注目キーワード
  1. 創業
  2. 二代目
  3. 社員
  4. 病気
  5. お金

EsY株式会社代表 今泉ひかり氏

今回はEsY株式会社代表、今泉ひかり氏にお話を伺ってきました。

「社長の履歴書」だけの特別なインタビューです。

ぜひご覧ください!

 

会社名称 EsY株式会社
代表者 今泉ひかり
設立 2023年10月
主な事業 「わたしの酵活」の販売
会社所在地 福岡市中央区天神4-6-28 7F
会社HP https://watashino-kohkatsu.jp/

 

事業内容を教えてください

EsY株式会社は「誰もが自分という波を乗りこなす社会を作る」をミッションに、女性向けのセルフケアブランドを展開しています。

主力商品は30代から40代のゆらぎ世代と言われる女性のための「わたしの酵活」という食べるフェムケアサプリで、ブランドメッセージは「ゆらぐ日々も、ご機嫌に。」です。

不調の波を抑え込むのではなく、波を許容しながら自分らしく、自分が期待する自分でいられる習慣作りアイテムの1つとしてサプリを販売しています。

 

ペースト状のサプリの中には、女性のためのこだわり素材を厳選し、福岡産の「博多とよつひめ」という希少品種のイチジク、ザクロ、乳酸菌「ラクトバチルス・クリスパタス菌」やオリゴ糖、クランべリーなどのスーパーフードを配合しています。果実や野菜の多くは信頼できる契約農家が育てたものを使用し、日本の職人が手間暇かけて発酵しています。白砂糖・保存料・香料・着色料・酸化防止剤は不使用です。

 

食べるフェムケア 無添加発酵サプリ「わたしの酵活」

詳細はぜひ公式HPをご確認ください。

URL:https://watashino-kohkatsu.jp/

 

なぜ女性の体をケアする商品を開発されたのですか?

私自身が産後体調を崩し、いくつもの病院をまわって検査をしたことがきっかけです。当時、頭が痛ければ頭痛薬、胃腸が悪ければ胃薬と症状に合わせて様々な薬が処方されましたが、何を飲んでも症状は全く改善されませんでした。

そんな状態が2年間続いた結果、仕事にも影響が出て、子育てにおいても自分にとって満足のいく環境ではなくなってしまいました。

そして、ある日突然、生理がとまってしまったんです。

仕事や育児に精一杯過ごしてきた中で、これまで健康に関して無頓着であったこと、忙しさを理由に自分自身をケアしてこなかったことをとても後悔しました。二人目も希望していたので、生理がこなくなりデリケートゾーンの悩みが深刻になるにつれて不安が大きくなりました。

婦人科を受診した際、私のこれまでの体調不良の原因は女性ホルモンの影響によるPMS(月経前症候群)の可能性を指摘されました。原因が分かってからは、女性ホルモンのバランスを意識し、なるべく自然のものを食べて身体の内側から整えるためのケアをするようになり、体調が改善していきました。

この経験から、私と同じような悩みを持っている女性のケアサポートをしたいと考え、「わたしの酵活」を開発しました。

より多くの方に知っていただき、働く女性、子育て中の女性など忙しくて自分のケアができていない方を支えるブランドに成長していきたいです。

 

ここからは今泉社長ご自身のことをぜひ伺いたいです。学生時代に頑張ったことを教えてください

中学・高校時代はもの作りが好きで、洋服をリメイクしてフリーマーケットに出店していました。

当時は社長になるイメージは全く持っていませんでしたが、義父の介護や育児を引き受けつつ、様々な仕事をして家族を支えていた母の姿を見ていて、子どもながらに女性のキャリアの選択肢が少ないことに違和感を覚えていました。そのため、漠然と「一生涯続けられる仕事を持ちたい」と考えていました。

 

キャリアのスタートを教えてください

服飾系の高校を卒業した後、アパレル企業に入社し、店舗責任者やブランド立ち上げなどを経験しました。当時は朝から夜中まで働く生活が楽しくて仕方なかったのですが、実家の家族を支えるための時間確保が必要になり、働き方を見直すことにしました。業種を変更し、士業系の事務所で10年ほど働きました。

 

起業するまでの経緯を教えてください

その後、結婚・出産・育休を経て職場復帰後の2021年に自分自身の生き方を見つめ直し、思い切って退職。半年間プログラミングスクールに通いました。

育休中の2020年、世界的に大流行した感染症がきっかけに、子どもの教育の在り方について考えるようになりました。当時は誰もが不安やストレスを抱え、孤独に子育てをしている状況でした。そんな不安を少しでも和らげ、なおかつ、場所を問わず質の高い教育や情報を得られる機会をつくりたいという思いから、前例のないオンライン拠点の地域活動をスタートしました。

具体的には、外出が困難な中で子育てをしている地域のママたちに向け、オンラインを通じて地域外・国外の教育情報にアクセスできる場を運営。3ヶ月のプログラムを通じて、家庭内で子どもを観察しながら子育ての価値観を見つめ直し、楽しみながら一緒に学べるSTEAM(スティーム)アクティビティを作成しました。

*STEAM…科学、技術、工学、芸術、数学の5つの分野を統合的に学ぶ教育

育休後に復職しましたが、地域活動を通じて自分の生き方を再考し、キャリアチェンジを決意しました。もともと興味があったプログラミングを学ぶために退職しました。

その後、アプリ開発をしたり、女性たちを取り巻く「モヤモヤ」の原因を探るためのフィールドワークをしつつ、IT企業とのご縁があり数年間ECサイトの構築・運営サポートを経験し、その後、創業に至りました。

 

独立する前に経験しておいて良かったことはありますか?

エピソードとして、今でも心に残っているものをご紹介します。

前職のチームメンバーの中に40代の女性がいたのですが、日中に眠気が襲ってきたり、仕事に集中できない時期がありました。私は業務を遂行しないといけない立場で、原因を解決しようとしましたが、「なぜ改善しないのか、なぜ仕事に集中できないのか」を理解することができず、コミュニケーションや業務の振り分けに悩みました。

当時は知識不足だったので深く理解できなかったのですが、振り返るとその女性は更年期で、ホットフラッシュという体が暑くなる症状が出ていたと思います。もっと彼女に対して心配りが必要だったし、言葉がけやフォローアップができたはずなのに..と今でも心に残っています。

その後、自分自身が年齢を重ね、体調不良が続き、思うように仕事ができない葛藤や罪悪感を経験しました。その時にやっと彼女の葛藤やつらさに当事者感を持てた気がしています。

こんな日々を経験したからこそ、女性の身体に関する知識やケアを多くの方に届けなければ、という想いがうまれ「わたしの酵活」の開発につながりました。

 

経営者として大変だったことはありますか?

独立してから、常に手探り状態で沢山大変なことはありました。特に、商品作りは想像できない課題がありました。しかし、「今取り組んでいる商品がお客様の手に渡ったらきっと喜んでいただける」と思うことが、私の活力になっていました。

 

商品作りで特に大変だったことを教えてほしいです

当社は創業したてで、全く知名度も実績もなく、取り合ってくれる工場も大変少ない状態でした。そんな中、想いだけでパートナー工場を探し、商品を開発していったことです。また、私は商品へのこだわりが強く、実現不可能とお断りされることもありました。さらには試作を繰り返している段階で、供給する原料が安定しないという理由でプロジェクトが一旦頓挫しそうにもなりました。

ですが、この出来事が改めて自分が商品を作る意味は何かを考えるきっかけになりました。

一度止まったからこそ「わたしの酵活」を作るうえで重要な素材である「博多とよみつひめ」にたどり着くことができましたし、諦めなかったからこそ、自分が納得できる最高の商品ができたと思います。

 

なぜイチヂクを使おうと思われたのですか?

プロジェクトがゼロになり、自分自身が商品を作る意味を再考した結果、これまでの自分のライフワークであった「地域」に戻りました。

これまで福岡を拠点に地域活動を行ってきて、活動を通じて出会った女性たちや、あらゆるコミュニティを通じて出会った女性たちがいるからこそ、創業し商品を開発しているんだと。

だからこそ、この商品には「地域の良さ」を乗せてお届けしたい。地元企業や地元農家さんと一緒にものづくりをしたい。そこから商品設計をやり直し、配合素材を模索していた中、ご縁をいただいたのが「博多とよみつひめ」です。

イチジクはとてもデリケートな果物ですが、特に博多とよみつひめは管理が難しいとされています。また熟したタイミングを見計らうのも職人技と言われています。

サプリで使用するイチヂクは道の駅やスーパーに並ばない、形が崩れたり傷が少しあるけれど美味しさや栄養価は変わらない規格外といわれるものを使用しています。

このように規格外農産物の活用や、発酵過程で生じる「発酵かす(残さ)」を廃棄せずに肥料として再利用するなど、自然のめぐみを最大限に活かす取り組みを大切にしています。また、とよみつひめ農家さんは高齢化が進んでおり、後継者が不足している問題もあります。「わたしの酵活」をきっかけにこれらの問題を解決できる糸口にしていきたいです。

 

今泉社長がこれまで諦めずに突き進んでこられたことがとてもよく分かりました。ちなみに昔から粘り強いタイプだったのでしょうか?

そうですね、プライベートでも粘り強いと言われます。

粘り強さを発揮したエピソードで一番インパクトのあるものは結婚式でしょうか。

福岡県久留米市に美術館と図書館が併設されていて、バラ園にもなっている素晴らしい施設があり、私はそこで結婚式を挙げたいと思っていました。なぜなら、公共施設は今後何十年経ってもおそらく取り壊しはなく、長い人生で何度も訪れることができる。そして将来子どもができたら一緒に遊びにきて、素晴らしい場所で、素晴らしい時間を過ごすことができると考えたからです。結婚式の実績はなかったそうですが、あらゆる方に相談して式を挙げることができました。ゲストのみなさんも「一番心に残った結婚式」と今でも仰ってくださいます。

粘ったらきっと理想に近づけるという価値観を持っていますし、そのための努力は惜しみません。

 

今後の展望について教えてください

当社のミッションを叶えるためには1人の力では何もできないと思っています。支えてくださる方や応援してくださるみなさまのおかげで商品をやっとリリースすることができました。

「誰もが自分という波を乗りこなす社会を作る」というミッション実現のためにも、まずはこの「わたしの酵活」をより多くの方に届けて「ゆらぐ日々もご機嫌に」過ごせる女性を増やしていくことが目標です。

今後は組織としてメンバーを増やし、ミッション・ビジョンの実現を目指したいです。

 

他の経営者におすすめの書籍を教えてください

ジム・コリンズさん著書『ビジョナリー・カンパニー 2 – 飛躍の法則』、オリバー・バークマン『限りある時間の使い方 人生は「4000週間」あなたはどう使うか?』です。本書を実践していくのはとても難しいことですが、私が悩んでいた時に、人生限りがあることを改めて実感しました。自分がやりたいことを今やらないと人生が終わってしまいます。今も定期的に読み返している本です。

 

最後に読者に伝えたいメッセージはありますか?

キャリアはなりたい自分から逆算するようにと人生の先輩からアドバイスがあると思います。しかし私の場合は、「今」やりたい気持ちを大切にしたり、ライフステージの変化によってキャリアチェンジをしてきました。

女性であると環境が変わりやすく、思ってもみなかった方向にキャリアが進むことがあると思います。ですが人生は繋がっているので、最後に自分が望む方向へ舵をきっていけたらいいのではと思います。

 

【Amazon URL】

https://www.amazon.co.jp/dp/4822242633

【Amazon URL】

https://www.amazon.co.jp/dp/4761276150

投稿者プロフィール

『社長の履歴書』編集部
『社長の履歴書』編集部
新入社員を含めたフレッシュなメンバーを中心に、出版サポートの傍らインタビューを行っております!

就活生に近い目線を持ちつつ様々な業種の方との交流を活かし、「社長に聞きたい」ポイントを深掘りしていきます。

代表者様のキャリアを通して、組織の魅力が伝わる記事を発信していけるよう、これからも一生懸命運営してまいります!