大和財託 藤原氏

今回は大和財託株式会社代表、藤原正明氏にお話を伺ってきました。

「社長の履歴書」だけの特別なインタビューです。

ぜひご覧ください!

会社名称大和財託株式会社
代表者藤原 正明
設立平成25年7月1日
主な事業不動産・建築領域等を活用した資産価値共創事業
資産形成に関するプランニング及びコンサルティング
不動産・金融に関する市場調査及び情報提供
不動産の管理・賃貸及び売買
プロパティマネジメント業務及びアセットマネジメント業務
宅地造成等不動産事業用地の開発
建築物の設計及び工事監理
建築工事業・塗装工事業・電気工事業・管工事業その他建築業
建物のリフォーム・リノベーション
ホテル等商業施設及び介護・障がい者福祉施設の企画・運営・管理
社員数380名(取材時)※須賀谷温泉などの子会社を含む
会社所在地東京都渋谷区渋谷二丁目17番1号 渋谷アクシュ22階
大阪府大阪市北区大深町3番1号 グランフロント大阪タワーB 35階
会社HPhttps://yamatozaitaku.com/

現在の事業内容と強みについて教えてください

大和財託株式会社は2013年に創業し、不動産・建築領域を主軸に、「資産価値共創事業」を展開している企業です。

主な事業は資産運用のコンサルティングを軸とした、不動産開発・運用事業、および建設事業です。土地の仕入れから設計・施工、販売、賃貸管理・運用さらには分譲マンションの買取リノベ再販、ホテル・旅館事業まで、幅広い領域を手がけています。

当社の事業の根幹にあるのが、「潤環シナジー戦略」です。これは顧客利益、取引先利益、自社利益の3つを循環させながら、資産価値の最大化を目指す考え方です。私は、自社だけが利益を得る構造では、持続的な成長はできないと考えています。まずお客様に経済的メリット・心理的メリット、すなわち潤いを届けることで、潤いが私たちにも返ってくる。さらに、その潤いを取引先の方々にも回す。すると、品質や納期、仕事の姿勢といった形で、再び私たちに返ってきます。この潤環を生み出すことが、当社の成長戦略です。そのためこの戦略のもと、「圧倒的顧客ファースト」を掲げ、本当にお客様のためになること以外はやらないという方針を、全社員で徹底しています。

また、当社の強みは、専門性の高いコンサルタントが、お客様一人ひとりの人生に寄り添いながら、資産運用を支援できる点にあります。状況やご希望はお客様ごとに異なりますが、それぞれに最適な資産運用プランを提案しています。

加えて、遊休地や相続予定地などを対象とした土地活用事業にも注力しており、立地特性や市場動向、法規制を踏まえた上で、アパート・マンション建築をはじめとして、最適な活用方法を企画・提案しています。単なる建築提案にとどまらず、将来を見据えた資産運用や安定収入の確保につながる土地活用を実現します。

自社内で物件の建築・再生から提供、賃貸管理、売却までをワンストップで行える体制を整えているため、一棟物の新築・中古アパートやマンション等、幅広いラインナップでの提供が可能になっています。

こうした体制があるからこそ、多様なお客様に対して、それぞれに適した資産運用プランと物件を提供することができますし、事業環境や時代が変化しても成長し続けられる仕組みを構築してきた結果として、創業以来、すべてのお客様の人生に潤いを提供することができています。

現在どのような目標を掲げ、事業展開をされているのでしょうか?

2029年までに売上1,000億円超、2040年には1兆円企業を目指しています。

現在は全国展開を進めており、2026年2月には仙台支店を開設しました。それに加えて岡山、広島方面への展開も予定しています。

面的に拠点を拡大することが、事業規模の成長には不可欠だと判断しています。

ただし、既存の新築アパート中心の事業だけでは1兆円には届きません。

そのため、事業領域を拡張し、建築事業や新たな分野にも取り組んでいます。

ホテル事業に参入した理由を教えてください

ホテル事業への参入は既存事業の延長線上にあります。アパートやマンション、ホテルはいずれも「資産」です。ただし、ホテルはオペレーショナルアセットと呼ばれ、運営の巧拙によって収益が大きく変動するという特徴があります。

私は、建物を作るだけでなく、管理・運営まで責任を持つことが重要だと考えています。これまで賃貸管理まで一貫して行ってきたのと同様に、ホテルにおいても開発・再生から運営まで自社で手がける体制を築くべきだと判断しました。

その第一歩として、2024年に滋賀県長浜市の「須賀谷温泉」を完全子会社化しました。宿泊施設の運営機能をグループ内に取り込み、ホテル・旅館の開発ノウハウを積み上げていくことが目的です。現在、都市部では複数のホテル開発が進んでいますが、須賀谷温泉での取り組みを通じて得られた知見は、そうした都市型開発においても活かすことのできるものだと考えています。

須賀谷温泉を買収した決め手を教えてください

私自身が実際に訪れた際に『高いポテンシャル』を感じたことが決め手になりました。

複数の案件を検討する中で、須賀谷温泉には残すべき魅力が十分にあり、現状の良さを活かしながら磨くことで、さらに価値を高められる部分があると感じました。また、歴史ある温泉旅館であることから、再生の余地も大きいと判断しました。

地方旅館の再生を通じて運営ノウハウを蓄積し、その先に都市型ホテルへの展開につなげていく。その戦略の起点として、須賀谷温泉は最適であると考え、最終的に買収を決断しました。

藤原社長は創業前から情報発信に注力されてこられましたが、どのような意図があったのでしょうか?

発信の目的は、資産運用に関する正しい知識を届けること、そして当社の考え方や価値観を伝えることです。透明性を持ち、継続的に発信することが信用の土台になると考えています。

下記が主な当社の情報発信媒体ですので、ご興味のあるものからぜひご覧ください。

【藤原社長X】
 https://x.com/fujiwaramasaaki
【藤原正明の「最強の不動産投資チャンネル」<大和財託株式会社>】
 https://www.youtube.com/@toushikin
☆おすすめ動画はこちら↓
【売上1兆円、必ず達成してみせます】大和財託の14期経営計画発表会・13期打ち上げに密着

ここからは藤原社長のことをお聞かせください。子ども時代はどのように過ごされましたか?

私は岩手県の矢巾町という町で育ちました。人口2万7,000人ほどの町で、自然に囲まれた環境です。幼少期は、夏や秋には虫取りをし、冬はスキーをして過ごしていましたね。

父は小規模の内装工事業を経営しており、「とにかく強くないとダメだ」という価値観を持っていました。その影響もあって、体を鍛えることや強くなることを自然と意識するようになりました。

子どもの頃から、体を動かすことと負けず嫌いな性格は強かったと思います。その性格は、後の空手や勉学への取り組みにもつながっていきました。

学生時代に打ち込んだことは何ですか?

中学生から本格的に空手に打ち込みました。極真空手を続け、高校時代には全国大会で2位という成績を収めています。

中学・高校時代は、将来プロの格闘家になることを本気で目指していました。ただ、学業をおろそかにするつもりはありませんでした。高校生の大会と期末テストの時期が重なったことがあったのですが、そのときは大会よりも学業を選びました。学生の大会は、あくまで学生の中での順位づけに過ぎず、将来を左右するほどの価値があるものではないと考えていたからです。それよりも、長い目で見たときに自分の選択肢を広げることのほうが重要だと判断しました。

大学時代はどのようなことを学ばれましたか?

地元の国立大学の工学部機械工学科に進学しました。数学と物理が得意だったのでこの選択をしましたが、専門性の高い学科で、かなり理系色の強い環境でした。

研究室では金属加工をテーマに、有限要素法を用いた解析に取り組みました。マグネシウム合板に熱を加えてプレス加工する際の最適条件を導き出す研究です。熱条件やプレス速度といった複数の変数を解析し、実際に加工して金属組織を観察するというプロセスを繰り返していました。

経営者を志すようになったのはいつ頃ですか?

大学生の頃、自分のキャリアを本格的に考えるようになりました。父の影響もあり、組織を率いて大きなことを成し遂げたいという思いはありましたが、当時は明確なビジネスプランがあったわけではありません。ですので、まずは会社員として出世し、将来的に経営層を目指すという道を選びました。起業をすぐに選ぶというよりは、まず組織の中で力をつけようと考えたのです。

そのために、若いうちに出世しやすい環境を選びました。規模が大きすぎる企業ではなく、成果を出せばポジションを得られると思った企業に入社しました。

1社目ではどのような経験をされましたか?

大学卒業後は、流体制御弁のメーカーに入社しました。

設計職を希望していましたが、入社後は全員が営業を経験する制度があったため、営業マンとして働きました。

もともと対人力が高いタイプではなかったため1年目はかなり苦労しましたが、その経験を通じて「人間関係」と「信用」がビジネスにおいていかに重要かを学びました。特にビジネスは最終的に「人」の営みであり、感情で決まる部分が多いということを実感しました。

営業の現場では、父よりも年上の取引先の方々にいかに気に入っていただけるかが重要だったため、私は誠実に対応し、期待値を超える行動を意識しました。朝早くから訪問する、元気よく対応する、約束を守るといった基本を徹底したところ、その積み重ねによって信頼を得られるようになりました。

振り返ると、この6年間でハードワークをこなす力と、人に好かれることの重要性を学びました。

不動産業界に転身された理由を教えてください

28歳の頃、自分のキャリアを改めて考えるようになりました。メーカー営業として安定した環境にいましたが、「このままで良いのか」と考えるようになったのです。

ちょうどその頃、父が不動産投資をしていることを知り、副収入を得ている姿を見て、経済的自由という考え方に強い関心を持ちました。

同時に1社目の会社では、建物に使用される製品を扱っており、建築現場を訪れる機会が多くありました。その中で、街づくりや建築に強い関心を持つようになりました。

建設会社への転職も検討しましたが、資格取得に時間を要する点を踏まえ、業界を改めて研究した結果、不動産デベロッパーであれば発注者の立場として街づくりに直接関われると考え、この道を選びました。

応募者1,000名以上の中から4名のみ採用という狭き門でしたが、自然体で臨んだことが評価され、入社することができました。

三井不動産レジデンシャルで得た学びは何ですか?

入社当初は経営層を目指そうと考えていましたが、経営層に上がれるのは新卒入社のプロパー社員が中心なことに気づき、自分の将来像が見えてしまいました。

それでも2年半の在籍期間で多くを学びました。内部統制が効いた組織運営、規律のある意思決定プロセス、優秀な人間との仕事。特にロジカルに文章を書く力はこの時期に鍛えられましたね。数十億円規模のマンションプロジェクトの販売決裁資料を作成するなど、事実と数字に基づいて説明する力が身につきました。この能力は現在の経営判断にも直結しています。

起業を決意したきっかけを教えてください

自分で不動産投資を始めた中で、購入後の管理や運営まで安心して任せられる業者が少ないと感じたことがきっかけです。

そして、購入だけでなく、管理・運営まで一貫して支援できる事業を自分でやりたいと考えるようになりました。

そのため、独立を前提に実務を学べる環境を探しました。いくつか候補が出てきた中で、収益不動産を扱う不動産会社の社長に直接メールを送り、「利益貢献するので修行させてほしい」と申し出て、2年間賃貸管理・売買の実務を学びました。

3社目での2年間で最も得たものは何ですか?

一番はハードワークです。朝6時から朝礼があり、深夜まで働く生活でした。起業を前提としていたので、労働時間に対する意識はなく、自らの意思で徹底的に働きました。

この期間に、起業後に必要となる実務能力と体力を準備できたことは大きかったです。また、オーナー経営者が強い権限を持つ組織の在り方も間近で見ました。良い面も課題も含めて、組織運営のリアルを学びましたね。

この2年間があったからこそ、2013年の創業に踏み切ることができたと感じています。

創業当初はどのようなビジョンを描いていたのでしょうか?

2013年に大和財託を設立しましたが、当初の目標は関西で1位になること、そして売上1,000億円を達成することでした。

社名の「大和」は奈良の大和国に由来していて、第二の地元関西で存在感を持つ企業にしたいという思いがありました。

創業時は100億円、その先に1,000億円という段階的な目標でしたが、事業が拡大する中で、1兆円という次の目標が見えてきました。誤解していただきたくないのは、規模を追うことが目的ではなく、社会に届けられる価値を増やすことが目的だということです。

創業当初、どのような苦労がありましたか?

創業初期は資金面が一番の課題でしたね。潤沢な資金があるわけではなかったので、当然ながら毎月契約を取らなければ軍資金が減っていきます。常に数字と向き合いながらの経営でした。

そのため、とにかく行動量を増やし、案件を取り続けるしかありませんでした。安定はなく、常に結果が求められる状況でしたので、その3~4年は非常にスリリングだったと感じています。

しかし、サラリーマン時代にハードワークを経験していたこと、営業で人に気に入られる術を見つけていたことが支えとなりました。創業期の緊張感は大きかったですが、自分で選んだ道でしたので、前へ進むことに迷いはありませんでした。

建築事業に参入した背景を教えてください

創業当初は、中古の一棟物件の売買仲介や買取再生販売、賃貸管理が中心でしたが、売上100億、1,000億を目指すためには、取り扱う物件の幅を広げる必要があると判断しました。

そこで、創業4年目に建築事業へ参入する決断をしました。自社で設計・施工を行い、新築物件を供給できる体制を作るという挑戦です。私自身に建築の専門知識はありませんでしたが、自社で土地を仕入れ、建て、販売し、管理まで行うことで、収益構造を強化できると考えました。

しかし想定はしていたものの、やはり参入障壁は高く、初めて竣工するまでに2年以上の時間がかかりました。実績ゼロの状態から職人や問屋の開拓を行いオペレーションを構築していきましたし、その間さまざまな失敗、損失も経験しました。ただこの決断があったからこそ不動産業と建設業をかけ合わせた現在のモデルを確立することができました。

上場準備を始めた経緯と、その後の判断について教えてください

上場の主なメリットは資金調達とブランディング・採用であると考え、当社も創業4年目から東証マザーズ市場への上場を目指しました。証券会社や監査法人と契約し、管理部門の整備など準備を進めていたものの、最終的には上場しないという判断に至りました。

当時の当社規模では、上場によって調達できる資金は限定的であり、必要な資金は金融機関から十分に調達できる状況でした。また、ブランディングについてもSNSやYouTubeなどによる情報発信の効果が出始めていたことから、メリットとデメリットを総合的に判断した結果、上場は見送ることにしました。

ただし、結果的に上場しなかったからといって、それまでの準備が無駄になったとは考えていません。それまでは、いわば「藤原商店」のような組織でしたが、この上場準備期間を通じて内部統制が行き届いた体制を構築することができ、現在の400名弱の組織の基盤づくりにつながりました。

経営をする中で「人」に関してどのような課題がありましたか?

起業初期は私と同じ熱量で働くことを求めていましたが、会社が大きくなるにつれて、法令順守や仕組み化が必要になり、単純に量をこなすだけでは通用しなくなりました。

社員にはそれぞれの人生がありますし、期待しすぎることでズレが生じることもあります。そのため、組織が拡大する中で期待値の持ち方や向き合い方を変えていきました。

問題の多くは人から生まれます。だからこそ、組織の仕組みや基準を明確にし、個人の感情に依存しないようにしてきました。

採用において重視している基準を教えてください

創業当初から基準は変わっていません。地頭が良いこと、行動量をこなせること、そして「ええやつ」であることです。

私がリスクを取って会社を作ったのに、一緒に働く相手が信頼できない人物である必要はありません。お気に入り人事をするという意味ではなく、組織文化を守るためのフィルターです。

程度の差はあっても、組織の秩序を乱すような人財が入り込まないように意識して採用してきました。

今後の展望について教えてください

当社が提供しているサービスやプロダクトは、必ず社会にとって価値のあるものだと考えています。だからこそ、より多くの方に届けていくことが私たちの役割です。

それを実現するためには、会社規模を拡大していく必要があります。定量的には、2029年に売上1,000億円超、2040年に1兆円企業を目指しています。

しかしながら、既存事業だけではこの規模には到達しません。不動産・建築の枠にとらわれず、「資産価値共創」という文脈に乗る事業であれば新たな領域にも参入していきます。なぜなら、社会に役立つ資産を創り続けることが、そのまま企業の成長につながると考えているからです。

また、1兆円企業を目指すうえで、海外展開は必要だと考えています。現在は国内中心の事業ですが、将来的には海外にも当社のサービスを提供していきたいと思っています。

資産価値を共創するという考え方は、国内に限らず展開可能だと考えています。国内で積み上げてきたモデルを基盤に、段階的に視野を広げていきたいです。

最後に、他の経営者におすすめする書籍を教えてください

私の著書をご紹介します。

これまで複数冊の書籍を出版してきましたが、2025年に刊行した『収益性・節税・資産保全・相続対策まで完全網羅! 不動産投資の成功法則』は、発売前にもかかわらずAmazonカテゴリランキングにおいて「不動産一般関連書籍」「地価問題」部門で1位を獲得しました。

本書は、会社員・医師・経営者といった一定以上の収入や資産がある方を主な対象とし、不動産投資を単なる利回り追求に留めず、収益性・節税・資産保全・相続対策までを一貫した視点で整理している点が特徴です。

市場環境や税制を踏まえながら、「なぜその判断が合理的なのか」「どこで失敗が起きやすいのか」といった実務的な論点を、具体的な考え方とともに解説しています。

また本書は、ベストセラー書籍の改訂版として、不動産を活用して収益性を高めながら、長期的に資産価値を維持・向上させていくための思考整理と実践ポイントを、より現在の市況に即した形で再構築した内容となっています。

投資判断のみならず、財務・税務・資産承継といった観点からも体系的に理解できるため、経営者の方にとっても、資産戦略を見直す一冊として有用な内容ですので是非ご一読ください。

『収益性・節税・資産保全・相続対策まで完全網羅! 不動産投資の成功法則』藤原正明(著)
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投稿者プロフィール

『社長の履歴書』編集部
『社長の履歴書』編集部
企業の「発信したい」と読者の「知りたい」を繋ぐ記事を、ビジネス書の編集者が作成しています。

企業出版のノウハウを活かした記事制作を行うことで、社長のブランディング、企業の信頼度向上に貢献してまいります。