今回は、株式会社リバランス 池井佑丞(いけい ゆうすけ)氏のお話を伺ってきました。
医師とプロの格闘技選手という肩書を持つ池井氏は、さらに多くの人の健康を維持するためにクラウドサービスを開発しています。
「社長の履歴書」だけの特別なインタビューです。ぜひご覧ください!
- 1 株式会社リバランス 事業概要
- 1.1 ご自身の経歴と株式会社リバランスを立ち上げるまでの経緯を教えてください
- 1.2 産業医として起業しようと思ったきっかけは何ですか?
- 1.3 産業医になって良かったと思うことは何ですか?
- 1.4 株式会社リバランスの事業内容を教えてください
- 1.5 池井さんは格闘技の選手としても活動されていますが、医師との両立は難しくなかったですか?
- 1.6 その後、スポーツや医療に対する思いの変化はありましたか?
- 1.7 株式会社リバランスの課題は何かありますか?
- 1.8 社員さんに伝えたいことはありますか?
- 1.9 リバランスとしての未来の展望を教えてください
- 1.10 池井さんが経営者におすすめする本を教えていただきました!
株式会社リバランス 事業概要
会社名称 | 株式会社リバランス |
代表者 | 代表取締役 池井佑丞(いけい ゆうすけ) |
設立 | 平成29年12月15日 |
主な事業 | 産業保健事業:プロ産業医による健康経営クラウドサービス「Dr.CHECK」
産業医業務・保健師業務・健康経営コンサルティング |
社員数 | 6名(取材時) |
会社所在地 | 〒101-0048 東京都千代田区神田司町2-5-3 第2今井ビル2F |
会社HP | https://www.re-balance.co.jp/ |
ご自身の経歴と株式会社リバランスを立ち上げるまでの経緯を教えてください
池井さん: 2008年に医師になって、ずっと臨床をしていました。学生時代からプロのスポーツ選手としても活動をしていたので、病気を治す医療というよりは、病気にさせない医療をやりたいなという思いが元々あったんです。それで、産業医という職業に転職をしたという経緯があります。
現在は、日立グループの統括産業医という立場で働きながら、全ての企業に健康経営を提供するというのを目標に、クラウドサービスの開発等を行っています。
産業医として起業しようと思ったきっかけは何ですか?
池井さん:元々は内科医として訪問診療を行っていたんです。訪問診療というのは、病院に行く手前の高齢者の方々を診察する一種の予防医学ということで、興味を持って取り組んでいました。
結論から言うと、予防としては遅いなと感じました。もう既に長年糖尿病だったとか、生活習慣病の高齢者が多くて、そこから治療しても根本治療にならないケースが多かったんです。もっと早い段階で診れる方法はないかなという中で、産業医にたどり着きました。
産業医を始めて一番に感じたことは、思った以上に企業の中にたくさん病人がいるなということです。そこを解消していくのが産業医の役割だと感じました。
一方で、産業医専門の医師は少ないですし、やることもかなり煩雑で、マンパワーで何とかなる話ではないと実感しました。これをクラウド化して効率良くすれば、もっと多くの人を救えるのかなというアイデアが浮かんで、結果、事業化して起業しました。
産業医になって良かったと思うことは何ですか?
池井さん:臨床医だと病院に来なくなった人を追いかけていくことは難しいですが、産業医だと従業員の健康に能動的に関わっていくことができます。そこが面白いところだと思いますし、自分から近づいて治せるところにやりがいを感じます。
僕自身がスポーツをしていて健康づくりに興味や知見があるので、そこも活かせるという意味では、まさに天職だと思いました。
株式会社リバランスの事業内容を教えてください
池井さん:『Dr.CHECK』というクラウドサービスを中心にサービス展開しています。内容はシンプルで、企業の健康リスクを『見える化』して、それを『解決』するというものです。
弊社には独自のアルゴリズムがあります。健康診断や勤怠といういろいろなデータをいただいて、それを分析することで、従業員一人ひとりの健康リスクを点数化します。それを基に、僕ら産業医が一人ひとりの内容をチェックした上で、個別の解決策を提案して、解決されるまでずっとフォローを続けていくという形です。
前半をアルゴリズム化して工数や精度を上げて、後半は僕らが直接関わることによって質を担保するというパッケージのサービスになっています。
池井さんは格闘技の選手としても活動されていますが、医師との両立は難しくなかったですか?
池井さん:やりたいこととやるべきことを両方していたので、どちらかというと、プラスに働いている面のほうが多かったとは思います。
ただダブルワークなので、現実問題、体力的には大変でした。片手間と思われて周りからなかなか受け入れてもらえないケースがあったり、特に若い頃は、どちらかの手を抜いたり雑になったりして、周りに迷惑や不快感を与えてしまうことも多々ありました。
その後、スポーツや医療に対する思いの変化はありましたか?
池井さん:以前、恩師から「24時間356日医者でありなさい」と言われたんです。人の命を扱うわけですから、それは当然だなと。
医療というのは、社会的な立場や責任も大きい仕事なので、これをしっかりやらないといけないなとシンプルに思うようになりました。
どんなときでも困っている人がいたら助けたり、苦しんでいる人を助けたりすることが、僕にとっては24時間365日医師であることだと思います。
とはいえ、好きなスポーツは自分を満たしてくれます。それを活力にして一生懸命仕事をしていきたいです。
株式会社リバランスの課題は何かありますか?
池井さん:大きく二つあります。
まず一つ目は、サービス面に関してです。健康経営の重要性をしっかり伝え切らないといけないという難しさがあります。
健康が大事とか、健康経営というのがあるらしいというのは、だいたいの方は理解していて、話をすれば納得してくれます。ですが、それにしっかり取り組んでいこうと思わせるまでが僕らの大事な仕事というか、使命だと思っています。これにはなかなか苦労しています。
二つ目は、経営面での課題です。スタートアップだと年々大きな変化が出てくるので、ある種一般の企業ほど社員に安心感を与えてあげられないという点です。そこの不足部分をどうやって埋めればいいかというのは、常に思うところではあります。
船を一生懸命操縦しながら、船員のこともチラチラ見ないといけないというようなことだと思うんですけど、このバランスを取るのが難しいと感じています。
社員さんに伝えたいことはありますか?
池井さん:まずは「ありがとう」を伝えたいです。
知り合いや仕事関係の方が僕の願いに答えて仲間になってくれたので、起業することができました。それだけでも感謝です。
スタートアップ企業は本当にすることが多くて、感謝を伝える時間さえないくらい多忙な毎日です。正直、僕が社員から支えてもらっていることのほうが多いのに、なかなかお返しできていないので申し訳なく思っています。
健康系のサービスというのは、思いの部分が大切だと思っています。今はなかなか思いを育てていくような時間もつくれていないので、もっと伝えていきたいです。それに加えて、これからは、僕のためではなくて、社会のために「三方よし」という感性で働いてくれる社員さんが増えてきたらいいなと思います。
ただ、スタートアップという難しい事業をするために、みんな来てくれているので、本当に「ありがとう」と「ごめんなさい」の気持ちでいっぱいです。これから安定して余裕ができたら倍返しできればと思っています。
リバランスとしての未来の展望を教えてください
池井さん:僕は全ての頑張っている人が報われる社会になってほしいなと思っています。それは頑張っているのに頑張っているが故に、不幸だったり、病気になってしまう人をたくさん見てきたからです。そういうのが世の中から減ればいいのにと思っています。
健康を管理するというのは、そこのベースになると思います。
まずは、日本人全員の健康管理の下地になるようなサービスになりたいです。それにプラスアルファ、頑張りを応援できるような新たな事業にも取り組みたいと思っています。
池井さんが経営者におすすめする本を教えていただきました!
『タイガー・ウッズのスーパーキャディが明かすゾーンメンタルトレーニング―潜在能力を極限まで引き出す「心」のつくり方」
スティーヴ ウィリアムズ(著)、ヒュー ドレーシー(著)、Steve Williams(原著)、Hugh De Lacy(原著)、滝沢 宏(翻訳) |
投稿者プロフィール
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新入社員を含めたフレッシュなメンバーを中心に、出版サポートの傍らインタビューを行っております!
就活生に近い目線を持ちつつ様々な業種の方との交流を活かし、「社長に聞きたい」ポイントを深掘りしていきます。
代表者様のキャリアを通して、組織の魅力が伝わる記事を発信していけるよう、これからも一生懸命運営してまいります!
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