株式会社クランピーリアルエステート 大江氏

今回は株式会社クランピーリアルエステート代表、大江 剛氏にお話を伺ってきました。

「社長の履歴書」だけの特別なインタビューです。

ぜひご覧ください!

会社名称株式会社クランピーリアルエステート
代表者大江 剛
設立2018年2月
主な事業共有名義不動産買取事業、訳あり相続不動産買取事業、不動産仲介事業(売買仲介)、不動産業者検索サイト「イエコン」の運営
会社所在地    東京都中央区築地2-10-6 Daiwa築地駅前ビル9階
会社HPhttps://c-realestate.jp/

事業紹介をお願いします

当社は、共有名義不動産を主軸に、底地、放置空き家、再建築不可物件、事故物件など、一般的な市場では売却・活用が難しい「訳あり不動産」の問題解決に取り組んでいます。また、相続・離婚・債務整理など、物件自体に大きな問題はなくても、関係者間の調整や売却方針の不一致により売却が進まない不動産にも対応しています。

こうした不動産の課題に対して、当社では物件の状態や所有者様の事情を踏まえ、買取・仲介・リースバックなど複数の選択肢から、解決に向けた現実的かつ最適な方法をご提案します。

中でも共有名義不動産においては、相続を繰り返すうちに共有者が5人、10人と膨れ上がるケースが少なくありません。売却やリフォームには共有者全員の同意が必要となるため、「処分・利用の方針が決まらないまま、維持費がかかり続ける」という悪循環に陥りやすいのが実態です。

このような複雑な権利調整や関係者間の対立が絡む不動産問題は、当事者間の話し合いだけで解決することが難しく、通常の不動産売買とは異なる専門的なノウハウが求められます。そのため、大手の不動産会社であっても対応が難しいと断られてしまうケースが少なくないのが現状です。

私たちは、こうした不動産が抱える課題を一つひとつ紐解き、買取や売却支援を通じて、再び市場で活用できる状態へとつなげていくことに、強い社会的意義を感じて取り組んでいます。

事業内容について詳しくはこちらをご覧ください。
https://c-realestate.jp/column/guide

御社の事業の強みを教えてください

当社の強みは、訳あり不動産に特化した査定・買取ノウハウと、全国1,500名超の士業ネットワークを活かし、権利関係や相続・離婚・債務整理が絡む不動産でも、売却までの道筋を具体的に示せる点です。

たとえば、共有者間のトラブルがある場合は弁護士、相続登記が必要な場合は司法書士、売却前後の税務確認が必要な場合は税理士など、物件が抱える問題に応じて適切な専門家と連携できる体制を整えています。

そのうえで、当社が不動産会社として物件の状態や権利関係、所有者様の事情を確認し、買取・仲介・リースバックなど複数の選択肢から、売主様の状況に応じた解決方法をご提案しています。

中でも、通常の不動産市場では売却が難しい物件については、当社が買主となって直接買い取ることで、早期の現金化や現状有姿での売却にも対応しています。

この体制により、所有者様が複数の専門家や不動産会社を自ら探し回る負担を抑えながら、不動産の問題解決とともに売却までを進めやすいことが当社の大きな特徴です。

2018年2月の創業以来、お寄せいただいたご相談は20,000件を超え、累計買取金額は100億円以上にのぼります。1万円の物件から10億円を超える大型案件まで、物件の種類や規模を問わず、さまざまな不動産問題の解決に向き合ってきました。

今後も、問題解決型の不動産会社として、訳あり物件や相続・離婚・債務整理などを背景に売却が進まない不動産にも向き合い、お客様にとって現実的な解決策をご提案してまいります。

特徴と強みについて詳しくはこちらをご覧ください。
https://c-realestate.jp/column/921

それだけの士業ネットワークは、どのように築かれたのでしょうか?

メディア運営を通じてご縁を広げてきました。たとえば、朝日新聞さんと一緒に運営している「相続会議」というメディアがあります。こちらは相続分野では日本最大級のメディアで、弁護士や司法書士の先生に費用をいただいて広告枠を提供していて、相続会議だけでも多くの士業の先生方にご登録いただいています。相続会議以外にも複数のメディアを運営しているので、そこで培ってきた信頼関係が、現在の士業ネットワークの土台になっています。

【運営メディア】
・イエコン:https://iekon.jp/
・ツナグ相談:https://clamppy.jp/sozoku
・ツナグ離婚弁護士:https://clamppy.jp/rikon
・ツナグ債務整理:https://clamppy.jp/saimu

ここからは大江社長ご自身のことをお聞かせください。学生時代に打ち込んだことはありますか?

実は、人に話せるような「これを頑張りました」というエピソードがあまりないんです。中学校からずっと帰宅部で、割といいかげんに過ごしてきたところがあります。強いて言えば、人一倍いろいろな経験をしてきた、ということでしょうか。よく遊んできましたし、いろいろな人と接してきました。

あと、読書だけはずっと続けていました。遊んでばかりの生活の中でも、本を読む時間は自分なりに作っていて、特に北方謙三さんの『水滸伝』は、何度も読みましたね。誇れるほどの読書量ではないですが、本から得たものは大きかったなと感じています。

高校・大学はどのように進まれましたか?

高校は通信制だったんですが、サポート校に通っていまして、そこで大学の推薦入学枠のお話をいただきました。本当に予想外の出来事で、奇跡的だなと思いましたね。それで、「自分でも大学に行けるんだ」と思って進学しました。学部は経営学部です。行きたい大学や学部を選んで、その大学に入るために受験勉強をしっかりした、みたいな立派な話ではないのですが、大学では今まで出会ったことのないタイプの友人がたくさんできました。正直に言えば大学でも勉強はあまりしませんでしたが、充実した学生生活でした。

経営者になりたいという考えは、子どもの頃からあったのでしょうか?

経営者への憧れは、小学生の頃からありました。「社長になりたい」と周りに言っていたことは、よく覚えています。なぜ社長になりたかったのか、当時の理由まではっきり思い出せません。卒業アルバムにもそういったことを書いていたので、おそらく純粋に「お金持ちになりたい」という気持ちだったのではないかと思います。なので、起業そのものは、割と自然な流れの中にあった選択だったといえます。

ご経歴と起業までの流れを教えてください

大学卒業後、フリーランスとしていろいろな事業をやっていました。その後、26歳頃にITベンチャー企業に入社し、3年半ほど営業の本部長を務めました。そして29歳のときに独立し、今のグループ会社である株式会社Clamppyを立ち上げました。

「この経験があったから今の自分がある」と感じるエピソードはありますか?

ITベンチャー時代の3年半は、今振り返っても大きかったなと感じます。営業の本部長として、組織を動かす経験を一通りさせてもらいました。会社のすべてに賛同していたわけではなく、「自分だったらもっとこうするのに」と感じる場面もありました。ただ、そのときに感じていた違和感も含めて、独立してからの判断軸になっています。ITで培ったマーケティングの考え方と、組織運営の経験。この2つが、今の2つの会社の経営に確かにつながっているなと感じます。

3年半の会社員経験のあと起業をされたということですが、起業のきっかけを教えてください

29歳のとき、ちょうど子どもが生まれるタイミングで独立しました。ITベンチャーで3年半経験させていただいた中で、「自分だったらこうやってみたい」という思いも徐々に積み上がってきていたんです。そこに子どもが生まれるタイミングが重なって、「ここで一度、自分でやってみようかな」と踏み切りました。

妻はもともと私と同じ職場で働いていたので、私の仕事ぶりを近くで見て知ってくれている人です。そのうえで、「うまくいかなかったら、また一緒にやり直せばいいから。せっかくだからやってみれば」と背中を押してくれました。家族にそう言ってもらえたことは、本当に大きかったと感じています。

株式会社Clamppyを先に立ち上げたとのことですが、株式会社クランピーリアルエステートはどのようなきっかけで設立されたのでしょうか?

株式会社Clamppyでは独立当初から、士業向けのWebマーケティングを手がけてきました。株式会社クランピーリアルエステートを立ち上げたのは、株式会社Clamppyを始めてから5年ほど経ってからです。今でも両方の代表を兼務しています。

士業向けのWebマーケティングは、参入障壁はそれなりに高いものの、市場規模としてはそこまで大きくなくて。売上の上限もある程度見えてくる事業だと感じていました。そんな中で何か新しいことを始めたいなと考えていたときに、ふと「これだけ士業の先生方とのつながりがあるんだから、不動産はどうだろう?」と思いついたんです。これがきっかけで、不動産会社を立ち上げました。

不動産事業を始められた当初から、共有名義不動産にこだわっていたのでしょうか?

最初から共有名義不動産に絞っていたわけではありません。不動産事業を始めて、自分なりに勉強を重ねていく中で、「共有名義不動産が一番うちの強みを活かせる領域だな」と気づきました。そこからは、共有名義不動産にひたすら注力しています。おそらく現在では、共有名義不動産においては日本でも有数の取扱件数になっているのではないかなと思います。

経営をされる中で、苦労されたことや悩まれたことを教えてください

ありがたいことに、「会社存続の危機!」というような大きなエピソードはなくて、比較的苦労せずにここまで来られたほうだと思います。ただ、悩んだことを挙げるとすれば、従業員のことですね。もともとWebマーケティングの会社をやっていて、そこから新しく不動産事業を始めたわけですが、この2つの事業においては従業員の「育ってきた文化」がまったく違うんです。Webマーケティングをやっている人と、不動産の営業をやっている人とでは、仕事の進め方も価値観も大きく異なります。この2つを社内でどう共存させていくか。そこに少し苦労がありました。

その違いをどのように乗り越えていったのでしょうか?

正直にお話しすると、「共存させずにあえて分けた」というのが一番の対策です。物理的に仕事をする場所を分けて、お互いがあまり関わりすぎないようにしました。というのも、商売の構造が大きく違うんです。Webマーケティングは少額の成果を長期にわたって積み上げていくストック型のビジネスであるのに対し、不動産は1案件ごとに非常に大きなお金が動くビジネスです。このように、商売の構造をはじめ、日々のスピード感や金額規模が異なる業務が同じ空間に混在していると、お互いの業務に集中しづらく心理的な負担にもなりかねないと考え、思い切って物理的にオフィスを分けることにしました。

物理的に分ける以外に、組織として意識されたことはありますか?

評価軸もまったく違うので、そこは社員にしっかり説明するようにしてきました。1件あたりの売上が大きいから不動産のほうが偉いというわけではないということや、Webマーケティングのほうで安定した売上があるおかげで不動産がさまざまな挑戦ができるということなど、お互いがどういう収益構造で会社に貢献しているのかを丁寧に伝えてきましたね。業務内容まで細かく理解する必要はなくても、お互いの部門を尊重する姿勢だけは大事にしてほしい、というのが本音です。

経営者として、最も大切にされている価値観を教えてください

少し綺麗な言葉になりますが、「誠実に」ということを大切にしています。ずるくないこと。経営をしていれば、従業員のことも取引先のこともいろいろありますが、「ずるいと言われるようなことを自分はしていないか」をいつも自分に問いかけているつもりです。従業員に対してもお客様に対しても、フェアであることを意識しています。その姿勢は、社員もちゃんと見てくれていると感じます。結果としてですが、うちの会社は離職率が比較的低いほうだと思います。「離職率が低いこと=絶対的に良いこと」だと考えているわけではないのですが、ずるいことをしている会社にはずっといたくないと思うのも自然な感覚ですよね。誠実さは、結果的に組織を強くする土台になっていると感じます。

失敗を責めずに、社員が挑戦できる環境を整えることを意識されているそうですね

はい、失敗そのものは責めません。失敗に対してペナルティを設けることもないです。ただ、「勝手に物事を進めない」というルールだけは徹底しています。新しい取引、新しい事業、大きな判断については、必ず私が目を通したうえでゴーサインを出すようにしているんです。私がゴーサインを出した以上、結果として失敗があったとしても、それは私の責任なんですよ。だから社員には「気にするな」と伝えています。「必ず私が目を通す」というと、社員の挑戦を縛っているように聞こえるかもしれません。ですが、実際の運用はかなり自由度が高いはずです。許可を取らせるというよりは、「重要な判断を一人で抱え込ませない」というセーフティネットみたいなものですね。社員が安心して挑戦できる環境であってほしいというのが一番の思いです。

息抜きやリフレッシュの方法は、どんなことをされていますか?

休日は少年野球の監督をしています。私自身は学生時代に野球をやっていたわけではなく、もともとは野球観戦が好きだったんですが、息子が小学生になって野球チームに入ったのをきっかけに、手伝いとして関わるようになりました。それで、気づいたら監督をやるようになっていました(笑)。土日は息子と一緒にグラウンドで汗を流しています。

たかが少年野球と思われるかもしれませんが、これが意外と組織運営につながるところがあって。「マネジメントの基本って、結局こういうことだよな」と気づかされる場面が多いんです。子どもたちは素直なので、思ったことをすぐ口にしますし、こちらの言葉も本気で受け止めてくれる。人と人が関わるときの基本のようなものを、改めて立ち返る機会になっています。

今後の展望を教えてください

一番力を入れている共有名義不動産ですが、実はお客様からご相談をいただく時点では、もう兄弟間の関係がかなりこじれてしまっているケースがほとんどです。ただ本来は、そうなる前に対策できることがたくさんあります。不動産を共有名義のままにしてしまうと、今は仲が良くても、いずれ次の代に問題が引き継がれてしまう。自分たちの兄弟間は仲が良くても、その子どもたち、つまり甥や姪の代まで相続が進んでしまうと、1つの物件を5人、10人で所有する、という状況が現実に起こります。そうなるともう、簡単にはまとめられません。だからこそ、トラブルになる前に「共有状態にしないことが大切ですよ」とお伝えする啓蒙活動を、少しずつでも進めていきたいと考えています。

また、今は、相続後に共有名義のままトラブルになってしまった物件を中心に扱っていますが、今後はその範囲をもう少し広げていきたいと考えています。たとえば、離婚に伴って自宅を売却したいケース。トラブルにはなっていないが、相続した物件を売りたいケース。借金問題で家を売らざるを得ず、なるべく高く、早く売りたいケース。こうしたご事情を抱えた不動産売却のニーズに、もっと広く応えていきたいですね。

具体的にはどのように啓蒙活動を進めていかれる予定ですか?

現時点では、新聞社などから取材をいただいた際に、「共有名義不動産にはこういうリスクがありますよ」とお伝えする、というのが中心です。ただ、共有名義不動産の問題は、おそらく今後さらに社会的なテーマになっていきます。とはいえ、まだご両親がお元気で、ご兄弟との関係も良好な時期に「共有名義はリスクですよ」と言われても、なかなか自分ごととしては受け止めにくいですよね。相続トラブルというのは、そういう難しさがある分野です。

だからこそ、トラブルになる前の啓蒙はもちろん大切なのですが、もしトラブルになってしまっても、「クランピーに相談すれば解決できるかもしれない」「弁護士の先生も紹介してもらえるかもしれない」と、思い出していただける状態をつくっていきたいと考えています。実際、私たちのような不動産業者に相談すれば解決できることを知らずに、長く一人で悩み続けている方がたくさんいらっしゃいます。トラブル自体をゼロにすることは難しくても、「悩んだ期間を短くするお手伝い」はできるはずです。そういう存在になっていけたらと思っています。

最後に、おすすめの本を教えてください

先ほども触れましたが、北方謙三さんの『水滸伝』をぜひおすすめしたいです。「男たるものはこうあるべき」というような、なかなか男臭い世界観の作品です。先生の文章には熱量があって、読んでいると引き込まれていきます。非常に長いシリーズなので、最後まで読みきれない方も多いかもしれません。ただ、ハマる方には本当にハマる作品です。経営という、ある種「腹をくくる場面」が多い仕事をされている方には、得るものが多い一冊だと思います。

大江社長ご自身も、2022年に書籍を出版されています。こちらの本についても教えてください

共有名義不動産 トラブルになったら一番最初に読む本』という書籍です。前半は、相続や共有名義不動産についての基本的な知識をまとめています。後半はQ&A形式になっていまして、ここに載せている質問は、私たちが普段よくお問い合わせをいただく内容ばかりです。月に200〜300件のご相談を受ける中から、特に多い質問をピックアップしました。「共有名義不動産で悩んでいる」「専門家に聞きたいことがある」という方は、まずこの本を手に取っていただければ、ある程度のことは解決すると思います。そのうえで、「これはやっぱり専門家に相談したい」という内容があれば、ぜひお問い合わせいただければと思います。

『共有名義不動産 トラブルになったら一番最初に読む本』
大江 剛(著)、三平 聡史(監修)/東峰書房/2022年4月発行
https://www.amazon.co.jp/dp/4885922194

投稿者プロフィール

『社長の履歴書』編集部
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