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株式会社トラーナ代表 志田典道氏

 

今回は株式会社トラーナ代表、志田典道氏にお話を伺ってきました。

「社長の履歴書」だけの特別なインタビューです。

ぜひご覧ください!

 

 

会社名称 株式会社トラーナ
代表者 志田典道
設立 2015年3月6日
主な事業 知育玩具のサブスクリプション・レンタルサービス “トイサブ!”の企画・運営
社員数 フルタイム37名。パートタイム約200名(取材時)
会社所在地 東京都中野区丸山1−12−8 EFGビル7階
会社HP https://torana.co.jp/

 

 

 

事業内容について教えてください

お子さんの成長に合わせた知育玩具をサブスクリプションでレンタルできるサービスを提供しています。月額定額の料金をお客様にお支払いいただき、当社から成長に合わせたおもちゃを選定、お貸し出すビジネスです。お子さんごとに成長のフェーズが違うので、成長フェーズに合わせてお子さんに対してベストだと思われる知育玩具を選定、お届けしています。お客様がおもちゃを一度使ってみて、気に入ったら継続したり、購入したりできる仕組みです。お子さんがおもちゃで遊ばなくなったなと思ったら当社へ戻すこともできます。

おもちゃの評価データをたくさん持っているのが当社の強みになっています。このデータを元に子どもに対してどんなおもちゃがベストで、どんな成長に貢献するのかのエビデンスがあるため、お客様の継続率が毎月95%以上になっています。満足度が非常に高いサービスだとお客様から評価いただいています。現在、1万5000世帯以上にサービスをお届けしてしています。個数でいくと4万個以上のおもちゃが毎月流通していて、各家庭を循環しています。

 

サービスを利用するとどのようなメリットがあるのでしょうか?

当社のサービスを卒業した親御さんとお子さんにインタビューしてたことがあるんですが、遊びが上手なお子さんが多いなと感じました。当社のサービスを卒業した方のデータはとっていませんが、適切な時期に適切な知育玩具で育ったお子さんは成長発達が早いのかなと感じています。

 

学生時代に熱中したことはありますか?

自分の人生を変えたのは大学時代です。複数の大学の学生が集まって行う、学生のためのビジネスプランコンテストKINGというサークルに参加していました。このサークルから世の中に出たサービスもあります。全国から学生が集まって7泊8日の合宿型のイベントの中でお題が出て、考えたアイディアを社会人の先輩に評価してもらうという活動で、人生を変えるきっかけになりました。最初の2005年には参加者でしたが、2006年には運営側としても参加しました。

そしてこのサークルメンバーと学生起業したことも思い出の1つです。ウェブ制作や新卒採用向けのパンフレットの作成を社会人1年目までやっていました。メンバーが就職していくのを見て、残ったメンバーでこの先どうするかを考え、会社は知人に譲渡することになりました。

 

起業前のお仕事で頑張ったことなどはありますか?

台湾の製造業の会社に在籍している際に、日本支社を作るというプロジェクトができました。私がプロダクトマネージャーに選ばれ、太陽光発電の電力を計測して無線でデータで飛ばす機械の製造や、宅内無線装置の製造を行っていました。実際に市場に導入したところ、一定の確率で量産品がデータを送信出来ていないというのが発覚し、ほぼ全台回収して交換したという経験がありました。

問題が発生してからは次の問題が発生し、全く収まることがなく、1週間ほどトラブルシューティングをしていました。クライアントの信頼を失ってしまい、クライアントのオフィスにほぼ常駐して、お風呂も行かず深夜の2時ぐらいにそばを食べるだけで、またオフィスに戻って仕事をするという状態でした。ハードウェアを提供した後のインパクトがここまであるのかと責任を感じました。それ以前はソフトウェアのエンジニアをやっていて、自分達ではない要因で問題が起きてお客様にご迷惑をおかけすることはありましたが、製造業は問題がおきれば全てを回収し、直さなければならないことを学びました。この経験は大変でしたが、私を成長させてくれました。腹をくくって、絶対にやり切る力がついたと思っています。

 

そこから起業されたきっかけは何でしょうか?

2015年に今の会社を設立しました。その背景として私に子どもが生まれて、もっと成長に繋がるような機会を提供したいと思っていたことがあります。子どもの体や頭が良くなるという教育や方法は昔からたくさんありました。しかしこの考え方は「全員が同一の基準を達成する」という教育方法で、とても古いと考えていました。

それに加え、2015年はキャラクターのおもちゃが主流で知育玩具はあまり一般的ではありませんでした。もっと成長に貢献するおもちゃを子どもに提供したいと考えていましたが、知育玩具は高いし自分の子どもが遊ぶかも分かりません。例えば、家電等は購入前に試すことができますし中古市場も活発です。しかし子ども向けのおもちゃは試すことができないので、買って失敗するのが嫌だなと考えていたんです。選んだ知育玩具が子どもにとって正解か、親は分かりません。プロがおすすめしてくれて、子どもが必要なときに必要な知育玩具を提供してくれるサービスがあればいいなと思い、今の会社を創業しました。

 

起業してから一番苦労した出来事はなんでしょうか?

2021年の7月から9月ですね。この頃、新型コロナウイルスでお休みになる保育園が多くなっていました。当社で玩具の選定や発送をおこなっているスタッフは、保育園にお子さんを通わせるパートタイムの方が多く、社会インフラである保育園が休みになることでスタッフが働くことができませんでした。当社の供給が遅れてサービスが時間通りに提供できないため返金対応を行っていました。社会のインフラが止まることはこんなにもインパクトがあるのかというのは、読み切れなかった部分でした。

 

具体的な対応はされましたか?

当社は現在、東京と千葉の2拠点で運営しています。問題が起きた後は千葉センターをさらに強化しました。人口密度から考えて東京が先に新型コロナウイルスの問題が発生し、後に千葉や埼玉、地方に広がっていき、その間に東京が回復してくる様子を見ていました。2拠点体制にすることによってどちらかのインフラが崩れてしまったとしても、業務をカバーすることができます。また人員増強や教育に力をいれてサービスの遅延を起こさない体制を構築しています。

 

今後のご展望はありますか?

今後の夢は大きく2つあります。

1つ目は知育玩具のサブスクリプションからもっとお子さんの成長発展に貢献するようなサービスに進化させていくことです。具体的には、今私たちが提供しているおもちゃには成長できるエビデンスや論文がすでにあります。ただ発達段階はお子さんによって大きく異なります。もっとお子さんが、どういう成長発達をしていくのかを見える化できるサービスに仕上げていきたいです。そうすることで、おもちゃのサブスクリプションからより社会にとって必要なサービスになっていくと思っています。

2つ目は世界にサービスを広げていくことです。日本ではシェアやレンタルなどのサービスが普及していますが、他の国では新しいサービスとして捉えられています。将来20年も30年後に、外国の子ども達が「知育玩具のサブスクリプションを使ってた」と言ってもらえるような社会的インパクトを残していきたいです。

 

経営者におすすめの本はありますか?

『PLAY BIGGER』です。どんな切り口でビジネスをしていくか、そのカテゴリをどう設計するのかで、カテゴリーリーダーになれる・カテゴリを大きくし、大きな市場が掴める可能性があるという本です。最近読んだ本で1番良かったです。

本の表紙画像: Play Bigger: パイレーツ、ドリーマー、イノベーターが市場を創造し支配する方法

【url】

https://www.harperbusiness.com/book/9780062407610/

 

 

投稿者プロフィール

『社長の履歴書』編集部
『社長の履歴書』編集部
新入社員を含めたフレッシュなメンバーを中心に、出版サポートの傍らインタビューを行っております!

就活生に近い目線を持ちつつ様々な業種の方との交流を活かし、「社長に聞きたい」ポイントを深掘りしていきます。

代表者様のキャリアを通して、組織の魅力が伝わる記事を発信していけるよう、これからも一生懸命運営してまいります!