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株式会社パパスマイル代表 永田哲也氏

今回は株式会社パパスマイル代表、永田哲也氏にお話を伺ってきました。

「社長の履歴書」だけの特別なインタビューです。

ぜひご覧ください!

 

会社名称 株式会社パパスマイル
代表者 永田哲也
設立 2016年11月
主な事業 1. 男性向け育児支援情報の提供

2. 育児関連メディアの企画制作運営

3. 企業内保育に関する設置運営等各種コンサルティング業務、託児所、保育所、レンタルスペース及び飲食店の企画、設置及び運営

4. インターネットによる広告、宣伝、マーケティングリサーチに関する業務及び代行業務

5. インターネット、カタログによる通信販売及びその他通信網を利用する情報提供ならびに処理業務

6. 各種アプリケーション各種書籍及び雑誌の企画、制作、販売及び運営

7. 子育てに関する各種イベント、商品の企画、制作、運営及び管理

8. 子育て及びIT活用をはじめとるする各種コンサルティング業務

9. 前各号に付随関連する一切の事業

社員数 4名(役員およびパートタイマー)(取材時)
会社所在地 東京都千代田区平河町1-6-15 USビル 8F
会社HP https://babytech.jp

 

会社の事業内容を教えてください

BabyTechというBaby(赤ちゃん)とTech(テクノロジー)を組み合わせた新しい分野のテクノロジー普及に関する仕事が中心です。BabyTech.jpというメディアの運営、BabyTech Award  Japanというコンテストの開催や企業のベビー用品のコンサルタント、海外のBabyTech企業が日本に参入する際のPR活動支援を行っています。

 

学生時代に熱中していたことはありますか?

私は中高一貫校の進学校に通っていました。ぬるま湯に浸かったような生活で、趣味は漫画を描くことでした。大学に入ってからも漫画は継続しようかと思っていましたが、アルバイトに多くの時間を費やしました。当時バトルテックというロボット同士を対戦させるゲームが流行っていて、そこの店員として勤務していました。バトルテックは金額が高いゲームだったので、収入のある方が多く来店していたこともあり、とても面白い環境でした。父親の影響で法学部に入学しましたが、趣向としてはコンピューターやデジタルの方が好きだと実感しました。在学中に得意だった漫画を活かしてゲームの攻略本の挿絵を書く仕事もしていました。しかし絵が上手いわけではないので漫画で一生食っていけるとは一切思ってなかったですね。

 

卒業後はどちらに就職されましたか?

最初のキャリアはインターネットプロバイダでカスタマーサポートを担当しました。入社して3年経った時に会社が都内から神奈川県に引っ越すことになりました。神奈川に行くのを躊躇していたら、たまたま駅のホームで友人に会い相談すると「今勤めている出版社のカスタマーサポートで人が足りていないからうちに来ないか?」と誘われて転職することにしました。

転職後はカスタマーサポートの管理職をしながら、戦略的に情報を発信するための土台としてこの出版社が開設していなかったコーポレートウェブサイトの制作プロジェクトを推進しました。当時この会社では部署間の情報連携が希薄だったため、経営陣以外では私の見ていたカスタマーサポート部だけが会社の全商品とその内容を網羅していました。そこでカスタマーサポートのデータベースからWeb用の商品データを引っ張って膨大な取り扱い商品を検索できるウェブサイトを構築しました。ウェブサイトがあるからにはダイレクトにお客様に商品をお届けしたいと考えましたが、20年前は出版社が注文販売や直販をすることは希少で、書店様や販売店様経由でのご注文が普通の時代でした。自社でネット上に店を構え、在庫を管理しながら商品を発送するのはソフトもハードもシステム構築せねばならず新たな事業を興すレベルのコスト感になるものでした。そこで、当時の出版社としてほぼ初めてのケースとなる各商品からAmazonさんをはじめとするオンライン書店数社様への購入リンクを設置することでお客様に商品をお届けする機能を実現しました。私達出版社としては商品を購入していただく導線がつくれ、お客様は普段ご利用の慣れていてポイント等が使えるオンライン書店をお選びいただけ、オンライン書店様は購買意欲のあるお客様が訪問されるという、当時の環境では最大限の「三方良し」が作れたとおもっています。そんな事をやりながら、色々な挑戦をさせていただいていましたが私は働きすぎて鬱になってしまい退職することになりました。

1年程、フリーランスでWebデザイナーをやりながら生活していました。偶然にも博物館とか美術館をつくる会社に勤務している前出のバイト時代の友人に誘っていただいたことがきっかけで、宮城県仙台市の仙台市天文台の展示室のデジタルコンテンツのディレクションの仕事をしました。デジタルコンテンツの面白さを感じて友人と会社を設立しました。一番大きな仕事は埼玉県の大宮の鉄道博物館の新館設置と既存展示のリニューアルです。7割ほどのデジタルコンテンツを担当しました。他にも全国各地に当時の作品が残っています。

 

どのようにBabyTech業界へ転じていったのでしょうか?

2013年に私の子供が生まれました。自分の子をちゃんと育てたいという気持ちが大きくなっていました。しかし夫婦2人だけだとリソースが足りないんですよね。共働きだと時間もなければ金もない人もいないみたいな状態で、調べてみると社会的にもそのような状況の核家族のご家庭がほとんどだと知りました。そして解決策としてひとつめに父親の育児参加、つぎにデジタルに頼ることで育児の負担が減らせるのではと考えました。まず、父親の育児参加のための情報Webメディアを作ろうと起業しました。社名のパパスマイルはここからきています。しかし、父親が育児に参加をしたとしても核家族にとっては大人が一人でも病気になると立ち行かなくなってしまいます。なんらかの手助けがなければ……ということで、IT系出身の私たちは、当時スマートフォンが普及し、センサー技術も向上しており、画像診断AIなど高度な情報処理ができるようになってきたデジタルの力で少しでも育児に関わる人たちが幸せになって欲しいと考えました。そこにちょうど同じ年にアメリカのCESで提唱されたBabyTechという概念がありました。「これだ!」と思い、最初はBabyTechのことを自分たちのために蓄積しよう、調べようというところから始まったのがメディア「BabyTech.jp」です。BabyTech Award  Japanは、日本の中できちんとした基準を持った商品を評価して、親が安心して使えるものを消費者の皆さんに示す必要があると考えて始めました。BabyTech Award  Japanを立ち上げる前に、ラスベガスで行われるテクノロジーの博覧会(CES)に行き、アメリカのBabyTech Awards 主催者に「日本でもBabyTech Award を立ち上げたい」と直談判をしました。その後了承を得て、スポンサーがついたりメディアでも取り上げてもらったりしたこともあり、「BabyTech」の知名度を広げていくことができました。

 

どのように経営をされていらっしゃいますか?

現在少数精鋭で運営しています。BabyTechの言葉の普及とともに、おかげさまでよく就職活動中の大学生から入社したいという問い合わせをいただきます。今までに20人以上いらっしゃいましたが現状は全てお断りしなければならないのが苦しいですね。新卒採用は大事なカードですし、親御さんからしたら大切なお子様のキャリアです。それを弊社でお預かりし社会人として活躍していただくにはまだまだ起業として未熟なのです。働く人それぞれが、きちんと能力を発揮できる状態にするためには土壌がある程度整っていることが必要です。例えば何もない土地を開墾しようとするととても苦労しますが、ある程度筋道ができていて道具もあれば自分の能力を活かしやすいですよね。そのためには経営に近いところで地ならしをするタフな役の人が先人としてある程度整える必要があります。徐々に整備されつつありますので、今後まっさらな人材に参加していただける判断ができた際には新卒採用も進めていきたいです。

 

大変だった時期はありますか?

実際に今も会社の経済状況は厳しいです。今までも自己資金のほとんど会社に使っていますが、最近やっと会社を維持しながら、社会に対して貢献できるような状況になってきました。子供が関わる業界ですので資金についてクリーンであることが当然ですが必須で、安易な調達はしていません。やせ我慢状態ではあるのですが。子供の将来を応援している少数のステークホルダーに支援してもらいたいと思っています。

 

大変なことを乗り越えるために意識することはありますか?

展示の仕事や過去のキャリア、漫画も全てに通じますが、仕事は形にしないと終わりません。60点だろうが80点だろうがどんな点数でも与えられた条件の中で、何とか形にすることを繰り返してきました。その訓練が今の自分を作っています。

 

今後の展望教えてください

BabyTech Award のグローバル化ですね。正しく評価された優れたものを、皆さんに提供できる仕組みづくりをこれからもしていきます。自治体や行政の方とも連携することで地域の少子高齢化対策や男性育休のムーブメントを起こせると思います。BabyTech Award は毎年6月ごろからお盆の時期まで募集が行われるので、皆さんにご参加、注目していただきたいです。一緒に盛り上げていきたいので興味のある方はぜひご連絡ください。

これからもBabyTech自体のことをもっと皆さんに知っていただきたいのでイベントやPRをより強化していきたいです。NHKの報道では2021年はBabyTech元年だと言われていたのでテレビや雑誌などでもっと商品や考え方を広げていきたいです。またBabyTech用品が常時置かれている売り場をもっと作っていきたいです。

 

経営者におすすめの本があれば教えてください

劉慈欣さん著書の『三体』です。現実にない世界について書かれていると、脳がいっとき仕事を離れて想像力を掻き立てくれ、リラックスできます。この本のお話は宇宙規模の時の流れを扱っており、現実で自分たちが今やっていることは非常に一瞬であるけれど、因果があっていずれ失敗しようが成功しようが何かの形になることを架空の世界の中で思わせてくれます。

 

中国で三部作2100万部以上を突破
アジア&翻訳もの初のヒューゴー賞受賞
現代中国最大の衝撃作、ついに日本上陸
物理学者の父を文化大革命で惨殺され、人類に絶望した中国人エリート女性科学者・葉文潔(イエ・ウェンジエ)。失意の日々を過ごす彼女は、ある日、巨大パラボラアンテナを備える謎めいた軍事基地にスカウトされる。そこでは、人類の運命を左右するかもしれないプロジェクトが、極秘裏に進行していた。
数十年後。ナノテク素材の研究者・汪淼(ワン・ミャオ)は、ある会議に招集され、世界的な科学者が次々に自殺している事実を告げられる。その陰に見え隠れする学術団体〈科学フロンティア〉への潜入を引き受けた彼を、科学的にありえない怪現象〈ゴースト・カウントダウン〉が襲う。そして汪淼が入り込む、三つの太陽を持つ異星を舞台にしたVRゲーム『三体』の驚くべき真実とは。本書に始まる《三体》三部作は、本国版が合計2100万部、英訳版が100万部以上の売上を記録。翻訳書として、またアジア圏の作品として初のヒューゴー賞長篇部門に輝いた、現代中国最大のヒット作。

Amazon URL

https://www.amazon.co.jp/dp/4152098708

 

※「BabyTech/べビーテック」は株式会社パパスマイルの商標です

投稿者プロフィール

『社長の履歴書』編集部
『社長の履歴書』編集部
新入社員を含めたフレッシュなメンバーを中心に、出版サポートの傍らインタビューを行っております!

就活生に近い目線を持ちつつ様々な業種の方との交流を活かし、「社長に聞きたい」ポイントを深掘りしていきます。

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