今回は株式会社Helpfeel代表、洛西 一周氏にお話を伺ってきました。
「社長の履歴書」だけの特別なインタビューです。
ぜひご覧ください!
会社名称 | 株式会社Helpfeel |
代表者 | 洛西 一周 |
設立 | 2007年 |
主な事業 | 知識を届けるエンタープライズサーチ「Helpfeel」の開発運用 (https://helpfeel.com)
知識を磨き上げるアイディエーションツール「Scrapbox」の開発運用 (https://scrapbox.io) 情報を知識にするメディアキャプチャー「Gyazo」の開発運用 (https://gyazo.com) |
社員数 | 122名(取材時) |
会社所在地 | 京都オフィス – 〒602-0023 京都府京都市上京区御所八幡町110-16 かわもとビル5階
東京オフィス – 〒105-7108 東京都港区東新橋1-5-2 汐留シティセンター5階 |
会社HP | https://corp.helpfeel.com/ |
事業内容を教えてください
当社は主に自己解決を促し、カスタマーサポートを支援する検索SaaSを提供しています。
世界初の独自アルゴリズム「意図予測検索」を搭載しており、ウェブサイトやアプリに検索窓を提供し利用者の質問に対して回答を探すのではなく、入力された言葉から利用者の意図を予測し、合致する質問を提示し、答えに導きます。曖昧な言葉やスペルミスがあっても利用者の意図を汲み取れるシステムになっているので、利用者のストレス軽減や対応する側の負担軽減に繋がります。
採用に力をいれていらっしゃるとのことですが、どのような方と働きたいですか?
当社のミッションは、テクノロジーの発明によって人間の可能性を拡張できるツールを開発することです。ITプロダクトの提供を通じて、人々の効率と生産性の向上を目指しています。
現在、採用を積極的に行なっており、全職種で募集しています。スタートアップの拡大期であり、チャレンジや変化を求めている方を求めています。
採用ページURL→https://corp.helpfeel.com/ja/recruit
学生時代に熱中したことを教えてください
プログラミングに熱中していました。
ある日、父がパソコンを買ってきたのですが、父自身はあまりパソコンを使いこなすことができず、必然と私がパソコンを触る時間が増えていきました。そして、父でも使えるようなソフトウェアを作ってみようと思ったのがプログラミングを始めたきっかけです。
12歳の頃から個人でソフトウェアを制作し、インターネット上で公開していました。
さらにソフトウェアを改良することでユーザーが増え、世界中の人が自分の作ったソフトウェアを使用してくれて、広がっていくことがとても面白かったです。最初にヒットしたソフトウェアは「紙copi」というメモツールでした。持ち歩く前提のノートパソコンが普及したものの、当時ノートパソコンに適した軽快なメモツールがなかったのが製作のきっかけです。
どうして起業したのでしょうか?
私はいつかプラットフォームを自分で作ってみたいと思うようになり、そのためにはアメリカに行って学ぶしかないと考えていました。最初は興味本位ではありましたが、実際に2007年に渡米してNota Inc.(現在の株式会社Helpfeel)を設立しました。
起業してから大変だったことを教えてください
決意をしてアメリカに行きましたが、プロダクトが成功せず資金も尽きて日本に帰ってきました。その時はとても苦しかったですね。それまでは簡単なツールでそこそこ儲かっていましたが、私としては会社を大きくしたいと思っていました。しかし現実的な資金が足りない状態だったので最初はコンサルティングや受託をし、資金を繋ぎながら新しいプロダクトを仕込むようにしていました。
その後の転機などはあったのでしょうか?
Appleに招かれてiPhoneの日本語フリック入力システムを開発したUI研究の第一人者である増井俊之が発明した「Gyazo」というツールがあります。スクリーンショット画像を瞬時にクラウドに共有できるツールです。当社で継続的に開発を続けた結果、リリースから5年後にユーザーが急拡大し、売上が立つようになりました。米国マーケットを意識しながら磨き上げていったので、世界的なヒットに繋がったのだと思います。
紙copiをはじめ、様々な開発に携わっていらっしゃいますが、世の中にまだないものをつくる際のアイデアはどこからくるのでしょうか?
私の場合は現在存在しているサービスを使ってみた所感から着想を得ています。「不便だな」と感じることが多くあり、新しい発想と組み合わせることで解決できないかを考えます。一度アイデアが浮かんだら、実現に向けて作り上げていきます。アイデアを考えるのも作る過程も楽しいですね。またアイデアをブラッシュアップするために、当社ではドッグフーディング(dogfooding)文化を取り入れています。ドッグフーディング文化とは、自社製品や自社サービスを日常的に社内業務で利用することです。
ドッグフーディング文化をなぜ大切にしているのですか?
自分達が使って、ツールを磨き上げていくことを大切にしているからです。
ソフトウェアで良い製品がリリースされると、みんなが同じものを使ってくれますし、内容を研ぎ澄ませることができればより多くの人に選んでもらえる傾向があります。ソフトウェアやクラウドツールは複雑で難しいものが多いですが、製品をシンプルにすることができれば操作は簡単になります。例えばiPhoneは非常に簡単かつシンプルで、誰でも使える、3歳の子供でも操作できると話題になりました。シンプルなものほど、汎用性も高く、世界中の人が同じソフトウェアを使うことができれば、より市場が広がります。さらに解決している課題が深ければ深いほど付加価値も高くなり、売り上げを増やすことに繋がります。改善できる課題があればどんどん取り組んでいきたいですね。
ツールのマネタイズではどのようなことを考えていらっしゃいますか?
BtoCのサービスでは、1ユーザーあたりの単価はそこまで高くはありません。1000万ユーザーほどいないと収益化は難しいので、無料のものは広告収入に頼らなければならないこともあります。
よって、いかにアクティブユーザーを増やすか、という点を大事にしています。
例えば、歯磨きは世界中の人が毎日1回以上はしている行為ですよね。歯磨きのように、多くの人が日常的にすること、仕事で欠かせないツールを作ることが出来れば、収益化が可能になります。
そのため、当社ではツールのマネタイズ化を考えるときに「毎日使うものって何か?」という思考からアイデアを生み出すこともあります。
今後の展望を教えてください
BtoCから事業を始めましたが、その後はBtoBの事業も始めました。
最近は企業と個人の情報格差を埋めることを開発のコンセプトとして掲げています。企業のカスタマーサポートの中で持っている情報を個人に対してストレスなく伝達されるよう、会社に合ったソフトウェアの提供を通じてナレッジギャップを埋めていきたいです。そしてその会社に適したプラットフォームを丸ごと当社で作っていくことに今後取り組んでいきたいと考えています。
カスタマーサポートの社内向け・社外向けツールの両方を提供されていると思いますが、どのように異なるのでしょうか?
機能的な違いはありませんが、ソリューションとしての違いは少々あります。例えば、社内向けですとセキュリティが非常に厳しい作りになっています。エンドユーザーや顧客向けであればWebサイトに組み込んで、皆さんが利用しやすい状態になっているので、それぞれのニーズに応じた適切な形で提供しています。
私たちはカスタマーサポートに関する取り組みを長年続けてきたので、現場感をとても熟知しています。この案件はどれほどの時間がかかるのか、1日でどれくらいの案件がさばけるかなども分かっているので、会社ごとに合った提案もできると思います。
経営者におすすめの本はありますか?
ポール・グレアムの『ハッカーと画家 コンピュータ時代の創造者たち』です。
シリコンバレーのスタートアップや起業家を養成をする組織があり、そのベンチャーキャピタルの代表がまとめたスタートアップ企業へアドバイスするエッセイです。
技術系IT企業の創業者全員に読んでもらいたい一冊ですね。
自分で収益を作っていくことの重要性やひたすら顧客に向き合って改善する必要性だけでなく、技術系出身の創業者が陥りがちな傾向なども書かれています。
私としては若手の創業者やディレクターをどんどん応援していきたいと思っているので、この本をおすすめします。
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投稿者プロフィール
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新入社員を含めたフレッシュなメンバーを中心に、出版サポートの傍らインタビューを行っております!
就活生に近い目線を持ちつつ様々な業種の方との交流を活かし、「社長に聞きたい」ポイントを深掘りしていきます。
代表者様のキャリアを通して、組織の魅力が伝わる記事を発信していけるよう、これからも一生懸命運営してまいります!
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