株式会社アト代表　奈須田 洋平氏

今回は株式会社アト代表、奈須田 洋平氏にお話を伺ってきました。

「社長の履歴書」だけの特別なインタビューです。

ぜひご覧ください！

事業内容についてご説明をお願いいたします

広告代理業として主にポスティングというメディアを扱っています。当社では取り次ぎや代理ではなく、直接お客様と契約して広告チラシをポスティングすることを主な業務としています。

今までのポスティングはセキュリティの高いマンションや高級タワーマンションに広告を掲載できませんでしたが、2023年6月から富裕層向けにリーチできる新しいサービスを作成しました。具体的にいうと『Tokyo Slowly2』（トウキョウ スローリー スローリー）というポスティングマガジンを配布し、ぴあや東京カレンダーの編集に携わっていたメンバーと一緒に質の高いコンテンツを提供します。広告としても有益な情報を取り入れ、捨てられることのない媒体を展開したいと考えています。

学生時代について教えてください

私が中学2年生の時に父が他界しまして、姉と母と、僕の3人で暮らしていかないといけない状況になりました。私が男1人だったので、大黒柱とまでは言えませんが、父の代わりにならなければという気持ちで過ごしていました。

中学高校ではサッカー部に所属し、高校ではアルバイトも経験しましたが熱中はしていませんでした。大学生になると友人からの紹介で、ポスティングのアルバイトを始めました。ポスティングのアルバイトは体力的にも厳しく、ルーティンワークなのであまり向いてない部分もありました。一度社長に退職したいと申し出ましたが、逆に社長から「もっと内部の仕事をしてみない？」と提案されました。そこから営業、管理、システム開発、会計業務など一通り経験しました。ポスティング以前のアルバイトは単調な仕事が多く、つまらないと思うこともありましたが、社長から任された内部の仕事は様々なことを経験できたのでとても面白く、ハマってしまいました。大学にも行かず、テストも受けずに2回留年したところで、ポスティング会社の役員になりました。

学生時代からビジネスマンとしての経験が豊富だったのですね。アルバイト時代が今の仕事に活きていることはありますか？

仕事全般に関わったことはとても勉強になりました。特によかったのは社長から習った開発の仕事です。実は当社では基幹システムのエンジニアが在籍しています。最初の15年は私が構築してきたのですが、それもビジネスにおいてはシステムによる効率化が本当に大切だと思っているからです。例えばポスティングNG物件があったとすると昔は1つひとつ手書きで地図に書き込んでいましたが、自社アプリを開発し、システム化をして地図に表示されるようにしたのはとても良かったと思っています。

起業された当時の想いを教えてください

前のポスティング会社を辞めたのは社長との方向性の違いでした。前職でポスティング媒体の効果はとても感じていましたし、お客様からも高い評価をいただくことが非常に多くあったため、ポスティングの価値をより高めていきたいと考えました。当時IT化が進み、新聞の購読率が下がっていくのではないか、チラシのカバー率が落ちていく可能性があるだろうなと思っていました。ポスティングはポストに投函するというシンプルな方法ですが、お客さまのターゲットに合わせてリーチできるので、媒体としての将来性や価値を感じていました。起業した時はもっとポスティングをメジャーにしていきたいという想いがありました。

起業してから苦労したことを教えてください

ポスティングは今もニッチな業界ですが、創業当時はもっと知名度の低い業界でした。

きちんと配られているのかが不透明というネガティブな印象もあり、「ポスティングを利用したくない」と言われてしまうこともありました。そこから管理体制に力を入れ、システムを充実させて効率化したり可視化することで、一歩一歩「アトに頼めば大丈夫」と信頼していただけるようになりました。

どうやって乗り越えたのでしょうか？

成長するために根性論で立ち向かうのは、得意でなかったので、どうすれば良いのか考えました。営業が売り上げをつくるために何をしなければならないのかを見つめ直し、目標を増やしたり、ポスティング以外の媒体を探したり、営業のサポート役の人材を多く採用したりしました。そうしていくと自然と営業の成績が上がるようになっていきました。

一緒に働くスタッフと目指していきたいことはありますか？

当社はポスティングスタッフに支えられ、ポスティングスタッフがいなければ成り立たない会社です。当社のスタッフは年齢層も幅広く、若い方で夢を目指している方、お子さんを保育園に預けている間に働いている方など多種多様な人材が在籍しています。枠を作ってしまうのではなく、誰でも働ける環境を作っていきたいです。どんな方でも働きやすい環境が個性を尊重することにつながっていくと思います。社員がどういう風に働きたいか最初にヒアリングするので、各々の叶えたいスタイルを聞いて叶えるようにしていきたいです。そしてスタッフの皆さんには無理なく効率的に、そして安心して働いてほしいと思っています。

個性を大切にしている会社なのですね！

そうですね。ミッション・ビジョン・バリューは当社にもありますが、みんなが共感できるものではないと思っています。個人の強みを伸ばして、弱みを補い合うようなチームにしていきたいと思っています。そして組織のパフォーマンスを伸ばしていけるチームに成長していってほしいです。

仕事をしている時間は人生においてとても長いものです。仕事が悪いと人生もマイナスになってしまうので、当社が悪影響になることは絶対にしたくないです。当社で働いているうちはモチベーション高く成長してもらって、稼いでほしいですね。

今後の展望を教えてください

ポスティングの全国展開を目指しています。現在グループを含めると30拠点ですが、さらに増やして全国47都道府県に広告サービスを提供するのが展望の1つです。特に住宅密集度の低い地域や中小都市に焦点を当てて、新たなビジネスモデルを採用していきたいです。

弊社では現在、月に300件ほどポスティングのお問合せをいただいています。多くのお客様は集客でお困りです。ポスティングによって集客がとても上手くいく場合もありますし、全く反応がないこともあります。反応がない場合は、そこでお客様とのお付き合いが終わってしまうことがほとんどですが、ご縁をいただいている企業様にポスティング以外の新たなメディアや媒体の提案をしていきたいと思っています。ポスティング以外の広告メディアや媒体を提案できる人材を育成し、エリアマーケティングや紙媒体を中心とした提案力を強化できるよう計画中です。新しい媒体ができれば、お客様の集客ニーズに合わせた幅広い提案が可能になります。

他には配送サービスにポスティングを加えることを考えています。ポスティングに物流を使う配送サービスを展開することによって、コストを抜くことができ、それによるメリットも大きいと考えています。通販市場が成長してきているので、チャンスだと思っています。

若い人へのメッセージはありますか？

起業するのはとても勇気のいることでリスクももちろんありますが、成長はできます。当社が成長できた要因はどの案件でもポスティングを1枚残らず配りきっていることです。前職で営業を受ける機会があり、きちんとやってくれる営業は信頼できますし、信頼だけでビジネスはやっていけます。本当にしっかり仕事に向き合って取り組めば、どんなビジネスでも成功できると思っています。若い人が起業していかなければ日本も成長していかないので、どんな仕事でもとにかく真摯に。目の前にいる人の信頼を少しずつ勝ち取っていくことで少しずつ道が開けるのではないかと思います。

投稿者プロフィール

『社長の履歴書』編集部

新入社員を含めたフレッシュなメンバーを中心に、出版サポートの傍らインタビューを行っております！

就活生に近い目線を持ちつつ様々な業種の方との交流を活かし、「社長に聞きたい」ポイントを深掘りしていきます。

代表者様のキャリアを通して、組織の魅力が伝わる記事を発信していけるよう、これからも一生懸命運営してまいります！

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