb監査、代理店サポート倶楽部運営、ホームページ検証など)

・登録鑑定人創出支援事業
(登録鑑定人資格取得のためのeラーニング研修など)

・教育研修事業
(講師・オフィサーによる講演・セミナー、研修など)

社員数 13名(取材時)
会社所在地 〒140-0001 東京都品川区北品川1丁目12-9
テラス品川201
会社HP https://nippon-sourin.co.jp/

 

 

まずは、山本さんのご経歴と日本創倫株式会社を立ち上げるまでの経緯を教えてください。

 

私は東京海洋大学(旧東京商船大学)を卒業しました。

 

東京商船大学というのは船乗りを輩出している学校です。夢を持って大学に入ったんですけど、現実は運行要員ですからロマンがないなと思ったんです。そういうわけで船乗りになるのはやめて、船の知識が活きる分野である損害保険会社に就職しようと考えました。

 

1981年10月に損保ジャパン株式会社の前身の日産火災海上保険に入社して、21年間勤務しました。

 

2002年7月1日に安田火災海上保険と日産火災海上保険が合併しました。同時に損保ジャパンの関連生保会社、今のSOMPOひまわり生命保険株式会社というグループ会社に出向になりました。そこで11年勤務しました。

ひまわり生命での最後2年は、保険代理店の業務監査を実施し、課題の発見、業務改善指導を行なっていました。保険コンプライアンス・オフィサー(ICオフィサー)という資格を持った人たちが点検業務をするんですけど、年間100社の代理店を実際に検査しました。これが日本創倫株式会社の前身のような仕事になっています。

 

その後、55歳で役職定年があるので早期退職しました。1年間、ハローワークに行って監査業務のような仕事を探したのですが、当時はそういう会社がありませんでした。

 

そして、2014年1月16日に、金融庁から一つの通達が出されたんです。保険代理店が募集する人を募集人と言いますが、委託経由で募集してはいけないというものでした。委託して歩合制で給料を渡すというやり方がお客さんのためにならないという理由でした。

その数カ月前、同僚が「今のオフィサーの仕事が事業にならないかな?」と言ってきたんです。それがきっかけで「じゃあ、事業プランを書いてみようか」ということで事業計画を作ってみました。

そのタイミングで1月に行政の通達が出たものですから2014年の2月4日に起業することになりました。

 

起業を決意したのはどんな思いからでしょうか?

 

32年も保険会社にいたものですから、恩返ししたいという気持ちもあるわけです。若い人ではなかなかできない仕事というのもありますし、せっかくキャリアや知見、知識を持っていて、まだまだ健康なのにそれを使わないのはもったいないですよね。

今当社の平均の年齢が65歳なんです。ある面では定年後の再就職会社と言えるかもしれません。

 

よく代理店さんに「日本創倫株式会社をつくるために辞めたんですか?」と聞かれることがあります。でも、決してそうではないんです。

ある面での隙間産業というか、代理店指導というのは、もともとは保険会社の社員がする仕事なんです。それが十分できていないと言いますか、できない環境にあるので、当社で代理店サポート倶楽部という会員制組織をつくって支援やサポートをすることにしたんです。

 

改めて日本創倫株式会社の事業内容、サービスの特徴を教えていただけますか?

 

三つ大きな事業部門があります。

 

一つ目がオフィサー事業部です。これが当社のメイン事業です。保険会社や保険代理店へのさまざまな支援、社員の教育研修、講演セミナーをしています。

代理店の資質向上のために、本部と全国47の都道府県損害保険代理業協会により構成されている日本代協(一般社団法人日本損害保険代理業協会)という団体があります。当社はそこのアドバイザーをしています。

ですから、日本代協の会員さんがいるところからもセミナーの講演依頼、それから個別の代理店さんが登録会員制の会員契約による監査や指導を受けるというコンサルティング業務をオフィサー事業部がメインで行っています。

 

それ以外にWebを介しての点検監査もしています。

訪問型の監査が約130社、Webでの監査が約80社、合計約210社の監査業務を全国の保険代理店で行っています。

それから保険代理店のホームページのコンプライアンス検証をしています。代理店さんが気付かないコンプライアンスチェックをするという業務です。これが約380社になります。

 

二つ目が教育研修事業部です。セミナー事業、社員研修、あとは研修教材・テキストがここに関係しています。

今年の4月に改定された個人情報保護法という法律がありますが、個人情報の取り扱いや管理を代理店の社員が理解していないことが多く、それで監査のたびに毎回同じような指摘をしていました。

 

それを解決するためにQ&Aテキストをつくって、皆さんにまず読んでもらうことにしました。内容は通常業務でしている質問、それに対する回答、法令根拠を載せたものです。一答一問のQ&Aのかたちで冊子にまとめました。

タイトルは「個人情報取扱・管理Q&A」(1595円、税込)で、新日本保険新聞社から発行しました。今年の4月に法改定があったので、改訂箇所はWeb版で出そうかなと考えています。

 

あとはメルマガですね。無料メルマガと会員向けメルマガの2種類があります。月の第1、第3の週が無料メルマガ、第2、第4の週が会員向けメルマガの発行になっています。無料メルマガは、どなたでもホームページから申し込むことができます。

それ以外は、毎月第4月曜日に出る新日本保険新聞にコーナーを持っていたり、週刊メルマガのインスオッチという会社から頼まれて月1回執筆をしたりしています。

 

三つ目が登録鑑定人創出支援事業部です。資格を取るための支援をする事業になります。

登録鑑定人とは何かと言うと、地震、台風という自然災害で家が壊れたり、津波で家が流されたりすると、保険会社は損害の確認をしないといけないんです。

一般社団法人日本損害保険協会がそういう鑑定人の資格試験をしています。ただし試験のみで、講習やテキストもないのが現状です。

 

そこで、せめて資格を取るために試験対策のサポートができればと思って事業を始めました。それで仕事ができるとは思いませんが、まずはライセンスを取るための試験対策としてeラーニングをやっています。

 

起業に関する苦労話を教えていただけますか?

 

創業のときの苦労話です。

 

2014年2月に創業して仕事を始めましたが、第一期は売上が34万しかなかったんです。当時、私と今の専務と女性社員1名の3名でスタートしました。どうにかして収入を上げないと給料が払えない状態でした。

 

どうやってそれを乗り越えられましたか?

 

一つのきっかけは、当社で今、相談役をしていただいている、損害保険業界では著名な栗山泰史さんとの出会いでした。当社のホームページにも講師として載せていますが、一般社団法人日本損害保険協会の常務理事をしていた方です。

その栗山さんから「ジョイントのセミナーができないか」と声を掛けてもらい、それが大きなきっかけで認知されるようになったんです。

 

もう一つは、日本代協のアドバイザーとしての推薦を受けたことです。これも栗山さんから支援をしてもらいました。そこから全国でセミナーの講師を依頼されたり、日本代協の16,000社の会員代理店に向けてワンポイントレッスンという情報発信をしたり、徐々に認知が広がっていきました。

ですから、会社が続けられているのは多くの関係者の皆さんの支えのおかげだと思っています。

 

今現在の日本創倫株式会社の課題は何でしょうか?

 

代理店や保険会社からいろいろな業務委託やオファーはあるのですが、それに対応するオフィサーという要員を揃えることができるかで、いわゆる需要と供給のバランスをどう取っていくかということだと思います。

仕事があっても、それをできる人がいなければ駄目だし、できる人がいても仕事がなければ駄目だしという、ここがまさに経営の舵取りだと思います。

 

まずは、キャリアのあるベテランの知識と資格を持った人材を採用することと、採用に見合った受託量・業務量を確保することが一番の課題でしょうか。

 

最後に御社の未来の展望や夢を教えてください。

 

今の保険業界において当社はなくてはならない会社の一つになってきたと感じています。そのためにはしっかり事業承継をしていかないといけないと思っています。

 

絶えず、高年齢のキャリアを持つ要員で業務運営をしているため、今後もシニアの方を採用し続けないといけないという課題があります。ただ、そういうシニアの方たちが健康であり、働ける間は仕事をしていただくというのが当社の方針でもあります。シニアの方が年相応の仕事をすることができる会社というのが理想です。

 

ただ、ご本人とその方を支える配偶者が病気になると仕事を続けるのが難しくなるというシニア年齢でもあります。そのために毎年の健康診断、特にパソコンを使うので、眼科に行って目の検査をするなど、健康維持に対する会社の援助も大切だと思っています。

 

そういうシニアの年齢層であっても、少しでも世の中の役に立ちつつ収入も得られ、いろいろな地域の人にも出会い、シニアになっても健康で楽しみながら仕事ができる会社を目指していきたいと思っています。

 

 

山本さんが経営者におすすめする本を教えていただきました!

『人を動かす 文庫版』 D・カーネギー(著)、山口 博(翻訳)

あらゆる自己啓発書の原点となったデール・カーネギー不朽の名著。

 

人が生きていく上で身につけるべき人間関係の原則を、長年にわたり丹念に集めた実話と、実践で磨き上げた事例を交え説得力豊かに説き起こす。

 

深い人間洞察とヒューマニズムを根底に据え、人に好かれて人の心を突き動かすための行動と自己変革を促す感動の書。

Amazon URL:https://amzn.to/3O88T7K

 

 

投稿者プロフィール

『社長の履歴書』編集部
『社長の履歴書』編集部
新入社員を含めたフレッシュなメンバーを中心に、出版サポートの傍らインタビューを行っております!

就活生に近い目線を持ちつつ様々な業種の方との交流を活かし、「社長に聞きたい」ポイントを深掘りしていきます。

代表者様のキャリアを通して、組織の魅力が伝わる記事を発信していけるよう、これからも一生懸命運営してまいります!