今回は有限会社忠孝代表、小金肇氏にお話を伺ってきました。
「社長の履歴書」だけの特別なインタビューです。
ぜひご覧ください!
会社名称 | 有限会社忠孝 |
代表者 | 小金肇 |
創業 | 1958年 |
主な事業 | 飲食店経営
全自動炭火焼機械の開発、販売 人材紹介事業 |
社員数 | 40名(取材時) |
会社所在地 | 若松町3の12 |
事業内容について教えてください
昭和33年から神奈川横須賀で炭火を使った専門料理店を現在4軒経営しています。新たに京浜急行線の横須賀中央駅上り線ホームにも炭火で焼いた肉が入るスタンドカレーショップをオープン予定です。その他に、自動で炭火焼料理ができる機械を開発し販売しています。
社会全体で人材不足と言われています。職人となるとさらに人材は減ります。炭火料理をするためには約3年修行が必要ですが、雇った人は1年足らずで辞めてしまうことが多いです。そんな問題を解決するために機械装置を製作しました。機械装置を使えば、職人でなくても職人同様の品質で店舗経営が可能になります。高齢や障害を持っている方でも機械を動かすと、1時間に炭火で1,000本以上の焼き鳥ができます。現在は第2弾として炭火でステーキ、ハンバーグ、鰻などが焼ける機械を開発しています。
他には、株式会社トラストウイングという会社を立ち上げて外国人の人材紹介事業を始めました。利幅が低いビジネスは経営が大変苦しいので、人材紹介を通して事業主のサポートをしていきたいです。
炭火焼き機械は高齢者でも使えるのですね
そうですね。炭火焼き機械を使って高齢者が働くことで、コミュニケーションが生まれます。若い人と触れ合える良いきっかけになるのではないでしょうか。焼き鳥はおじいちゃん、おばあちゃんが明るい笑顔で焼いていると美味しそうに見えますよね。高齢者に炭火焼き機械が浸透していければと思っています。
炭火焼き機械を開発する中で大変だったことを教えてください
既成概念を変えることを大切にしました。焼き鳥は基本的に表を焼いて次は裏を焼きます。では両面一緒に焼くのはどうか、また炭火の熱は上に向かっていきますが、横から熱を与えるにはといった感じです。なので、開発の機械は横から放射熱を当てる技術を用いて両面焼きを可能にしています。この機会技術は特許で認められて、焼き鳥だけでなく他の魚や肉などの素材も焼けることが分かりました。今後はできるだけ部品の価格を安くして皆様に提供していきたいです。
炭火焼き機械の工夫した点はありますか?
衛生面を考慮して全部洗えるようにしました。似たような観覧車式の焼き機がありましたが、豚肉や鶏肉と一緒に焼くと上から落ちる豚の油で鶏肉も同じ味になってしまいます。私の開発した機械では他の食材に油が落ちることは一切ありません。単一の味にならないように焼き上げることができるのです。時代が変わっても職人の味は日本の伝統です。ガスと炭で焼くのでは味が全く異なります。美味しいものを後世に残していけるように、職人の味を追求しています。
炭料理を美味しくするコツはありますか?
炭火を使うことですね。但し、外国産の炭は温度が上下しやすく高熱を一定に出すのが難しいのすが、実はこの開発した機械装置を使うことによって、日本産の炭を使用した時と同じように一定の高熱を維持しながら、炭火の取り扱いの難しさも解消してさらに時間も短縮し美味しく出来上がるように設計しています。
独立されたのはいつでしょうか?
29歳の時です。19歳の頃から10年間、先代の女性社長が経営する焼鳥屋で修行した後、のれん分けをして自分の店を持ちました。独立後、修行したお店の方は、女性社長の高齢のため親戚の方が継ぐことになりましたが、わずかな修行時間でお店を継いだため経営業績が悪くなっていきました。女性社長が他界してしまった後に遺言状が出てきて、私に店を守って欲しいと書いてありました。修行した店でとても恩もあり、私にとっては焼鳥屋がいわば大学です。伝統あるお店を引き継いで立て直しました。
先代の社長とはどのように出会ったのでしょうか?
知り合いに紹介してもらいました。当時の私は不良で誰も手がつけられなかったのですが、女性社長はとても厳しく教育してくれました。修行中はなかなか炭火を扱わせてもらえず、初めて焼いたときには改めて炭火の難しさを感じたものです。未熟な私をゼロから育てて頂き今ここで一言では言い表せないほど心から感謝しています。
仕事をする上で大切にしていることはありますか?
店舗経営ではお客さまに忠実な手料理を提供し、リーズナブルな金額で提供することが孝行だと思ってやっています。そのために会社の名前を「忠孝(ちゅうこう)」にしています。生きてる限りは人のためにやり続けたいです。これも先代の女性社長から教わった大切な心意気と言葉です。
若い方に向けてなにかメッセージはありますか?
私は「経験は見える」と思っています。命がけでチャレンジして学ぶ、その経験の積み重ねが人の姿と重なるのです。この機械装置は職人としての私の経験が随所に生かされて完成しました。私は機械屋さんではありません。でも経験から見えたものは必ず形にすることができるのです。今やITやAIの職人いらずの時代だからこそ、職人の大切さを再認識するときだと思います。やる気持ちがあればなんでもできるので、頑張ってほしいですね。
大変だった時期はありますか?
怪我は多かったですね。お店の2階から落ちてしまい右手を負傷してしまいました。右手が動かないのは調理師として致命的だと思っていましたが、リハビリを続け奇跡的に動くようになりました。私の場合は免疫力と再生力が強かったようで治すことができました。
今後の夢を教えてください。
昔ながらの炭火で焼き上げた料理を現代の人々に食してもらい美味しさを知り喜んでもらいたいです。そして、私の開発した半自動化のこの機械装置を使い、日本の伝統、炭火で焼いた料理の美味しさを多くの人に伝えていきたいですね。あらゆる分野での日本の伝統を守って次の世代に伝えていける職人を残すこと、また高齢者や障害者でも職につける社会づくりの一員として貢献していきたいですね。
どのような本が好きですか?
昭和40年代タイガーマスクのような這い上がるストーリーは好きで、幼いころから読んでいました。信念をもって何事も諦めずに貫くこと、経験を通して培ったものを大切にしていきたいですね。
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投稿者プロフィール
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新入社員を含めたフレッシュなメンバーを中心に、出版サポートの傍らインタビューを行っております!
就活生に近い目線を持ちつつ様々な業種の方との交流を活かし、「社長に聞きたい」ポイントを深掘りしていきます。
代表者様のキャリアを通して、組織の魅力が伝わる記事を発信していけるよう、これからも一生懸命運営してまいります!
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