今回は、株式会社マネジメントオフィス・Kの代表取締役、川原一紀氏にお話を伺ってきました。
「社長の履歴書」だけの特別なインタビューです。ぜひご覧ください!
株式会社マネジメントオフィス・K 会社概要
会社名称 | 株式会社マネジメントオフィス・K |
代表者 | 代表取締役 川原一紀(かわはら かずのり) |
設立 | 平成20年6月 |
主な事業 | ●経営コンサルティング事業 業績業務改善指導、事業計画立案 / 経営戦略提案、営業指導、財務改善 / 企業・事業再生、事業承継 / M&A、経営法務指導・社長代行 ●人材育成 / 教育事業 人材育成、後継者育成、経営者実践講習、 経営コンサルタント養成、企業組織力研修 ●IT関連事業 ITコンサルティング(戦略立案・システム企画・提案)、 業務システム / Webアプリケーションの設計&開発&運用 |
会社所在地 | 〒460-0008 愛知県名古屋市中区栄4-16-8 栄メンバーズオフィスビル8F |
会社HP | https://management-ok.jp/ |
まずは川原さんのご経歴を教えてください。
川原さん:私は鹿児島県阿久根市の高校を卒業して、集団就職で名古屋の大手警備会社に入社しました。その後、もっとお金を稼ぐために、大手の不動産会社に転職しました。仕事としては面白かったのですが、地元のデベロッパーに引き抜かれ、億になる住宅を販売していました。
私が27、8歳の頃にバブルが崩壊しました。そんな中、愛知県のあるデパートの前で、学生が学生のために足長おじさん運動をしている姿を目にしました。バブルの崩壊で会社が倒産したり、リストラされたりしたご家庭の子どもたちは学校に行けないので、学校に行っている学生が学校に行けない学生のために募金活動をしていたんです。
それで「社会の意義、会社の意義というのは何なのか」と考えさせられて、経営コンサルタントを目指してコンサル会社に入社を決めました。
コンサル会社では役員になりましたが、もっと現場でお客様に接したいという思いで退社しました。その後、株式会社マネジメントオフィス・Kを創業して、今日に至っています。
株式会社マネジメントオフィス・Kのサービス・事業内容を教えてください。
川原さん:事業内容は主に経営コンサルタントです。事業運営や組織戦略に関する改善を指導、またはフォローをしていく仕事です。また人の教育も行っています。よく評価制度を構築するコンサルタント、財務のコンサルタント、営業のコンサルタントという部分的なコンサルタントは見えますが、弊社は全てオールマイティーにサポートするというイメージです。
会社の経営というのは、組織全体としての流れがあります。一つのパーツを改善するだけでは、会社が抱える問題は改善されないのです。ですから、組織全体を成長させれば、業績・人・物・金が回るので、そういった会社を根本的に改善することに特化したサポートをしています。
あとは、社員や幹部社員の教育、社長代行、それから金融機関の依頼で、会社の再生・再構築をしています。
お客様はどういうきっかけでご相談して来られることが多いですか?
川原さん:二つあります。一つは、セミナーに参加した方が来られます。あとは、ほとんどが金融機関のご依頼です。金融機関から「この会社をなんとか助けてくれないか」ということでご相談をいただきます。
苦労されたエピソードを教えてください。
川原さん:私が入社したコンサル会社は、戦略・戦術よりも人の育成に焦点を当てた会社だったんです。
先代の社長は二つの考え方を教えてくれました。一つは、経営は計数で始まって計数で終わる。もう一つは、経営者はどうあるべきか。人間の生き方という面でした。ただ、さすがに30歳の頃に人間の生き方を教えてもらってもできないわけです。
知識を学べばコンサルタントの業務はできるようになると思っていたのに、そんなに単純ではなかったのです。お客様には私がどんな人間かを見抜かれますし、社長の期待にも応えられないので、日を追うごとに委縮していきました。
また、成果主義なので給料も減ってきて、周りからは「おまえは駄目だ」と言われる状態が2年間続きました。家族がいるから辞めたくても辞められないし、成果を上げようと思ってもお客様の期待に応えられなくて、意気消沈していました。
そこまで追い込まれたときに、先代の社長が「おまえは今まで経営コンサルタントということに対して、本当に一生懸命やったのか?」と言うわけです。「神様がかわいそうに思うくらい、おまえは一生懸命やったのか? 1件契約を取るためには、お前は何社のお客と会えば契約が取れるんだ?」と言われたので、私は「240社と会えば1件取れます」と答えました。そうしたら先代の社長が「分かった、それでも取れなかったらクビだぞ」と言ったんです。
要はクビの宣言です。お金もないし、家族も路頭に迷うかもしれないという思いが強く、「240件を徹底的にやってやるぞ。これができなくてもできても辞めてやる。その代わり一生懸命にやろう」と吹っ切れました。
私は今までセミナーに来たお客さんに、夜中の1時、2時まで資料を配って、朝方に電話をかけて、アポを取って訪問するというのを繰り返しました。最終的に1件契約が取れました。
そこで初めて、経営者の苦労、創業者の気持ちが分かったんです。先代の社長は「経営改善するということは小手先ではない、人の改善だ。おまえはその覚悟があるのか」ということを言いたかったんでしょう。だから、覚悟のない者がコンサルタントになれるのかという話だったんです。
1件契約が取れたわけですけども、またスランプに陥りました。覚悟はできたけども、次は人を動かす力があるかないかが試されました。つまり、一生懸命とういことは伝わっても、今度は私の話に共感してやってみようと、相手に改善するイメージを思わせる力が必要でした。
この会社で学んだことは、コンサルタントというのは失敗できないということです。借入金を背負っている経営者と普通のサラリーマンとでは、覚悟の差が違うということと、自分自身の価値観や考え方の軸を持つことが必要であることを学びました。
今の社会についてはどう思われていますか?
川原さん:一つは、会社が成長しない時代に入ったということです。会社に対して忠誠心という時代ではなくなって、生きがいや、やりがい、または自分のやりたいことをするために、良い仕事があったら就くけども、仕事が良くなかったらしないという価値観に変化したのです。
もう一つは、経営者の考えを改めないといけないということです。2012年には会社の数が420万社近くあったのですが、今では約380万社しかありません。会社が減った理由の多くが販売不振であったり、既往のしわ寄せです。また日本では大企業、中小零細企業はオンリーワン、ナンバーワンという会社が少なく、ほとんどの会社は価格競争の中にいるのです。例えて言えば「わが社しかできないこと」「わが社ができること」がオンリーワンやナンバーワンであるなら、価格競争の中にいる会社は「わが社もできること」という感じです。
「わが社もできる」ということは付加価値を高めないで、価格競争になるから従業員はクビだとか、コスト削減だとか言っているわけなんです。従業員も自分の付加価値を高めないと、いとも簡単に捨てられるような時代になったのです。
ですから、私が何社改善したとしても、1年間で1万社近くが倒産していくんです。だから、経営者自身が仕事観、経営理念をもっと考えてほしいと伝えたいのです。
未来の展望や夢を教えてください。
川原さん:現在、脳科学の先生とコラボして、川原ビジネス大学をつくりました。私自身、23年間で延べ3000社の改善実績があります。それに基づいて、実践経営として原理・原則動画は36本、脳科学動画が36本、計72本の動画を販売しています。こういった原理・原則を広めていきたい、コミュニティを広げていきたいという夢があります。
経営とは何かを教えていきながら、会社が倒産せずに成長できるようなサポートをしていきたいと思っています。現在、それに向かって事業展開をしているので、引き続き精力的に励んでいきたいです。
川原さんが経営者におすすめする本を教えていただきました!
『今のやり方で、会社は存続できますか? 経営者の“たった一言”で、人が定着し、組織が活性化する』 川原一紀(著)
企業の存続が厳しくなってきた現代社会。インターネットで簡単に情報が手に入るようになり、働くことへの価値観が多様化し、「仕事をするために生きる」というスタイルから「自分の時間のために生きる」というスタイルに変化し始めました。 経営者は、この変化をどのように受け止めればいいのでしょうか。 人が定着しない、組織が機能しない……。試行錯誤しながら仕組みや教育を取り入れても、企業文化が混沌としていれば、それは無意味なものです。 この書籍は、会社に人が定着し、業績を伸ばすためにはどうすればいいのか、経営の在り方や考え方などを、著者の経験と実践に基づいてお教えします。 経営者の“たった一言”で、会社は改善できるのです。 AmazonURL:https://amzn.to/37HmO4l |
投稿者プロフィール
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新入社員を含めたフレッシュなメンバーを中心に、出版サポートの傍らインタビューを行っております!
就活生に近い目線を持ちつつ様々な業種の方との交流を活かし、「社長に聞きたい」ポイントを深掘りしていきます。
代表者様のキャリアを通して、組織の魅力が伝わる記事を発信していけるよう、これからも一生懸命運営してまいります!
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