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NTTソルマーレ株式会社代表 朝日 利彰氏

  • 09/20/2024
  • 09/12/2024
  • 仕事
  • 190回

今回はNTTソルマーレ株式会社代表、朝日 利彰氏にお話を伺ってきました。

「社長の履歴書」だけの特別なインタビューです。

ぜひご覧ください!

 

 

会社名称 NTTソルマーレ株式会社
代表者 朝日 利彰
設立 2002年4月1日
主な事業 コンテンツ流通事業
社員数 401名(令和6年9月現在・取材時)
会社所在地 〒541-0041 大阪市中央区北浜4丁目7番28号 住友ビル2号館
会社HP https://www.nttsolmare.com/

 

 

事業内容のご紹介をお願いいたします

NTTソルマーレは日本最大級の電子書籍サイト「コミックシーモア」の運営を行っております。

コミックシーモアは取扱冊数143万冊以上、最高日販9億円以上、月間利用者数は4,000万人を超える、業界内最大級の電子書籍ストアです。

NTTソルマーレは電子コミック市場を黎明期から支え、コミックシーモアは2024年に20周年を迎えました。電子書籍事業の2024年3月期の売上は812億円となり、11期連続の増収増益を達成しております。

加えて長年市場を牽引してきたその功績が認められ、シーモア創設日の8月16日は「電子コミックの日」に認定されています。

また、ゲーム事業では恋愛ゲームの配信に力を入れており、恋愛シミュレーションゲームである”Shall we date?”シリーズ『Obey Me! Nightbringer』 を中心に豊富なラインナップで世界中の人々から熱狂的な支持を受けております。

 

NTT西日本でありながら、なぜ電子書籍の配信を始めたのですか?

1999年にNTT再編成が行われましたが、NTT西日本は設立当初から赤字が見込まれ、苦しい状況にありました。そこで、当時の主力事業であった電話ではない新たな収入源を獲得すべく模索して辿り着いたのが、「Foobio」というコンテンツ配信代行サービスです。そして、それをローンチするべく2002年にNTTソルマーレが設立されました。

Foobio自体はそこまで大きく成長はしませんでしたが、この知見を活かし、また市場環境の変化からケータイによる電子コミック配信事業に段々とシフトしていき、2004年にはコミックシーモアの原型となるケータイ向け(iモード公式サイト)コミック配信サービス「コミックi」が誕生しました。

翌年にはauとVodafone(現Softbank)公式サイトで「コミックシーモア」が誕生し、2010年にサービス名称を統一しました。

 

2002年というと、まだまだ紙の書籍が全盛期の時代だったと思います。サービス開始当初はどのようなご苦労がございましたか?

サービス開始当初は出版社側にも「デジタルが売れると紙が売れなくなるのでは」という懸念があり、電子コミックとして配信ができたのはわずか20作品でした。当時はスマホがまだなく、ケータイで読まれるため、小さい画面に対してどのような工夫をすれば読者の方が読みやすいかに気を配りました。

ケータイの画面でマンガ1ページはとても見づらいのでコマごとにカットして配信をしていましたが、そもそもマンガをコマごとにカットすること自体異例だったので、売上が少ないことも相まって作品数が増えるまでには多くの時間がかかりました。

加えて、現在のコミックシーモアの強みでもあるクーポン機能などもなかったので、売り上げ拡大に向けた選択肢が少なく、広告費も確保しづらいという苦しい状況が続きました。

 

今となっては普通のことでも、当時は異例のことづくめだったんですね。では、そこからどのように地位を確立されてきたのでしょうか?

とにかく、作品に対して真摯に向き合い続けてきました。お預かりした作品を社員が読み込み、どうすれば魅力が伝わるのか、どこを無料お試し版として提供したら購入に繋がるか、試行錯誤しながら丁寧に販売をし続けてきました。

また、マンガのコマをカットすることへの不安や抵抗感を無くすため、ビューアーの機能追加や閲覧スピードアップなどの改善に加え、カットしたマンガに少しアクションを取り入れ、読者に臨場感を持って読んでいただけるような工夫を行い、品質向上を目指しました。

小さな改善を積み重ねるうちにだんだんと売上も上がり、そして作品に対するリスペクトを感じ取っていただけたことで出版社からも少しずつ信頼をいただき、応援していただけるようになりました。

また、とある出版社から女性作品の販売強化のアドバイスをいただいたことで、大きな反響へと繋がっていきました。

逆境にも負けず、作品への愛をカタチにすることで、NTTソルマーレは電子書籍市場を開拓してまいりました。

 

ここからは、朝日社長のご経歴やお仕事への考え方についてお伺いしたいです。まず、朝日社長がNTTに入社されるきっかけについて教えてください

私は1992年にNTT(日本電信電話株式会社)に入社しました。

当時のNTTはドコモもなく、またNTT東やNTT西もない時代。もっというと、パソコンやWindowsも普及していない頃です。

しかし、今後日本でもインターネットの概念が普及する雰囲気がありましたし、NTT内では光回線の研究も始まっていました。世間でも今よりももっと物事のスピードが世界規模で速くなることが言われていましたので、通信事業に将来性を感じ、入社を決めました。

 

社長就任までにご経験されたお仕事のなかで、印象に残っているエピソードはありますか?

2011年から4年間ほどNTTスマイルエナジーで副社長相当のポジションで創業から携わり仕事をしたことが、人生の中で最も大きな経験だったと思います。

太陽光設備の遠隔監視装置の販売と、それなりに成長が見込まれたスタートアップとして創業したので、10人程度の人員と充分な資金を持たせていただきましたが、 それこそ事務所探しからのスタートでしたね。全て自分達でゼロから創り上げていき、創業から4年目で単月黒字を達成し、ベンチャーとしては合格ラインまで到達することができました。

 

NTTスマイルエナジーではどのようなお仕事に携わりましたか?

会社の中には企画、技術、営業と3つのポジションがあり、私は企画と技術の役員を担っていましたが、限られた人員での事業運営だったため、プレイヤーとして営業もすることになりました。

スマイルエナジーの事業は当初BtoCではじめましたが、途中でBtoBに変更し、その際の初契約は私が担当していた案件でした。

 

また、スマイルエナジーは合弁会社なのでエンパワーメントが重要な課題の1つでした。

出向元の思いやミッションも違うなかで、いかに1つの会社として動かしていくか、という課題と常に向き合っていましたね。

役員ではありましたが、プレイヤーとしても仕事をした4年間は数多くの窮地に立たされましたし、精神的にも肉体的にも大きな負担がかかりました。

ですが、スマイルエナジーでの仕事は勿論のこと、NTTのキャリアの中で本当に様々なお仕事をさせていただいたことが、今の自分を作っているのだと思います。

 

2020年にNTTソルマーレの社長に就任したときの経緯を教えてください

これは今思い返しても本当に突然のお話でした。

2020年の7月にNTTソルマーレの代表取締役社長に就任しましたが、実は6月まで私はNTT西日本の九州エリアで法人営業をしていました。赴任してからまだ2年ほどで上司も私自身もあと数年はここで働くのだと思い、そういう会話をしていたのですが、急遽7月からソルマーレで働くことが決まりました。

先ほどスマイルエナジーのお話をしましたが、実はその会社はソルマーレを見習って作った会社です。

親交のある諸先輩方がすでに役員としていらっしゃる会社だったので、いきなり社長を任されると聞き、とても驚きました。

 

正直に当時の心境をお話すると、九州はとても良い場所で人も土地も食事も全て良く、仕事的にもまだ2年しか携わっていなかったので、気持ち的には「まだまだやるぞ」という想いも大きく、大阪へ向かう新幹線の中では気持ちの整理がまだついていませんでした。

ですが、実際にソルマーレの仕事を目の当たりにし、すぐに意識が変わりました。

 

ソルマーレの社長に就任してからどのような経営をされてきましたか?

私がソルマーレの社長に就任をした際は、すでに市場を牽引する会社となっており、先代の方々が築き上げたものをいかに伸ばすか、という部分でプレッシャーがありました。

だからこそ、私自身の責任は、次の世代にどのように繋げるのか、何を作るのかということにフォーカスされています。

コミックシーモアはただ流行りの作品を仕入れて、ユーザーに向けて宣伝し買ってもらう商売とは一線を画しています。創業当初からサイトで作品を探す楽しさ、いい作品と出会えた感動など、作品とユーザーが出会う演出を大切にしてきましたし、現在これだけ多くのご支持をいただけているのも、それが大きな理由であると考えています。

現在400名を超える組織となっておりますが、作品の魅力を伝えることにかけてはかなりリソースを注入しておりますので、今後も軸をぶらさずに一生懸命に取り組んでまいります。

 

NTTソルマーレの展望をお聞かせください

マンガは日本国内に留まらず、年々海外でも人気の高いコンテンツとなっています。
当社では2022年3月に全米最大級のデジタルマンガストア「MangaPlaza」をリリースし、現時点での作品ラインナップは12,000話以上で配信しており、海外事業を拡大させていきます。

また国内外にかかわらず、電子書籍サービスの更なる成長に向け、下記の5つの点に注力してまいります。

1.品揃え
2.施策・キャンペーン
3.あらゆる顧客接点における「UIUX」
4.マンガに関する「情報発信力」
5.書店員による「作品の目利き力」と作品の魅力をユーザに伝える「熱量・作品愛」

また、日本の素晴らしいマンガ文化の発信はもちろんのこと、中期的な事業拡大に向けて、オリジナルコミックの更なる拡大からIPビジネスの展開まで包括的に取り組んでまいります。

そして、「想いとテクノロジーにより、マンガ熱を拡げていく。」をスローガンに、電子コミック市場のリーディングカンパニーとして、出版社を含む業界全体の発展に貢献していきたいです。

 

最後に、経営者へ向けて、コミックシーモアの魅力を教えていただきたいです

エンタメというと一見とっつきにくい業界と見えるかもしれませんが、実際弊社はエレクトリックコマースですので、裏側は非常にロジカルです。

即時に数字が分かるので、現場も経営サイドもスピード感を持って判断を下しています。

競合も多く、ユーザーもシビアですので、「そんなおすすめいらない」と思われた瞬間から他社に乗り換えられてしまう、見せかけだけでは決して勝てない業界です。

だからこそ、業界内で圧倒的なシェアを誇ることでナンバーワンを目指し続けています。

 

コミックシーモアでは自分で探しても出会えなかった作品にコミックシーモアを通じて出会う、その演出プロセスが他社との一番大きな違いですし、20年間磨き続けてきた部分です。

サイトに来ていただくだけでも、作品を探す楽しさ、面白さを実感いただけると思いますので、ぜひ会員登録いただき、業界最大級の電子書籍サービスをご体験ください。

https://www.cmoa.jp/

 

投稿者プロフィール

『社長の履歴書』編集部
『社長の履歴書』編集部
新入社員を含めたフレッシュなメンバーを中心に、出版サポートの傍らインタビューを行っております!

就活生に近い目線を持ちつつ様々な業種の方との交流を活かし、「社長に聞きたい」ポイントを深掘りしていきます。

代表者様のキャリアを通して、組織の魅力が伝わる記事を発信していけるよう、これからも一生懸命運営してまいります!