今回は株式会社ティ.アイ.プロス代表、杉本洋一氏にお話を伺ってきました。
「社長の履歴書」だけの特別なインタビューです。
ぜひご覧ください!
会社名称 | 株式会社ティ.アイ.プロス |
代表者 | 杉本洋一 |
設立 | 1995年7月 |
主な事業 | 理美容電気機具製造販売 業務用電気機具製造販売 |
社員数 | 8名(取材時) |
会社所在地 | 京都府宇治市槇島町落合144-7 プロニクスビル3F |
会社HP | https://www.tipros.co.jp |
現在の事業内容を教えてください
株式会社ティ.アイ.プロスは1995年に創業し、起業当初は生ごみ処理機の製造やプリント倶楽部の開発製造などを行ってきましたが、現在の主力事業は最新のテクノロジーを導入した理美容関係と電気機器の製造販売です。サロン業務で使用するヘアアイロンやヘアスチーマー、カラー剤を混ぜるミキサーなどを販売しています。またそれに伴い、付帯する商品や身近な商品も取り扱っています。理美容機器をはじめ、産業機器の企画・設計・生産・輸出入までのトータルサポートができる部分も弊社の強みです。
「お客様の欲しいモノを形にする電気機器メーカー」をモットーに開発をしていますので、商品を新しく作りたい方や困り事がありましたらお気軽にご連絡ください!
URL:https://www.tipros.co.jp/contact/
何かPRしたいことはありますか?
スチームの力で洗髪を可能にするヘアケア商品の開発、普及に取り組んでいます。
「LAPRE SHAMPOO STEAMER ラプレシャンプースチーマー」という商品は特殊なスチームで洗髪をする(システムで特許取得済み)全く新しいコンセプトのヘアースチーマーシステムです。頭皮と毛髪の汚れを専用シャンプーとスチームの力で浮かび上がらせタオルで拭き取るという、お湯で洗い流さなくてもきれいに洗髪ができる画期的なヘアスチーマーを開発しました。
この商品は寝たきりの状態の方や水の確保が難しい状況でも使用することができるので、介護現場のほか、地震など自然災害が発生した被災地の避難所などでもご利用いただけます。
実際に弊社では被災地への商品の無償貸与なども積極的に行っております。
学生時代の思い出について教えてください
そうですね。私が子供の頃は戦後の時代で、ボールを使った遊びをよくしていました。ソフトボールだったり、町内会の運動会だったりが楽しかったです。
また、母親が日本舞踊の出稽古に行っており、その師匠が私をすごく可愛がってくれました。子役がいないからと私が舞台に出演したこともありました。行儀作法はとても厳しく、学ぶことも多かったですね。
また、幼い頃に父を亡くし祖母と母と暮らしてきたので、一生懸命勉強して、良い会社に就職をしたいと考えていました。高校卒業後は働きながらお金を貯めて立命館大学に進学しましたが、学生運動が激しくなり中退しました。自身で稼いで貯めたお金で通っていたので、学生運動の影響で授業が開講されない状態が続くと、通う意味が見いだせなくなってしまいました。
その他、中学・高校時代は野球に勤しんでいました。野球は昔から好きで、社会人になってからも続けていましたね。ちなみに現在は4年制大学のハンドボール部で顧問をしています。
卒業後はどのような仕事をされていたのでしょうか?
私の住んでいた京都の西陣エリアは西陣織が有名で、近所にも下請けで内職をしたりする人が多かったのですが、物心つく前から業界の裏側も見ていたので地元の産業を仕事にしようとは考えていませんでした。
それよりもちゃんと会社に入って仕事をしたいな、と考えており、ご縁があって京都の電線メーカーに就職しました。最初は経理や購買を担当し、営業や現場に行って勉強するところからスタートしました。技術者と打ち合わせして、問題があれば専門家と話し合うなど、電気の回路やものづくりの基本を学びました。
この会社での経験が私の仕事人としての土台にあります。
どうして退職を考えたのでしょうか?
会社の体制が変わり、新しい事業が軌道に乗らなかったなどが積み重なってとても辛い時期を過ごしていました。ある時、取引先から「別会社を作ってそこで部品を取り扱ってくれないか?」とお話をいただきました。経理も部品作りも理解していたので、せっかくいただいたお話を受けることにし、友人と一緒に大手家電メーカーの協力会社を立ち上げました。
しかし、新しい技術ができてコストダウンができる会社があれば、仕事を繋げるためにコストをお客様に還元してばかりで、会社の利益が上がらない事が多く、せっかく起業しても結局のところは価格競争になってしまうところに悲しさを感じました。そこから会社を辞めて新しい製品を作る現在の会社を立ち上げました。技術(technology)と発想力(Idea)で会社を繁栄(prosperity)させていきたいという思いから「株式会社ティ.アイ.プロス」と名付けました。
経営している中で大変だったことはありますか?
1999~2001年はとても苦労しましたね。取引先の倒産、メインバンクの破綻により、損害額1億4千万円、預金額ゼロの経営難に陥りました。世の中も不況で銀行が破綻したり、知人の会社が潰れたりなどと世の中がめちゃくちゃでした。
そんな時に美容のヘアアイロンの開発の依頼がきて、美容業界に参入し始めました。OEMでヘアアイロンを2000台から3000台作って欲しいというご依頼内容で、この美容事業の展開をしたことで当社の経営状況が改善し、利益が出るようになりました。
ちなみに、なぜ美容業界への参入ができたのかというと、前職の協力会社ではプラスチックや樹脂、金属の知識と技術を習得し製品化することに携わったのですが、その際に家電メーカーのドライヤーや美容器具も作っていたので、OEMでのヘアアイロンの開発を受けることができました。
全ての経験が今の事業に活かされていると実感しています。
仕事をする上で何を大切にしてきたのでしょうか?
大企業には何をやっても勝てません。だからこそ大企業がやらないニッチな事業を狙ってきました。そして良いものを作ったら必ず広告をしなければなりませんし、投資してお金を借りるだけではいけません。
例えば当社は、インスタントカメラがその場で写真を現像するのを見て、私たちはプリント倶楽部を開発しました。またWindowsが発売されたのを機に、データCD交換で仕様変更を可能にした技術を日本で1番早く打ち出しました。
当社は今年で30周年を迎えるのですが、会社を守る覚悟を持つようにしています。社員からしたら家族もいるため、私は自分勝手に会社を潰せません。人に迷惑をかけないことを信条にし、とにかく自分が正しいと思うことをやってきました。
起業する際に気をつけることはありますか?
あれこれ手を出しすぎないことですね。大きい企業であれば多角化展開は必要ですが、中小企業は1本大きな幹を作り、その幹を太くしていくことを考えて欲しいです。そしてコストを下げる工夫をして欲しいです。中国や台湾、最近では韓国でとても安く仕入れができますので、コストのバランスを考え、他国に負けない品質と技術を考えて展開ができると強い企業になっていくと思います。当社に興味があったり、アドバイス等できることがありましたら一緒に事業を行うこともできますのでお気軽にご相談ください!
URL:https://www.tipros.co.jp/contact/
今後のご展望について教えてください
現在主力商品となっている「LAPRE SHAMPOO STEAMER ラプレシャンプースチーマー」ですが、どこの病院・施設でも必要な方がご利用できるようになるまではまだまだクリアしなければいけない課題(介護保険の適用など)が多くあります。
もちろん、在宅で介護を受けられている方や医療器具を装着した状態で、ご自宅で過ごされていらっしゃる方にもご利用いただきたいです。そのためにも、誰もが快適な日常を送れるよう、誰もが手に取れる製品になるよう、邁進してまいります。
(写真上:ラプレシャンプースチーマーMA(6㎏)→持ち運び可能/写真下:ラプレシャンプースチーマーAT(12㎏)→病院・施設用 )
他の経営者におすすめする書籍があれば教えてください
会社にとって不利益なことをしないように、きちんと良い製品を売って、無駄なことはしないように気をつけています。経営する上では誠実であることを大切にしているので、『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』をお勧めしています。この本を読むことで経営者としてのあり方をしっかりと見つめ直すことができます。
ぜひご覧ください!
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投稿者プロフィール
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新入社員を含めたフレッシュなメンバーを中心に、出版サポートの傍らインタビューを行っております!
就活生に近い目線を持ちつつ様々な業種の方との交流を活かし、「社長に聞きたい」ポイントを深掘りしていきます。
代表者様のキャリアを通して、組織の魅力が伝わる記事を発信していけるよう、これからも一生懸命運営してまいります!
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