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福住整形外科クリニック代表 亀田和利氏

 

今回は医療法人 福住整形外科クリニック代表、亀田和利氏にお話を伺ってきました。

「社長の履歴書」だけの特別なインタビューです。

ぜひご覧ください!

 

会社名称 医療法人 福住整形外科クリニック
代表者 亀田和利
設立 平成28年
主な事業 整形外科
社員数 23名(うちパート/アルバイト5名)(取材時)
会社所在地 〒062-0042 北海道札幌市豊平区福住2条1丁目2-5
イトーヨーカドー福住店 福住メディカル6F
会社HP https://fukuzumiseikei.com/

 

事業内容を教えてください

北海道札幌の福住で整形外科クリニックと整骨院を経営しています。

学生時代で何か熱中したことはありますか?

私は軽音楽部に熱中しました。Pops研究会で主にドラムを担当していました。大学の授業終わったらすぐに、部室に行き夜中までドラムを叩くほどはまっていましたね。

高校卒業後は、浪人して北海道大学の理学部に入学しました。そこから再受験して札幌医科大学に行き、大学院で細胞分子生物学を研究していました。医学部卒業後は、整形外科の教室に入っていましたが、先輩の誘いもあって、もっと医学の基礎学問を深く勉強したいと思い、すぐ大学院に進学しました。大学院では特に心臓の心筋細胞について研究してました。私は大学院に行って4年間勉強していたので手術がすぐにできなかったことは苦労しました。同級生はどんどん臨床経験を積んでいたので取り残されている気持ちでした。

北海道大学数学科から医学部に行く決断をされたのがどうしてでしょうか?

私はそこまで勉強ができる子供ではありませんでしたし、親もそこまで勉強ができるタイプではありませんでした。親は八百屋をやっていて、私は学校から帰ってすぐ八百屋に行き、店の手伝いばかりしていました。父親と一緒に車に乗ってみかんの配達を手伝っていた時、ある家につきました。その時、父親が「日本で初めて心臓移植をした和田先生の家だよ。すごい先生なんだよ」と興奮気味に言っていたので、医者という職業は尊敬される仕事なんだと思っていました。

 

大学理学部の学生の頃に将来のことを考えつつ資格試験や勉強をしていました。その時に多浪していた同級生から「数学とかわからないので教えてくれないか」とお願いされました。その同級生の実家が病院を経営していて、初めて医者を身近に感じて医者として働きたいと思い立ち、医学部を受験することを決めました。

整形外科を選択されたのはどうしてでしょうか?

私は学生時代に内科に興味がありましたが、実習で病院に勤めていると癌や病気が治らない患者さんをたくさん診てきました。内科の実習後、整形外科の実習に行くと足を引きずっている患者さんや動けない患者さんが手術やリハビリによって体が良くなり最後には笑顔になって家族と一緒に帰っていく姿を見た時にとても感動しました。患者さんが治る姿を見ることで、やりがいを感じられるのが整形外科の魅力だと思います。

医者になってからは膝関節を専門にしていました。どの分野も好きではありましたが、人工関節という手術に興味を持ちました。人工関節手術はミリ単位で骨を削っているので、数学的な発想が必要です。元々数学や理科の分野が得意で好きだったので私にとってとても魅力的でした。また尊敬する先生が膝関節を専門にしていたので憧れの気持ちもありましたね。

独立開業されたのはなぜですか?

元々親が八百屋を経営していたので、元から人生に1度は独立したいという気持ちはあったと思います。勤務医時代は働きやすくて良いなと思っていましたが、自分の病院でないので規則やルールがあり、もっと患者さんにこうしてあげたら喜ぶなと思うことがありました。病院の関係で早く患者さんを退院させたり、患者さんのトラブルが全て医者の責任になるところに自分の想いをもっと持って、患者さんに寄り添って働きたいと考えるようになりました。

いつかは開業をしたいと考えている中、母の会社を担当している税理士さんから「急に院長がなくなって、空いている整形外科クリニックがある」という話を聞きました。残された遺族が誰かクリニックをもらってくれる医者を探していました。病院に必要な機械など全部引き渡してくれるということで開業の敷居が低くなりました。通常クリニックの開業資金には5000万円以上が必要です。低予算で開業できるのであればチャレンジしようと思ったのがきっかけです。お金の面だけでなく、元からクリニック開業されていた土地だったこともあり患者さんも集まるので開業後のリスクが低いと思っていました。とても幸運だったと思います。

開業してから苦労したことはありますか?

開業当初は良かったですが人材のマネジメントには苦労しました。患者さんが増えることによってスタッフも増えていきます。最初は8人のスタッフだったので1人1人私がコミュニケーションを密に取ることができました。しかしスタッフが15人になると以前のような対応が難しくなってきました。スタッフ間でグループができたり、問題が発生したりしました。患者さんよりも人材のマネジメントに悩む時間が増えてしまいました。

どのように問題を解決されたのでしょうか?

クリニックの方向性をスタッフに話していましたが、なかなか伝わらないことが多くもっとスタッフに主体性を持って取り組んでほしいと考えていました。他人ごとではなく自分ごととして楽しく仕事をしてほしいのでスタッフからクリニックの課題を出してもらいました。そうすると50個以上の課題点が見つかりました。例えば福利厚生や残業時間、昇給制度、仕事内容の不明瞭さにスタッフが不満を持っていることを知りました。課題点から私はスタッフが問題を抱えながら働いているうちに不信感に繋がり仕事がうまく行かないようになっていたと気がつきました。今の課題をスタッフみんなで解決するためにグループを分けて話し合ったり、私が社労士や税理士に話を聞いてスタッフの疑問に答えるようにしました。

仕事をする上で何を大切にされていますか?

当院の理念が、「ホッとできる未来の輪を創る」ですので、人と人の絆や、日本人がもともと持っている和を大切にしたいと思っております。会社は大きくなれば人が増えていきますので、エゴとエゴのぶつかり合いが多くなりやすいです。しかし、自分を押し殺して相手に合わせるのではなく、それぞれが自分の強みを発揮していく中でも、調和が取れている状態が理想です。次に「7つの習慣」という本で、インサイド・アウトという考え方も大切にしております。インサイド・アウトとは「自分の外部に原因や責任を求めるのではなく、自分の内面にあるものを変えることで、外にあるものを良くしていくこと」です。たとえば、患者さんが不満げな顔すると、担当したスタッフを責めた心で見てしまいます。そうすると私の責め心は、言わなくてもスタッフに伝播してしまいます。そして、だんだん監視するような組織になり、スタッフは患者さん中心ではなく、院長や先輩の目が気になるようになります。本当に患者さんのことを大切に考えるのであれば、まずは自分の身の回りのスタッフや私の家族を大切にするべきだという考え方にだんだん変わってきました。

今後の展望を教えてください

私だけで終わるクリニックではなくて未来につながるクリニックにしていきたいです。そのためには自分一人だけでやっていくのは不可能です。自分だけ学ぶのではなく、スタッフに最高の学びの場を提供し、みんなで成長することで、地域に無くてはならない唯一無二のクリニックにつながっていくと思います。現在の一つのクリニックで達成するのは難しいので、関連病院を作って専門分野や混雑状況によって適宜患者さんに対応できるようにしていきたいです。患者さんにとっても、スタッフにとっても、地域にとっても必要とされ、安心と信頼のある医療を提供しつづけることです。

経営者におすすめの本を教えてください

スティーブン・R・コビー著書の「7つの習慣」です。その本の中に、「問題が自分の外にあると考えるならば、その考えこそが問題である」と書かれております。今まで、問題が起きると、人のせいにしたり、環境のせいにしたり、時代のせいにする癖がありました。問題が起きた場合は、外ではなく、自分のものの見方(パラダイム)がおかしいと気づけるようになってきました。そうすることで、ほとんどの問題が解決できました。

また、この書籍は、人間関係ではなく事業でも、大いに役に立ちました。われわれも大企業の大きな案件があった時、色々と問題が起こりました。この書籍には「理解してから理解される」などの原則が多く書かれておりますので、困ったときには、この本がお守りとなってくれます。

全世界3,000万部、国内220万部を超え、今も読み続けられるビジネス書のベストセラー『7つの習慣』は、人生哲学の定番として親しまれてきました。
【2019/10/3】新書版『7つの習慣』発売について
時代をリードする7人(GMO熊谷代表、小倉優子など)の賢者「直筆」ハイライトやコメントの入った限定付録小冊子付の新書版は、本ページからはお求めになれません。
『7つの習慣 賢者のハイライト』にて検索の上お求めください。
【2013年】スティーブン・R・コヴィー博士没後1年を期に、『7つの習慣』が本来持つ「人格主義」に基づき、原書に忠実に訳し直しました。よりわかりやすく理解しやすい完全訳の『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』。豊かな人生を望むすべての人にお届けします。AmazonURLhttps://www.amazon.co.jp/dp/4863940246

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『社長の履歴書』編集部
『社長の履歴書』編集部
新入社員を含めたフレッシュなメンバーを中心に、出版サポートの傍らインタビューを行っております!

就活生に近い目線を持ちつつ様々な業種の方との交流を活かし、「社長に聞きたい」ポイントを深掘りしていきます。

代表者様のキャリアを通して、組織の魅力が伝わる記事を発信していけるよう、これからも一生懸命運営してまいります!