今回は、株式会社Peace Festa代表取締役、越野 健氏にお話を伺ってきました。
「社長の履歴書」だけの特別なインタビューです。ぜひご覧ください!
株式会社Peace Festa 会社概要
会社名称 | 株式会社Peace Festa |
代表者 | 代表取締役 越野 健(こしの けん) |
設立 | 2018年2月5日 |
主な事業 | シェアハウス運営事業 セミナー・教育事業 |
社員数 | 2名(取材時:業務委託を含む) |
会社所在地 | 〒547-0027 大阪市平野区喜連5-2-4 |
会社HP | http://peacefesta.com/ |
まずは御社の事業内容についてお話を聞かせてください。
弊社のコンセプトは「血のつながりを超えた家族を作ろう」というもので、シェアハウスの運営をメイン事業としています。
孤独感や苦労を一人で抱えがちなシングルマザー(一般的にシンママと呼ばれています)の家庭環境と、シェアハウスは相性が良く、現在はシングルマザーシェアハウスをメインに、当事者の方々が暮らしやすいハウスであるよう、みんなで助け合って一緒に作りあげています。
また遠方からお問い合わせいただくことも多く、人材派遣会社や、シンママさんを応援したい周りの経営者の方と連携して、シンママさんの就業サポートも行っています。
既に就業されている方は良いのですが、もし無職の場合は物件を借りるための審査が下りないので、まずは職を探さないと物件を借りられなくなってしまいます。
なので、弊社が物件を借り上げてサブリースという形でお貸しすることでサポートし、保証人も必要なく住めるので、そのあと安心して職探しをしてもらうことができます。
シェアハウスに付随するようなことになりますが、シンママ家庭を対象としたイベントや、みんなで旅行に行ったりもしています。
過去には、お子さんが自主的にハロウィンパーティーやクリスマスパーティーなどをしていました。
本来、家族のイベントごとは自主的にやるものだと思うので、こちらで何もかも用意するのではなく、「自分の家」として好きにやってもらえるように、やりたいことができるようにサポートしています。
入居者さん一人ひとりの困りごとに対して一緒に取り組み、シェアと出会いと助け合いを通じて、ひとり親と子どもだけではできない、彩りある思い出をたくさん創っていくことを主軸としています。
越野さんの現在に至るまでのご経歴を教えてください。
早稲田大学の教育学部に所属し、飲み会をしたりサークルでバンド活動をしたりと遊んでばかりの学生でした。
大学生活も3年を迎えて周囲が就活を始める頃に、やっと将来どんな仕事をしようか考え始めました。知らない世界を見て、やりたいことを見つけたいと、世界1周の旅に出発しました。途上国でNPOやNGOの活動に触れて、いかに自分が、ぬるま湯に浸かっていたかに気付かされました。
カンボジアの農村で出会ったNGOの人が、「活動のための資金繰りが大変」と言っていたことが心に残り、帰国後、企業のCSR活動に興味を持ちました。
当時はCSR(=企業の社会的責任)が言われ始めた時でした。広告会社に入社し、CSR報告書を作成する部署に配属され、しばらく働かせていただきましたが、2009年12月に独立しました。
そして一般的な人が、普通に社会貢献に参加できる場を作れたらいいなという想いから、2010年に始めたのが居酒屋向けの寄付付きドリンクの提案でした。
「お店の普段のドリンクを頼むと、そのうち10円がカンボジアの井戸掘りに寄付されます」というような内容です。しかし、翌年に東日本大震災が起こり、現地のNGOからの了承もいただき、この事業は1年で終了してしまいました。
その後、自らも東北のボランティアに参加。そこで「ボランティアをしたい、力になりたい」という熱い心を持った多くの学生と出会いました。
この学生の世代を応援したいと思ったことが、池袋に若者向けの起業塾とシェアハウスを作ったきっかけです。
2013年には「同じようなハウスを大阪にも作って欲しい」という声をいただいたので、大阪にも進出。“自分=シェアハウスを手掛ける人“という認識が定着していきました。
シェアハウスを利用したいという当事者さん達と話す中で、LGBTQの方向けのハウスや、料理人専門のハウスなど、様々な専門のシェアハウスを作りました。
そして、今のシングルマザー向けのシェアハウスが始まるきっかけになったのは、2016年の秋。あるシングルマザーからのサイトへの問い合わせでした。
Peace Festaが株式会社になったのは2018年2月5日。それまでは有限責任事業組合という形で、事業をしていました。
昔から経営者になろうと考えていたわけではありません。企業でCSRの仕事やNPO法人に転職して仕事を経験しましたが、当時の社会貢献や組織の活動は寄付型が多くて、世界を旅した時に見たものと違うと感じました。
社会問題に直接アプローチしたいと思っていたのですが、勤務先では求めていた形がなかった。そこで、自分でやってみようとした結果が起業だったんです。
これまでに苦労したことと、どのように乗り越えたかを教えてください。
コロナ禍により、売り上げがかなり減り、大きな被害を受けたことが苦労したことですね。
一回目の緊急事態宣言は2020年の3月。引っ越しシーズンで一番売り上げが伸びるはずなのに、キャンセルが相次いだため若者向けとLGBTQの方向けのシェアハウスは全部閉鎖することに…。
またコロナ禍でテレワークが普及したことも、引っ越しを控える原因となった理由の一つだと思います。今後も同じような状況になるのではと不安になりました。
そして、結果として残ったのがシンママ向けのシェアハウスでした。シングルマザーのご家庭には、『コロナだから』がシェアハウスを利用しない理由にはならなかったんです。そこからシンママ向けのシェアハウスに力を入れて、苦労の時期を乗り越えました。
現在の会社としての課題を教えてください。
ひとり親のご家庭の、収入の限界を感じています。シンママの平均年収の壁を越えるような、就業サポートをしていくことが課題だと思っています。
「これ以上収入を上げるのが難しい」という状況にあるのであれば、生活コストを下げるお手伝いをしていきたい。
親の収入が多いほど子どもが充実した教育を受けられるという、『収入と教育の格差』は存在しています。これは仕方のないことですが、シンママでも子供を習い事に行かせられるような環境にしたい。『格差』を緩和するために、お子さんに使える基金を作りたいと考えています。
最後に今後の展望や夢を教えてください。
「血のつながりを超えた家族を作ろう」というビジョンを、もっと広い地域で展開していきたいですね。
今は、都市部から車で1~2時間以内で行ける農村地域と繋げる活動を始めました。
定期的に兵庫県や三重県の農村部の町おこしの会議にも出席させていただいています。
血は繋がっていないけれど、“おじいちゃんと孫”のような温かい関係ができて、移住人口だけでなく、関係人口を増やしていき、都心部と地方双方が孤立せずに相乗効果で元気になっていく繋がりを作っていくことが今後の展望です。
越野さんが経営者におすすめする本を教えていただきました!
『「たった1人」を確実に振り向かせると、100万人に届く。』 阪本啓一(著)
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投稿者プロフィール
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新入社員を含めたフレッシュなメンバーを中心に、出版サポートの傍らインタビューを行っております!
就活生に近い目線を持ちつつ様々な業種の方との交流を活かし、「社長に聞きたい」ポイントを深掘りしていきます。
代表者様のキャリアを通して、組織の魅力が伝わる記事を発信していけるよう、これからも一生懸命運営してまいります!
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