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株式会社CaSy代表取締役CEO 加茂雄一氏

今回は株式会社CaSy代表取締役 CEO 加茂雄一氏にお話を伺ってきました。

全く新しい業界へと起業された背景や工夫を聞けるのは「社長の履歴書」だけです。ぜひご覧ください!

株式会社CaSy 会社概要

会社名称 株式会社CaSy
代表者 代表取締役 CEO 加茂雄一
設立 2014年1月30日
主な事業 家事代行、ハウスクリーニング
オフィス・店舗・ビル清掃
WEBサービスの開発及び運営
会社所在地 〒141-0021
東京都品川区上大崎3-5-11 MEGURO VILLA GARDEN 6階
会社HP https://corp.casy.co.jp/
連絡先 050-3183-0299(受付時間 9:00 ~ 18:00)

 

まずは事業内容のお話をお願いします

家事代行サービス業の会社を運営しています。お客様の『大切なことを、大切に出来る時間を作る。』ことをミッションとし、世の中に貢献していきたいと考えています。苦手なことを他の人に頼める選択肢が提供できれば、お客様が自由に使える時間が増えて有意義に過ごせますよね。

家事代行サービスというのは、お客様と非常に密着できるサービスです。訪問できる頻度も多いし、家の中に入れていただけます。定期サービスもあるので、長い間利用していただけます。これにより、『どのようなサービスをすればお客様が時間を作れるか』というところを拾い上げることができます。家事代行をメインに、いろんな事業を展開していければと思っています。

弊社の特徴としては、大きく二つあります。一つは『価格と手間をテクノロジー化している』こと。家事代行業は30年以上前からあるサービスですが、テクノロジー化することでお客様が使いやすいようにしています。例えば、コールセンターを通してではなくシステムでお客様とサービスをマッチングすることで、値段面でお安くできるところや、最短でマッチした当日の3時間後にお伺いできるところなどがそうです。

もう一つは、『働き手のスクリーニング』です。スキル面はどうなのかや、反社会勢力では無いかなどの本人確認をしっかりしています。それは当社の品質の良さに繋がっていると思います。

 

起業するに至った、それまでのエピソードを教えてください

会計士として働く中で、ベンチャーの社長と話す機会が多かったんです。社長たちの気持ちを知りたくてグロービス(=仕事と両立しながら経営学が学べる学校)に入ったのが、起業するきっかけになりました。社長たちの志に寄り添っていくために、会計士を続ける前提で入ったので、入った時は特に何のビジネスアイディアもありませんでした。ただ、ベンチャー起業の社長たちとお話させていただく中で、「僕も世の中の役に立つような仕事がしたいな」と、漠然と思うようになっていましたね。

グロービスのクラスでは、共働きで子育て世代である3人が集まったチームになりました。それぞれ全く違う職種で、私が会計士、一人はエンジニア、一人は銀行員というメンバーでした。そこで「3ヶ月でビジネスプランを作れ」という課題を出されて、チームの3人と考えたのが家事代行サービスだったんです。

というのも私自身もそのサービスの利用者で、すごく良いなと思っていたんです。私は家事ができなかったのですが、妻の妊娠のタイミングで家事をしようと思ったんです。ですが今までやったことがなかったので、上手くできませんでした。妻に喜んでもらおうとしてやったことなのに、逆に妻にストレスを与えてしてしまうような感じになってしまって…。その時に家事代行サービスを利用したら、家事の問題だけでなくお互いのギクシャクも解消されて、家庭が明るくなったんです。今は『イクメン』と言われるような率先して家事をする男性もいますが、そういう感じじゃなくてもアウトソースする形になれば、家事代行というものがより一般的になって、困っている家庭に笑顔が増えるのではと思いました。それでビジネスプランとして、家事代行サービスを思い付いたんです。

「良いな」と思っていたサービスでしたが、価格が高いことや、申し込んでから利用するまでに時間が掛かる、という問題点があると感じていました。そこでチームで考えたのは、価格と手間の問題をどうしたら解消できるかということ。メンバーの一人であるエンジニアが、「ITでマッチングというのが流行ってきている」という情報をくれて、それを家事代行に活かしては?という発想からビジネスモデルとして発表し、クラスで高く評価されました。私が在籍していたのは2013年の7〜9月のクラスだったのですが、そのクラスを修了したのち、たまたま集まってチームとなった3人で2014年1月に会社を作ることになりました。起業するまでに約半年という早さだったのは、自身の中に起業したい欲求があったからなのかも知れないと、今になって思います。

 

どのように事業拡大して行ったのでしょうか?

設立した2014年は家事代行サービスの知名度はそんなになくて、最初の3年は「いつ潰れるか」という感じでした(笑)資金調達のために、会計コンサルとか別でやりながら…とか、試行錯誤してましたね。そんな中 地道につづけていたのは、キャストやお客様の声をプロダクトに生かすということ。創業者3人共家事が不得意だったから、それらの意見を素直に取り入れられたと思います。その後、まあ色々あったんですが…、一点見えてきて徐々に成長し、今に至るという感じです。

サービスを提供する人材を『キャスト』と呼ぶ理由は、『家政婦』だと従属的なイメージがあるからです。お客様と対等な立場であるとか、働き手のやりがいを大事にしていきたいという思いが最初からあったので、スタッフが輝いて働けるように『キャスト』と呼ぶようにしています。

 

社員に会社の理念を伝えるために、どのような工夫をしていますか?

会社のビジョンやミッションが出来たのは、今から3年前くらいで、創業当時は無かったんです。伝えるために意識していることは、『伝える量をふやす』ということですね。

社員とは毎週 全社会議をしていますし、月に一回はビジョンやミッションに立ち返ったメッセージを送っています。それに紐づく行動指針みたいなものもあるんですが、それに基づいた表彰などもしています。キャストに関しても行動指針があり、それに基づいて働いてもらっています。社員のモチベーションアップのために色々と工夫をしています。

 

苦労したポイントや、それをどのように乗り越えたかを教えてください

苦労したポイントは3つあるんですけど…。

一つ目は、創業2〜3年目でお金がなくなる時です。この時はいろんな方に状況説明をし、なんとか資金調達をし、生き延びることができました。

二つ目は、4〜5年目に社員の1/3が退職したことがあったことです。その背景には色々あると思うのですが…一番は僕が未熟だったと思います。会社が創業時のスタイルと変わったことで合わなくなった人もいたと思うし、世の中的に様々な会社が成長するステージだったことなどもあると思いますが、でもそれは理由にならないと思っていて。僕がもっと社員とのコミュニケーションを大事にすれば良かったと反省しました。会社が大きくなるにつれて、社員への関心の度合いが少なくなっていたと思います…。今はその経験を活かして、社員一人一人と話す場を持つようにしています。そのおかげでか退職率も下がりましたし、みんながどんなことに興味を持っているのかがわかって、いろんなところでコミュニケーションが取れる機会が増えました。僕自身のことも、社員に知ってもらえるようになりましたしね。

三つ目は、サービス中の利用者からキャストへの性的ハラスメントが発覚したことです。

『訪問する』というリスクが、顕在化してしまった事例ですね。SNSでも様々ご意見をいただきました。この件に関しては、プラットフォームとしてとにかく誠実な説明と対応をしようと考えてきました。また仕組みの進化という面でも、お客様やキャストのためにできることを続けてきました。

キャストやお客様の安全面に関わるリスクは、対面サービスを続けていく以上”解決”はない、と考えています。取り組み続けていかなければならない課題だという認識はもともと持っていましたが、より一層思いを強くしたきっかけになりました。

 

今後の夢や会社としての展望を教えてください

人が人のために頑張る姿は、感動や憧れになると思うんです。起業したことで「人のために何かできることはないかな」とか「人のために何かできると嬉しいな」とか、そういうことを多くの人が持ってくれるようになったら世の中がもっと良くなると思うようになりました。

人のために何かするには、まず自分が満たされていることが条件だと思うんですね。

そのために、家事代行サービスを通して世の中の人に『時間の余裕』を提供したいと思っています。僕らに助けを求めてくれたら、余った時間で他の方に時間を使ってあげられる余裕が出来ると思うので。

 

印象に残った本やお気に入りの本を教えてください

稲盛和夫さんの「心。」です。『人のために頑張ることは理屈なく素晴らしいことだから、疑問を持たずに突き進めばいい』ということが書かれています。今まで言ってきたようなことを自信を持って言えるようになった本ですね。

実は会社のビジョンやミッションを言葉にするときに、哲学的な本をすごく読んだんですが、その時に出会えた本なんです。この本の中の言葉はスッと落ちてきて…。自身のバイブルと言える一冊です。

 

心。』    稲盛和夫  (著)
京セラとKDDIという2つの世界的大企業を立ち上げ、JAL(日本航空)を〝奇跡の再生〟へと導いた、当代随一の経営者がたどりついた、究極の地平とは?これまで歩んできた80余年の人生を振り返り、また半世紀を超える経営者としての経験を通じて、著者がいま伝えたいメッセージ――それは、「心がすべてを決めている」ということ。人生で起こってくるあらゆる出来事は自らの心が引き寄せたものであり、すべては心が描いたものの反映である。それを著者は、この世を動かす絶対法則だという。
だから、どんな心で生きるか、心に何を抱くかが、人生を大きく変えていく。
それは人生に幸せをもたらす鍵であるとともに、物事を成功へと導く極意でもあるという。Amazon URL

https://www.amazon.co.jp/dp/4763132431

 

投稿者プロフィール

『社長の履歴書』編集部
『社長の履歴書』編集部
新入社員を含めたフレッシュなメンバーを中心に、出版サポートの傍らインタビューを行っております!

就活生に近い目線を持ちつつ様々な業種の方との交流を活かし、「社長に聞きたい」ポイントを深掘りしていきます。

代表者様のキャリアを通して、組織の魅力が伝わる記事を発信していけるよう、これからも一生懸命運営してまいります!