今回は株式会社キャリア・マム代表、堤 香苗氏にお話を伺ってきました。
「社長の履歴書」だけの特別なインタビューです。
ぜひご覧ください!
会社名称 | 株式会社キャリア・マム |
代表者 | 堤 香苗 |
設立 | 2000年8月8日 |
主な事業 | 業務支援(アウトソーシング)
販売支援(マーケティングほか) テレワーク導入コンサルティング 教育支援(キャリア支援) コミュニティ支援 |
社員数 | 40名(2022年4月現在) |
会社所在地 | 東京都多摩市落合1-46-1 ココリア多摩センター 5階 |
会社HP | https://corp.c-mam.co.jp/ |
主な事業について教えてください
株式会社キャリア・マムは、仕事と家庭の両方を大切に自分らしく働きたいと思う女性たちへ活躍の場を提供することを志し、2000年に設立しました。
全国10万人の在宅ワーク会員が様々な企業の業務を支援しています。
また、「おしごとカフェ」や保育室併設の「コワーキングCoCoプレイス」も運営しております。
自社の業務以外にも、官公庁や自治体と連携し様々な事業を展開しております。
学生時代に熱中したことはなんですか?
私は神戸女学院というプロテスタント系の学校に通っており、軽音楽部に入部しました。軽音楽部という名前でしたが、学校がガンガンのヘビメタロックなどを好まなかったので、フォークやJ-POPなどの演奏をする部活でした。学内や児童施設などで慰問演奏やコンサートをしていました。
他には中学・高校では生徒会の活動、特に中3の時は生徒会長でした。
その後早稲田大学に進学し、友達に誘われてアナウンス研究会に入りました。アナウンサーになりたかったわけではないのですが、軽音部にいた頃からみんなの前でMCをしていたので話すことには興味がありました。各局のアナウンサーなども卒業生にいらっしゃる早稲田大学の大学生しか入部できない部活で、現在は400人以上の学生が在籍しているそうです。卒業後の進路を考えたときにあまり会社に属することは考えていませんでしたね。「OO会社の女の子」と見られるのではなく、自分の名前で仕事がしたいと学生の頃から考えていました。
卒業後はどのようにお仕事をされてきましたか?
文学座付属演劇研究所という新劇の養成所のオーディションに受かり、1年間芝居を勉強していました。5000人以上受験して25人しか受からない難関の養成所です。しかし、その上のステップで落ちてしまい、そこから本格的にフリーアナウンサーの仕事に転向していきました。 人前で話す仕事は大学在学中から続けていましたので、それなりの経験がありました。というのも、当時は女子大生ブームで素人の女の子を起用する番組がたくさんあり、私はラジオ(TBSラジオ短波)を中心に活動していました。大学生の頃から様々な仕事をいただきましたが、大きな仕事としては、古舘伊知郎さんと山本虎徹さんのプロレスの番組のアシスタント出演です。私は芝居を習っていたので、番組内のミニドラマで人気がありましたね。この番組を卒業した後は古舘事務所に入りたいと思っていましたが事務所の方から女性アナウンサーの売り出し強くないと言われて諦めました。
お芝居はいつから興味があったのでしょうか?
女優になりたいと思ったのは中学生の頃だったかと思います。
少し遡ってお話しすると、私は元々生まれたときから体が弱く、小さい頃は生活に色々と制限がかかっていました。バレエを習いたくても身体的負担からピアノを選んだり、外で遊ぶのも難しかったので、なるべく室内で読書をしたりと、自分の思い通りの生活を送ることがあまりできませんでした。
ですが、小学生の頃はよくピアノの弾き語りやシンガーソングライターの真似をしていて、自分には才能があると信じていました。しかし、中学校から関西で一番難しいといわれる神戸女学院に入学したら、自分より頭も良く文章を書ける学生やピアノが上手い学生がたくさんいて驚愕しました。そこから自分ができることはなんだろうと考えて、小説家になれないんだったら小説を3次元にした芝居があるとひらめきました。
女優になる自信はありましたが、多感な時期でしたので、「女優になりたいけどなれるのかな?」という不安も持っていました。また、いくつかのオーディションに受かってはいたものの、お金も時間もかかるので、なかなか親に言え出せない状況でした。
ですが、ちょうどその頃、学校推薦で早稲田大学への進学の話があり、大好きな吉永小百合さんの母校に通える! と、とても嬉しかったことを覚えています。そして、早稲田大学第一文学部・演劇専攻で学びました。
印象に残った仕事はありますか?
ラジオは声だけで伝える仕事なので、皆さん作品へのこだわりが強いことを勉強しました。米米CLUBさんともご一緒に番組を作ったんですよ。例えば「こんにちは」という一言でも何度も撮り直していました。きつい仕事もたくさんありましたが、プロとして自分の仕事に文句は絶対に言わないということを決めていました。
また、メディアは色々操作されていることも学ぶことができました。街頭インタビューで、番組の都合の良いカットを使っているのを見て、カメラマンから「レンズの外側に何があるか考えながら見てごらん、想像しながら世界を見てみると良いよ」とアドバイスをいただいたことが印象に残っています。
起業されたきっかけについて教えてください
子供と一緒に近所の公園で遊んでいる時に、地元の同年代の女性たちとお会いすることがありました。近所の女性があまり輝いて見えなくて、どうしてだろうと考えた時に「稼いでいないからでは?」と思うようになりました。子育てしながらも地域の女性が働くことのできる環境を作れないかと思い、育児サークルを立ち上げました。
経営者になってから苦労したことはありますか?
25年間経営していて一番辛かったのは、育児サークルを運営していた時に800万円ほど騙されたことです。体重も5キロぐらい減り、精神的なダメージも大きかったです。周りに聞いてみると他にも弊社と同じような子育てに関する企業が騙されていました。その後裁判を起こして戦っていましたが、振り返ると自暴自棄な生活だったと思います。
今後創業する人にアドバイスをいただきたいです
入ってきてもすぐに消えてしまうお金を「あぶく銭」と表現しますよね。あぶく銭は本当にすぐに消えてしまいます。自分のお金を貯めて経営者になった方と、他の人からのお金でビジネスをしている人ではお金に対する価値が違うので、ビジネスの内容が変わってきます。なので、個人的にこれから起業する方は、お金を作るしんどさを知ってから起業した方が良いと思います。
あとは人を採用することも大切ですね。
私が感覚で仕事をするタイプなので、理系の方とは合わないこともありました。ただ合わない方と過ごしていく中で、全てを伝える必要がないことを学びました。言いたいのは自分の欲求なので、それが本当に相手のためになるのかを相手に話す前に考えています。相手に伝えて相手が変わるのであれば言った方が良いですし、変わらないと思うのであれば言わなくても良いと思います。
そして、スタッフの意見を聞くことも大切にしています。急に「思っていることを教えて」と社長に言われても、日頃のコミュニケーションがなければ、スタッフは正直な気持ちを話すことができません。常にスタッフの意見を聞いてあげられる雰囲気を出すことが社長という役割にとって重要です。社長は常にご機嫌でいるのが会社がうまくいく秘訣ですね。
今後の展望を教えてください
今年は10年ぶりに新卒を1名採用しました。今後は20代30代がどんどん活躍してもらえるような会社にしていきたいです。最近はコロナになって価値観が変わってきたと思います。最近は倫理的経済という言葉をよく使いますが、働くことで世の中をよくすることで経済が良くなるように活動すべきです。いつもと同じことをするのではなく、昨日よりも今日、今日よりも明日というように社員が日々学んで進化していくことが必要になります。
当社では、無料の学習支援のプログラムやフランチャイズの創業支援をしています。官公庁の受託を受け、働く前に学べる環境を整える訓練を行うプロジェクトを進めています。就労意欲のある方々の働く選択肢を広げられるようにしていきたいです。
また、女性が子育てのために仕事を諦めないように保育室付きのコワーキングも作っています。この施設を全国にフランチャイズ化していきたいですね。主婦の方たちは派手さはないんですが、すごく真面目で丁寧に仕事をします。女性マネージャーやシニア、障害のある方のキャリアについても向き合っていきたいです。
子育てをする女性に何かメッセージはありますか?
子育て中に、何かを犠牲にしてほしくないです。体が二つあるわけではないので、100点満点を目指すのではなく、その瞬間に集中してほしいですね。1日のうちの短い時間でも良いので子どもとしっかり向き合う時間を作ったり、仕事やスキルアップに集中する時間を作ったりすることで必ずうまくいきます。結婚したり子供ができたりすると、独身時代と比べ成長スピードが遅くなるかもしれません。でも、諦めないでマイルストーンを置いていくような感じで、目標は高く、そして長期で達成するように設定するのはどうでしょうか?
最近はバーチャルやインターネットが発達していて、その情報を鵜呑みにすることがあります。例えばAさんが美味しくないと感じたレストランでもBさんは美味しいと感じるかもしれないです。人の意見を鵜呑みにし、失敗したくないという気持ちはわかりますが何事にもまずチャレンジしてみてください。人は迷ってるときや悩んでいるときが一番弱いので、なるべくその時間を短くした方が人生楽しいです。やらないで後悔するよりも失敗して切り替えていくことのほうが人生の可能性を広げてくれます。
経営者におすすめする本はありますか?
三枝匡さん著書の『V字回復の経営』と浅野泰生さん著書の『部下のトリセツ 「ついていきたい!」と思われるリーダーの教科書』です。
「2年で黒字化できなければ、退任します」――。自ら退路を断つことで社員の甘えを殺し、皆を巻き込む「戦略」で一気呵成に勝ち戦へ転じる。「V字回復」という言葉を流行らせたベストセラーをいよいよ文庫化。
AmazonURL https://www.amazon.co.jp/dp/4532193427
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●部下が思うように動いてくれない ●部下が自分の頭で考えようとしない ●部下がつまらなそうに仕事をしている 初めて部下を持つ人、リーダーになったばかりの人は、このような部下に対して、「どうしたら変わってくれるのだろう」と悩んでいると思います。 しかし、過去を変えられないのと同じように、他人を変えることはできません。まずは、リーダーが自分から部下との関わり方を改善する必要があるのです。 本書では、コミュニケーションの取り方を中心に、リーダーとして必要な行動や考え方を解説します。AmazonURL |
投稿者プロフィール
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新入社員を含めたフレッシュなメンバーを中心に、出版サポートの傍らインタビューを行っております!
就活生に近い目線を持ちつつ様々な業種の方との交流を活かし、「社長に聞きたい」ポイントを深掘りしていきます。
代表者様のキャリアを通して、組織の魅力が伝わる記事を発信していけるよう、これからも一生懸命運営してまいります!
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