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桃助株式会社代表取締役 服部由佳氏

今回は、桃助株式会社代表取締役、服部由佳氏にお話を伺ってきました。

「社長の履歴書」だけの特別なインタビューです。ぜひご覧ください!

 

桃助株式会社 会社概要

会社名称 桃助株式会社
代表者 代表取締役 服部由佳(はっとり ゆか)
設立 2015年8月28日
主な事業 翻訳・通訳・セミナー講師・コラム執筆
社員数 53名(取材時:アルバイト含む)
会社所在地 東京都文京区後楽2-6-1
会社HP https://momosuke.co/

 

 

まずは御社の事業内容についてお話を聞かせてください。

 

ワンストップでマンガの翻訳・写植・電子書籍制作をする業務が主軸です。

日本のマンガを様々な言語に翻訳したり、逆に他の国のマンガを日本語に訳すこともあります。インディーズの作家さんを集めて毎週配信している会社も多いため、そのクライアント様や出版社に弊社のサービスをご提供することが多いですね。

ワンストップであることで、出版社などのクライアント様にとって使いやすい会社を目指しています。また9割の社員が外国の方なので、日本以外の国には受け入れられないような表現を事前に変更できるのも強みです。

 

会社を立ち上げた2015年頃は官民挙げてクールジャパンを謳っていた頃で、コンテンツを制作する費用の何割かを国が補償してくれました。起業のタイミングとしては良かったと思います。

 

その他の事業としては、多言語に対応可能なスタッフが勤務していることを活かして通訳や翻訳の仕事も請け負っています。また、セミナー講師やコラム執筆なども手掛けています。

 

現在に至るまでの服部さんのご経歴を教えてください。

 

大学で建築系の学部に通っていたのですが、3年生の時に地元名古屋で起業しました。携帯電話がデジタル化され、東海エリアでは既存の「DOCOMO」と「IDO」以外に「東海デジタルホン」と「ツーカーセルラー東海」が参入した時代でした。新規参入した会社が既存の会社に対抗するため携帯電話の本体無料・加入無料・違約金なしで、契約を決めたエージェントには1台につき何万円ものインセンティブが与えられました。通話の基本料金だけで5千円くらいで、別途通話料がかかった頃です。

 

きっかけはサークルの流れで、携帯電話を無料で配ったらすごく喜ばれて、とてもお金になったんです。起業したのはもとから独立心があったからではなくて、たまたまです。税金対策のために起業したような感じです。

 

立ち上げた会社では、携帯電話の店舗販売や法人営業、また携帯電話の電波拡大のため基地局を作る場所を探し、地主さんに交渉をする仕事などもしていました。

その後、英語を話せたほうが事業の幅が広がると感じ、MBAを取得するためロサンゼルスの大学院へ通うことにしました。ロスを選んだ理由は、名古屋と姉妹都市でサポートがあったからです。大学院へ入るためには経済学や会計学の単位が必要で、留学しながらアメリカの大学でその単位を取得し、大学院へ入学しました。

 

でも、入ってからがものすごく大変でした! 日々の勉強量がとても多かったんです。毎日のスピーチがすごくストレスでした。もっと自由な時間が取れるかと思っていたのに、週末を返上しないと追いつけない感じで…。

そして、こんな生活は自分には合わない、辞めたほうが良いと感じて中退しました。ただ、アメリカという国を気に入ったことと、こんな中途半端ではダメだと思ったので留学は続けました。語学だけは習得して帰らなければ、と。学生ビザを維持しながら語学学校へ通っていましたね。

 

留学中、起業した会社はスタッフに任せていました。携帯電話サービスや基地局だけでは先がないと思い、その間に始めたのがレンタルサーバー事業です。しかし、始めたのが早過ぎました。今のインターネット法ができる前のことだったので、法律に引っかかったんです。結局、投資をしたのに辞めなければならなくなったと後から報告を受けました。そのようにしてIT系のはしりをしたんですが、そのタイミングで会社を買いたいという企業が現れたんです。私自身がそれほどITには強くなかったこともあり、それを期に会社は売却しました。

 

会社を売り、帰国してからは個人事業という形で人を雇いながら働きました。フリーターに近い形で10年くらい、様々な仕事を試しましたね。銀座のホステス、英語教師、芸能関係、株やFXのトレーダーなどです。

そうやって色々経験した中で、英語が話せることや、マンガやアニメが好きなこと、つまり“自分が得意なこと“を仕事に活かそうと決めたんです。

統計学である算命学を参考にして、私にとっての『最強開運日』2015年の8月28日に個人事業を会社として登記し、今に至ります。

 

これまで苦労したことなどを教えてください。

 

部署の作り方からスタッフへの指導の仕方など、組織作りに関する全てが上手くできずに、苦労しました。従業員の動かし方や、適材適所の見極めが難しかったです。

例えば事務作業で従業員が失敗しても、自分も苦手だから何も言えないし、どのように指導したらよいのかも分かりませんでした。

また、仕事に対する価値観がそれぞれ異なると思うので、私の発言が負担になったり、傷付けてしまったら申しわけないとか考えてしまいます。そうなると、人にお願いするより自分でやったほうが早いと思ってやってしまうんです。それだと従業員が育たないのは分かっているんですが、私自身が企業に就職したことがないので、よりその傾向が強かったです。

 

そのような状況をどのように乗り越えていったのでしょうか?

 

苦労と感じる部分を受け入れたら、乗り越えられるようになりましたね。

 

仕事の量が増えれば従業員が増えます。そうして分母が増えれば売り上げは大きくなりますが、その分さらに組織作りの難しさというところで、問題や苦労と感じる部分が増えました。

 

組織作りに関しましては、社員の9割が外国の方ということもあって、文化・風俗の根にある個々が培われたアイデンティティにより様々な捉え方があり、意見が合わないことがあったので、お互い話し合うことにより1つの考え方として尊重し、円滑に仕事ができるようになったんです。

多様性に富んでいることが弊社の強みで魅力なのだと受け入れて、社員としっかりとした話し合いをすることによって、組織作りの苦労は乗り越えることができました。

 

 

現在の会社としての課題を教えてください。

 

私がアニメやマンガが大好きな「オタク」なので、世界に配信して今よりもっとマンガ文化を広めることが課題です。

マンガの翻訳に関しては、コロナ禍により世界中の方が巣篭もりしなければならなかった影響で、多言語翻訳したマンガをデジタル化し、海外に進出する新しいクライアント様が増えました。

日本のマンガを読む海外の方は熱心なファンが多いので、紙で印刷されたもののほうがデジタルよりも売れるということもあり、まだまだ伸びしろがある業界です。微力ながら協力できたら嬉しく思います。

 

また、コンサル業務もコロナ前のような勢いを持たせることも、会社としての課題だと思っています。

 

最後に今後の展望や夢を教えてください。

 

これを言うと「本当に?」と言われるんですが…。世界が平和であり、人類が皆それぞれの価値観で幸せに暮らせたら良いなと、本気で思っているんです。

そのために、何でも良いので自分ができる寄付やボランティアがないかなと考えています。動物が好きなので、動物愛護のNPOを立ち上げることなども手段の一つですよね。

身近なところでは、弊社で働くスタッフたちが毎日笑って仕事を楽しめる環境であればいいなと思っています。

 

 

服部さんが経営者におすすめする本を教えていただきました!

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投稿者プロフィール

『社長の履歴書』編集部
『社長の履歴書』編集部
新入社員を含めたフレッシュなメンバーを中心に、出版サポートの傍らインタビューを行っております!

就活生に近い目線を持ちつつ様々な業種の方との交流を活かし、「社長に聞きたい」ポイントを深掘りしていきます。

代表者様のキャリアを通して、組織の魅力が伝わる記事を発信していけるよう、これからも一生懸命運営してまいります!