今回は株式会社ナガセビューティケァ代表、鳥江 孝治氏にお話を伺ってきました。

「社長の履歴書」だけの特別なインタビューです。

ぜひご覧ください!

会社名称   株式会社ナガセビューティケァ
代表者鳥江 孝治
設立1991年
主な事業化粧品・健康食品の研究・企画開発・販売 美と健康に関する情報の発信 美容講座・健康講座・コミュニケーション講座・働き方講座等の実施
社員数96名(2025年4月時点)
会社所在地東京都中央区日本橋本町1-2-8 長瀬産業本町ビル3F
会社HPコーポレート:https://nagase-bc.jp/
ナガセビューティケァブランド:https://nbc.jp/
room S(ルームエス)ブランド:https://room-s.tokyo/

事業紹介をお願いします

株式会社ナガセビューティケァは、化粧品はもちろん、メイクアップから健康食品まで幅広い商品を開発・販売する化粧品・健康食品メーカーです。「“キレイ”の力で、笑顔を広げる。」をパーパスに掲げ、ナガセビューティケァ・room S(ルームエス)を通して高品質な化粧品・健康食品をお届けしています。

また、自然の恵みであるハーブに着目した研究「ハーブサイエンス&テクノロジー」によりハーブがもつ効能を科学的に解明し、独自の発酵技術・抽出技術・複合処方の技術を商品開発に活かすことで、美容・健康の両面において付加価値の高い商品開発を目指しています。

1966年の創業時は、海外製の家庭用クリーナーやワックス、消臭芳香剤など日用品の販売を中心に事業を展開していましたが、1970年以降からは基礎化粧品や健康食品の開発に取り組んできました。現在では、化粧品・健康食品を合わせて110種類以上の商品を取り扱っており、スキンケアやインナーケア、メイクアップなど、幅広く商品を展開しています。

読者に伝えたいナガセビューティケァの魅力はありますか?

ナガセビューティケァの魅力は、大きく分けて「安心」「信頼」「体験」の三つにあると考えています。

まず「安心」という点では、当社は約60年にわたり事業を継続してきた実績があります。その背景には、研究開発から生産までを一貫して行うものづくりの体制があり、化粧品や健康食品という分野において、品質面で安心してお使いいただける商品を提供してきました。

次に「信頼」ですが、ナガセビューティケァは1832年創業の化学系専門商社である長瀬産業グループの一員として、素材や原料に関する知見や技術、グローバルなネットワークを基盤に事業を展開しています。また、長瀬産業の企業理念である「誠実に正道を歩む」という精神は、当社のビジネスの基本姿勢にもつながっており、これを体現し続けてきたからこそお客様から長く信頼される会社になっています。

そして三つ目が「体験」です。ナガセビューティケァは、訪問販売からスタートした企業であり、人と人とのつながりを大切にしてきました。実際に会い、試し、話すという体験を通じて、お客さま一人ひとりに寄り添いながら商品をご提案してきたことは当社ならではの特徴だと考えています。2023年にroom S(ルームエス)というブランドを立ち上げEC事業にも取り組んでいますが、対面で培ってきた価値を大切にしながら事業を進めています。

これらの積み重ねこそが、ナガセビューティケァが長く選ばれてきた理由であり、ぜひ読者の皆さまにも知っていただきたい魅力です。

当社の詳細は下記サイトをご参照ください。

https://nagase-bc.jp


ここからは鳥江社長のことをお聞かせください。学生時代に打ち込んだことはありますか?

ラクロスに打ち込んでいました。

関西学院大学1年生のときにこの競技に出会ったのですが、当時、関西ではまだラクロスというスポーツ自体がほとんど知られておらず、チームも存在していませんでした。その為、先輩や同級生とともに他大学を回って声をかけたり、ビラ配りをしたりしながら競技の普及から取り組み、チームづくりを進めていきました。

その結果、2年生の頃には関西で複数の大学が参加するリーグ戦が行われるようになり、3年生の頃にはリーグがさらに拡大していきました。競技に取り組むだけでなく、チームや組織を一からつくり上げていく過程に関われたことは、学生時代の大きな経験だったと感じています。

鳥江社長はラクロスの魅力はどこにあると感じていらっしゃいますか?

ラクロスの魅力は、まず競技そのものの面白さにあると感じています。バスケットボールやサッカー、ラグビーなどの球技の要素が組み合わさっており、空中でボールを扱うことができる点や、プレーのバリエーションが非常に多い点が特徴です。また、ゴールの裏側も使ってプレーができるため、攻撃の選択肢が広く、戦術的にも奥深い競技だと感じていました。

もう一つの魅力は、競技以外の部分にあります。ラクロスは、プロスポーツではなく、学生主体で成り立っている競技であり、チーム運営や大会運営、協会活動なども含めて、選手自身が関わっていく文化があります。

そうした活動を通じて、支え合いながら物事を進めていく姿勢や、ボランティア精神のような考え方が自然と根付いていったと感じています。競技の面白さに加えて、人とのつながりや協力の中で成り立っている点も、ラクロスならではの魅力だと思っています。

長瀬産業入社のきっかけを教えてください

大学時代にラクロスでお世話になった先輩が入社したことがきっかけで、私も長瀬産業に入りました。

就職活動では、商社、金融、メーカーなどを中心に考えていましたが、その中でも人と人との関わりが多い点で商社という仕事に魅力を感じていました。当時はインターネットもなく、企業の事業内容についても限られた情報しか得られない時代でしたので、長瀬産業が具体的に何をしている会社かという点について詳細まで理解していたわけではありません。

しかし、人と関わりながら仕事をすることができる商社という業種に惹かれたこと、そして尊敬する先輩が働いていたという点が重なり、長瀬産業への入社を決めました。

入社後はどのようなお仕事に携わったのでしょうか?

入社後は、長瀬産業のビューティケァ製品部に配属され、ナガセビューティケァの事業に携わりました。最初の2年間は営業担当として、主に静岡方面などを中心に現場での営業活動を経験しました。

その後はスタッフ部門に異動し、販売促進に関わる業務を担当しました。具体的には、キャンペーンの企画や販促ツールの制作、イベントの企画・運営などに携わっていました。現場の営業活動を支える立場として、どのような施策が有効かを考え、形にしていく仕事です。

当時は上司から比較的早い段階でさまざまな業務を任せてもらい、新しい取り組みにチャレンジする機会が多くありました。これらの業務を通じて事業を動かす側としての経験を積むことができた点は、非常に印象に残っています。

こうして営業とスタッフの両方を経験しながら、ナガセビューティケァの事業に約15年間携わりました。

その後、長瀬産業に戻られますがどのような経緯だったのでしょうか?

ナガセビューティケァで仕事を続ける中で、次第に「違う環境での経験もしてみたい」という思いが強くなっていきました。化粧品や健康食品の製造販売という、いわばメーカーの仕事には長く携わってきましたが、周囲の同期や先輩、後輩と話をする中で、海外の仕事やさまざまな事業の話に触れる機会が増え、自分の年齢を考えたときにもし外に出るのであればこのタイミングしかないと感じるようになったのです。

そこで人事総務部に相談し、今後のキャリアについて率直に話をしました。当時の人事の方からは、35歳という年齢で商社ビジネスに改めて挑戦することの大変さや、ナガセビューティケァに残る場合と外に出る場合、それぞれのメリット・デメリットについて丁寧にアドバイスをもらいました。

そうしたやり取りを経て、自分としては新しい経験に挑戦したいという気持ちを固め、長瀬産業の化学品を扱う事業部へ異動することになりました。メーカーの仕事から商社の仕事へと環境を変える決断でしたが、自身の視野を広げるために必要なステップだと考えての選択でした。

メーカーの仕事と商社の仕事は異なる部分も多いと思いますが、実際に商社の仕事をご経験されていかがでしたでしょうか?

実際に商社の仕事に携わってみてまず強く感じたのは「使われる言葉がまったく違う」という点でした。私が担当したのは化学品を扱う事業でしたが、業界特有の専門用語やアルファベット表記、貿易用語などが多く、最初は戸惑いました。ただ、言葉そのものは覚えていけば対応できる部分でもあり、そこは比較的早く慣れていったと思います。

一方で、メーカーの仕事と大きく異なると感じたのは、仕事の相手が企業であるという点です。ナガセビューティケァでは一般のお客さまを相手に気持ちに寄り添いながら提案を行うBtoCの仕事が中心でしたが、商社ではBtoBの取引が基本となります。企業同士の取引では、感情面だけでなく、合理性や数字、双方にとってどのような価値があるのかといった点を明確にしなければ話は前に進みません。

そのため、相手企業との関係を調整しながら、双方が納得できる着地点を探っていく力や、論理的に物事を組み立てる力がより求められる仕事だと感じました。最初は戸惑う部分もありましたが、メーカーとは異なる視点や考え方に触れることで、自分自身の仕事の幅が広がったと感じています。

その後、台湾長瀬への出向を2回経験されていますが、どのようなご経験をされたのでしょうか?

台湾長瀬への出向は、私にとって非常に多くの学びがある経験でした。最初に赴任した当時は、台湾は親日的で人も温かく、日本と生活習慣や文化が近いと感じました。そのため、海外勤務ではありましたが、生活面で大きな戸惑いは少なかったと思います。

一方で、仕事の進め方については、日本との違いを強く感じました。台湾の企業はオーナー企業が多く、上場企業であっても、トップの判断や決断によって物事が非常に速いスピードで進んでいきます。重要な意思決定が短期間で行われる場面も多く、そのスピード感に最初は驚かされました。

そうした環境の中、現地のメンバーと向き合いながら事業を進めていく経験を重ねることで、決断の重要性や、状況に応じて柔軟に対応する姿勢の大切さを実感しました。また、日本とは異なる商習慣や価値観の中で仕事をすることで、物事を多面的に捉える視点も養われたと感じています。

2度にわたる台湾での勤務を通じて、グローバルな環境で仕事を進める感覚や、スピード感を持った意思決定の重要性を体感できたことは、その後のキャリアにおいても大きな財産になっています。

メーカーの仕事から、商社のお仕事、海外勤務と着実にキャリアプランを実現されてこられましたが、達成後はどのようなお仕事をしたいと思われていたのでしょうか?

正直なところ、当時は「これを達成したら次はこうしたい」といった明確なキャリアプランを描いていたわけではありませんでした。

入社当初は商社に入った以上、将来的には海外で仕事をしてみたいという思いはありましたが、ナガセビューティケァに出向してからは、その仕事が非常に楽しく、目の前の業務に取り組むことに自然と時間を使っていました。その結果、気がつけば15年という時間が経っていた、という感覚が近いと思います。

その後、商社の事業部での仕事や台湾長瀬での海外勤務を経験しましたが、それらも「次はこれをやりたい」と計画して積み上げてきたというよりは、その時々で与えられた環境や役割の中で、自分にできることに向き合ってきた結果だと感じています。

特定のゴールを強く意識するよりも、その時点での仕事に真摯に取り組み、経験を積み重ねていくことを大切にしてきた延長線上に今があると考えています。

ご就任された時のことをお聞かせください。本社より通達があったとお伺いしておりますが、どのようなお気持ちだったのでしょうか?

知らせを受けたときは、率直に言えば身が引き締まる思いでした。

さまざまな立場で経験を積んできましたが、そのうえであらためてこの会社のトップとして事業を担うことになるという現実を受け止め、責任の重さを強く感じました。

同時に、これまでナガセビューティケァ、長瀬産業、台湾長瀬で培ってきた経験をこのタイミングで生かす役割を与えられたのだと受け止めました。特別な高揚感というよりは、これまでの延長線上で、自分が果たすべき役割に向き合おうという気持ちだったと記憶しています。

社長就任はゴールではなく、新たなスタートだと捉えています。これまでの経験を土台にしながら、ナガセビューティケァの事業と組織にどう向き合っていくかを考えるところから始まりました。

18年ぶりにナガセビューティケァに戻られたときの印象をお聞かせください

18年ぶりにナガセビューティケァに戻ってきてまず感じたのは、事業の根幹にある考え方は大きく変わっていないということでした。創業以来大切にしてきた、人と人とのつながりや、対面でお客さまに寄り添う姿勢は、時間が経っても受け継がれていると感じました。

一方で、時代の変化に伴い、事業を取り巻く環境は大きく変わっているとも感じました。お客さまとの接点の持ち方や、販売チャネルのあり方、社内の業務の進め方など、これまでとは異なる視点が求められる場面が増えていると実感しました。

長瀬産業や海外での勤務を経て戻ってきたからこそ、これまで当たり前だと思っていたナガセビューティケァの強みや価値をあらためて客観的に見つめ直すことができたとも感じています。変わらない部分と、見直すべき部分の両方を意識しながら、これからの事業や組織に向き合っていく必要があると感じたのが、率直な印象でした。

経営者として、会社の現状をどのように受け止めましたか?

まずは現状を正しく理解することが重要だと考えていました。そのうえで、次にどのような手を打っていくべきかを考える必要があると思っていました。

ただ、それは私一人でできることではありません。社員一人ひとりの力をどのように結集していくかが重要だと感じています。外部環境が厳しいこと自体は、正直なところ自分たちで変えられるものではありません。訪問販売業界全体が苦戦し、低迷しているという現状も、すぐに変えられるものではないと思っています。

一方で、業界全体が厳しいからといって、すべての企業が同じ結果になるわけではないとも考えています。だからこそ、自分の責務として、組織をどう強くしていくかという点に向き合う必要があると感じていました。

以前在籍されていた頃と比べて、現在の組織にはどのような変化があると感じていますか?

アットホームな雰囲気については、以前と変わっていませんが、組織の構成には大きな変化がありました。

私が以前ナガセビューティケァに出向していた頃は、長瀬産業からの出向者が多かったのですが、現在はナガセビューティケァとして採用された社員が中心になっています。また、中途入社の方も多く、それぞれが他社で培ってきた経験やスキルを持っており、個性の強い集団になっていると感じています。そこは、以前との大きな違いだと思います。

多様なバックグラウンドを持つ社員が増える中で、組織づくりについてどのような点を意識されていますか?

私が日頃心がけているのは、言いたいことが言え、聞きたいことが聞ける組織をつくることです。そうした環境があってこそ、一人ひとりが自分事として考え、力を発揮できるようになると思っています。一人が100の力を出すのではなく、105の力を出すことで、大きなエネルギーが生まれますが、そのためには、挑戦しやすい雰囲気や失敗しても許される雰囲気が欠かせません。上に忖度することなく、何でも言い合える環境を整えることが、これからの組織づくりにおいて非常に重要だと感じています。

今後の展望を教えてください

ナガセビューティケァでは、「“キレイ”の力で笑顔を広げる」というパーパスのもと、美と健康にあふれる豊かな社会の実現を目指しています。そのため、化粧品や健康食品、そしてサービスを通じて、より多くのお客様にナガセビューティケァを知っていただきたいと考えています。

その実現に向けて、これまでの訪問販売チャネルにとどまらず、Eコマースをはじめとしたさまざまなチャネルを展開していきたいという思いがあります。これは、私自身のビジョンであり、一つの目標でもあります。

一方で、現在は訪問販売チャネルが厳しい状況にあることも事実です。そのため、中期経営計画においては、まずこの基盤となるチャネルをしっかりと立て直すことを最優先に掲げています。そのうえで、改めて多チャンネル展開を進めていく考えです。

具体的には主に二つの点に取り組みます。

一つ目は、対面販売事業の基盤強化です。

代理店育成の標準化や新規販路の開拓に加えて、販売制度や教育システムを見直し、組織としての再現性と成長力を高めていきます。

経験に頼らず、誰もが安定して成果を生み出せる仕組みを整えることで、基盤事業を着実に立て直していきたいと考えています。

二つ目は、安全性と品質をさらに磨き込むための商品ポートフォリオの再構築です。

お客さまに安心して使っていただける高品質な商品づくりを徹底し、一次代理店のマネジャーやビューティコンサルタントが自信を持って提案できるラインナップへと整えていきます。

中長期的な視点で商品戦略の方向性を見直し、継続的に価値を高めていくことで、長く選ばれるブランドを育てていきます。

ナガセビューティケァがこれまで大切にしてきた価値を守りつつ、次の成長ステージへ進んでいきたいです。

他の経営者におすすめの本のご紹介をお願いいたします

経営者の方におすすめしたい本としては、『7つの習慣』『両利きの経営』『嫌われる勇気』の3冊があります。

『7つの習慣』は、20代の頃から読み始めた本で、これまでに5〜6回は読み返しています。タイトルにある通り「習慣」という視点で、自己管理や物事の考え方が整理されている本だと感じています。

20代の頃には、20代なりの仕事に対する価値判断がありますし、経営者という立場になると、経営者としての価値判断や判断軸が求められるようになります。優先順位をどうつけるのかといった点についてこの本は考え方を非常に明確にしてくれましたし、物事の捉え方をスマートにしてくれる一冊だと思います。

『両利きの経営』については、台湾にいた頃に読みました。そして『嫌われる勇気』は、昨年ナガセビューティケァに来てから読んだ本です。人はどうしても、他人にどう見られているか、どう評価されているかを気にしてしまいがちですが、そうしたことに振り回されず、どのように主体性を持って生きていくかを考えさせてくれる本だと感じました。

ぜひご一読ください。

投稿者プロフィール

『社長の履歴書』編集部
『社長の履歴書』編集部
企業の「発信したい」と読者の「知りたい」を繋ぐ記事を、ビジネス書の編集者が作成しています。

企業出版のノウハウを活かした記事制作を行うことで、社長のブランディング、企業の信頼度向上に貢献してまいります。