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株式会社MatrixFlow代表 田本芳文氏

今回は株式会社MatrixFlow代表、田本芳文氏にお話を伺ってきました。

「社長の履歴書」だけの特別なインタビューです。ぜひご覧ください!

 

株式会社MatrixFlow 会社概要

会社名称 株式会社MatrixFlow
代表者 田本 芳文(たもと よしふみ)
主な事業 ドラッグ&ドロップだけで前処理も含めた機械学習・深層学習が可能。学習データや学習済みモデルの管理機能、サービスに組み込むためのAPIの作成機能も搭載。
AIの導入検討で生じる、あらゆる悩みを解決します。
会社所在地 〒111-0042
東京都台東区寿2-10-16 フォーラム浅草田原町 7F
会社HP https://www.matrixflow.net/corporate/

 

 

会社の事業内容について教えてください

『株式会社MatrixFlow』は、プログラミングせずにAIが構築できるプラットフォームを提供しています。難しい作業が不要で、誰でもAIが作れるサービスになっています。当社はITに全く詳しくない人でも触れるような形にこだわっています。

特にUI(=コンピューターとその利用者の間で情報をやりとりするためのインタフェース )や、UX(=コンピューターなどのシステムから、人間がそれらに出会って利用した経験)を大切にするようにしています。

 

どのような方へサービスを提供しているのでしょうか?

創業当初から一般企業の方をターゲットにしています。誰でも触れることにこだわっているので、「専門用語をいかに分かりやすい言葉で伝えるか」という部分で努力しています。エンジニア以外の社員の声をヒアリングして、そこに活かすような対策をしたり。

一般用語と専門用語で被っている言葉があるのですが、それらの言葉を説明するのが難しいですね。例えば『精度』という言葉。一般用語では『どれだけうまくいっているか』というような意味で使われますが、専門用語的には違う意味で使われます。そのギャップを、うまく説明する必要があると感じていますね。全く知らない用語だと調べれば分かりますが、普段使っているような言葉こそ思い込みが入ってしまい、理解していただくのが難しいんです。なので、用語の説明は苦労する部分の一つではあります。

 

学生時代から、社会人を経て起業するまでのお話を聞かせてください

学生の頃は、理論物理を学んでいました。ミクロの世界を探る量子論の分野や、宇宙の動きなどアインシュタインの相対性理論を統合させるような研究をしていました。研究者を目指していましたが、実験よりも理論の方が進みすぎていて…。ブラックホールなどの極端なところじゃないと起こらない現象を、実験で確かめようとすると難しいんです。何をもとに学問を進めていくかというと、数学的な整合性だけ。それはあまり科学をやっている感じではないな、と気付いたんです。もっと人々の身近なところ、周りの人々を幸せにするようなことに力を使っていきたいなと思うようになり、大学院の終わり頃からプログラミングを学び始めました。

そして新卒で、webエンジニアとして入社しました。

ブラウザからメールを作るような事業内容の会社でした。プログラミングを始めて間もなかったこともありましたし、働きながら経験を積みたいと思ったんです。その会社でエンジニアリングのことを学ばせてもらいました。そのころAIはまだ一般的ではありませんでしたね。

働きながらプログラミングを学ぶうちに、様々な機能が誰かによって作られたものであることに気付かされ、更に、どうやって作られたかが分かってきました。そこで「自分でも作れるんだ」と思うようになりました。それが出来れば人の役に立てると思い、プログラミングに専念するようになりました。

そのうち、AIや機械学習という単語をよく聞くようになりました。興味を持って調べると、私が学生の頃にやっていた理論物理で使う数学とAIで使う数学が似ていたのですぐに習得できそうでした。その内容にもっと深く関わっていきたいと思ったので転職をして、レコメンドエンジンを扱う機械学習系の会社に就職しました。ネットで買い物をした時、「この商品を買った人はこんな商品も買っています」という広告が出るじゃないですか。そういうレコメンド機能などでAIを実社会に生かしたり、AIを売っていく会社でした。AIの売り方だけでなく、いろいろな面でとても勉強になりましたね。

レコメンドを入れているのと入れていないのでは、利益が何倍も違います。この会社で働いたことにより、AIで利益が上げられることに気付き、AIでお客様を幸せにできることに気付きました。具体的に『お客様』を感じられた経験にもなりました。

 

起業するまでの背景を教えてください

AIを作る仕事をしていた時、Google発端で『AIの民主化』という言葉が流行り出したんです。でもその『民主化』は、一般的なエンジニアが使えるようになるため、大企業のためで。それって『民主化』じゃないなと思っていました。『民主化』と言うなら、一般的なビジネスパーソンでも使えるようにしたほうが良いと思っていました。

元々プログラミングせずにAIが作れるというツールを、休日などに趣味で個人開発していたんです。誰でもダウンロードできるように、無料公開もしていました。それが、起業する1〜2年前くらいの早いタイミングのことです。それが仲間などにも好評だったことも、起業の後押しになりました。

webエンジニアとして就職したばかりの頃は、「仕事内容」よりも「物を作ること」が難しそうだというイメージがありました。でも、やってみると意外とそうでもないなという体験があったので、同じようなブレイクスルー体験を、ITに詳しくない人にもして欲しいという気持ちがありました。

 

苦労したことなどを教えてください

AIは難しい、関係ない、と思っているお客様はたくさんいます。その人たちにAIの価値を理解していただくことに苦労しました。

実際に触ってもらうと分かっていただける場合も多いですが、AIというだけで拒否反応を持つ方も多いです。現場で気に入っていただけても、上層部で意見が通らないこともありました。AIはまだ大企業しか使っていないので、「大袈裟なんじゃないか」とか…。必要ではあるけれどもその価値が伝わっていないことや、使い方がイメージできないことなどが理由だと考えています。

そこでイメージを伝えるための工夫として、教育系の会社と組んでAI教育の一環として『マトリックスフロー』を触ってもらうなどしています。ビジネスパーソンや、データ活用の一環としてAIを利用しようとしている方に向けて、サポートしながら基礎からお教えします。

商談の時にはAIプランニングシートシートを用意して、困っていることや、AIで解決するための手段の提案もしています。そこで事例をたくさん見せたりして、完成系をイメージしていただくことがポイントですね。コンサルのようなことをしなくてはならない難しさもありますが、それを行うことにより、利用者様も気付いていない潜在的な問題にもアプローチ出来ます。

 

今後のご展望や夢を教えてください

AIの導入数を増やすことに注力したいと考えています。また社会の変化に合わせて、需要予測や退職者予測をやっていきたいですね。コロナ禍になったことで、過去の単純な計算からの予測が難しいのですがAIを使う『マトリックスフロー』なら出来ます。

具体的な話ですと、リモートになって働き方が変化した結果、メンタル的に調子の良くない人がたくさん出てきました。そのため退職リスクを心配している企業も多いというのが現状です。マトリックスフローは退職予測に特化したものもあるので、「なぜ辞めそうなのか」までもが分かります。

弊社にはAIの社会実装に必要なことをサポートできる体制があるので、DXやAIで気になったことがあれば、ぜひ問い合わせして頂きたいと思います。

 

お気に入りの本を教えてください

『ツイッター創業物語』です。ツイッターが創られるまでの人たちの話などが書かれています。創業の裏側や、友人たちの裏切りなど、人間のドロドロした様子が描写されているのも面白いです。創業者の一人であるジャック・ドーシーの成長が見られたり、親近感が湧くところも参考になります。自身の仕事内容と絡めても、面白いなと感じる部分がありますね。

 

『ツイッター創業物語 金と権力、友情、そして裏切り』 ニック・ビルトン(著)

ベンチャー企業オデオはポッドキャスティングで一発当てようとしていた。だが創業から2年、当初のもくろみが外れたことは明白だった。目前には会社の破綻が迫っていた。つぎつぎに社員をクビにしていたそんな時、会社に残った人間で考え出したアイデア――それがツイッターだった。

友人どうしだったITオタクが作り出したビジネスは、やがて外部の投資家を巻き込んだカネと権力、そして名誉争いに発展していく。はたして「ツイッターの発明者」という称賛に値するのはだれなのか?

思いがけない創業、友だちの裏切り、そして世界3億人のユーザを獲得するまでの軌跡を、4人の共同創業者を軸に描き出した全米ベストセラー。

Amazon URL:
https://www.amazon.co.jp/dp/4532319331/

 

投稿者プロフィール

『社長の履歴書』編集部
『社長の履歴書』編集部
新入社員を含めたフレッシュなメンバーを中心に、出版サポートの傍らインタビューを行っております!

就活生に近い目線を持ちつつ様々な業種の方との交流を活かし、「社長に聞きたい」ポイントを深掘りしていきます。

代表者様のキャリアを通して、組織の魅力が伝わる記事を発信していけるよう、これからも一生懸命運営してまいります!