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株式会社ヒップスターゲート代表取締役社長 小田桐 正治氏

今回は、株式会社ヒップスターゲートで、代表取締役社長として活躍されている小田桐 正治(おだぎり まさはる)氏にお話をお聞きしました。

株式会社ヒップスターゲート 会社概要

会社名称 株式会社ヒップスターゲート(英文社名:HIPSTERGATE INC.)
代表者 代表取締役社長 小田桐 正治
設立 2010年5月
主な事業内容 1.集合研修・オンライン研修の企画・実施・設計
2.ビジネスゲーム・学習教材・動画製作
3.社内勉強会の学習ネタや資料の素材サイト「ロクゼロ」の運営
4.ダイバーシティ&インクルージョンの推進支援
メンバー数 7名
会社所在地 東京都渋谷区代々木5-7-5

PORTAL POINT Yoyogi-koen #703

会社HP https://hipstergate.jp/

 

 

聞き手:まずは、これまでのご経歴を教えていただけますでしょうか?

 

小田桐さん:新卒で就職活動をしたときは、就きたい業種や職種を明確に決めることができずにいました。「ファッションが好きだからアパレル業界がいいかな」などとぼんやり考えていたんですが、ある説明会で出会った代表の方の考え方に共感したことで、何の仕事をするかよりも、誰と働くかを基準に会社を選ぶことにしました。

 

最終的に、その代表の方の企業に入社したんですが、入社時期がちょうど飲食事業部の立ち上げのタイミングだったようで、気が付いたら飲食店で焼き鳥を焼いているという状況でした(笑)。その店舗で学生のアルバイトたちがプロフェッショナルとして働く姿を見て、学生であったとしても真摯にお客様に向き合うことで、人として成長するというポテンシャルを感じたんです。それから、人材育成を軸に仕事をしていきたいと思い、教育業界の門を叩きました。

 

教育業界で経験を積んだ後、ダイバーシティの推進を主な事業とする株式会社グローシップを興しました。ですので、実は現在ヒップスターゲートとグローシップの2社の代表を務めています。ヒップスターゲートは、私が教育業界に移ったときにお世話になった渡邉氏が創立した会社です。私が独立してからも、悩みがあれば相談に乗ってくださる方で、上司であり兄のような存在でもあります。渡邉氏と話し合ううちに、D&Iと教育事業を一緒に進めることで、より一層お客様に訴求できるものがあるんじゃないかという点で考えが一致して、昨年からヒップスターゲートに常駐し、今年の1月に代表取締役社長に就任しました。今、グローシップはヒップスターゲートの子会社となっています。

 

聞き手:飲食業界から教育業界に転身されるにあたって、違いを感じられた部分はございましたか?

 

小田桐さん:B to CからB to Bになり、思考の巡らせ方の違いに苦戦しました。

例えば、B to Cの接客では、1~2時間と比較的短い時間の空間作りが求められますが、B to Bでは、企業様やエンドユーザーの方の状況や課題を、ある程度の時間をかけて的確に把握する必要があります。B to Cとは信頼関係の築き方が違いましたね。

 

それから、物質的なモノが商材なら、実際に手にして特徴を掴んでいただくことができますが、教育分野の商材は雲を掴むようなサービスなので、B to Bの中でも商品説明が難しいんです。お客様の成長をサポートするわけですが、1日の研修で人の考え方や行動が変わるかというと、絶対をお約束はできないので、あまり誇張したご説明はできません。とは言え、効果や可能性を適切に知っていただくためにも、実現可能な点をお伝えすることを大切にしています。

 

聞き手:起業したいという思いは昔からお持ちだったんですか?

 

小田桐さん:祖父も父も経営者だったものですから、どこかで自分も経営者になることを意識してはいました。ただ、なかなか決断はできなかったんです。ですが、教育業界に移ってから一緒に仕事をしていたパートナー会社の方が、若くして脳梗塞で亡くなってしまって。そのときに、命には限りがあることを痛烈に意識しました。体力と気概があるうちに独立しなければという思いが高まったのは、この出来事が深く関わっています。

 

それから、仕事の傍ら参加したNPO活動にも影響を受けました。男性の育児・家事参画を社会的に支援しているファザーリング・ジャパンという団体で活動する中で、社会課題に対して考えるようになったんです。男性が家事や育児に参画することによって、女性がしっかりと社会にも進出できると思うので、この2つを実現させていくことが本当に大事なんだと感じました。この社会問題に真摯に向き合っていきたいという気持ちも、ダイバーシティという事業で独立するきっかけになりましたね。

 

聞き手:株式会社ヒップスターゲートの事業内容を教えていただけますか?

 

小田桐さん:はい。弊社は人材育成コンサルティング会社です。主な事業は4つあります。1つ目が集合研修やオンライン研修の企画です。企業様の規模を問わず、人材開発・人事担当者様向けに研修をご提案しています。

2つ目はビジネスゲームや学習教材・動画の製作です。研修で使用する教材をオリジナルで作成し、受講者の方の積極性を引き出す工夫をしています。

3つ目が、社内勉強会を促進する活動です。1つのテーマを60分間で効率的に学習できるよう、学習ネタや資料の素材を提供する「ロクゼロ」というサービスを展開しています。マニュアルがあるので、どなたでも気軽に社内勉強会を運営できるようになっています。

最後がD&Iの推進支援です。子会社であるグローシップとともに昨年から力を入れています。

 

聞き手:B to Bになると思いますが、どのような企業からのご相談が多いですか?

 

小田桐さん:Webサイトをご覧になってお問い合わせくださる企業様の他、ご紹介での依頼が多いですね。そのおかげで、初めから内々の情報をご開示いただけたり、信頼していただけたりしていると思います。そういう意味では、早い段階から、お客様が抱える人材教育の課題解決に期待いただけているのかなと思っています。

 

聞き手:これまでに苦労されたことは何かございましたか?

 

小田桐さん:コロナ禍においてリアルの対面が制限され不安がありました。今では何でもオンラインが当たり前になりましたが、世の中の変化に遅れることなく、更にはその先を見越して手を打つにあたって、苦しかったと感じます。

 

そうした不安の中でも、メンバーには本当に恵まれているというか、すごく助けられています。優秀でポテンシャルも高いですし、正直に話をすると非常に力を注いでくれるので、自分だけで悩みを抱えることなく乗り越えられています。対話の機会を作ることを意識しているので、それが信頼感に繋がっているのかなと思います。昨年末も、特別にミーティングを設けて、目指すチームの姿や一年後の将来像を共有したり、その目標を成し遂げるためにチームに必要な要素や、コミュニケ―ションの在り方について対話を重ねました。先ほどお話しした「ロクゼロ」を社内でも活用しているんですが、これによって定期的に対話の機会ができていると思います。

 

聞き手:現在抱えている課題や、困っていることはございますか?

 

小田桐さん:社会、そしてお客様に貢献していくために、もう少し社員数を増やしていきたいと思っています。課題としては、私たちのミッションに共感してくれるメンバーを集めることですね。同時に、人数が増えていったときのコミュニケーションについても、打ち手を用意しないといけないですね。現在のメンバーは7人ですが、少人数だからこそできるコミュニケーションになっていると思います。ですので、社員数が増えることで浮き彫りになる歪みや、必要となる仕組みについても、しっかりと考えて対処していかなければならないと感じています。

 

聞き手:今後、思い描いている夢や展望はございますか?

 

小田桐さん:営利会社として事業を推進していくことはもちろんですが、やるからには、自分たちが提供しているものが、どのように社会に影響するのかということを説いていきたいなと思っています。ダイバーシティという要素をきっかけに独立しましたので、日本が抱えているジェンダーギャップやエンゲージメントの低さ、生産性の低さなどといった多くの社会課題を、顧客の皆様と一緒に一歩でも前進させていきたいです。私には娘が2人いるんですが、子どもたちが社会に出たときに、少しでも良い社会であるように取り組んでいきたいと本気で思っています。

 

聞き手:最後に、経営者の方や起業を目指す方に向けてPRをお願いします。

 

小田桐さん:はい。用意していたかのようで申し訳ないんですけれども(笑)、前任の代表である渡邉の著書をご紹介したいと思います。『勝手に人が育っていく!社員100人までの会社の社長のすごい仕掛け』というタイトルで、社内勉強会のノウハウが書かれています。しかし、私は企業文化醸成に関する一冊だと思っています。組織が目指す方向に沿った企業文化を作っていくことはとても大切です。そうした文化を作るには、社員同士が普段から対話をすることが重要なんです。この本には、そういった対話の内容や文化醸成に繋がるノウハウが詰め込まれていますので、ぜひ手に取っていただけたらと思います。

 

それから、人材育成の手段として比較的時間や手間のかからない社内勉強会を、やはり実際に導入していただきたいです。人的リソースは再注目されていますので、大企業・中小企業に関わらず、人材の重要性を感じていらっしゃると思います。ですが、短期的な結果を求められる現代社会で、中長期で人に投資していくことは本当に難しいんですよね。だからこそ、気軽に開催できる社内勉強会を利用して、人材の育成に役立てていただきたいと思います。そのときに、たまたま弊社のロクゼロを使っていただけたら、なお嬉しいですが、利用せずとも、まずは社内勉強会を取り入れてほしいですね。

 

小田桐さんが経営者におすすめする本を教えていただきました

『勝手に人が育っていく! 社員100人までの会社の社長のすごい仕掛け』 渡邉良文(著) https://amzn.to/3pIOYBZ

リーマンショック、東日本大震災、さらに直近のコロナショックなど、予期せぬ出来事に多くの企業が翻弄され、場合によっては存続すら危ぶまれる事態に陥ることがあります。しかし企業経営は、どのような事態が発生しようとも、継続させることが社会的責務でもあります。つまり、これからの中小企業の成長モデルは、スリムで筋肉質な「人を増やさずして規模を拡大していく」、少数精鋭型で経営を維持することが重要になるのです。

そのための課題は、今いる人材をどうやって最高の戦力に変えていくか――そこで、おすすめしたいのが、本書のテーマである「社内勉強会」の実践です。

公式な人材育成の方法である教育研修と違って、時間や予算はそれほどかからず、また、会社からの押しつけ研修ではないので社員の積極性を引き出しながら、能力・スキルの向上を図ることができます。多くの社内勉強会は、会社側の関与を必要とせずに自走してくれるので、運営の手間暇もかかりません。本書は、社長が社内勉強会を立ち上げ、軌道に乗せるまでの方法論をまとめました。

 

投稿者プロフィール

『社長の履歴書』編集部
『社長の履歴書』編集部
新入社員を含めたフレッシュなメンバーを中心に、出版サポートの傍らインタビューを行っております!

就活生に近い目線を持ちつつ様々な業種の方との交流を活かし、「社長に聞きたい」ポイントを深掘りしていきます。

代表者様のキャリアを通して、組織の魅力が伝わる記事を発信していけるよう、これからも一生懸命運営してまいります!