今回は石塚株式会社代表、熊⾕ 弘司氏にお話を伺ってきました。
「社長の履歴書」だけの特別なインタビューです。
ぜひご覧ください!
会社名称 | 石塚株式会社 |
代表者 | 熊⾕ 弘司 |
設立 | 昭和30年5⽉2⽇ |
主な事業 | ・原料
塩化ビニール樹脂(PVC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、他各種原料 ・材料 塩化ビニール(PVC)フィルム・シート・レザー、ポリプロピレン(PP)フィルム・シート、ポリエチレン(PE)フィルム、合成⽪⾰、アクリル、リサイクルシート、他各種材料 ・製品 ファイル・バインダー・フォルダー等の文具製品、手帳・ダイアリーの表紙加工、ウイルス感染対策商品、間仕切り・ドアカーテン等の機能性フィルム製品、クリーンブース等の静電気対策製品・各種の環境対策商品 |
社員数 | 47名 |
会社所在地 | 東京都千代⽥区神⽥和泉町2番地-29 |
会社HP | https://ishizuka-net.co.jp |
石塚株式会社について教えてください
当社はプラスチック材料を使って事業を展開しており、従業員規模が50名弱、年商25億、事業所が東京、大阪、静岡にあります。製造部門の子会社が大阪にあります。
現在の事業内容を教えてください
事業内容はプラスチック材料を使って大きく3つの事業分野で展開をしています。産業資材分野と呼んでいる製造業の現場で使われる各種資材やプラスチック製の資材を販売しているのが事業の約50%を占めています。その中でも一番主力としているのがビニールカーテンと言われる工場の出入口で使われるものです。イメージ的にはコンビニのレジ前に付いてた飛沫防止シートが大きくなったような製品です。他には文房具やデスクマットなどを展開しています。
どのような歴史があるのでしょうか?
約68年前に私の祖父が創業し、2代目が私の父、私は3代目の社長として石塚株式会社を経営しています。透明のPVCという素材が世に出始めた頃に祖父が創業し、そこから透明PVCメインの卸売業を始めました。祖父は約2メーター幅あるPVCのロールを自転車で担いで販売していたそうです。2代目の父が社長の時代はPVCの材料の卸売りだけではなく、文房具や雑貨などの加工品を展開するようになりました。またPVCだけでなく、PPという材料も販売も行うようになりました。私の代になり、材料の卸売り、加工に加えて工事までを手掛けるようになっています。工場の全体の環境整備をトータルで扱えるよう事業を展開しています。最近では、千代田ビジネス賞を受賞しました。
おすすめの商品はありますか?
2023年5月にリリースしたスーパーやコンビニで使える節電目的のビニールカーテンです。食品や飲み物が並んでる冷蔵のショーケースにビニールカーテンを使えば冷気が逃げません。沢山のお問合せをいただいているおすすめの商品です。
学生時代の思い出を教えてください
プライベートでは音楽をよく聴いていました。
大学では遺伝子工学に興味があり、東京理科大学の理工学部に入学しましたが、今思うとあまり熱心な学生ではなかったですね。就職活動前までは将来は会社を継ぎたくないと思って生きていました。昔、祖父の葬儀で会社の関係者から「将来、会社を経営して社員の生活を守っていかなければいけないのは大変だね」と声をかけられてから、自分は人様の生活を背負えるような人物ではないと会社を継ぐことを固辞していました。しかし、就職活動中に父と将来について話し、「もし自分の第一志望の会社で内定が出なかったら会社を継ぐ」と賭け事のような約束をしました。第一志望はゲーム開発の仕事がしたいと思っていましたが、内定は出なかったので、家業を継いでいくという決心がすっぱりとできました。自分で決めた進路だったので、スムーズに気持ちが切り替わりました。
卒業後はどちらに就職されたのでしょうか?
石塚株式会社のメインの仕入れ先であるアキレス株式会社に就職して4年間修行させていただくことになりました。3年半は営業を担当し、残りの半年は財務を行いました。上司や先輩にすごく恵まれて、1年目から責任のある大きな仕事を任せてもらいました。半導体の包装資材というニッチな業界でしたが、月の半分は出張で飛び回る生活でした。新入社員時代から大きい商談も1人で任せてもらえたのは嬉しかったです。
その後は石塚株式会社に入社されたのでしょうか?
はい、2010年に入社しました。入社後は、将来的に同僚やその家族の生活を担っていくんだとリアルに感じました。社長就任前の仕事で思い出に残っているのはカジュアル手帳の事業を立ち上げたことです。テレビや雑誌で手帳特集などが組まれるようになっていた時期で、手帳ブームがこれから来ると確信してマーケット開拓を始めました。飛び込み営業から始めてお客様を1社1社増やし、もの作りのために海外に飛び、月の半分は中国の工場で過ごしていました。手帳事業は成功し、他にも実績を1つひとつ作っていき、周りに自分の存在を認めてもらえた気がします。
他にも印象に残っている仕事はありますか?
私が常務の際は、社員の組織改善に取り組みました。1人ひとりと個人面談をした時にある女性社員が「もっと仕事をしたい」と訴えてくれました。当時の幹部社員たちは、女性は結婚したら仕事を辞めるから責任のある仕事をさせなくて良いという古い価値観がありました。面談後に幹部社員たちの意識改革をして、その女性に仕事をどんどん任せていったら、メキメキと成長して会社に貢献してくれて今では管理職になっていますね。その後も数年間は個人面談を通して問題を一気に表面化させて解決をしていきました。私の考えを伝える方法として、個人面談のほかにも、社内ポータルサイトでブログを公開したり、経営計画書を作成して自分の考えを文章にまとめて社員に渡したりしました。
社長に就任されてから大変だったことを教えてください
2018年に社長に就任された2年後に新型コロナウイルスで、当社は飛沫防止シートの販売が好調で、様々な特需を得ることができました。しかし努力をしなくても売れる状態が続いたため、営業に行かないという悪い習慣が付いてしまいました。
どのように改善されたんでしょうか?
そうですね、以前はスタッフに「自らで考えて自ら行動してほしい」という思いがあり報告書や日報の提出などを求めていませんでした。しかし、このままでは良くないと思い、行動改善のために週報を基にした週次のPDCAサイクルを回すようにしました。
今後のご展望はありますか?
工場全体の環境整備を行っていますので、引き続き注力していきます。5年以内に次の事業の柱を築いていきたいです。今のところは医療業界で何かできないかを模索しています。
また当社は2代目から3代目の事業承継がスムーズにいきました。実は他社を見ていても、うまくいかず苦労している会社が多くあります。世の中の情勢と合わせて、事業承継の問題を解決できるコンサルタントの仕事にも挑戦してみたいですね。承継前にやっておいた方が良いことなど、実体験からアダバイスができると思います。
他の経営者におすすめの本はありますか?
一倉定さん著書の『《新装版》 一倉定の社長学シリーズ』です。中小企業の社長専門のコンサルタントの方で、中小企業の社長の皆様には刺さる本だと思います。経営者として結果を出さないと社員を守ることができないと覚悟を新たにできる本です。シリーズになっているので、ぜひ読んでみてください。
事業構造を根本から強化する最重要な戦略の立て方 「自然に高収益があげられる」事業構造に、わが社をどう築くか── 事業構造を根本から強化する最重要な戦略のたて方と、社長の仕事の 核心を衝撃的に説く。 〝経営のバイブル〟と定評のあった旧版「経営戦略・利益戦略」に、 まったく新たに「不況期の戦略」をはじめ戦略策定・実施の四つの章と 最新事例を大幅に追加。 〈まえがき抜粋〉 いうまでもなく、戦略とは〝戦ずして勝つ〟あるいは〝戦ずして優位に立つ〟 ための事業構造の変革であり、それによって自然に高収益を生むことができる ような体制を実現することである。 経営戦略は常に先手をとることによって大きな効果を発揮する。しかも、そ の戦略は、そのごく一部を除いて敵はなかなか気付かないし、気付かれても反 撃が難しい場合が多い、という誠に安全度の高いものである。…
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投稿者プロフィール
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新入社員を含めたフレッシュなメンバーを中心に、出版サポートの傍らインタビューを行っております!
就活生に近い目線を持ちつつ様々な業種の方との交流を活かし、「社長に聞きたい」ポイントを深掘りしていきます。
代表者様のキャリアを通して、組織の魅力が伝わる記事を発信していけるよう、これからも一生懸命運営してまいります!
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