今回は丸和運輸株式会社代表、藤本智治氏にお話を伺ってきました。
「社長の履歴書」だけの特別なインタビューです。
ぜひご覧ください!
会社名称 | 丸和運輸株式会社 |
代表者 | 藤本智治 |
設立 | 1941年2月1日 創業
1953年2月10日 設立 |
主な事業 | 一般貨物自動車運送事業
第一種利用運送事業 第二種利用運送事業(鉄道) 生命保険の募集に関する業務 損害保険代理店業務 梱包業 特殊鋼・鉄鋼・金属・金属原料切断加工 産業廃棄物収集運搬許可(大阪府・京都府・兵庫県・和歌山県・奈良県・滋賀県) 保税蔵置場許可(監指令第74号-大阪税関) 通関業許可(税関様式B第1020号 指令第27号) 旅行業(第二種大阪府知事登録旅行業第2-2992号) 旅行用品の販売 一般乗用旅客自動車運送事業 有料職業紹介事業 倉庫業 前各号に付帯する一切の業務 |
社員数 | 70名(取材時) |
会社所在地 | 大阪市住之江区平林北2-9-127 |
会社HP | https://www.maruwaunyu.co.jp/ |
事業内容を教えてください
丸和運輸株式会社は1941年に創業した、大阪で80年以上続く物流の会社です。
物流センターの運営、大阪を中心とした関西地方の運送事業、通関業を含めた国際物流の3本柱で事業を展開しており、通常のサービスに価値を付けて提供しているのが当社の強みの1つです。
私たちは物流会社ではありますが、ただ物を運ぶだけではなく、大切な人、モノ、情報、真心をお繋ぎすることを使命とし、お客様に喜んでいただけるような会社でありたいと思い、日々業務に励んでいます。
長い歴史のある会社ですね。藤本社長は何代目なのでしょうか?
私は3代目の社長です。祖父がリヤカー1台から始めた事業を父と私で守ってきました。運送から物流まで拡大してきましたが、拠点である大阪をメインとして人の役に立つ仕事をしていきたいと強く思い、事業を続けております。
この度、お客様により分かりやすく、弊社の想いをお伝えできるようHPをリニューアル予定です。
丸和運輸株式会社の歴史や事業、お客様への想い、働くスタッフや環境などをご覧いただき、多くの方に弊社のことを知っていただけると嬉しいです。
HP:https://www.maruwaunyu.co.jp/
藤本社長が2006年に就任されてから始めた事業はありますか?
経営者は過去からの仕事を続けていくことはもちろん、将来のために現状+αの行動をしていかなければなりません。現状維持や過去の延長線上だけでは経営を続けることが難しいため、エリア拡大や新事業の展開など、時代の変化を把握してビジネスを行っています。
実際に私が社長になってから始めたのは、海外からの観光客のスーツケースをホテルと関西空港の間で当日配送するサービスです。とても好調で、200件以上のホテルと契約している他、スーツケースの販売も行うなど、大阪のインバウンド対策に貢献しております。
旅行客により身軽に観光を楽しんでいただきたい、そのために何か私たちでできることはないかと考えたことがきっかけでこのサービスを始めました。
詳しくはこちらのURLをご覧ください。
MARUWAツーリズム https://maruwa-tourism.com/
学生時代に頑張ったことはありますか?
小学生の頃は野球少年で、中学生になるとサッカー部に所属していましたが、時代柄、厳しい指導が飛び交う環境で練習を重ねていました。
そして、高校では部員募集のポスターを見てとても優雅で恰好良く、これこそ男のロマンだ! と思ったことからヨット部に入部しました。中学校のスパルタな部活から抜け出し、やっと楽しい部活に巡り合えたと思っていたのですが、そこには想像を絶する厳しい練習が待っていました。
ヨットはのんびり海を楽しむものだと思われますが、私がやっていたのは競技としてのヨットだったので、とにかくレースで勝つために必死に練習をしていました。特に自然相手のスポーツなので、気を抜いたら自分だけでなく仲間の命にも危険が及びます。厳しい環境の中で、いかに勝利を掴むか、臨機応変な対応や勝てる戦術を生み出すことが必要でした。
ヨット部に所属した3年間で何よりも身になっているのは、理不尽で限られた環境のなかでいかに結果を出すか、ということです。これは現在の経営者の仕事にも直結しています。
現状を把握し、進む方向を決めて関わる人全員を幸せにする。この価値観を持てたのもこの部活がきっかけだと思います。
学生時代から経営者になることを意識していましたか?
そうですね。小さい頃からドライバーの皆さんが私とキャッチボールをして遊んでくれたりと関わる機会が多かったことから、漠然と「どうしたら皆さんを幸せにできるか」と考えていました。
他の職業に就きたいと思ったことはないのでしょうか?
ないですね。周りはサッカー選手やパイロットになりたいと言っていましたが、私は父親の働く姿を見て、自分が事業を引っ張っていく未来像しか見えていませんでした。自宅兼会社のような環境でしたし、従業員からは幼少の頃より「3代目」と呼ばれて育ってきたので、継ぐことが当然という環境になっていたのかもしれません。
社長になる前に経験しておいて良かったことはありますか?
今の会社に就職する前に、静岡に倉庫を持っている運送会社に入社しました。幼いころから家業ばかりみていましたが、違う会社を見ることで視野が広がったと思います。
丸和運輸株式会社に就職してから印象的なエピソードはありますか?
入社当初は当時社長をしていた父が事業拡大に注力しており、営業所を増やし関東にも進出していました。
従業員が増えて売り上げも伸びたのですが、利益が出ずに債務超過になってしまい、経営改善ができずに関東や東北の営業所を全て閉鎖しなければならない状況になりました。
その時、父が会社の危機について大阪で勤務する従業員の皆さんに正直に全ての状況を話したのですが、私はそんなことをしたら退職希望者が続出するのではないかと思っていました。ですが、蓋を開けてみると誰1人と辞めることなく会社に残ってくれました。
今私たちの会社があるのは、その時の従業員の皆さんのおかげです。この感謝を忘れずに仕事をしてきました。
どうして会社を継ぐことになったのでしょうか?
経営が厳しい状況だったことから父は会社を潰すつもりだったそうなのですが、父の覚悟を見た時に火が付き、経営者としてこの会社を盛り上げたいと思い、その旨を申し出ました。
経営者になってから大変だったことを教えてください
やはり潰れかかった会社を経営していくのは大変でしたね。ですが、大変な中でも、従業員との関わりを深くすることに気を付けてきました。
例えば、従業員の幸せと成長を追求していきたいという想いのもと、福利厚生や待遇面の改善を重ねています。仕事のやりがいはもちろんありますが、大変なことも必ずあります。そのため、従業員がどうしたら楽しく仕事に関わっていけるかを考えてビジネスモデルを組み立てることで、大手ができないような事業づくりしてきましたし、これからも続けていきたいと思っています。
まさに丸和運輸の働き方の方針である「社員がよろこび、仕事に誇りを持つ会社」ですね!
そうですね。丸和運輸株式会社の由来には「丸い平和」という意味が込められており、創業者の「チームワークが素晴らしく、“和”のただよう会社にしたい」という想いを脈々と受け継いでいけるよう、邁進しています。
私達は同じ会社で働く1つのチームなので、同じ目標や価値観を持って仕事をしていた方が会社としても強くなるし、物事もうまくいきます。そしてそれが巡ってお客様に良いサービスを提供できるようになると考え、働き方について日々真剣に考え改善を重ねています。
他にも経営する上で大切にしていることはありますか?
無理をしないことです。無理をするとしんどいですし、結果的に失敗につながります。時には無理したことが成長や売り上げになることもありますが、長続きはしません。
経営で大切にしていることは、経営理念にもありますように、社員の成長と幸せが一番大事です。
リストラ無しの年輪経営を実践していきます。決して急成長はせず、木の年輪のように、毎年少しずつ成長することを目指していきます。
企業は永続する事が大事だと思います。いい会社をみんなでつくりましょう。
今後の展望を教えてください
100年、150年先も続く企業にしていきたいです。今は安定経営になっていますが、もっと磨きをかけていきます。
そして私のビジョンを次世代に向けて伝えていきたいです。チャレンジできるような環境を整えて、今の事業をどんどん変えていっても良いと思っています。当社は元々鉄鋼を運んでいたこともあり、運送の技術も高いので、技術力も併せて次の世代に伝えていきたいです。
物流は日本の便利さを支えている仕事ですので私達の仕事は社会貢献に起因しています。
だからこそ、丸和運輸株式会社は物流サービスの提供を通じて、お客様、そして社会に貢献し、夢のある将来の「ビジョン」に向かってこれからも進んでまいります。
他の経営者におすすめの書籍はありますか?
稲盛和夫さん著書の『生き方』です。
これは私のバイブルであり、何度も繰り返し読み続けてきた本です。
私が8歳の時に実母が自害し、幼いながらも生きて隣にいてくれない母に対して憎しみや恨みの心がありました。ですが、義理のお母さんや従業員に支えられ、みんなの助けがあったからこそ生きてこられました。ただ心の中で「自分自身の人生、どう生きようかな」とずっと考えています。そんな時に読んでいる、大切な本です。今では母の死も受け止めて、産んでくれた母・育ててくれた母の2人には感謝しかありません。
人生は自分が変わらないと前には動きませんので、価値ある人生を楽しくいきたいと思っています。
人生や生き方に迷われていましたら、ぜひ一度読んでみてください。
そして、私が共著として執筆をしている『「志」の経営』もおすすめの1冊です。
松下幸之助イズムを実践している6名の経営者が苦闘の中からつかみ取った独自の経営哲学と成功実践例を紹介しています。
ぜひご覧ください!
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投稿者プロフィール
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新入社員を含めたフレッシュなメンバーを中心に、出版サポートの傍らインタビューを行っております!
就活生に近い目線を持ちつつ様々な業種の方との交流を活かし、「社長に聞きたい」ポイントを深掘りしていきます。
代表者様のキャリアを通して、組織の魅力が伝わる記事を発信していけるよう、これからも一生懸命運営してまいります!
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