今回は株式会社夜幸醒代表、岩崎倫太氏にお話を伺ってきました。

「社長の履歴書」だけの特別なインタビューです。

ぜひご覧ください!

会社名称株式会社夜幸醒
代表者岩崎倫太
設立2023年10月
主な事業アパレルブランド「YOUPHORIA(ユーフォリア)」の企画・販売、営業支援
会社所在地  東京都新宿区西新宿3丁目3番13号西新宿水間ビル2F
会社HPhttps://yakousei-20231012.com/

高校時代に抱いた、音楽と洋服への思い

まずは新しくスタートするブランド「ユーフォリア」について、立ち上げまでの経緯を伺えればと思います。

起業のこと自体は、実は高校生の頃から考えていたんです。もともと音楽と洋服が好きで、将来は音楽と洋服に関わる仕事がしたいと、ずっと思っていました。

——高校生の頃から。

はい。ただ、最初は何からやればいいのかまったくわからなくて。ずっと模索していた感じです。

そんなときに、伊禮門さんという経営者の方とお会いする機会がありまして「起業してみなよ」と背中を押していただいたんです。それがきっかけで、会社を立ち上げることになりました。

——とはいえ、やりたかったのはアパレルや音楽ですよね。

そうなんです。

でも、いきなりそこでお金を作るのは難しかった。ですから、まずは自分にできることから始めようと。

営業から取り組んで、ある程度まとまった資金を作れるようになってきたんです。

それをきっかけに、「そろそろ本当にやりたかったアパレルをやりたいな」と思うようになりました。

姉妹ブランドとして生まれた「ユーフォリア」

——アパレルは、どういう形で始まったのでしょう。

ちょうど、伊禮門さんが「TOUR RECORD(トゥール レコード)」という高級レザーブランドを立ち上げるタイミングだったんです。それなら自分も一緒に立ち上げをやりたいなと思って、「アパレルをやりたい」と伝えました。

「姉妹ブランドみたいにできたらいいね」という話から始まって、そこで生まれたのが「ユーフォリア」です。高校生のときにやりたいと思っていたことが、ようやく形になりました。

——ブランドについて、もう少し詳しく教えてください。名前の由来から気になります。

会社の名前が、株式会社夜幸醒という、少し特殊な名前なんです。当て字で「夜、幸せに醒める」と書きます。

「醒」は覚醒の醒ですね。

——「夜、幸せに醒める」。

学生の頃や、少し内向きになりがちな時期って、夜に一人でいる時間に、世の中についての気づきがすごく多いと思うんです。

そういうときに、幸せって意外と近いところにあるんだな、と感じることがあって。

音楽やアパレルを通じて、自分の近くにある幸せに気づいてほしい。そういう思いから、「夜幸醒」という社名にした部分があります。

——ブランド名も、そこに準じているんですね。

アパレルブランドも、それに近い名前がいいなと思っていろいろ調べていたら、「ユーフォリア」という言葉がすごくいいなと。多幸感、幸福度という意味の英語なんです。

実は音楽が関係していまして。あるアーティストの楽曲に「ユーフォリア」という曲があって、当時よく聴いていたんです。

それが頭にすごく残っていて、「これはアパレルブランドにしたらよさそうだ」と思いました。

——スペルにもこだわりがあると伺いました。

もともと「Euphoria」は「Eu」から始まるんですけど、そこを「You」にして「YOUPHORIA」にしたんです。「あなたに、このブランドを着て幸せに気づいてほしい」という意味を込めました。

会社の名前も、当時聴いていた音楽も、全部がモチーフになっているブランドなんです。

なぜ、レザーから始めたのか

——レザーから始めたのには、理由が。

一つは、伊禮門さんのTOUR RECORDという身近にレザーを扱う環境があったこと。目の前で品質を見られるので、自分がいいと思ったものをそのまま形にしやすかったんです。

もう一つは、レザーは長く使えるものだからです。きちんとしたいいものなら、5年、10年と使える。

アパレルはどうしても流行の入れ替わりがありますが、レザーは人生にずっと寄り添う。人によっては20年、30年と使っていくものです。

——自分だけの形になっていく、と。

そうなんです。使い込むほど、自分だけの形になっていく。だからこそ、自分だけの幸せを見つけてほしい、という思いを込めやすい素材だなと思いました。

あとから振り返ってみると、ブランドの思いともすごく繋がっていて、なおさらいいなと感じています。

中学時代のどん底と、音楽との出会い

——お話の中で「音楽」というキーワードが何度も出てきます。TOUR RECORDが「旅」を掲げているのに対して、ユーフォリアには「音楽」への思いがあるんですね?

自分にとって、音楽が一番の原点なんです。

中学生ぐらいのときに、パニック障害のような症状が出たり、いじめのようなことを受けた時期がありまして。すごく気持ちが落ちていました。

そのときに、最初に自分を作ってくれたのが音楽だったんです。音楽を聴いて、「この歌の通りに生きてみたら、人生が良くなるんじゃないか」と思って。それだけのことなんですけど、そこから主体的に動くようになりました。

——具体的には、どんな行動を。

学校で言うと、小さいことですけど、学級委員になってみるとか、部長をやってみるとか。

そういうところから始めて、いろいろと人生が変わっていきました。そのきっかけが、全部音楽だったんです。

——音楽が、気づかせてくれた。

はい。それと同時に、洋服も自己表現ができるものだと気づいて。

当時は音楽をやることはできなかったので、まずは洋服から始めていきたいなと。そこからいろいろとスタートしています。

——中学時代の体験が、今に繋がっている。

それがなければ、僕はたぶん今やっていないと思います。音楽もアパレルも好きになっていなかったかもしれません。

自分の中にあるコンプレックスが、バネになって好転することってあるんだな、と思うんです。一度どん底に落ちる体験って、多くの人にあると思うんですけど、それって逆にチャンスなんじゃないかなと。自分はそう思っています。

3年間の「うずくまっていた」時期

——起業を決めたのは、高校生のときですか。

いえ、高校生のときは「起業したい」と思い始めた、決心をしたタイミングですね。

そこからは、すぐには動けませんでした。

音楽関係の専門学校に通ったり、フリーターをやったりで、3年ぐらい、うずくまっていたと言いますか。

そんなときに、たまたま人生がうまくいっていないタイミングで、伊禮門さんに「起業しちゃえば」と言われたんです。

うじうじしていても、結局何もやらないままだなと思って。

——それで決心された。

自分がこれまで人生を変えてきたのは、突発的に「変えよう」と思ったタイミングなんです。自分が変わらないと、何も変わらない。それがわかっていたので、「起業してみようかな」という気持ちで踏み切りました。結果的には、うまくいったなと思っています。

何をやってもダメだった、最初の日々

——起業後、まずは資金作りから始まったと伺いました。ここも話せる範囲で聞かせてください。

最初に「やりたいことは何なの」と聞かれて、「音楽をやりたいです」と答えたんです。

「じゃあ音楽を作れるの」と言われたんですけど、作ったことがなかった。「作ってみなよ」と言われて挑戦したり、身近にクリエイターがいたのでカメラマンをやってみたり、いろいろと試しました。

——事業として、お金を作れる何かを探して。

そうです。でも、カメラは2週間でやめて、音楽も1週間ぐらいで「これは直近でお金にするのは無理だな」と。何をやってもダメで、1週間、2週間でやめてしまうことが、1か月、2か月と続きました。

先に会社を立ててしまっていたので、売上はゼロ。「どうしよう」と思っていました。

——そこから、どう転換したんですか。

自分は昔から、おしゃべりが好きだったんです。人を楽しませたり、笑わせたりするのがすごく好きで。

自分一人が楽しいだけだと、虚しく感じてしまうことが多いんですけど、人を楽しませているときに感じる幸福度は、底抜けに大きいと言いますか。お酒を飲んでただ楽しいだけだと「これはいつか終わっちゃうな」と虚しくなるんですけど、人を喜ばせているときは、心底楽しいと感じられるんです。

——それを、営業に活かそうと。

「トークで人を楽しませるのは向いているな」というのは、小さい頃から感じていました。それで「営業をやってみなよ」という話になったんです。

開花した「トーク」という武器

——実際にやってみて、いかがでしたか。

あっさりと、最初から結果が出たんです。初月で70万、100万という数字になって。「これは自分のトークが武器になるんだ」と、そのとき初めて知りました。

——それはすごい。営業は、音楽やカメラとは畑違いですよね。畑違いの分野でいきなり結果を出すのは、多くの人が苦労するところだと思うのですが。

昔から、気づきをすごく大事にしているんです。哲学が好きで、本をよく読んでいました。そのうち、自分の頭の中に信念やマインドのようなものが積み重なってきて、それを引き出しとして持っておくことで、相手に何か言われても即座に返せるようになったんです。

——引き出しの多さが、営業に活きた。

そうですね。あと、「今このタイミングで言えば受けるな」とか「これを提案したらいけるな」という感覚が、昔からあって。雰囲気かもしれないですけど、それが営業にそのまま使えたんだと思います。人と話すのが小さい頃から好きだったのは、いいところかもしれないですね。

——正直、営業を「営業」だと思わずに、フラットに挑めたのかもしれませんね。

そうなんです。あと大きいのは、会社に就職したことがないことかもしれません。型がないので、「おしゃべりをして、いけるときにいけばいい」というマインドで。テンプレートを教わったことがなかったんです。

——では、話し方はどうやって。

全部YouTubeで学びました。「営業のやり方」を夜中にずっと見て、次の日に実践してみる。哲学や話し方など、いろんなものを見ているうちに、勝手に勉強していった感じです。そうやっているうちに、成約率が上がってきました。

当時は本当に、路上で声をかける飛び込みのようなこともやっていました。今思えば効率的ではないですし、今はやっていないんですけど。あとは、もともとあった顧客リストに電話をかけるテレアポなど、基本的なことを地道にやっていました。

——扱っていた商材は。

映像やホームページ制作といった、クリエイティブ系が多かったですね。

——クリエイティブ系は、売るのが難しそうです。

そうなんです。だから、いきなり「制作どうですか」とは言わない。「事業を立ち上げるのに興味はないですか」「芸能に興味はないですか」といった、声をかけやすいところから入って、最終的な提案として制作の話に繋げる。

逆算ですよね。

「これを売るにはどうすればいいか」を逆算して、興味を持ってもらえる入り口から声をかけていました。

——その経験が、今に生きている。

あそこでメンタルが強くなったと思います。なかなか振り向いてもらえない。飛び込みは本当に難しいんだなと痛感しました。あれはメンタルをやられましたね。でも、その経験があったからこそ、今があると思っています。

5年後、10年後に目指すもの

——将来的な展望を聞かせてください。ユーフォリアは今後、どう展開していくのでしょう。

5年後、10年後には、ハイブランド化させたいと思っています。

ただ、ハイブランドにはするんですけど、ある程度の人にも手が届くものにはしたい。若者でも手を出しやすい商品を、たくさん展開していきたいんです。

——レザーだけでなく、他のアイテムも。

はい。レザーはあくまできっかけで、これからはTシャツやパンツなども、自分でデザインして作っていけたらと思っています。レザー製品は、どうしても10万、20万円以上と、若者には手を出しにくい価格帯になりがちです。

経営者の方には売りやすいかもしれませんが、若者にも届くものを作っていきたいですね。

——ターゲット層も広げていくと。

老若男女に好かれるブランドになりたいんです。誰が見てもわかるような、そういうブランドに。

知ってもらう母数が広がれば広がるほど、自分の考える幸せに気づいてくれる人の母数も増えると思うので。

世の中を良くしたいという気持ちが強くて、皆さんが意外と気づいていないところに気づいてほしい。その手段が、音楽でありアパレルなんです。

いつか、音楽へ

——「音楽」は、やはり特別なキーワードなんですね。

そうですね。

アパレルがうまくいき始めたら、自分はマーケティングやブランディングに回れるようになる。そうすると自分の時間が作れるので、いよいよ音楽ができるかなと。

今は営業に時間を取られている部分があるので、まずはアパレルで資金と時間を作って、そこから音楽にも手を出していきたい。高校生のときに考えていたことが、少しずつ形になってきている感じです。

「人のために動ける人」と一緒にやりたい

——最後に、これから仲間になる方や、読者へのメッセージがあればお願いします。

自分は、人のために動ける人がすごく好きなんです。そういう人を仲間にしていきたい。

人間って、自分のことだけで幸せになろうとすると、難しいんじゃないかと思っていて。自分の周りの人が幸せになると、自分も幸せになる。そういうことに気づいてほしいという思いが、ブランドの名前にも込められています。

——ご自身も、育ててもらった経験があるからこそ。

そうなんです。自分も、伊禮門さんにいろいろ教わって育ててもらった身なので。今度は自分が、「やりたいけどやれない」と困っている子に、手を差し伸べられる人間になりたい。アパレルをやりたい子たちに自分のノウハウを教えて、グループのような形にしていけたらと思っています。

——将来的には、そうしたチームを。

はい。自分が得たものを次の世代に渡していく。それが、これからやりたいことの一つですね。

買ってくださるお客様やファンの方も含めて、「少しでも周りのために動こう」と思ってもらえたら嬉しいです。それがブランドとしての願いでもあります。

投稿者プロフィール

『社長の履歴書』編集部
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企業の「発信したい」と読者の「知りたい」を繋ぐ記事を、ビジネス書の編集者が作成しています。

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