今回は株式会社Piece to Peace代表、大澤 亮氏にお話を伺ってきました。
「社長の履歴書」だけの特別なインタビューです。ぜひご覧ください!
株式会社Piece to Peace 会社概要
会社名称 | 株式会社Piece to Peace |
代表者 | 大澤 亮(おおさわ りょう) |
設立 | 2009年9月 |
主な事業 | キャリーミー(ビジネス界におけるプロ契約の支援事業) |
社員数 | 正社員 11名、プロ人材30名、インターン6名(取材時) |
会社所在地 | 東京都港区赤坂8-5-40 ペガサス青山 510号室 |
会社HP | https://piecetopeace.co.jp/ |
事業内容について教えてください
株式会社Piece to Peaceはキャリーミーというサービスを提供しています。
「ビジネス界にもプロ契約を」というコンセプトのもと、プロ人材の紹介をしています。プロ人材とは、企業の課題解決をする為の専門知識やスキルを有し、複数の企業と業務委託契約で働き、成果や業務にコミットする30代を中心とした即戦力人材です。プロ人材は、正社員として働くのではなく、週に1~4回業務委託で活動し、クライアントの売上げを伸ばす、社員を育成し組織を強化するなどの成果を出すべく稼働しています。
昨今話題の副業や、顧問などの働き方とは違い、平日の日中に実務まで担当して稼働をする実務にコミットできる、いわば「実務型プロ人材」が1つの特徴です。マーケティングや事業開発、法人営業、広報PRの分野において、こうした新しい働き方・人材活用を提供しています。
現在、プロ人材は約1万4000人登録しており、大手・有名企業を経て独立したような起業家マインドや一流のスキルを持っている成果達成意欲の高い方が多いですね。プロ人材の週2回の稼働であれば月20万円から、高い人だと月70万円での契約実績があります。
学生時代に熱中したことはなんですか?
私のターニングポイントは、大学時代の留学です。
留学するまでは、自己肯定感が低い人間でした。留学を思い立った時に親が全く資金援助してくれない状況だったので、自分でアルバイトしたお金に加え、祖父や兄にお金を借りて200万円を調達しました。留学エージェントなどを全く使わずに自分で留学をコーディネートし、UC BerkeleyにてCertificate in Marketing with Distinctionを取得しました。
なぜカルフォルニアを留学先に選んだかというと、実はカリフォルニアは3歳から5歳まで住んでいた経験があるからです。かすかに記憶があり、かつて自分が住んでいた場所を改めて知りたいという気持ちもありました。
留学して最もよかったと思うのは苦労をしつつ、留学前の資金調達や手続きから、約1年間の留学という1つのプロジェクトを完了できたことです。海外で1人暮らしをし、日本人が授業で発言し一定の成績を収めることはとても大変でした。お金がない中で小さい成功体験を少しずつ積み上げられたことが、自己肯定感の向上に繋がったと思います。
留学から帰ってきて最初の仕事は何をされていたのでしょうか?
私の就職活動時は就職氷河期でしたが、三菱商事に内定が決まりました。アメリカで身につけた小さな成功体験が身を結び、最難関といわれる会社から内定をもらえ、更に自分への自信に繋がりました。
国際貢献をしていきたいと思っていたのでODA(政府開発援助)を担当する業務部に希望を申し出ました。1年半アフリカのタンザニアに駐在して国際開発方面に自分のキャリアが進み始めました。
しかし、当時ITブームやAIバブルがあった影響もあり、国際開発はではなく、もっとビジネスを中心としたキャリアを目指していきたいと思い三菱商事を退職しました。
退職後は何をされていたのでしょうか?
退職後は慶應義塾大学大学院(経営管理研究科修士課程)に行き、修士号を取得しました。
当時は27歳だったので、知識を収集することに集中しました。在学中に3500万円で1つ事業が売却でき、その3年後には1.1億円で別の事業が売却できました。
0から1をつくることは起業の実務で学びましたが、1から10、1から100に事業を拡大する知見を得たいと考え、ドリームインキュベータに就職しました。ドリームインキュベータはスタートアップへの投資・インキュベーションから、大企業向けの経営コンサルティング事業を行っている会社です。ドリームインキュベータでは、創業者がボストンコンサルティンググループの代表だったことから、その大企業のコンサル経験を生かしてベンチャー企業に投資、育成をし、日本を代表する会社を作ることを目指していました。
ドリームインキュベータなら自分が貢献できることもあるし、自分が学べるものもあるはずだと思っていました。在職中は様々なことを体験させてもらい2年半で退職しました。
そこから起業されて大変だったことはありますか?
株式会社Piece to Peaceを起業して、世の中の役に立つことと、民間企業として収益をあげることの2点をミッションに掲げていました。
起業して大変だった時期はキャリーミーを立ち上げる前です。この頃、企業として2回事業の方向転換をしており、債務超過に陥って預金残高がゼロになりました。ストレスもあったのかもしれませんが、自分の体調も崩してしまいました。
ただ、体調よりも自分の事業の収益が悪化している状況が、自分にとって苦しい出来事でしたね。ありがたいことに信頼できる人が周りにいたので、その方たちに仕事をもらいながら、今のキャリーミーの根幹を築いていきました。
プロ人材を使って成功された何か事例などありますか?
ある会社は1年半で20名ものプロ人材を活用し、上場しました。このお客様のように、10人以上プロ人材を使っている企業はたくさんいらっしゃいます。
実は当社もプロ人材に助けてもらい、瀕死の状態から事業の拡大に成功しました。当時、私の会社は正社員を採用できるほどの企業体力もないし、中途正社員の採用活動にコミットすることができませんでしたから。しかし、プロ人材が成果を出してくれ、自社にノウハウを残してくれたからこそ、今の当社があります。
当社には今でもプロ人材が30名ほど在籍していて、正社員は11名です。当社は正社員と業務委託プロ人材からなるハイブリッド型組織であり、これは間違いなく日本の企業の未来像になります。
日本では労働人口が減っていく一方です。しかし、企業は永続的に収益を上げないといけないですよね。労働人口の減少への対策は2つしかなく、外国人材を採用することか、正社員以外を活用することです。
私たちは正社員以外の採用、特に業務委託契約に可能性があると思っているので、業務委託プロ人材と正社員で構成する人材のハイブリッド事業を進めています。6年間プロ人材を抱えている当社が実験台となり成功しているので他社のロールモデルになっていけると思います。
今後力を入れていきたいのは、「どのようにプロ人材のマネジメントをすると、より成果が期待できるのか」という視点で、企業様に対してプロ人材の活用方法やノウハウを提供することです。プロ人材は、正社員と異なるマネジメント方法が必要になるので、当社が経験したノウハウを他社に伝えていきたいです。
今後の展望を教えてください
有難いことにキャリーミーの事業は好調です。法人からは「今までは正社員や外注先に頼むという形が普通でしたが、優秀な人が業務委託で事業に関わり成果が出ている」と感謝のお言葉をいただくこともあります。
また、登録者のプロ人材側からも働き方が変わり、子育てとの両立ができる、自分の趣味や事業運営に使えるなどのメリットがあると聞いています。これからは、感謝される量をさらに最大化させていきたいです。
今後は事業開発をどんどん進めていき、ダイレクトで企業と個人が繋がれる仕組みを作ることと、師弟採用(※)の推進を考えています。
※師弟採用は株式会社Piece to Peaceの登録商標です。
師がプロ人材を意味していて、弟というのは未経験の人です。プロ人材と未経験者の2人が企業様で稼働を始めます。未経験者は企業様に長期的に稼働する業務委託か、正社員以外の雇用形態を取るようにします。稼働先である企業様でプロ人材が未経験者を育成して、その業務の内製化を図っていけます。
近年、特に中小・ベンチャー企業では中途採用に大変苦戦していると聞いています。こうした企業様に対して、正社員より採用コストがかからない業務委託プロ人材と正社員以外の雇用での未経験者を稼働させることで企業様の採用課題が解決できると考えています。
この記事を読まれている方に何かメッセージはありますか?
人はどこかで必ず奢りが出てきます。Unlearn(アンラーン)やリスキリングといった、一度学んだことを一度ゼロにしてまた学び直す姿勢が重要だと思っています。
自分ができるという自信を持つことは重要ですが、自信とは別に「学び直すこと」も意識してほしいです。
経営者におすすめする本はありますか?
ブラッド・スローンが書いた、『ジェフ・ベゾス 果てなき野望-アマゾンを創った無敵の奇才経営者』です。
非常に面白く、かつ役立っています。
『ジェフ・ベゾス 果てなき野望』 ブラッド・スローン(著)■アマゾン創業者ジェフ・ベゾス、奇才経営者の実像に迫る物語 原書は『The Everything Store』 Amazon URL: |
投稿者プロフィール
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新入社員を含めたフレッシュなメンバーを中心に、出版サポートの傍らインタビューを行っております!
就活生に近い目線を持ちつつ様々な業種の方との交流を活かし、「社長に聞きたい」ポイントを深掘りしていきます。
代表者様のキャリアを通して、組織の魅力が伝わる記事を発信していけるよう、これからも一生懸命運営してまいります!
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