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千里中央花ふさ皮ふ科院長 花房 崇明氏

 

今回は千里中央花ふさ皮ふ科院長、花房崇明氏にお話を伺ってきました。

「社長の履歴書」だけの特別なインタビューです。

ぜひご覧ください!

 

 

会社名称 医療法人佑諒会(千里中央花ふさ皮ふ科・江坂駅前花ふさ皮ふ科)
代表者 花房崇明
設立 2017年11月
主な事業 皮膚科、美容皮膚科、形成外科、小児皮膚科、アレルギー科
社員数 47名(取材時)(千里中央34名、江坂13名)
会社所在地 大阪府豊中市上新田2丁目24番50の1 上新田メディカルブリッジ2F
会社HP https://hanafusa-hifuka.com/

 

 

事業紹介をお願いします

大阪府の豊中市と吹田市で皮膚科と美容皮膚科を標榜するクリニックを2院経営しています。保険診療の一般皮膚科ではニキビや水虫、アトピーなどの疾患、自費診療では医療診療ではカバーできない美容皮膚科としてシミ取りや脱毛などの患者さんを診ています。最近は沖縄県や三重県、岡山県、徳島県などの遠方から受診していただく患者さんも多く、男女問わず30代から50代の患者さんに利用していただいています。アトピーやニキビの診療内容を高評価してくださる口コミも多く、患者さんに信頼されているクリニックだと感じています。

 

学生時代に熱中したことはありますか?

中学生・高校生の頃はクラブ活動はせず、勉強ばかりしていました。父が会社員で母が薬剤師の家庭で生まれ、医学部に入学するための教育をしっかりと受けさせてくれました。

大学生になってからは元々私が中高生の時に生徒として通っていた、医学部専門塾で英語を教えていました。バイト代が貯まると友人たちと海外旅行や国内旅行に行っていました。若いうちに旅行することは価値観を広げてくれるので、旅行しておいて良かったと思っています。中でも思い出に残っている旅行先は卒業旅行で行ったペルーのマチュピチュです。カルチャーショックや仲間の高山病などハプニングの連続で良い人生経験ができました。また海外から日本を見ることで、日本の治安の良さやご飯の美味しさ、暮らしやすさを実感することができました。

 

 

医者を目指されたきっかけはありましたか?

父と母が長男の私を医師にしたいと考えていて、私が両親の喜ぶ顔を見たかったのもあり、気がついたら医者を目指していましたね。中高一貫校に進学すると周りに親が医師の家庭が多く同級生が医師を目指していたのを見て感化されたのもあると思います。また岡山に住んでいた叔父が歯科医師だったので、幼い頃から医師という職業を意識していました。

 

皮膚科医を目指されたのはどうしてでしょうか?

研修医時代はとても忙しく、当直明けの通常業務は当たり前で、重症患者さんの担当の時には1週間家に帰れないこともあるなど大変な環境でしたが、やる気はあったので真面目に取り組んでいたら最優秀研修医賞をいただけました。しかし、頑張りすぎていたんだと思います。外科の研修医をしている際に、ストレスもあって大学受験の時に悪化していた持病のアトピーが再発してしまいました。その時に、自分自身がアトピー持ちの患者さんの気持ちが分かる皮膚科医になって役に立ちたいと強く思い、皮膚科を専門にしました。

 

アメリカでの留学も経験されていますがどのような経緯だったんでしょうか?

先輩の指導医に誘われて一緒に英語論文を書き始めたのがきっかけです。最初は自分が英語論文を書くなんて無理だと思っていましたが、英語の塾講師をしていたので、珍しい病気や新しい治療法について英語で論文をまとめていきました。書き終わって指導医に提出した数ヶ月後、指導医が「あの論文アクセプトされたよ」と言ってくれて、実際に論文検索サイトを見てみると、私が書いた論文が全世界に公開されていました。世界中の医師が読んでくれて、治療の参考にしてくれている、世の中の役に立っていると思うと、とてもやりがいを感じました。

そこから何本も論文を書いて発表していきました。論文を書いて発表するのは、厳しい査読を通過する必要がありとても難しい仕事でしたが、そこに金銭的報酬などは全く無いにも関わらず、険しい山に登った後のような達成感を感じることができました。その結果どんどん論文を書きたくなってしまいました。そして自分の卒業大学・所属医局の大阪大学の大学院で薬疹や自己免疫疾患の研究をした後に、カリフォルニア大学サンフランシスコ校に奨学金をもらって留学することができました。その頃までは純粋な気持ちで論文を書いていましたが、いつからか論文をたくさん書いて「教授になる」ことが夢になっていました。普通は病気のメカニズムを発見したいという純粋な気持ちだったり、世のため人のためになることを研究して論文を書くと思いますが、自分の場合は教授になるためにたくさん論文を書くという目的と手段が違うようになっていたため、次第に違和感を持つようになりました。苦しかったですね。

 

そこからも論文を書き続けるのでしょうか?

違和感を持った頃に、体調も悪くなっていき突発性難聴を発症してしまいました。その時に患者さん側の気持ちに立つことができました。患者さんは不安な気持ちで長時間待合室で診察を待ち、医師に診てもらって安心して帰ることができます。医師というものは本来、困っている人の役に立つ高尚な仕事だったと初心に戻ることができました。医師を目指した頃の気持ちに戻って考えると、大学の研究を続けるよりも身近な患者さんを治していきたいという気持ちが強くなり開業することを決めました。

 

開業してから大変だったことはありましたか?

立地が良かったのか、私の丁寧な診療が評判になったのか、開業当初から多くの患者さんが当クリニックに来てくださいました。しかし開業直後でオペレーションがうまくいかず、スタッフが定着せず離職するという問題をずっと抱えていました。月末になると朝の診療前にスタッフから「院長、今日診療終了後にお話があるのですが」と離職について話しかけられるのにビクビクしていました。当時は経営者としての自覚がなく、院内で起きた全てのトラブルは院長に責任があるのにも関わらず、トラブルが起きると何でも人のせい、スタッフのせいにしてスタッフを怒ってばかりでした。

またスタッフが定着せず忙しい中で、スタッフに十分に説明しないまま美容皮膚科を突然始めてしまったこともありました。スタッフからするとただでさえ忙しいのに院長が独断でレーザーを導入すると、スタッフ達が練習をしなければならないし、価格設定もしないといけないし、副作用が起きた時の対処法も考えておかなければなりません。どうするのかと大反発が起きました。給料を上げたり、残業を減らそうとしたり、福利厚生も整えたり、院長として色々と一生懸命やっているつもりでしたが、スタッフから聞こえるのは院長の悪口、クリニックへの不満で、どんどんスタッフが退職をして再度募集しての繰り返しになってしまいました。そこに新型コロナウイルス感染症で私の余裕が更に無くなり、スタッフとのコミュニケーションが取れないことも重なり、最終的には2020年の12月から半年間で全スタッフの約半分、15人が退職する大量離職を経験しました。以前「大量離職があるときは、院長やクリニックに絶対に責任があります」と聞いていたこともあり、このままではいけないと考え直しました。

 

それからどのように対応したのでしょうか?

恥ずかしいし、情けなかったですがまずは全スタッフの前で謝罪しました。思い返せば、私の幼い頃からの夢は医者になってクリニックを開業することでした。しかしスタッフにとっては私のクリニックで働くことは夢でもなんでもありません。スタッフは私の夢のサポートをしてくれている存在で、感謝しなければいけないと心を入れ替えることができました。今度は逆に私のクリニックでスタッフが夢を叶えられるようにしようと考えています。

例えば化粧品の商品開発やエステの立ち上げなどスタッフに任せることで、スタッフにとってキラキラ過ごせる、思い出に残る環境を提供したいと思っています。そしてこのクリニックで働いてよかったと記憶に残るクリニック、人生の一ページに残るクリニックにしたいと思っています。そのために新卒の入職日や母の日などにスタッフの家族から手紙をもらって朝礼で手紙を読むなど、どんなことをしたらスタッフが喜んでくれるかを一番に考えて行動しています。私のマインドが変わることで自分自身も穏やかになったし、スタッフの離職率も減りました。組織の雰囲気はトップ次第で大きく変わることを、たくさんの失敗から学びました。離職されたスタッフの方々には色々な負担をかけてしまい、申し訳無い気持ちと感謝の気持ちでいっぱいです。

 

現在は採用をおこなっているのでしょうか?

「皮膚科と美容皮膚科をバランス良く、圧倒的に丁寧に診療し、日本社会に貢献する」という考えに賛同してくれるドクターがいれば、分院を増やしていきたいと思っています。江坂駅前花ふさ皮ふ科の分院長には私の診療理念やミッションに共感して入職していただきました。また女性医師の方で、仕事も大事だけど、家庭を大切にして働きたいという方がいましたら一緒に働きやすい環境を考えて提案したいと思っています。もちろんドクターだけでなく医療事務、看護師も随時募集しています。理事長としてスタッフの夢を叶えるために一つひとつ新しいことにチャレンジしたいです。ぜひ当法人で一緒に夢を叶えましょう!

 

今後の展望はありますか?

保険診療の皮膚科と自費診療の美容皮膚科を両方診療することで、世の中の景気や診療報酬の改定などに左右されること無くきちんとクリニックを経営できると思っています。自費診療の美容皮膚科を取り入れることで、より沢山の患者さんにキレイになって喜んでいただけますし、クリニックの女性スタッフも仕事をしながらより美しくキレイになれます。保険診療と自費診療で売上が上がればスタッフに給与として還元することもできるので、みんなが幸せに楽しく働けるクリニックの運営を目指しています。

 

経営者におすすめの本はありますか?

スティーブン・R・コヴィーさん著書の「七つの習慣」です。人間としての心の習慣を思い出させてくれる本なので、何回でも読んで学ぶことができます。全ては自分に問題があるという考えがあれば世の中が幸せになると思います。

AmazonURL

https://www.amazon.co.jp/dp/4863940246/

 

投稿者プロフィール

『社長の履歴書』編集部
『社長の履歴書』編集部
新入社員を含めたフレッシュなメンバーを中心に、出版サポートの傍らインタビューを行っております!

就活生に近い目線を持ちつつ様々な業種の方との交流を活かし、「社長に聞きたい」ポイントを深掘りしていきます。

代表者様のキャリアを通して、組織の魅力が伝わる記事を発信していけるよう、これからも一生懸命運営してまいります!