今回は株式会社ヒストリンク代表、齊藤 太一氏にお話を伺ってきました。
「社長の履歴書」だけの特別なインタビューです。
ぜひご覧ください!
会社名称 | 株式会社ヒストリンク |
代表者 | 齊藤 太一 |
設立 | 2024年3月15日 |
主な事業 | ・歴史講座やイベントの講師、歴史に関する創作物への時代考証担当などの紹介、斡旋、派遣
・歴史にかんする創作物への時代考証 ・歴史にかんする各種グッズなど制作・販売 ・史跡のパンフレットや企業の社史、会社案内など作成 ・寺社などの史跡に関係する史料の調査・報告 ・歴史を題材にしたイベントの企画・開催 ・歴史を題材にした新聞や雑誌の発行 ・歴史を題材にした飲食店の運営 ・歴史をテーマにしたまちおこしへの協力 |
社員数 | 1名、非正規含め7名(取材時) |
会社所在地 | 東京都江戸川区平井5-15-10平井駅北口駅前ビル2F(平井オープンボックス内) |
会社HP | https://histlink.net/ |
事業内容を教えてください
株式会社ヒストリンクは、歴史の総合問題解決会社です。「歴史で世界豊かにする」を理念とし、歴史の面白さ・学びを多くの人に届けたい、すべての歴史に興味を持った人に楽しさを伝えたいという想いで事業を展開。当社は自治体(愛知県岡崎市など)から依頼を受けることもあり、お客様は全国にいらっしゃいます。
また現在(2024年9月)放送中のアニメ『逃げ上手の若君』の歴史監修協力を、私が担当しています。ストーリーを伝える際に、歴史・文化的背景がしっかりしていると作品全体に信頼性やリアリティが高まり、物語の内容が深まります。だからこそ、今後も歴史アニメの時代考証、また史跡パンフレット制作などに注力したいと思っています。
他にも歴史イベントの企画・実施や歴史媒体の編集など歴史関係のことでお困りの際は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
https://www.secure-cloud.jp/sf/business/1644393485qofGdnTW
上記制作事例画像:鹿児島の勝栗神社のパンフレット。その他、全国各地の史跡のパ
「歴史の専門家が活躍する場所をつくる」ことも貴社が力をいれていることですが、具体的にどのようなことをされていらっしゃいますか?
歴史研究者や歴史タレントと、クライアントをつなげるマッチングサービス「レキシツナグ」を展開しています。歴史の講座は、一般企業でも研修や勉強会などにご活用いただけると思います。研究者などにもよりますが、比較的良心的な価格でご提供しておりますので、よかったらぜひご利用ください。
URL:https://peraichi.com/landing_pages/view/histlink/
上記画像:岩崎敦史氏(軽野造船所)が講師を務めた、全日本特殊鋼
上記画像:大河ドラマ「どうする家康」古文書考証などを務めた大
何かPRしたいことはありますか?
2024年10月5日・6日(土・日)に「第3回南北朝フェス in諏訪 ー飛んで南北ー 諏訪湖より愛をこめて」が開催されます。「南北朝に関するさまざまなコンテンツを集めた、歴史を楽しむ会グループのシンボル的なイベント」として、今回は諏訪一族が治め、あの北条時行が潜伏したといわれている長野県諏訪市を盛り上げます!
5日には諏訪市駅前交流テラスすわっチャオにて「鎌倉STYLE盆踊り」もあります。よかったらぜひご参加ください。
学生時代はどのようにお過ごしでしたか?
祖父の影響で、学生時代から歴史が好きになりました。祖父に会いに行く度に歴史クイズが毎回出題され、最初は「なんじゃそりゃ」と思っていましたが、段々と歴史の奥深さや切り口の多さに惹かれていきました。
学校でも歴史は大好きな教科で、高校卒業後は駒沢大学文学部歴史学科に入学しました。大学時代は長野県の歴史上の人物を調べたり、歴史サークルに入って中世史の研究をしたり、夏休みにはフィールドワーク・古文書調査に行ったりと、さらに学びを深めていました。
昔から経営者になりたいと思っていましたか?
いいえ。昔の自分は社員のほうが安定した生活ができると思い、社長になりたいとは一切思っていませんでしたね。歴史に関しても、個人的に没頭して楽しむ方が好きでした。
ただ6年ほど前に何人かの経営者にお会いして、考えが変わりました。歴史は個人で楽しむのも良いのですが、人に伝え、次世代に繋いでこそ一層意味があると思ったことで、ビジネスや社会貢献として歴史ファン・歴史市場を広げていくことを決め、起業しました。
なぜ法人化されたのですか?
歴史はお金になりにくい分野だと言われているからです。無料講演会や無料コンテンツが多いため、マネタイズが難しいビジネスだと実感しています。ただ、だからこそ一層の歴史の価値付けのためマネタイズが大事だと感じます。
マネタイズができれば歴史業界全体を盛り上げることもできるし、株式会社にすることでこの事業が長続きする、持続可能性が高まると思いました。
歴史は誰でも触れることができて、文化的価値が高いからこそ無償のものが多いのが現状ですが、無償で提供し続ければ、今後誰もこの分野を担いたい人がいなくなってしまう危険性もあります。だからこそ、私がマネタイズの方法を確立し、世の中を変えていきたいと思い法人化しました。
経営者になる前にやっておいて良かったことはありますか?
繋がりを大切にすることです。
20代後半から30代前半の時に、有名な研究者や経営者のセミナーへ行って話を聞いていましたが、当時の私は「到底自分にはついていけない内容だ」と思っていました。しかし、今思い返すとセミナーでは物事の本質が語られており、時間が経ってようやく理解することができました。
セミナーや集まりなど様々な場所に顔を出していたので、起業する際にも多くの方にお世話になり、手助けをいただけました。
会社を経営していく中でどのようなことを心掛けていらっしゃいますか?
経営者に求められることは、多様性を受け入れて、冷静さを保ちつつ寛容でいることです。人の上に立つ人間は、豊臣秀吉や徳川家康のように懐が深くあることが大切ですが、そのためには、人の失敗を受け入れて、カバーしていく力が必要になっていきます。元々私はリーダーになるのが得意なタイプではなかったからこそ、周りに優しく、一生懸命自分を磨くよう努力しています。
どのように努力をしているのでしょうか?
心を落ち着けるための行動を意識的に取ることで、忙しい日々の中でも一息つくことを忘れないようにしています。
例えば、山に行って自然に触れたり、神社に行ってお賽銭を入れて手を合わせています。
また、日常生活では、変なプライドは持たないようにしています。プライドがなければ恥をかくこともないですし、まだ創業初期の状況で凝り固まったプライドを持つのは、成長の邪魔になるだけだと思っています。
とにかく動くことを意識して、少しずつでもお客様の要望に応え続け、積み重ねていくことが今やるべきことだと考えています。
他にも大変なことはありますか?
歴史を事業にする難しさという点でいうと、1点に集中したマーケティングがしづらいことですね。歴史の好みは人それぞれで、特定の歴史アニメのキャラが好きな方もいらっしゃいますし、戦国時代に特化した方もいます。歴史は研究者によって違う観点もありますので、特に何か企画を立てる際は私がうまく中和し、潤滑剤的なポジションになれるよう精進しています。
経営者が歴史を学ぶメリットはありますか?
2つメリットがあると思っています。
1つ目は多角的な視点を養えることです。歴史を学べば1つの事象に対して様々な目線で学びを得ることができます。例えば「本能寺の変」という出来事に対して、織田信長の立場、明智光秀の立場、豊臣秀吉の立場では感じ方や出来事の捉え方が変わります。立場の違う相手が1つの事象に対してどのように感じ捉えて、どんな行動に出るのか、想像力を持つことは経営を行ううえで大切なことではないでしょうか。
そして2つ目は歴史から失敗を学べば、対策が立てられることです。実は失敗だけなく、事故や災害なども歴史上で似たような事象が幾度となく繰り返されています。そのため、歴史を学ぶことで危機管理意識が育まれていきますし、解決したい問題がある方は同じようなことがなかったか調べてみると、ヒントや答えに出会えるかもしれません。
今後の展望を教えてください
歴史で世界を豊かにすることを目標にしているので、もっと広い視野を持って、世界で活躍できる会社にしていきたいです。世界中には遺跡や歴史的建造物が沢山ありますが、伝える人がいなかったり、うまく魅力を発揮できていない場所もあると思います。そんな悩みを当社が解決したいです。
他にも古文書調査など、当社がお役に立てることがあれば積極的にチャレンジしていきます。
また、ヒストリンクの創業当時から「徳川家を楽しむ会」「南北朝時代を楽しむ会」などでイベント開催を行っています。歴史好きな仲間と繋がれる重要なイベントですので、これからもその価値を提供し続けたいです!
歴史に関するお困りごとがございましたら、ぜひヒストリンクまでご連絡ください。
経営者におすすめの書籍はありますか?
私がアニメ版の歴史監修協力をしている松井優征さんの著書『逃げ上手の若君』(週刊少年ジャンプ連載中)をおすすめします。
鎌倉時代末期から南北朝、室町時代にかけて、中先代の乱を起こすなどした北条時行の生涯を描いた歴史漫画です。時行はとにかく逃げることに秀でていて、逃げることで生き延び、英雄になっていくというお話です。ジャンプ漫画特有の友情・努力・勝利をベースにしながら、逃げの部分も盛り込んでいるのが令和の時代にウケているのだと思っています。
「逃げるが勝ち」という言葉にもある通り、逃げることが時に良い方向になることもあります。人間がどのように行動すれば勝つことができるのかが深掘りされている内容は多くの方にとって勉強になる内容だと思います。
2冊目におすすめしたい本は、樺沢紫苑さんの著書が齋藤邦雄さんによってコミック化された『【マンガでわかるアウトプット大全】もしも社畜ゾンビが『アウトプット大全』を読んだら』です。
学生時代から20代まではインプットすることが人生において、とても多かったと思いますが、経営者だけでなくビジネスをしていく社会人は、人への伝え方(アウトプット)が重要になります。
2冊ともとてもおすすめの書籍ですので、ぜひご覧くださいませ!
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投稿者プロフィール
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新入社員を含めたフレッシュなメンバーを中心に、出版サポートの傍らインタビューを行っております!
就活生に近い目線を持ちつつ様々な業種の方との交流を活かし、「社長に聞きたい」ポイントを深掘りしていきます。
代表者様のキャリアを通して、組織の魅力が伝わる記事を発信していけるよう、これからも一生懸命運営してまいります!
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