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株式会社ワークシフト研究所 小早川優子氏

今回は、株式会社ワークシフト研究所 小早川優子(こばやかわ ゆうこ)氏にお話を伺ってきました。

優秀な女性が出産後もキャリアアップできるなら、それは社会のため、また日本の未来のためになります。株式会社ワークシフト研究所では、「育休プチMBA」というプログラムで育休者をサポートしています。

「社長の履歴書」だけの特別なインタビューです。ぜひご覧ください!

 

株式会社ワークシフト研究所 企業概要

会社名称 株式会社ワークシフト研究所
代表者 代表取締役社長 小早川優子(こばやかわ ゆうこ)
設立 2015年12月
主な事業 組織改革プログラム開発事業、講演・研修事業、
ファシリテーター育成事業、経営コンサルティング事業、
有料職業紹介事業 (許可番号13-ユ-311406)
社員数 12名(パートタイム労働者を含む)(取材時)
会社所在地 〒106-0044 東京都港区東麻布1-7-3 第二渡邊ビル 7階
会社HP https://workshift.co.jp/

 

 

聞き手:まずは小早川さんのご経歴と起業までの流れを教えてください。

 

小早川さん:大学を卒業した後、外資系金融機関に約15年間おりました。GEキャピタル、Goldman Sachs Japan、アメリカン・エキスプレスという会社です。

慶應のビジネススクールでMBAを取りました。その後、アメリカン・エキスプレスに在籍中に出産をしました。第二子出産の後に、育児と仕事の両立があまりに苦しく大変なので、一度キャリアを断絶しました。

その後に、友人を通じて研修講師のお誘いが来たんです。研修講師を少しやり始めたところで第三子を妊娠しました。育休中に、今、静岡県立大学の准教授をしている国保祥子が開催する「育休プチMBA」に関する記事を見て非常に興味を持ったんです。そこに参画して、2015年に国保と一緒に「株式会社ワークシフト研究所」を起業しました。

 

聞き手:「株式会社ワークシフト研究所」の事業内容について教えてください。

 

小早川さん:「育休プチMBA®」という育休者のキャリアを支援するBtoCのプログラムをしています。それと同時に、女性リーダーの育成にフォーカスしたBtoBの研修もしています。

 

男性の管理職の方から、男性と女性ではリーダー育成の方法について何が違うのか、どうしたらいいのか、セクハラにならない形でしっかり育成するにはどうしたらいいのか、というご相談を受けます。そういったさまざまな部下を育成するための管理職研修を法人にご提供しています。

 

聞き手:女性のリーダーを育成する必要性を感じたきっかけは何ですか?

 

小早川さん:最初にそれに気が付いたのは、Goldman Sachs Japanに転職したときでした。日本の金融・証券会社を経てGoldman Sachs Japanに来ている、いわゆる出世している女性が数人いました。皆さん「日本の銀行にいたら今のポジションはない」と言うんです。

 

能力があっても日本の企業にいたらポジションがない。でも外資系にいるとポジションがある。これはどういうことなんだろうと考えさせられました。

 

もう一つは、私がGEキャピタルにいたときです。GEキャピタルが日本の会社を買収しました。買収されてしまうと、買収された側の人たちは、自分のキャリアはここで終わったと考えます。ですが、GEキャピタルは能力のある人をどんどん上に上げるタイプの会社だったので、そんなことはなかったんです。

 

そう考えると、別の会社の人でも異性でも、能力のある人が上に上がれたほうが会社は強くなるのに、それができないのはもったいないなと思いました。

 

そのタイミングで、大学院のゼミの先生が「ダイバーシティ・マネジメント」について教えてくれたんです。それで、2006年にダイバーシティ・マネジメントに関する修士論文を書くことになりました。

 

聞き手:御社のお客様のイメージはどんな感じですか?

 

小早川さん:BtoBとBtoCが半分半分くらいです。

 

BtoCのお客様は、いわゆる一部上場企業に勤める方が多いです。74%が一流四大を卒業しており、25%が大学院を卒業した女性です。彼女たちはとても優秀なので、男女関係なくしっかり評価を受けています。

 

ですが妊娠すると、一気にジェンダー格差のような壁にぶつかるわけです。

 

すごく優秀な人でも、子どもを産むとキャリアアップできないという上の世代の状況を見て、「自分のキャリアはどうしましょう」という相談を多く受けます。

 

BtoBに関しては、5年前と今では全く特徴が変わりました。5年前は、キャリアのモチベーションに関する依頼や相談を受けていました。最近は、女性リーダーを育成しないといけないという流れに大きく変わってきています。

 

加えて5、6年前は、弊社のプログラムを依頼してくださるのは女性しかいませんでした。女性の担当者がプログラムを入れたいと思っても、上司の承諾を得られないパターンが多くありました。ですが、ここ1、2年は、男性の人事部トップの方々が主導してプログラムを入れるという流れに変わってきています。

 

聞き手:「株式会社ワークシフト研究所」ならではのサービス・プログラムの特徴を教えてください。

 

小早川さん:弊社のプログラムの特徴は、ビジネススクールで使われているケースメソッドという手法を使っている点にあります。

 

ケースメソッドに関しては、MBA取得者、かつ慶應義塾大学でやっているケースメソッドのファシリテーターの養成講座を卒業して資格を得た者のみが講師になることができます。

 

ケースは自分で作るものもありますし、名古屋商科大学や慶應ビジネススクールなどで使っているケースを使用する場合もあります。

 

ただ既存のケースというのは、24時間働く男性が前提になっています。ですので、私たちがケースを作るときには、子どもを持ちながら仕事を両立する女性を主人公にしたり、その人たちによくありがちな壁というものを作って、女性のリーダーを育てるための教材にしています。

 

聞き手:これまでに苦労されたことをお教えください。

 

小早川さん:一番大きな壁だったのは、子どもを育てながらキャリアアップすることの大変さを知らなかったことです。

 

結局、それで会社を辞めてしまったので、そこが一番の壁でした。それは自分のせいというか、自分の能力不足だったり、体力不足だったり、覚悟不足だと思っていました。

 

ですが、世の中にたくさんそういう人がいるのを見て、かつ、そういうプログラムを展開している国保を見て、これは私一人の問題ではなくて、もっと社会的な構造上の問題なんだと気付きました。

 

聞き手:子育てをしながらキャリアアップをしたいという方に対して、何かアドバイスはありますか?

 

小早川さん:私自身も先輩のママに言われたことなんですけども、「仕事は後から挽回できるけど、子育ては挽回できない」ということです。今は私もそれをすごく感じています。

 

育休中には仕事をセーブせざるを得ないことがあります。そのときに、子どもを優先すると罪悪感を感じます。逆に、子どもを優先しなくても罪悪感を感じます。ですが、どちらにしても罪悪感を感じる必要はないと思っています。まず、罪悪感はやめましょうと伝えたいです。後から必ず挽回できるからです。

 

ただ、挽回するためには、仕事を続けておくことと、できる限りいろんな能力を身につけておくことが大切です。諦めずにコツコツやっていれば、40歳ぐらいになったときに、誰かが引っ張ってくれる可能性がものすごく高くなります。そのために、育休中にもちょっと時間があったら学びましょうと皆さんにお伝えしています。

 

聞き手:昔に比べて、子育てをしながらのキャリアアップはやりやすくなっていますか?

 

小早川さん:まだまだ改善の余地がたくさんあります。根本的な問題として、日本人は同質の中で安心したいという欲求がすごく強いというのがあります。他の人を気にしてしまうので、人との違いがすごく見えてしまいます。その辺が少しずつ薄まっていかないと、男性の育休や介護との両立も難しいと思います。

 

逆に、育休中の女性が管理職でリーダーになっていけるような組織であれば、介護しながら管理職を両立する人というのも自然に出てくると思うんです。ですが、前者を否定してしまうと、後者も否定せざるを得ない状況になってしまいます。どちらかというと、今までは、両方否定する会社が多かったと感じています。

 

聞き手:「株式会社ワークシフト研究所」の課題・困っていることはありますか?

 

小早川さん:課題・困っていることとしては三つあります。

一つ目は、会社・サービスの認知度が低いことです。これを上げていきたいなと思います。

二つ目は、最初のハードルが高いというのがあります。ケースメソッドの効果は説明するのが難しいので、受けてもらわないと分からないところがあります。

三つ目は、ケースメソッドに似せた研修会社のプログラムによって、受講生がケースメソッドを誤解しているケースが出てきていることです。

 

聞き手:今後の展望や夢はありますか?

 

小早川さん:まず、育休者向けの「育休プチMBA®」を全国展開することです。小学校に入ったらKUMON(公文)に行こうかなと考えるように、育休に入ったから「育休プチMBA®」に行こうかなと思われるようなサービスになっていけたらと思っています。

 

それでも、「育休プチMBA®」というサポートがいらなくなる社会が望ましいので、そうなっていくことを最終的には望んでいます。

 

聞き手:最後に「株式会社ワークシフト研究所」のPRをお願いします。

 

小早川さん:組織のダイバーシティが重要だと思っています。なぜなら、多くの企業さんで必要なイノベーションを生むのは、ダイバーシティのある組織だからです。それから、育休者がリーダーになる組織を作っておかないと、これから来る介護社会で、介護と管理職を両立することができなくなります。

 

現在、管理職の方、また5年後、10年後に管理職になる方々のために、育児者・女性・男性のキャリアアップをサポートしていきたいと思っています。それが、今後の日本社会での素晴らしい労働力として、優秀な人たちが働ける組織の維持発展につながっていくと思います。

 

 

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投稿者プロフィール

『社長の履歴書』編集部
『社長の履歴書』編集部
新入社員を含めたフレッシュなメンバーを中心に、出版サポートの傍らインタビューを行っております!

就活生に近い目線を持ちつつ様々な業種の方との交流を活かし、「社長に聞きたい」ポイントを深掘りしていきます。

代表者様のキャリアを通して、組織の魅力が伝わる記事を発信していけるよう、これからも一生懸命運営してまいります!