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GeNiE株式会社代表 齊藤 雄一郎氏

  • 05/23/2024
  • 06/03/2024
  • 仕事
  • 348回

 

今回はGeNiE株式会社代表、齊藤 雄一郎氏にお話を伺ってきました。

「社長の履歴書」だけの特別なインタビューです。

ぜひご覧ください!

 

 

会社名称 GeNiE株式会社
代表者 齊藤 雄一郎
設立 2022年4月1日
主な事業 エンベデッド・ファイナンス事業
社員数 19名(2024年4月1日時点)
会社所在地 東京都中央区八丁堀四丁目3番5号 京橋宝町PREX
会社HP  https://genie-ml.com/

 

 

 

事業の内容を教えてください

当社はアコムの子会社で、レンディング(貸付)領域におけるエンベデッド・ファイナンス事業を行っています。エンベデッド・ファイナンスとは、「非金融企業が、自社のサービスに金融サービスを組み込んで提供する」ことを指します。当社のサービスを既存サービスに組み込んでいただくことで、金融以外の事業を展開する企業でもローンの提供が可能となります。そして、消費者は普段から利用しているショッピングサイトやアプリ内で商品を購入する際、シームレスに個人ローンを申し込むことができ、必要な資金をその場で受け取ることができるようになります。

エンベデッド・ファイナンスによるローン提供では、事業者が保有する顧客情報も審査に活用するため、今以上に高い精度で与信判断が可能となります。事業者と当社、両社が保有する顧客情報を共有し合うことで消費者一人ひとりの解像度が上がるため、例えば、給料日後に少し高価な商品の広告を表示するなど、事業者は顧客に対しより精度の高い商品のレコメンドが可能となります。エンベデッド・ファイナンスは、各企業のマーケティング、そして顧客体験の向上に貢献できます。

 

どの業界の方がエンベデッドファイナンス事業を活用できるのでしょうか?

例えば小売のECショップ、スーパー、ドラッグストアや人材派遣、フィンテック系、クレジット会社などエンドユーザーさんを抱えてらっしゃる会社であれば、業種を問いません。パートナー企業に合った、金融の形を共創していきます。サービスの導入は無料ですので、ご興味がありましたらぜひお問合せください!

https://genie-ml.com/money-lamp/contact/

 

学生時代頑張っていたことを教えてください

高校生の時から大学時代まで美容院で長らくバイトをしていました。当時カリスマ美容師が流行っており、深夜のテレビでも特集番組が放映されたり、高視聴率だった『ビューティフルライフ』というドラマでは木村拓哉さんが美容師役で出演したりと世間から取り上げられていたので、美容師が世界一かっこいい仕事だと思っていました。学生時代は美容師になろうと思っていましたが、バイトを通して美容師の世界はハードでよっぽどアーティスティックでカリスマ性がなければやっていけないと実感し、美容師の道は諦めました。

 

新卒ではどちらの会社に行くのでしょうか?

大学卒業後はアコム株式会社に入社しました。両親が共に銀行員で金融機関は私にとって身近な存在だったので、金融系に進みたいと考えていましたが、その中でもアコムを選んだ理由は、さまざまな挑戦ができる環境だと思ったからです。アコムは呉服店から始まり、質屋業を経て消費者金融となりビジネスを展開していきました。その後も消費者金融以外にレンタルビデオ業や観光業、ECの決済システムを作るなど多角的な取り組みをしており、新規事業が毎年のように生み出される会社で業界No.1の実績に魅力を感じて入社を決めました。

あまり知られていませんが、実はアコムは24時間営業のATMを日本で初めて導入したり、人と会わずにローン契約が組める機械を作ったりと業界の革新に貢献している企業でもあります。

 

将来的に社長になりたいと思って入社されたのでしょうか?

いいえ。新卒時代の私は社長なんてできる器ではないと思っていましたし、社長になるイメージすらありませんでした。入社後はアコムの支店に配属され、2年後に本社の経営企画部へ異動しました。5年ほど経営企画部に在籍し、社長や役員の方と会議や、今後の経営に関して提案する機会があり、金融機関の経営者が何を大切に仕事をしているのかを近くで感じることができました。その経験から経営者になってみたいという想いが芽生え始めたと思っています。

 

経営企画部の後はどちらに異動されるのでしょうか?

マーケティングの部署に在籍してました。経営企画部で会社を俯瞰できるようになり、会社の仕組みや組織について大きなインプットができた上でマーケティングに携われたことはとても良かったですね。マーケティング部では投資効率を求めていく作業が必要なため、お客様へのインタビューを通じてお金を借りる時の心理を細かく分析し、顧客理解を深めることができました。その後、フィンテックやDXという言葉が金融業界に出てきたことをきっかけに、イノベーション企画室を立ち上げ、デジタル領域におけるサービス企画・立案、新規事業開発などに取り組みました。

 

どうしてエンベデッド・ファイナンス事業で社内起業をされたのでしょうか?

マーケティングに携わる中で、消費者金融や個人ローンの利用はハードルが高く抵抗感を抱いている人が多いことを知り、消費者にとってより馴染みのある小売店などの既存サービスにお金を借りるためのシステムが組み込まれたほうが、自然にお金を借りられると思ったことがきっかけです。実は2016年に企画提案をしているのですが、当時は過去の法改正や利息返還請求等の影響により、業界全体が低迷していたため、新規事業への投資の優先順位が低く、見送りとなりました。業績が上向き始めた2021年に事業計画書を作成し、6年越しで企画を通すことができました。消費者金融業界が将来的に良い方向に向かえるよう舵取りをするのがアコムの使命だと社内決定が下り、アコムの子会社を設立して、エンベデッド・ファイナンス市場に早期参入することになりました。

 

経営者になって大変だったことを教えてください

2022年4月に会社を設立して、とあるパートナー企業とシステムを作っていました。しかし、サービス設計のイメージのすり合わせがなかなか上手くいかず、双方が納得いく落とし所を見つけられなかったことで、スタートから約8か月後に契約解除の決断をしました。その時は事業を進めるかどうかもかなり悩み、事業を畳んだ方が良いかもしれないと落ち込みましたね。

その後、無事新たなパートナー企業を見つけることができ、2024年6月にはサービスローンチを予定しています。

 

会社が大変だった時にどのように行動をしたのでしょうか?

最初のパートナー企業と破談になった時、とても焦りましたが、社員に焦りを見せることはしませんでした。誰よりも働き、この困難を乗り越えた先に良い未来が待ってると社員に伝えていました。経営企画部に在籍していた際、どんなに厳しい状況であっても経営層は慌てる様子を社員に見せることはありませんでした。振り返ってみると、当時の経営層の姿が私に影響を与えているのかもしれません。大変な時こそ、毅然とした態度で社員とコミュニケーションを取っていくことが大切ですね。

 

今後の展望を教えてください

サービスローンチ後、消費者にとって馴染みのある事業者のサービスに金融を組み込んでいきます。2〜3年くらいかけて各業界に合わせたベストプラクティスを確立し、各業界のスタンダードを生み出していきたいです。

「お金を借りる」と聞くとギャンブルのようなイメージが付いていますが、資金不足を理由に新しい経験や欲しいものを諦めてしまえば、自分の可能性を狭めてしまうことになります。個人の信用を有効活用できる人が増えていくような社会基盤を作っていきたいです。

 

他の経営者へのメッセージはありますか?

経営者の方には「目先の目標にとらわれすぎないマネジメントをしてほしい」と思っています。目の前の売上ももちろん重要ではあるのですが、今すぐ実にならなくても数年越しにビジネスになることもありますし、中長期的に業界や会社の形態を見ることができる社員を育ててみると面白いかもしれません。そうすることで、自律と野心と俯瞰を持ちながら、リスクテイクできる社員が輩出される可能性が高まるものと感じています。

 

経営者におすすめの本を教えてください

楠木建さん著書の『ストーリーとしての競争戦略 ―優れた戦略の条件』です。20代後半の経営企画部在籍時に読んだ、私にとってバイブル的な本です。誰も真似できない戦略を作るためには、圧倒的な主観を信じて、自分で形作っていくことが大切だと書かれています。

【Amazon URL】

https://www.amazon.co.jp/dp/4492532706

 

投稿者プロフィール

『社長の履歴書』編集部
『社長の履歴書』編集部
新入社員を含めたフレッシュなメンバーを中心に、出版サポートの傍らインタビューを行っております!

就活生に近い目線を持ちつつ様々な業種の方との交流を活かし、「社長に聞きたい」ポイントを深掘りしていきます。

代表者様のキャリアを通して、組織の魅力が伝わる記事を発信していけるよう、これからも一生懸命運営してまいります!