注目キーワード
  1. 創業
  2. 二代目
  3. 社員
  4. 病気
  5. お金

株式会社Samaria代表取締役 山﨑優子氏

今回は、株式会社Samaria代表取締役の山﨑優子氏にお話をお聞きしました。

株式会社Samaria 会社概要

会社名称 株式会社Samaria
代表者 代表者 山﨑優子
設立 2017年8月10日
主な事業内容 広告代理業・メディア事業・イベント運営・貿易・EC事業
会社所在地 東京都豊島区西池袋2-27-4 IKEBiz4F
会社HP https://samaria.co.jp/

 

株式会社Samariaはどのような事業を行っているのでしょうか?

私たちは、広告代理店事業を軸に日本の国益になるビジネスを展開しています。様々なビジネスを展開しているのは、お客様から依頼があってあれもこれも仕事を引き受ける中で事業が増えてきました。

当社の強みは中国事業です。私が以前勤務していた会社で中国のwechatやウェイボーの広告を担当していたので、外注もせず当社で広告やマーケティングを請け負っています。

現在、中国・韓国・ヨーロッパ・アメリカ・アセアンに向けて日本の漫画とアニメを配信すると事業に力を入れており、資金調達中です。当社には中国で日本のアニメの海賊版を作っていた1万人規模のネットワークがあります。日本では海賊版のイメージはあまりよくありませんが、海賊版を作るためには高い日本語のスキルや製作技術を持つ必要があります。日本のアニメ・漫画のマニアでなければ海賊版を製作することができません。そしてアニメ・漫画が好きなマニアは横のネットワークも広く強靭です。

当社のサービスは、中国でまだ環境が整っていないにも関わらず、1万人の登録者がいます。日本の会社が日本のメディアを使って中国で成功しているのを見たことがないので当社がチャレンジしていきたいです。

 

日本製韓国ドラマを作る事業をしているそうですが、これはどのようなものでしょうか?

 

日本の制作会社と日本のテレビ局が中国のIPを使って、日本で撮影する日本版の韓国ドラマを作っています。韓流ドラマを翻訳しているスタッフが在籍しているので、当社に依頼が入ってくるという状況ですね。

 

学生時代何か熱中していたことはありますでしょうか?

 

学生時代は映画監督になりたかったので、300本ぐらい映画を見ていました。今とは違いNetflixやアマゾンプライムなどに良い映画が素早く手に入る時代でないので、映画監督になる勉強のために映画館に足を運んでいました。卒業論文は「千と千尋の神隠しはなぜヒットしたか」について書きました。千と千尋の神隠しは「働く意味」をテーマにした作品です。映画が公開された10年前の日本人は、たくさん働くことが当たり前の時代でした。宮崎駿監督の時代を読む力、そしてストーリーの複雑さと結論への持っていき方が素晴らしいと感じていました。

 

映画の勉強をされた学生時代を経て最初の就職先はどちらでしたか?

 

テレビマンユニオンに就職しました。ADをしながら毎日自主的に脚本を書いていました。会社で作品が認められれば、監督の作品に参加できたので、同僚と必死になって脚本を作っていました。テレビの仕事をする中で、自分は監督になれないと夢を諦めました。そこから広告代理店に転職し、仕事に打ち込んでいました。大学時代に中国に留学していたことから、代理店では中国事業を任されて中国のマーケットを学びました。韓国企業や中国企業からするとGDP3位の日本は大きい市場でさらに中流層が多いので購買率が高く、日本へマーケットを広げたいと思っている企業のサポートをしていました。

 

そこから起業されたと思いますが、どうして起業に至ったのでしょうか?

日本のクリエイティブをもっと広げて、日本企業が世界で戦いうためのお手伝いをしたいと考えて起業しました。5年前に起業した時、既に日本の漫画・アニメのニーズは高かったのですが、年々、中国韓国勢が強くなってしまい、本当に日本の漫画アニメの分野ですら世界のプレゼンスは落ちてきました。日本国内のゲーム・漫画・アニメなどの全てのコンテンツの市場規模は10兆円で、世界の海賊版の市場規模も同じく10兆円です。この市場規模を見て日本はマネタイズが下手でそれが元凶でもあるのではないかと考えていて、ずっとこの分野を改善できるような事業をしたいと考えていました。日本の作品はストーリーが良く、素晴らしいアイディアがあるのにもかかわらず全く外国に流出していません。その課題に取り組むべく起業しました。

 

今はどういった活動をされているのでしょうか?

日本の作品を日本語と中国語で見ることができる「JAPANMEDIA」というプラットフォームを立ち上げました。wechatやウェイボーの広告を自分たちで作り、登録者数を増やしています。しかし中国で事業展開することは難しく、海外の企業が人気になりマネタイズしていると、中国政府が動いて突然サイトが強制的にストップされます。当社では今までにサイトを7個作りましたが、突然潰されてきました。それでもめげずに続けていると固定ファンが確実に増えてきます。彼らをJAPANMEDIAに誘導していきます。

また2022年1月からクリエイターと企業のマッチング事業をしています。実はオンラインを使った仕事のマッチングサービスは、水面下でたくさんの訴訟が起きています。仕事を発注する側と受ける側で揉めています。他にも問題があって、開発の仕事は中国人の登録が多いのですが、仕事の質やレベルが悪く、意思疎通にも困るので、制作や開発がままならない事象が多発しているのです。

私たちのマッチングサービスは、仕事を受ける人が安心して保証を持って仕事を続けられることを目指します。特に大切にしたいのがコミュニケーションの深さです。コミュニケーションがうまくいくことで継続他に仕事を受ける人を大事にできますよね。

 

起業してから一番大変な仕事はありますか?

 

日本はコンテンツ製作において素人が多いので、開発・製作に取り組むことが大変です。当社のサービスはブロックチェーンやNFTを使って開発を進めていますが、素人と仕事をすると多々コミュニケーションエラーがあります。だからこそパートナー選びは大切にしています。よくカスタマーファーストと言ってお客様を第一に考える企業があると思いますが、当社はクリエイターやパートナーを優先しています。事業者が働きやすい環境を提供できるよう努力しています。

 

今後の展望について教えてください。

 

NFT・ブロックチェーンを使って日本のコンテンツを世界中に広げたいです。そして社会の役に立つ、国益になる大きな事業を築いていきたいです。

 

経営者への経営者のおすすめの本はありますか?

 

アダムグラントさんの「GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代 」です。タイトルだけを見ると、与える人が成功するという本だと勘違いする人もいますが、この本は組織論の研究を基にしています。人間は3つのタイプのギバー(人に惜しみなく与える人)、テイカー(真っ先に自分の利益を優先させる人)、マッチャー(損得のバランスを考える人)に分類されます。経営者がこの分類を知ることで、どのポジションにどの分類の人を入れるかを思考することができます。人を雇うときにしっかり見極めることができないと会社が大変なことになってしまいます。経営がうまくいかない時はこの分類を見極めポジションを変えを考える必要があるので、この本を選びました。

GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代  アダム グラント (著), 楠木 建  (監訳)  https://www.amazon.co.jp//dp/4837957463/1649912765

<<社会>> GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代

投稿者プロフィール

『社長の履歴書』編集部
『社長の履歴書』編集部
新入社員を含めたフレッシュなメンバーを中心に、出版サポートの傍らインタビューを行っております!

就活生に近い目線を持ちつつ様々な業種の方との交流を活かし、「社長に聞きたい」ポイントを深掘りしていきます。

代表者様のキャリアを通して、組織の魅力が伝わる記事を発信していけるよう、これからも一生懸命運営してまいります!