今回は巴山建設株式会社代表、巴山 一済氏にお話を伺ってきました。
「社長の履歴書」だけの特別なインタビューです。
ぜひご覧ください!
会社名称 | 巴山建設株式会社 |
代表者 | 巴山 一済 |
設立 | 昭和53年4月12日 |
主な事業 | 土木建築工事の施工、監理請負/とび土工工事業/舗装工事業/水道施設工事業/建物解体工事の請負/ドローン測量 |
社員数 | 60名(取材時) |
会社所在地 | 東京都調布市多摩川2-25-1 |
会社HP | https://www.tomoyama-group.co.jp/kensetsu/company/ |
事業内容を教えてください
巴山建設株式会社は多摩地区の中小企業で唯一、“測量から橋梁工事ができる”創業70年を超える建設会社です。 「建築・土木の新しい文化を創造する」という事業コンセプトを掲げ、中⼩企業ではまだ数少ないドローン測量や3DCAD、ICT建機を取り入れ、新技術を駆使した先進的な建設工事であらゆる現場に対応しています。
主な事業は多摩川などの河川⼯事や橋梁⼯事、新たな道路をつくる街路築造⼯事や崖崩れ修復の道路災害防除⼯事などで、多摩地区では最高水準の大規模工事を数多く手がけ、施工数においてもトップクラスの実績を築いております。
私 巴山 一済は3代目として2021年4月に代表取締役社長に就任しました。
巴山建設の魅力を教えてください
土木業界では先駆けて作業員を正社員登用してきたことが魅力の1つだと思います。
施工管理だけであれば外注でも足りるのですが、人員不足や災害発生時は自社に正社員がいないと迅速な対応ができません。
作業員や重機オペレーターを正社員として迎え入れることは当社にとってリスクもありますが、お客様のため今後も積極的に採用活動をしてきます。現在、建設部門には60名が在籍し、約8割の社員が東京出身で、残りは近隣からの出身です。福利厚生も整っており、女性も働きやすい環境となっております。
なぜ女性の働きやすい環境づくりに注力されていらっしゃるのでしょうか?
大成建設で働いた後に巴山建設に入社しましたが、その際、女性の管理職が少ないことに気がつきました。そして、現場職として初めて女性従業員が入社してくれたことをきっかけに、それまで総務など内勤女性向けに あった女性専用の休憩室を現場にも設置する取組み「ともやま小町」をスタートしました。 その後、女性従業員の声に寄り添う形で、「軽量かつ髪を結んだまま被れる女性用ヘルメットの導入」 「日焼け止めの支給」などブラッシュアップを重ね、女性人材の定着を図るべく取組みを進化させてい ます。
私が社長になってから女性の施工管理者を増やしたいと思い、女性の働きやすさを考え様々な取り組みを増やしています。
現在進んでいるプロジェクトはありますか?
2029年に完成予定の、国際基準レベルのサッカー場を含む屋外運動施設「パンダフィールド」を建設中です。当社会長の「スポーツを通じて人格形成をしてほしい」という願いから実現しました。
パンダフィールドはグループ会社の巴山興業と力をあわせ、グループ保有の敷地に、国際基準レベルのサッカー場を設計から施工、運営まで行う取組みで、当グループの技術力と誇りを掲げたプロジェクトとなっています。
完成後には、地域のサッカー少年団に無償で貸し出したり、広い広場的なスペースでは自治会の方々と協力してイベントを行うことなども想定し、各団体と意見交換や交流を深めています。
「子供たちが元気になれば家庭が元気になり、家庭が元気になれば地域も企業も元気になる」 と考え、パンダフィールドから笑顔の輪が広がっていくことを想像し、目下建設中です。
巴山建設の仕事や取組みの詳細はHPよりご確認ください
https://www.tomoyama-group.co.jp/
ここからは巴山社長ご自身のことを伺いたいです。学生時代に頑張ったことを教えてください
ずっとスポーツが好きでしたね。少年野球から始まり、日本大学ではアメリカンフットボール部で活動していました。
アメリカンフットボール部は練習量が多く、月曜日だけお休みで、その他の曜日は午後3時から夜中の2時まで練習していました。アメリカンフットボールは頭で考えるスポーツですが、反復練習も必要不可欠なスポーツです。また、未経験で入部する部員が多く、カリキュラムをしっかり組んで、先輩から後輩に技術を伝えていました。
実はこの考え方は今の仕事にも活きており、未経験で入社する高卒や専門卒の社員でも、しっかりと練習・指導を行えばある程度のレベルに達することができるよう、マニュアルを作り、教育体制を整えています。
卒業後はどのようなキャリアに進みますか?
大成建設に入社し、道路や橋を作っていました。
大成建設は教育プログラムがしっかりしており、週2回、所長以下全員で集まって、何も分からない新入社員に仕事のやり方を伝えるための時間を設けています。私自身が現場仕事を通してこの打ち合わせの重要さを実感しているので、巴山建設でもこれに倣って知識を身につける時間を大切にしています。
いつから巴山建設で働かれるのでしょうか?
大成建設には2年半勤めましたが、東京都や調布市の新事業スタートや人手不足の問題もあったことから家業に入りました。
家業では現場の仕事もしましたが、営業も兼務していました。ある時、大型案件の仕事が取得できなかった理由として「営業を始めてから日が浅く経験がないから」と父である前任の社長に伝えると「お前は巴山の姓だろう。もう生まれながらにして営業してるんだよ!」と、とても怒られました。
厳しく仕事を教えていただいたおかげで、35歳からはほぼ全ての仕事ができるようになっていましたね。そして私の父である前任の社長が80歳近くになり退職が決まったことで、私が社長に就任しました。
社長になってから大変だったことを教えてください
ICT事業の技術システム化を立ち上げた時が大変でした。
ICTとは、情報や通信に関する技術の総称です。人とインターネットをつなぎ、情報のやり取りを行う技術を当社で導入することで工期の短縮や生産性の向上が期待できました。
例えば、従来1ヶ月かかる1 k㎡の計測が、ドローンを使用すると計測1日、データの算出に4日、計5日だけで済みます。
しかし、当時、ICT化するためにどれだけの資金があれば良いのか分からず、資金繰りがとても難しかったです。そのため、「あの案件の工事をしたら、これだけ入金あるから現金が会社にいくら残るか」など細かく計算していきました。
最終的には6億円規模のプロジェクトになり、有能な若手でプロジェクトメンバーを組みましたが、実現まで長い道のりでしたね。
ですが、結果的に現在はドローンによる測量により、従来よりも80%の時間短縮ができました。また、大雨災害後の復旧作業など危険な現場の測量に直接行かなくてよくなるなど、安全性の向上にもつながっています。工期短縮にもつながり、予定外の勤務が発生しにくい状況が生まれたことで、完全週休2日、ほぼ 残業なしという働き方を実現することができました。
今後の展望を教えてください
日本は災害が多い国で、これからも災害の復旧作業が必ず必要になっていきます。
例えば災害が起きたとき、通信機能が遮断されたらすぐにドローンが被害状況の確認をし、その後どこを復旧させるべきかを素早く探知することができます。
有事の際にお役に立てるよう、今後もICT事業に力を入れて、マニュアル化をさせていく必要があると思っています。
そして、2025年から調布市の小学校・中学校の建て替えを請け負うことになりました。災害の際に安全でみなさんが過ごしやすい建物になるよう、進めていきます。
また次世代に向けて、組織づくりを固めていきたいと思っています。今は私が単独で意思決定をする場面が多いですが、これからは組織として円滑に動いていける会社の体制を目指していきたいです。
経営者におすすめの書籍を教えてください
私は歴史が好きで、昔から『三国志』を読んでいます。紀元前200年の中国が舞台で、登場人物が人生を全うしているところに感銘を受けます。そして国ができては滅びていく姿に、人生は何が起きるか分からないことを教えてくれます。会社でも経営者がどれほど頑張っていてもコロナや時代の流れでうまくいかないことが多いですよね。人徳や義理人情が一番大事であると勉強することができました。
ぜひ読んでみてください。
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投稿者プロフィール
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新入社員を含めたフレッシュなメンバーを中心に、出版サポートの傍らインタビューを行っております!
就活生に近い目線を持ちつつ様々な業種の方との交流を活かし、「社長に聞きたい」ポイントを深掘りしていきます。
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