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スリーコール株式会社代表取締役社長 天野利泰氏

今年で創業5年目を迎える『スリーコール株式会社』。

今回はその代表取締役社長、天野 利泰氏にお話をお伺いしました。

「きっかけがあったら悩まずに掴む」というスタイルで人生を切り拓き、会社を大きくさせてきたお話や、お笑い芸人を目指したという一面からのユーモア溢れる会社作りのお話まで、社員に愛される会社であるための秘訣を聞かせていただきました!

スリーコール株式会社 会社概要

会社名称 スリーコール株式会社
代表者 天野 利泰(あまの としやす)
設立 2017年4月17日
主な事業 コールセンター事業(インバウンド/アウトバウンド)、業務コンサルティング、教育事業
社員数 400名(取材時)※派遣含む
会社所在地 〒160-0023 東京都新宿区西新宿4-16-13 西新宿MKビル1F,3F
会社HP https://www.three-call.com/

 

事業内容について聞かせてください

2017年に発足したスリーコール株式会社の主な事業内容は、『電話を受ける・かける』を代わりに行うコールセンターの運営です。一日1件ほどの小規模なご依頼から、10万人の顧客に一斉に電話をかけたりするような大規模なご依頼まで、幅広く対応させていただいております。

仕事をする上で大事にしていることは、融通・スピード・親切心の3つです。
「融通」を実現させる秘訣は、どんなご依頼でもお引き受けする覚悟を持つことです。
ご依頼によっては赤字になってしまうときもありますが、クライアントの求めるものであれば実現します。どんなご依頼もお断りせず、社内努力や提案能力でカバーするようにしています。

その姿勢が、「スピード感」にもつながっていますね。
組織構成はありますが、基本的には「良いと思ったことはどんどんやって行こう!」「許可を取るよりも謝った方が早い」というスタンスを推奨しています。
その行動がどのような結果になったか報告をしてもらい、反省や分析などのフィードバックを行えれば、現場の行動を尊重するようにしています。

社員にも伝えているのですが、「大事な人の大事にしているものを、一緒に大事にする会社でありたい」という想いがあります。これが「親切心」です。
恋人や家族などの大事な人と接する時と同じように、自然と湧き上がる優しい気持ちでクライアント様に対応することを心掛けています。

 

 

社会人を経て起業し、現在に至るまでのお話を聞かせてください

『勉強』というものが好きではなく、大好きな本ばかり読んでいるような子供でした。育ての親が経営者だったこともあり、小学生の頃から経営者になることを夢見ていました。
親の影響もありましたが、「こうあったらいいのにな」というアイディアを考えることも好きだったので、そういう面からも経営者になりたいなという想いはありました。

勉強することに意味を見出せなかったので高校へ行くつもりは無かったのですが、親に頭を下げられたので入学だけはしました。
せっかく高校に入ったのだから今までやってこなかった勉強をしてみようと思って取り組んだところ、学年1位を獲ったんです。その時に「こんなものなんだ」という感想しかありませんでした。
「今これをやらなきゃいけないのか?」と考えた時に、自分の中で「違う」という答えが出たので高校は中退しました。
その時は特にビジョンは無かったです。とりあえず3つのアルバイトを掛け持ちして働きました。
平日5時〜9時はコンビニ、10時〜22時はお好み焼き店。土日は着ぐるみショーに出ていました。

就職できる年齢になった時はちょうど就職氷河期でした。ちゃんと高校を卒業した同級生でも就職できない人が多かったのですが、僕はある会社の営業として就職しました。

それからは色々な会社を転々としましたね。その会社で営業成績1位を獲ったら次、獲ったら次…というような働き方をしていました。
元々営業をやりたかったのですが、その理由は、極論を言えば「喋れればできる仕事」だと思っていたからです。『資格』や『勉強』がやっぱり好きじゃなくて…。
その点、営業職だったらトーク力があれば乗り切れると思ったんです。一生できる仕事だし、どこでも必要とされる仕事だし。

会社を転々としていたのですが、20歳の時に勤めていた会社が暖簾分けをして、僕に会社をくれたんです。そこで22歳まで、会社経営をすることになりました。初めて経営をしてみて思ったのは、「社長って意外と稼げないんだな」ということ。
だからと言って、幼い頃から持っていた「自分で経営をしたい」という気持ちはブレなかったです。

その頃、身内に不幸があって心身のバランスを崩してしまいました。2年くらい社会から離れた生活を過ごしていたのですが、少し元気になった頃、やり残したことはないかと考えてみたんです。
そしてお笑い芸人になりたかったことを思い出しました。

そこで、「よし、芸人になろう!」と決めて上京。浅草で活動をしていましたが、本当に貧乏な生活で。生活費を稼ぐためにある派遣会社に登録したのですが、そこで紹介されたのが起業する前の会社でした。
司法書士法人の会社なのに、資格も何も無い自分を認めてくれて、良い待遇で迎えてくれました。

しかしその当時の社長が突然、「辞める!解散!」宣言。従業員は800人位いたのに…!

解散するとなると人も物もシステムも余るので、「タダで譲ってもらえませんか?」と訊いたところ、天野君ならいいよ、と言ってくださったので譲り受けました。
その会社のスペースを間借りして、10席程度の小規模から始めたのがスリーコール株式会社です。

 

 

学生時代を経て社会人経験をし、今の会社に活かされていることを教えてください

お笑いが好きな性格は、「どうやったら笑わせることができるのか」「楽しんで働いてもらえるか」。そのようなことを解決するための、アイディアを出すことに活かされています。
社長としては、従業員にはいつも笑顔で働いていてほしいですからね。

コールセンターなので人数が必要なんですが、日曜日は人手が少なくなる問題がありました。それを解決するため主婦層の出勤を促そうと、持ち前のユーモアを生かして日曜日にはお弁当やお菓子などを用意する企画をしました。
施策名は『ヨックモックとホットモットを用意するから、もっともっと出勤してキャンペーン』としました。すると出勤率が大幅にUPしたんです。スタッフが日曜日に出勤することが楽しくなり、そのことがスタッフ間で広がったからです。

このような『仕組みづくり』は、以前のキャリアがあったからこそ強化できたことだと思います。

 

 

起業するにあたり、コールセンターという職種を選んだきっかけを教えてください

営業と同じで、「喋れれば出来る仕事だから」という考えからです。

実際の中身はそんなに簡単ではないですけど。主婦でも年配の方でも、たとえ足が不自由であっても、誰でも出来る。経歴も資格も関係無い。そういうところが魅力的だと思っています。

コールセンターは何より人材が大切ですが、弊社では人材に困ったことはありません。最初にお話した「親切心」にも通じますが、「社員が大事にしているものを一緒に大事にしてあげる」ことは重要視しています。残業や休日出勤は禁止。賞与は年3回。従業員が「こうしたい」と思うことを実現するようにはしています。

とにかく『従業員ファースト』なんです。従業員が働きやすく、いつも笑顔でいられる職場作りを常に考えています。だから正社員で辞めた人は、3年間で誰もいませんし間もなく4年になります。
定着率が良いのは、正社員になるまでのミスマッチが防げる仕組みづくりが出来ていることもあると思いますが。社員一人一人を見て、丁寧な対応をするようにしています。

 

 

苦しかった時期のお話を聞かせてください

1〜2年目は、売上は伸びているけど赤字の状態。特に2年目が苦しくて、「1億の壁」と言われる売上の壁はなかったのですが、その地盤固めはキツかったですね。

2年目までは私1人しか営業がいなくて、いろんな仕事を掛け持ちしなくてはならなかったのも体力的に大変でした。シフトを決めたり、電話対応をしたりしていましたし、夜間の対応も1人でしたりとか…。当然寝る間もなくて、倒れる寸前でしたね。
起業して3〜4年目にやっと落ち着いてきて、従業員も増やしていったりして。そして今がある感じです。

 

 

苦しかった時期を乗り越え、今に活きていることを教えてください

創業時にそうやって現場を体験したことで、現場の気持ちは分かりますね。
なので、基本的に管理者は「立って教えてはダメ」という考えでいます。オペレーターと話す時はひざまづいて、目線を合わせて話さないと。上から目線では、圧迫感がありますからね。

オペレーターがいないと仕事が回らないので、常にオペレーターファーストであり、従業員ファーストであることを全社的に心掛けています。

 

 

会社の今後のご展望や夢を聞かせてください

クライアントありきなので、どんな依頼が来ても受けきれる体制・組織作りを続けていきます。そして利益をしっかり出して、従業員に還元出来るように事業の拡大を続けていきたいですね。
当社が『稼げる会社』であることを、従業員に証明したいです。

社員同士の給料は、全員が知っている状況なんです。「あの成績だとあのくらい収入があるんだ」と、数字でわかると、目標ややりがいにつながります。だから表彰制度はすごく充実していますね。
さらに社員のモチベーションを維持するためにも、就業規則や社内イベントを大事にしています。

例えば忘年会では、幹部は完全におもてなし側なんです。出し物も幹部がします。自分達が飲んだり食べたりする時間を費やして、従業員に感謝の気持ちを伝えています。

 

 

おすすめ本を教えてください

相当読むのでたくさんありますが…。一つは松下幸之助さんの「道をひらく」。これは経営に対する考え方を教えてくれます。

二つ目は池田貴将の「覚悟の磨き方超訳吉田松陰」。これは経営者の心の在り方を教えてくれます。

そして三つ目は田坂広志さんの「使える弁証法」です。これは経営の見方を教えてくれます。

経営に携わる人は、この3つの本は読んだ方が良いと思います。特に「使える弁証法」は絶対に。この本は、「物事は螺旋的に発展する」ということを伝えています。社会は原点回帰と進化を繰り返して成り立っているということです。
昔流行ったものが、何十年後かにまた流行ったりするじゃないですか。そういう理論が理解出来ると、じゃあ次は何が来るんだろう?というのが見えてきます。
それはビジネスの考え方に活かせますよね。

 

『道をひらく』 松下 幸之助(著)

昭和43年の発刊以来、累計400万部を超え、いまなお読み継がれる驚異のロングセラー『道をひらく』。本書は、松下幸之助が自分の体験と人生に対する深い洞察をもとに綴った短編随想集である。これまで、どれほど多くの人が本書に勇気づけられ、また成功への指針としてきたことか。この本には、時代を超えて生き続ける不変の真理があるからである。
もし失敗して落ち込んでいるのならば、「自信を失ったときに」「困難にぶつかったときに」「運命を切りひらくために」の項が、きっと立ち直る勇気を与えてくれるだろう。 もし、経営で行き詰まってしまったら、「仕事をより向上させるために」「事業をより よく伸ばすために」「みずから決断を下すときに」の項が、解決の方途を示してくれるは ずである。
事業の成功者であり、それ以上に人生の成功者である松下幸之助であればこそ、その言 葉には千鈞の重みがある。あらゆる年代、職種の人に役立つ、永遠の座右の書である。

Amazon URL:
https://www.amazon.co.jp/dp/4569534074/

 

 

『覚悟の磨き方超訳吉田松陰』 池田貴将(著)

外国の文明を学ぼうと、死罪を覚悟で黒船に乗り込もうとした。
幽閉の処分となると、小さな塾を開いて、高杉晋作や伊藤博文など、後の大臣や大学創設者になる面々を育てた。
誰よりも遠くを見据えながら、幕末を熱く駆け抜けた天才思想家・吉田松陰。
彼の「心」「志」「士」「友」「知」「死」日本史上、最も熱くてリアルな人生哲学が世代を超えて心に響く、強くてやさしい言葉でよみがえる。

Amazon URL:
https://www.amazon.co.jp/dp/B00GWBKTIO/

 

 

『覚悟の磨き方超訳吉田松陰』 池田貴将(著)

課題・問題の解決の一助になり、「洞察力」「予見力」「対話力」が身につく本です。

企画やマーケティング、デザインやコピーライティングなどクリエイティブな仕事に従事している方をはじめ、新たな発想で商談や提案を行っているビジネスパーソンにもぜひご一読いただきたい書です。

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投稿者プロフィール

『社長の履歴書』編集部
『社長の履歴書』編集部
新入社員を含めたフレッシュなメンバーを中心に、出版サポートの傍らインタビューを行っております!

就活生に近い目線を持ちつつ様々な業種の方との交流を活かし、「社長に聞きたい」ポイントを深掘りしていきます。

代表者様のキャリアを通して、組織の魅力が伝わる記事を発信していけるよう、これからも一生懸命運営してまいります!