今回は、株式会社ゼロベータの日詰宣仁氏にお話を伺いました。
「社長の履歴書」だけの特別なインタビューです。
ぜひご覧ください!
株式会社ゼロベータ 会社概要
会社名称 | 株式会社ゼロベータ |
代表者 | 日詰 宣仁(ひづめ よしひと) |
設立 | 2014年1月 |
主な事業 | ・有料職業紹介事業
・ウェブサイトの企画、設計、開発、運営及び販売 ・インターネットのホームページの企画制作並びに運営管理 ・広告、宣伝に関する企画並びに制作・販売 |
会社所在地 | 〒160-0023 東京都新宿区西新宿7-17-14 |
会社HP | https://zer0beta.jp/about/ |
最初に、事業内容について教えてください
水商売や風俗といったいわゆる「夜の仕事」をしている「ナイトワーカー」の女性たちに、昼職を紹介する人材紹介業がメインです。一方で、求人を出している企業様から「採用サイトを作って欲しい」「ホームページを更新してほしい」といったウェブサイトの企画や運営の仕事も入ってくるので、そちらの事業も同時並行で行っています。
事業内容としては大きくこの2つですね。
ナイトワークから昼職への転職は、どのような理由が多いのでしょうか
一つはやはり年齢のところで、「30歳になるまでには、そろそろ夜の仕事を卒業しないと……」と思っている女性が多いので、ユーザーとして相談にくるのは30歳手前の女性が多いです。もう一つは、結婚や彼氏ができたというきっかけで転職の相談に来る方が多いですね。
夜の仕事を完全にやめて昼間の仕事1本で働きたいという女性もいますし、昼間の仕事をアルバイトから始めたいという女性もいらっしゃいます。どちらかというと前者の方が多く、夜のお仕事の卒業サポートというのがイメージに近いです。
ナイトワークの方たちの強みはどんなところでしょうか?
特筆すべきはコミュニケーション能力ですね。昼間の仕事でも採用において求められる能力の上位にコミュニケーション能力が上がってきます。夜のお仕事をされている女性って数千人数、数万人を超える男性に対して接客をしているので、圧倒的に対面スキルが高いんです。
それは昼間の仕事の本質とも同じなので通用するなと思ったところが、サービス開始のきっかけですね。
ナイトワークの女性に対する転職支援が、起業のきっかけだったのでしょうか?
実は起業当初のサービスは真逆で、ナイトワークをしたい方たちに夜のお店、つまり就業場所を紹介するウェブサービスを運営していたんです。ただ、そのサービスはあまりに競合他社が多すぎて、それだけで食べていくことはできず、事業転換をしないといけないなと思っていました。
そこで、ウェブサービスに登録してくれていた女性ユーザーの何人かの方に話を聞いたところ、実は「もう夜の世界を卒業したい」という女性が多かったんです。
「昼間の世界に行きたいけど履歴書の書き方が分からない」とか「自分にどんな昼間の仕事が向いているのかわからない」という話を立て続けに聞いたので、これはもう社会的にニーズがあるなぁと思って、彼女らは彼女らでコミュニケーション能力を筆頭にさまざまな武器をちゃんと持っているので、これは昼間の仕事にも通ずるんじゃないかなと思い、完全に事業をピボットして現在のサービスになったという形です。
起業当初はナイトワーク支援のサービスだったんですね。起業するまでの経緯を教えてください
大学生の頃から、英語を使って海外で仕事をしたいという気持ちと、いずれは自分で会社をやってみたいという思いは漠然とありました。スクールに通って英語を勉強して、就活も商社を中心に受けていましたね。
でも商社にはさっぱり受からなくて、結果的に内定をもらえた企業のうち、どの会社が海外に行けるチャンスがあって、なおかつ早くマネジメントの経験が詰めるかな?と考えて、当時海外への店舗進出に注力していたユニクロに入社を決意しました。
入社して割と早い段階で海外で仕事をさせてもらいましたし、マネジメントだけじゃなくて本社で在庫管理の仕事をするなど、さまざまなポジションを経験させてもらえたんですが、大企業で仕組みが出来上がっているなかだと、自分の付加価値はどこにあるのか?とだんだん悩むようになってしまって……最終的には、不安から体を壊して辞めてしまいました。
その後はどのようにして起業されたのでしょうか?
ユニクロ時代に採用や育成を担当するなかでさまざまな人を見てきましたが、採用について、重要だけどすごく効率が悪いと思っていました。
先ほど起業当時はナイトワークの求人サイトを運営していたというお話しをしましたが、このサイトは特徴的な仕組みを持っていたんです。一般の求人サイトは、会社情報やお店の求人情報を掲載して、仕事したい人から応募するじゃないですか。それをひっくり返したのがビズリーチという会社で、求職者がまず履歴書やポートフォリオを登録して、逆に企業やヘッドハンターの方からアプローチしていくっていうのがポイントです。
僕はユニクロで人事を担当していた時からずっとこういうのがあればいいなと思っていました。なぜなら10人の人を面接したって、せいぜい採用するのは2人くらいで、ほとんどの人は不採用になってしまう。面接、特にアルバイトの面接って、最初の1分弱で採用か不採用かの判断がついているんです。落とすことが決まっているのに、残り20~30分は聞いているふりをしなければいけないのって、お互いにとって時間の無駄じゃないですか。
だったら、書類を見ればやる気があるのかないのかって大体わかるので、うちで働きたい場合は先に履歴書を登録してもらって、面接したいなって思った子にこちらからアプローチした方がいいなあと思ったんです。
で、当時、一緒に会社をやろうとしていた発起人にその求人システムのアイディアを持ち掛けたところ、「それ、面白いよ!」と言ってくれたので事業をスタートしました。ビズリーチが世間に広く知られるよりも前の話ですね。
起業されて苦労したことはありますか?
起業して2年目くらいまでが一番つらかったですね。起業当時はいわゆる「水商売のビズリーチ」を作りたかったんですが、格好つけて言ってしまうと、時代を先取りしすぎたんです。当時はまだナイトワークの求人は電話応募が主流で、店長職の人の多くはガラケーを使っていました。求人サイトがあってもログインの仕方がわからないという人がほとんどで、「面白い方法だけど面倒くせえ」と言われてしまいましたね。2年くらいは頑張りましたけど、とても食べていける状態にはなりませんでした。
今であれば、もう少しライトに使える仕組みを考えて提供できるのかもしれないですけど、当時は起業経験だって当然ない訳ですから、頭の中で考えたものを勝手に作って持っていって要らないと言われてしまった。要はいらないものを必死で作ってたっていう感じですかね。で、これじゃあ食べていけないなということで、これも先ほどお話したようにナイトワーカーの方たちに話を聞かせてもらって課題を見つけて、そこから今の事業内容に転換したという感じですね。
今後の夢や展望を教えてください
「夜職から昼職へ転職したい女性に付加価値を付与して採用したいと思っている会社様へお届けする」という意味でいうと、人材紹介もいわゆる「仕入れ→加工→販売」という流れに近いので、やっていることはメーカーとそう変わらないんです。
近年ではだんだんと同業他社が増えてきて、そうなると仕入れの値段が上がって、販売単価をあげないことには粗利が生まれなくなります。そこで弊社では教育事業にも力を入れて、ウェブデザインやウェブマーケティングといったコースを会員の方に提供しています。今年はITスクールも開講しようと思っています。
単純に昼間の仕事を紹介するだけでも良いんですが、やっぱり付加価値をつけて市場に送り届けるっていう感覚は必要かなと思いますね。転職希望の女性にとってはスキルアップになり、採用したい会社にとっては技能を持った人を採用することができ、弊社にとっても販売単価の上昇が狙えます。
あとは粗利を生み続ける仕組みづくりが必要だと思っています。
現在は人材を一人紹介するごとに一回いくらという形で企業様から費用をいただいているんですが、これだと一回紹介してしまったらもう終わりなんですよね。
でも、たとえば「私、これだったら絶対に売る自信がある」みたいなサービスを作れる子がいたとしたら、そのサービスが売れるごとに10万円ずつ粗利を出してくれるとしたら、その子を企業様に紹介するよりも自社で雇ってそのサービスを売っていくほうが利益が生まれるじゃないですか。なので、今後は自社で女の子を雇うという形で自社サービスの開発をしていこうと思っています。
その先駆けとして今取り組んでいるのは、「ナイトワーカー経験を活かして、もっとモテたい男性に恋愛を教えます」という男性向けの恋愛スクールです。こういう男性がモテる、こういう男性はモテないっていうコンサル業は、ナイトワーク経験者の天職だと思うんですよね。「誰かのためになる仕事をしてみたい」というナイトワーク経験者は多いですし、このスクールで男性の恋愛力が上がることで少子化対策に繋がるかもしれないと思ったら、これこそ社会的意義がある事業だなと思っています。
最後に、日詰氏おすすめの本を教えていただきました!
『すべては一杯のコーヒーから 』 松田 公太(著)
27歳で起業を志し大手銀行を退職した青年は、体当たりの交渉でスペシャルティコーヒーの日本での販売権を得た。銀座に待望の1号店を開業した後は、店内に寝袋を持ち込み泊まり込みで大奮闘。ビジネスにかける夢と情熱は、コーヒーチェーンを全国規模にまで大成長させた。金なし、コネなし、普通のサラリーマンだった男になぜできたのか? 感動のタリーズコーヒージャパン起業物語。 Amazon URL: |
投稿者プロフィール
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新入社員を含めたフレッシュなメンバーを中心に、出版サポートの傍らインタビューを行っております!
就活生に近い目線を持ちつつ様々な業種の方との交流を活かし、「社長に聞きたい」ポイントを深掘りしていきます。
代表者様のキャリアを通して、組織の魅力が伝わる記事を発信していけるよう、これからも一生懸命運営してまいります!
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