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株式会社データム代表取締役社長 舘野 真一氏

今年で30年目を迎える、アンケートやデータ分析に特化した会社である『株式会社データム』。マーケティングの先駆者とも言える、社長である舘野様にインタビューを受けていただきました。ぜひご覧ください!

 

会社名称 株式会社 データム
代表者 舘野真一
設立 1992年4月
主な事業 アンケートデータ入力・集計・分析、マーケティング予測モデルの開発
社員数 3名(取材時)
会社所在地 〒101-0034 東京都千代田区神田東紺屋町30番地 サンハイツ神田ビル8F
会社HP https://datum-analysis.com

 

事業内容のご紹介をお願い致します

『株式会社データム』の設立は、平成4年の4月。今年で30年目を迎える会社です。主な事業内容はマーケティング関係の業務で、アンケートの分析に特化した会社になります。お客様満足度調査や、自治体、政府が行うアンケートなどのデータをお預かりして、仮説・検証のお手伝いをする仕事をしております。

社名にも使われている『データム』という言葉は、『データの単数』という意味もあります。『データ』というものは、いろんな側面の複合体みたいなところがあるのですが、よりシンプルな存在である『本質』に近いデータを追求し、分かりやすいものを提供したいという想いから名づけました。

 

どのような学生時代を過ごし、起業するに至ったのでしょうか?

「社会現象をどのように捉えたらよいか」とかいうテーマに興味関心があったので、社会学部に所属し、それについて学んでいました。社会現象は様々な物事のつながりにおいて起きるものですが、それを統計学のアプローチで検証することを、社会人になってから行っていました。学生時代は、特に起業は考えていませんでしたね。

その後、シンクタンクに就職。受託された案件に取り組んでいたのですが、そこで扱うテーマが大きかったもので、その成果が出るのに年単位での時間が掛かったんですね。もっとサイクルが短くて出来るものはないかと探したところ、広告代理店が行っている調査があったので、その受託をきっかけに思い切って起業しました。調査結果が翌日には出るんです。面白かったですが、最初は戸惑いましたね。真逆の環境だったので。

 

苦労したポイントなどあれば教えてください

最初の頃は、大学で得た知識ややり方をもとにデータを作成し、その説明をすれば納得していただけると思っていました。ところがそのデータは一般的には『活きるデータ』ではなかったんですね。前の職場が研究機関だったので、難しい言葉を使うことも多くなっていましたし。現場とデータで共通認識が違うために生まれる差があったので、作成したデータで意思疎通をして納得してもらうことが難しかったんです。

それを解決するために『何をお客様が求めているか』を試行錯誤し、トライ&エラーを繰り返しました。その結果、現場の方と共通で使える手法を生み出して現在に至るという感じです。

問題の根源をどう共通認識できるか。これがマーケティングには一番大切なことだと思います。『お客様が求めていることは何か』を考えることはもちろん重要ですが、『お客様自身が気づいてない、求めていること』を認識し、理解を深めることがとても重要です。それに対し、最初はやり方がわからなかったので苦労しました。ですが、『本質』を考えたとき、意外とシンプルなやり方でまとめることが可能だということが分かってきました。お客様の感覚に根差した情報であれば納得していただけると実感できたので、経験してもらうことが早いということに気づきました。

 

社員教育に対しては、どのように進めていらっしゃるのでしょうか?

『調査分析』という領域では、擦り合わせ時に『具体的な目標は何か』ということをお客様に明確にしてもらうことをお願いしています。ビジネスの最終的なゴールは、『目標に向かっての逆算』なんですね。そのためにも、目標が明確になっていないといけないんです。目標を達成するために逆算し、お互いにディスカッションをしてステップを設け、それをクリアしていく。どういう順番で出していくか、解決していくか、という発想ですね。そうすると、目標にたどり着けるんです。

ステップや着眼点を明確にすると、知らなかっただけで意外と既にクリアしていることもあったりするんです。我々はそこをデータ化し、クリアするために説明をしていく。データが語ってくれるので、ゴールへのシナリオをご提示することが出来るんです。

 

物事って、うまくなるための原理原則があるんでしょうね。それを解き明かせれば、現象としてはいい方向に展開するんじゃないかと思います。そのことには、会社に入ってから気付きましたね。

例えば満足度調査というテーマだったとしても、「アンケート集計による満足度調査の結果」と「データ解析をしたときの結果」は、違う項目が目的とする対象を上手く説明できる要因として上がってくることがあるんです。後者の方がデータとしては正しいんです。アンケート集計結果は、物事の状態を表していることは事実なんですが、なぜその状態なのか(Why)は示していないんです。「なんでそうなんだろう?」を解明するには、結果をもたらしていると考えられる視点を境にして、二つの事象(結果)を明示的に比較し、それらに大きな差異をもたらしている視点を解明する方法が有効です。その際、『目標から逆算していくこと』『どの項目(要因)を基準にするかということ』が大事なんだ、と気付きました。目標達成や課題解決を目指す場合、『How』を真っ先に考えることがよくありますが、本来は『Why』⇒『What』⇒『How』の順番だと思います。この順番でないと、ただ空回りしてしまう結果になってしまいます。

 

今後の事業の展望を教えてください

社会経済現象が複雑化し、先行きが見えにくい状況でどうしたら良いかという課題があると思っています。『本質』を重要視したシンプルなやり方は、現場でも生かせますし、課題の解明も出来るので、当社が作り上げた『シンプルな発想をもとに分析するサービスの商材』の強化をしていきたいと考えていますね。

情報を分析したいと思ったとき、使えるデータは身近にあるんです。既に調査分析をされていたとしても、見方を変えたら改善点の最大のポイントはそこじゃなかったということもあるので、「本当にこの結論で良いのかな?」と再考を考えている企業様に使っていただきたいと思っています。

 

お気に入りの本を教えてください

能楽の、世阿弥による本である『花鏡』です。世阿弥の言葉が役に立つことが多いと感じていますね。
「離見の見」や「目前心後」など、彼の残した言葉はデータ分析の世界にも使えるものだと思います。

世の中には見えるものと見えないものがあるが、見る基準をどれにするか。また、見えないものは心の目で見てみようと。客観的に自分を見ることが大事だと気付かされます。

 

舘野氏 おすすめの書籍はこちら!

『風姿花伝・花鏡』 世阿弥  (著)、小西 甚一 (翻訳)

父観阿弥との共著とも言える、総論的な『風姿花伝』、能の書き方の秘訣を親切に解き明かした『能作書』、四十代から六十代までの熟慮の成果を集成した『花鏡』。
世界に誇る世阿弥の美学のエッセンスが満載。現代語訳・原文・詳しい語注つき。

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投稿者プロフィール

『社長の履歴書』編集部
『社長の履歴書』編集部
新入社員を含めたフレッシュなメンバーを中心に、出版サポートの傍らインタビューを行っております!

就活生に近い目線を持ちつつ様々な業種の方との交流を活かし、「社長に聞きたい」ポイントを深掘りしていきます。

代表者様のキャリアを通して、組織の魅力が伝わる記事を発信していけるよう、これからも一生懸命運営してまいります!