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ブルーオーチャード・ファイナンス取締役 オマールS.カンディール氏

 

今回はブルーオーチャード・ファイナンス取締役、オマールS.カンディール氏にお話を伺ってきました。

「社長の履歴書」だけの特別なインタビューです。

ぜひご覧ください!

 

 

 

会社名称 ブルーオーチャード・ファイナンス S. A.
設立 2001年
主な事業 マイクロファイナンス
社員数 135+名(取材時)
会社所在地 BlueOrchard Finance S.A.

Seefeldstrasse 233

8008 チューリッヒ

スイス

会社HP https://www.blueorchard.com/

 

アロースミス

https://barbaraarrowsmithyoung.com/japanese/

 

 

現在オマール様が携わっている事業について教えてください

社会的や人々にインパクトを与える、業種の垣根の越えた仕事をしています。一般的なビジネスの目的は利益を生み出すことと言われていますが、私はその考えには反対しています。どれくらいの人にインパクトを与えられるかと言うことが私のビジネスの根底にあります。特に力を入れている事業は、テクノロジー、エネルギー、教育の分野です。

 

学生時代に熱中したこと、頑張ったことを教えてください

学生時代は、世界全体がどのように動いているか知りたかったですね。1番興味があった分野は哲学と物理の関係性です。高校の時はとても良い成績を取っていましたが、アメリカの大学に入学してからあまり良い成績ではなく疑問に思っていました。成績が心配になって、サウジアラビアにいる母に「どうしてこうなってしまったんだろう・・・」と電話しました。母からは「そんなに心配しなくて大丈夫。帰ってきても将来の選択肢は沢山あるから。これからは良い話題の時だけ電話してきてね!」との返答でした。母はとてもパワフルな性格で、この電話で元気をもらいました。

 

ムハマド・ユヌス博士との出会いやエピソードについて教えてください

ドイツ銀行とお付き合いがある時期があり、そのパーティの席でムハマド・ユヌス博士と出会いました。偶然に同じテーブルになって、博士からどこの出身か聞かれて意気投合しました。私は出会ったら瞬間から博士に素晴らしいオーラがあることを感じていました。そこから「エジプトのプロジェクトで僕と一緒に働きませんか」というお誘いがありました。最初はエジブトは中東の中でも独特なカルチャーを持った地域なので、「うまくいかないのではないか?」と思っていましたが、博士のオーラや仕事内容を聞いてプロジェクトに参加することにしました。ビジネス的にはだめだと思っても自分の信念に沿ったものを感じ取ることができました。

 

これまでお仕事をしてきた中で大変だったこと、苦労したことを教えてください

大変だったことは本当にたくさんあります。特に苦労が大きかったのは東日本大震災の影響でした。当時は東芝の幹部を務めていて、原子力のプロジェクトに携わっていました。ビジネスでも損害が出たことはもちろんですが、それに加えて多くの親しかった方が被害にあったことが悲しかったです。日本の皆さんには人生が大きく変わる出来事になったと思います。私も寄付やチャリティ活動などをしましたが、とてもネガティブな時期でした。私は幹部として社員に対しての責任がありますし、さらにその社員の家族への責任もあったので1つの問題がとても大きくなっていきました。

他の社長の方もそうだと思いますが経営陣は、ビジネス的にも上がったり下がったりして安定はしていません。経営を通して不安定なライフスタイルに少し慣れたと思います。

 

難しいことに直面した際のマインドを教えてください

困難にぶつかったときには「私はそこから何を学べるか。」と考えて解決に向かいます。またイスラム教を信仰しているので、経験を「神が与えてくださった試練」であると感謝しています。難しい経験を重ねると、他の人が同じ経験をしたときに分かち合うことができます。

 

日本の経営者は困難があったときにポジティブに捉えることが多いです。大変な時期はポジティブに考えますか?もしくはネガティブに考えますか?

日本の経営者の方と同じように基本的にポジティブに考え、神に感謝します。しかし、ただポジティブに捉えるだけでなく、もうワンステップ考えるようにしていますね。自分の中で理解を深めて行動すべきだと思っています。例えば、東日本大震災をきっかけに内省し、ひとつの業種に絞ったビジネスにこだわらず、多角化することが自分のビジネススタイルにより適していると気が付き、実行に移しました。

 

オマール様が多くの事業を持つことに関する見解を教えてください

ダイバーシティを大切にしているので、複数の事業を同時に進めています。

東日本大震災で混乱の中、最初は原子力のビジネスだけで対処しようとしました。しかし原子力の仕事だけでは困難に立ち向かう手段が限られてしまうので、それ以外のビジネスプロジェクトと関わらないとプラスの方向に持っていけないということに気がつきました。1つの業種のビジネスに絞るのではなく、多角化したビジネスに関わることで社会貢献ができると確信しました。どのビジネスがどんなインパクトを社会に与えられるかが私のプロジェクトビジネスの信念になっています。

 

今後のご展望について教えてください

人生最後の日まで1人でも多くの方を救いたいと考えています。

現在、世界の貧困問題が大きくなっています。日々貧困レベルが上がっているので、私の携わっているブルーオーチャードで問題に取り組んでいます。貧困レベルを下げないためにマイクロファイナンスの仕事をしています。1番低いレベルの貧困から抜け出して、人々が普通に生活していけるように支援しています。そのために宗教の教えを広めたり、テクノロジーや安いエネルギーシステムを使ったりと様々な対策を考えています。

 

アロースミスでは学習障害の事業をされているかと思います。どうして学習障害に関して取り組んでいるのでしょうか?

アロースミスでは認知トレーニングに関しても事業を進めています。私は幼いころに学習障害だと指摘されました。英語とアラビア語の取得で苦労した経験があったり、左利きでしたが右利きに矯正させられたことがありました。そして私の子供も学習障害があることが分かりとてもショックでした。子供はIQは高いのにうまく生活ができないことに長年悩んでいました。学習障害があると本人だけでなく家族全員に負担がかかります。親として教育の失敗か子供の持って産まれたものか見分けが付かなかったので、私自身も「努力で乗り越えるしかない」と思っていました。

ある時、アロースミス教育を作ったバーバラ・アロースミス=ヤングさんに出会ったときに「子供にそんなに厳しくあたってはいけません。子供に合った方法を与えないといけないですよ。」とアドバイスをもらいました。そこから学習障害向けの教育や対応の仕方を学んでいきました。

また、同時期にある日本の経営者の方が「少年院にいる多くが学習障害や難読症で苦しんでいる」と教えてくれました。実は日本だけでなくカナダや他の国も同じ傾向があります。学校で授業についていけないことや、他の子と同じ行動ができないという小さな問題に見られがちな学習障害が、実は犯罪につながる可能性があるという大きな社会問題につながっています。だからこそ私たちがこの問題に取り組むことはとても意味のあることだと思っています。

 

今後アロースミスの事業を通してどのような良い影響を与えていきたいというふうに考えていらっしゃいますか

まずは日本の方にアロースミスの活動の認知を広げたいです。脳は人間一人ひとりの指紋のように異なりますし、脳はトレーニングなどで良い方向に変えていくこともできます。特にその学習障害を持っている子供の脳もトレーニングエクササイズによって変えられます。子供に障害があることを隠したり留学させたりする風潮がありますが、まずは検査をしてトレーニングすることによって障害を克服できるということをみなさんに知って欲しいです。

 

『霧のなかのバーバラ 学習しょうがいを克服した女性の物語』

カナダ人女性のバーバラ・アロースミス・ヤングは生まれつきの学習障害を抱えていた。たとえば時計の針が読めない、人が話していること、書いてあることが理解できない――そんな困難を乗り越え、彼女は画期的なノウハウを見つけ出し、障害を克服した。ベストセラー作家が、AI万能の世の中に、人間の真に生きることの意味を問う感動のメソッド! !

【AmazonURL】

https://www.amazon.co.jp/dp/4286233480

 

 

日本の経営者に対してメッセージをお願いします

自分の会社や役員、株主だけでなく世界に向けてポジティブな影響をもたらして欲しいです。日本の方は自分のポジションを守るためにリスクを避ける人が増えてきていると思います。ビジネスとして成功させるためには、リスクを取ることが必要ですね。

 

経営者におすすめの書籍を教えてください

スペンサージョンソン著の『チーズはどこへ消えた?』とパウロ・コエーリョ著の『アルケミスト』の2冊がおすすめです。この2冊は私の伝えたアドバイスが書かれています。

アルケミストでは人々を3つのカテゴリーに分けていて80%の方が夢はあるけれども、リスクを取らずにいつか実現しようとしている人、10%が夢がない人、10%は夢があって努力もしている人です。リスクを取らない人は発展成長しません。

 

 

この小さな本が世界のビジネスマンを変えてゆく!
迷路のなかに住む、2匹のネズミと2人の小人。彼らは迷路をさまよった末、チーズを発見する。チーズは、ただの食べ物ではなく、人生に おいて私たちが追い求めるもののシンボルである。
ところがある日、そのチーズが消えた! ネズミたちは、本能のままにすぐさま新しいチーズを探しに飛び出していく。ところが小人たちは 、チーズが戻って来るかも知れないと無駄な期待をかけ、現状分析にうつつを抜かすばかり。しかし、やがて一人が新しいチーズを探しに 旅立つ決心を…。
IBM、アップル・コンピュータ、メルセデス・ベンツ等、トップ企業が次々と社員教育に採用。単純なストーリーに託して、状況の変化にい かに対応すべきかを説き、各国でベストセラーとなった注目の書。905円でアナタの人生は確実に変わる!【AmazonURL】https://www.amazon.co.jp/dp/459403019X/
半飼いの少年サンチャゴは、その夜もまた同じ夢を見た。一週間前にも見た、ピラミッドに宝物が隠されているという夢――。少年は夢を信じ、飼っていた羊たちを売り、ひとりエジプトに向かって旅にでる。
アンダルシアの平原を出て、砂漠を越え、不思議な老人や錬金術師の導きと、さまざまな出会いと別れをとおし、少年は人生の知恵を学んでいく。
「前兆に従うこと」「心の声を聞くこと」「何かを強く望めば宇宙のすべてが協力して実現するように助けてくれること」――。
長い旅のあと、ようやくたどり着いたピラミッドで、少年を待ち受けていたものとは――。人生の本当に大切なものを教えてくれる愛と勇気の物語。【AmazonURL】https://www.amazon.co.jp/dp/404275001X

 

投稿者プロフィール

『社長の履歴書』編集部
『社長の履歴書』編集部
新入社員を含めたフレッシュなメンバーを中心に、出版サポートの傍らインタビューを行っております!

就活生に近い目線を持ちつつ様々な業種の方との交流を活かし、「社長に聞きたい」ポイントを深掘りしていきます。

代表者様のキャリアを通して、組織の魅力が伝わる記事を発信していけるよう、これからも一生懸命運営してまいります!