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株式会社Waris代表取締役 米倉史夏氏

今回はフリーランス女性と企業のマッチングサービスなどを展開している株式会社Warisの共同代表者である、米倉史夏(よねくらふみか)氏にインタビューを行いました。

女性の働き方への制限を感じ、キャリアアップをサポートしたい気持ちから起業をしたという米倉氏。キャリアについて考えた会社員時代や、海外帯同でベトナムにいる現在の環境を経て、女性の働き方をサポートする多くの事業を打ち出されています。起業当初には多くの苦難がありましたが、3人の共同代表でうまく協力して乗り越えてきたエピソードを語ってくださいました。

 

会社名称 株式会社Waris
共同代表 米倉 史夏

田中 美和

河 京子

設立 2013年4月1日
主な事業 人材サービス

有料職業紹介事業(厚生労働大臣許可番号 13-ユ306255)

雇用関係給付金取扱職業紹介事業者 認定

各種セミナー、イベント等の企画・開催・運営

会社所在地 東京都千代田区神田鍛冶町3丁目7神田カドウチビル8F
会社HP https://waris.co.jp/

 

まずは事業内容の紹介をお願いします

弊社の事業は大きく3つの柱があり、ジョブマッチング事業・ソリューション事業・ライフキャリアサポート事業となっています。

 

1つ目のジョブマッチング事業は創業から手掛けており、ビジネス系女性フリーランスと企業をマッチングする「Warisプロフェッショナル」、女性役員の紹介を行う「Warisエグゼクティブ」、離職経験のある女性の再就職を手助けする「Warisワークアゲイン」の3つのサービスを提供しています。

2つ目のソリューション事業では、「Warisインサイドセールスアウトソージング」のサービス提供を行っています。働き方に制約あるが、優秀な人たちを集め、企業へのインサイドセールスのサービス提供を行うものです。

3つ目のライフキャリアサポート事業では、女性のキャリアアップをサポートする「Warisキャリアエール」を提供しています。

 

貴社のサービスの最大の特徴はなんでしょうか?

「Live Your Lifeすべての人に、自分らしい人生を。」をビジョンに、多様な働き方の選択肢を提案しているという点です。

弊社は2013年に起業したのですが、当時はまだまだ出産後に働くのが当たり前ではない時代でした。

当時はフリーランスの考え方が浸透しておらず、女性は正社員でバリバリ働くか、家に入るかという2択になりがちだったので、その間の選択肢を作りたかったんです。その答えが、週3~4日勤務でスキルを活かして働くフリーランスだと思い、そんな働き方を提供できる場所を作りたいと思ってサービスを開始しました。

あとは、フラットな環境ということも特徴です。スタッフ同士は名字ではなくそれぞれが希望するニックネームなどで呼び合っていて、私は代表ですが、私もスタッフから「史夏さん」と呼ばれています。

ニックネームや名前で呼び合うのは親しみを持てるということもそうですが、ライフスタイルの変化による名字変更などの影響を受けないというメリットもあります。

 

苦労したことや気を付けた点はありますか?

紹介先の企業様を見つける事です。

働き方に制約がある女性を紹介していくのですが、色々な考えのお客様がいて、「制約があると面倒」と言われることもありました。

今だとフリーランスでも企業と業務委託できる時代ですが、当時はレアケースでした。特に大企業ほど正社員が基本という考え方だったため、イメージが湧かないというお客様も多くいらっしゃいましたね。

門前払いをされることも多く、お客様を見つけるのは本当に大変でした。

 

米倉さんはどんな学生時代を過ごされましたか?

高校までずっと、厳しいカトリック系の学校に通っていました。

逆に、大学はかなり自由な感じで、男女や国籍などを意識しないでのびのびできる多様性のあるキャンパスでした。

大学では、何か1つにフォーカスするよりは、面白そうと思ったものを色々とやりましたね。ダンス、国際交流サークル、友人の起業の手伝いと色々つまみ食いした感じです。キャンパス自体に独特な人が多く、起業したい人とか、社会に向けて発信したい人が多かったですね。

そんな環境にいたことで、私も起業することに抵抗がなくなりました。

 

社会人になってから起業されるまで、どのような経験をされましたか?

最初は、政府系の銀行に入社しましたが、その中で働いているうちに、男女の区別を強く感じて、もっとのびのびやりたかったのですぐ転職しました。

第二新卒の年齢でコンサルティング会社のリサーチ職として入社して、そこで社会人の基礎をたたき込まれました。この会社はクライアントファーストな社風でしたが、結構のびのびやらせてもらえて、私の仕事観の基礎を作ってもらえました。

コンサルティング会社では7年間働いたのですが、そこでも自分のキャリアについては悩みがあり、年齢も30歳近くになり、この先どうなるのかという漠然とした不安がありました。

そこから次は株式会社リクルートに転職し、新規事業や事業計画を受け持っていました。34歳の時、出産して育児をしながら復帰したのですが、出産前のように心から楽しんで仕事するのが難しいと感じました。

そして、時間が限られている中でも100%の情熱が注げる、魂が震えるような仕事をしたいと考え、リクルートを退職してビジネス系のフリーランスになりました。

 

そうして、フリーランスとして週3日働くようになると、「これってすごくWin-Winだ」と感じたんですよ。

企業側も知見のある社員を活用できるし、週3の勤務だから安く済みますからね。

ただ、「私はたまたま縁があってこういう働き方ができたけど、社会の女性に私のような働き方を紹介してくれる会社ってあるのかな?」と疑問に思いました。

調べてみたら全く無かったため、そういう会社を作ろうと思いました。

 

貴社は3名の共同代表ですが、複数人で起業して良かったことは何でしょうか?

3人で起業して良かったことは、それぞれの得意分野で仕事を分担できることです。

経営者って最初は広報や営業、サービスの仕組み作りと凄く忙しいのですが、3人いたので分担することができました。それぞれバックグラウンドがバラバラで、田中は記者、河は人材紹介業とそれぞれの知見を活かした役割分担を意識していました。

また、最初はそれぞれの友人や関係者に声掛けして登録者を集めたのですが、半年で80人集められました。1人で80人集めるのってかなり大変ですけど、3人集まると3倍の力が出せるというか、起業スピードがかなり早くなるのを感じましたね。

 

もしこれから起業する人がいたら、誰かと一緒にやることをおすすめしますね。

経営者って、特に最初や数年経った後が顕著なんですが、ずっと孤独なんです。

私は3人でやっていても孤独感を覚えたことがありますが、誰かがいることで孤独感はかなり抑えられます。

経営者は常に冷静でいないといけないので、孤独感によるストレスが薄れ、単独の視点ではなく、複数の視点をとりいれながら事業構築ができるるメリットは大きいですよ。

 

経営していて、一番大変だったことは何でしょうか?

色々とありますが、想定外の事態という意味だと、起業した後にもライフイベントは起きることです。

私は創業6年目で夫が海外転勤になり、普段はベトナムに住んでいます。

夫の海外転勤が決まったタイミングではいくつか選択肢があって、会社のために私だけが残るか、あるいは責任者を辞めて家族と一緒に行くか、最後の選択肢として仕事しながら家族と一緒に行くかでした。

一番大変だけどワクワクするという理由で最後の選択肢を選び、創業仲間や会社の仲間もそれを許してくれたのですが、私がベトナムで河が福岡、田中が東京と共同代表がバラバラになりました。

 

共同代表が分散したことの会社へのインパクト大きく、直接のコミュニケーションが取れなくなって、現場の判断も今まで通りできなくなりました。

そこで遠隔地のやり取りでも仕事がまわる仕組みを作り、リモート経営で乗り切ってきましたね。おかげで、新型コロナウイルスの緊急事態宣言発出時も、業務が滞ることなくリモートワークに対応できました。

 

今後の夢や会社としての展望を教えてください

私がベトナムに帯同した経験から、海外駐在帯同者など、働き方に制約がある方に仕事の機会を創出しているインサイドセールスBPO事業も、引き続き行っていきたいですし、、海外帯同者のみならず、介護、病児ケアをしている方など働く時間や場所に制約がある方々の力の活用も検討の余地があると考えています。

また、今の事業で実績を積み上げていくことを大切にしつつ、より社会にインパクトのある形で私たちが提案する働き方を広めていきたいと考えています。

具体的には、企業が多様な契約形態のフリーランスで働く人を受け入れやすくなるプラットフォームやシステムなどの仕組みづくりをしたいですね。

 

最後に、印象に残った本やお気に入りの本を教えてください

最近読んだ本で、2冊おすすめの本があります。

1つ目は、江副浩正さんの半生を書いた『起業の天才!』という本です。

リクルート創業者である江副浩正さんが、起業してリクルート事件で失脚するまでを書いた本で、起業時の仲間集めのやり方や、従業員全員が経営者だと自覚を持った組織の作り方がリアルに書かれていて参考になりました。

人の動かし方も書いてあるため、起業する人におすすめの本です。

 

2つ目は、『リフレクション 自分とチームの成長を加速させる内省の技術』という本です。

リーダーは自分自身を知る事がすごく大事で、自分を知ることの基礎の基礎が書いてある本です。自分自身を知った上で、チームマネジメントにどう活かすかが、上手にまとめられている印象を受けました。

 

・『起業の天才!: 江副浩正 8兆円企業リクルートをつくった男』 大西 康之  (著)

「ベンチャー不毛の地」となった日本に必要な「起業家の資質」とは何か。 リクルート事件の大打撃を乗り越え1兆8000億円の負債を自力で完済、 株式時価総額で国内10位にまで成長した「奇跡の会社」はどのようにつくられたのか。 苦境に立ち逆風に向かうすべての日本人に贈る、 歴史から葬られた「起業の天才」の真の姿。

Amazon URL
https://www.amazon.co.jp/dp/4492062165/

 

・『リフレクション(REFLECTION) 自分とチームの成長を加速させる内省の技術』 熊平 美香  (著)

すべての経験が糧になる、リーダーの新・必須スキル!
【意見】【経験】【感情】【価値観】で自分を知り、未来に活かす!

■自分を変えるために、自分と向き合う
リフレクション(Reflection)とは、自分の内面を客観的、批判的に振り返る行為です。
「振り返り」「内省」という言葉には、どのようなイメージを持っているでしょうか?うまくいかなかったことを反省したり、責任を追求されたり、どこかネガティブなイメージを抱いてはいませんか?
しかし、リフレクションの目的は、あらゆる経験から学び、未来に活かすことです。
このスキルを応用していくことで、自分自身だけでなく、他者への理解を深めて成長を促進したり、組織をまとめるリーダーシップを育んだりすることができます。

Amazon URL
https://www.amazon.co.jp/dp/4799327100/

 

投稿者プロフィール

『社長の履歴書』編集部
『社長の履歴書』編集部
新入社員を含めたフレッシュなメンバーを中心に、出版サポートの傍らインタビューを行っております!

就活生に近い目線を持ちつつ様々な業種の方との交流を活かし、「社長に聞きたい」ポイントを深掘りしていきます。

代表者様のキャリアを通して、組織の魅力が伝わる記事を発信していけるよう、これからも一生懸命運営してまいります!