今回は株式会社RISEの代表取締役、半澤 清哉(はんざわ せいや)氏にインタビューをしました。
半澤さんは2021年4月に会社を設立し、卵の卸販売とクラウドファンディングのサポートという2つの柱で事業を展開されています。
卵は半澤さんの実家でもある、61年創業の養鶏場から仕入れたもの。「いずれは実家の事業を」という思いを抱きながら、創業やマーケティングの経験を積むために、顧客数の拡大が見込める関東で起業を決断されました。
そんな半澤さんの起業までのエピソードや今後の展望まで詳しく伺ったインタビュー、ぜひ最後までご覧ください。
株式会社RISE 会社概要
会社名称 | 株式会社 RISE |
代表者 | 代表取締役 半澤 清哉 |
設立 | 令和3年4月2日 |
主な事業 | 食品・地域特産品・鶏卵・鶏卵加工品の卸売、広告、イベント事業 |
会社所在地 | 〒233-0001 神奈川県横浜市港南区上大岡東2-33-14-102 |
会社HP | https://rise-cocco.co.jp/ |
まずは事業内容を教えてください
生卵や、鶏卵加工品の卸販売とクラウドファンディングのサポートをしています。
実家が山形県で卵の生産から販売までを行う会社をやっており、自社の養鶏場で採れた卵を飲食店や小売店中心に販売するという形ですね。
山形でのマーケティングは、人口減少も重なり縮小規模になってきているので、早めに手を打とうということで、関東でスタートしました。
半澤さんの実家の養鶏場の卵
クラウドファンディングの事業は当初からされていたのでしょうか?
はじめは実家の自社ブランドの卵を使ったジェラートをクラウドファンディングで展開しました。目標金額を大幅に上回って達成することができ、それがきっかけで全国の方々に実家の卵やジェラートを知っていただくきっかけになりました。
この時に、クラウドファンディングは従来の資金調達というイメージから、広告や新商品展開の際のひとつのツールとして使うのが望ましいのではないかと感じました。
以前からクラウドファンディングに関するお問い合わせはありましたが、それ以降から特に増えたことから「もしかしたら事業にできるかもしれない」と思い、他の方のクラウドファンディングのサポートを始めることにしました。
ご実家の養鶏場の卵を使って起業されたのはなぜでしょうか?
実家の養鶏場は、祖父の代から山形県で始まった会社です。創業61年なので、僕が産まれる前ですね。
半澤さんの実家の養鶏場の鶏たち
僕自身は普通の大学生活を送っていたのですが、将来どうするかを考えたときから、徐々に実家の会社を継ぐことを考え始めました。
大学卒業したのと同時に、修行の意味を兼ねて別の卵屋さんに就職して、いずれ実家に帰ろうかなと思っていたのですが、働いている中で「このままでいいのかな?」、「このまま実家に戻って、僕は何をやるのかな?」「経営なんてできるのかな?」など色々考えるようになって、「実家に戻る前に自分で起業する」という選択肢が出てきました。
山形県産の実家の卵を販売することで、「生まれ育った地元に何かひとつでも返したい」、「祖父がどういう思いで会社を作ったのかを知りたい」、「僕が継いだ時にすぐ力になりたい」、そんな思いもありました。
起業を本格的に意識されたのはいつ頃ですか?
お笑いタレントで絵本作家の西野亮廣さんのサロンに入った経緯があったのですが、その中で交流させていただく大人の方々でキラキラしている方がたくさんいらっしゃって、自分のやりたいことや、目標に向かって突き進んでいる方がもの凄く多くて。その中で「一歩踏み出したい」、「ひとつ自分の力で何かを始めてみたい」という思いが芽生えて、徐々に起業に向かっていったという感じですね。
それと、私は2021年11月が生まれてから10,000日目の年だったのですが、起業家の先輩方から「半澤君、10,000日目で起業してみたら?」っていうアドバイスをいただいたことがあって、それも企業のひとつのきっかけとなりました。
起業して大変だったエピソードは何かありますか?
売上を作るのがこんなに難しいのかと凄く感じました。
アテや人脈があるわけでもないので、コツコツやってやっと売上が立つようになったという形です。
家業の創業者の祖父は、昔から周りに人が集まっているような人だったのですが、もしかしたら、祖父も最初はそういう人との関わりを深めるところから最初はスタートしたのかなと思いました。
僕もスタートの時は周りに人があまりいなかったですけど、事業をしていく中で色々なところに足を運ぶようになり、心強い仲間が少しずつ増えてきて、まだまだなところばかりですが、祖父がしていた経営はこういうことなのかなと思っています。
商品は「卵」ですが、どうやって卵をブランディングしたのでしょうか?
関東で勝負するには「価格」と「それに見合う価値」のバランスが重要だと思っていました。よく考えずに価格を設定して商品特徴を謳って販売しても売れないですし、良さが伝わらないですよね。
それで、「卵の良さ」の前段階の、鶏の種類や育て方、与えるエサの違い、育った環境などを発信しようと考えました。
少し専門的な話になりますが、日本に流通している卵の94%は外国産の鶏から産まれた卵です。
その中で、実家の卵は残り6%の純国産の鶏を育てておりましたので、そこで産まれた卵は希少かつ、こだわりの卵として見ていただけるのではないかなと思い、発信方法を工夫し、飲食店や小売店に提案したところ、想像以上に共感していただけたことが自信につながりました、
また、実家では「生卵」以外にも「半熟の燻製卵」もオリジナルブランド『スモッち』として展開しているのですが、今は関東のスーパーや飲食店でもお取り扱いいただいています。
以前は新幹線の車内販売でも販売していたのですが、コロナの影響も重なって人々の移動が減り、車内販売の売上が著しく下がってしまいました。
その後に、僕も起業して関東のスーパーや飲食店に提案を行い、少しづつ口コミも広がって興味を持っていただける機会が増え、売上も回復傾向になりました。起業したタイミングも良かったなと思っています。
半熟の燻製卵「スモッち」
今後の展望を教えてください
卵はオールマイティでどんな料理にも合う食材ですが、それ単体ですとなかなか目に留まりにくいため、これからも特に加工の分野で商品開発をしながらお客様の元に届けられたらと思っています。たまごジェラートもあくまで一つのきっかけに過ぎなくて、ジェラートで利益を取るというよりは、まずはジェラートを食べてもらって、「次は生卵食べてみようかな」というシナジー効果として、そのきっかけになればいいなと思っています。
クラウドファンディングについては、現在はありがたいことにどんどんご紹介でお仕事もいただいております。
クラウドファンディングは、元々は自分の商品をもっと拡げたいと思ってやっていたのですが、今は僕が携わったものが、誰かの成功に繋がることに凄くやりがいを感じています。僕が少しでも力になれるのであれば、クラウドファンディングで目標を達成し、その先の夢に近づける人をこれからも増やしていきたいと思っています。
他に、今後力を入れたいと思っていることはありますか?
タイミングを見計らってではありますが、VR事業にも挑戦したいと思っています。
鶏が生活しているところって、病気のリスクや防疫の観点から人が立ち入ることがなかなかできないのですが、鶏がどう育てられてきて、どのように卵が産まれて、どんな経路を辿って皆さんの食卓へ並ぶのか、食育の一環として知ってほしいなという気持ちで、挑戦したいと考えております。
VRについてはまだまだ勉強不足なところもありますが、今後そういった展開をしていけたら、より社会貢献にも繋がるのかなと思っています。
記事を読まれる方にメッセージをお願いします
「いけ!いけ!やれ!やれ!」とはあんまり言いたくないのですが、「いつか起業したい」「自分で事業をしたい」という思いがある方には、その夢を叶えて欲しいと思いますし、やってみないと分からないことって凄く多いと思います。
でも、ある程度の事業プランというか、起業してどうしたいのかが具体的になっていないなら、すぐに起業するのはおすすめできません。僕は起業時に苦労したという経緯があるので、やっぱりある程度自身の中で勝算があるプランが出来上がってから起業する方が良いのかなと思います。
僕は起業して、創業の精神を身を持って知ることができました。事業を継承する中で自分の力で社会に挑戦するのは、やりがいや言葉では言い表せられない困難があると思いますが、そういったものを経験すれば、大きく成長できるのではないかなと思います。
最後に、半澤氏おすすめの一冊のご紹介です!
『新世界』。芸人、絵本作家など多彩な活動をしている西野亮廣氏のビジネス書。
現在有料会員制コミュニティーは会員数5万人超と国内最大規模となっています。
どのような状況でも挑戦をし続けている西野氏は「勇気より情報が必要」だと説きます。「これからの時代をどう生き抜くか」、そのヒントが記されている本書。
半澤さんも「自分のお手本。起業するにあたり背中を押して貰った」と語ってくれたこちらの『新世界』、ぜひ手に取ってみてください。
『新世界』西野 亮廣 (著) www.amazon.co.jp/dp/B07K2YSF3H
「キミに必要なモノは『勇気』なんかじゃない。『情報』だ」 常に挑戦を続け、常に注目を浴び続け、本を出版すれば全作ベストセラー。 時代を牽引する革命家・西野亮廣が語る「一歩踏み出す為に必要な情報」とは? そして、西野亮廣が見た『新世界』とは? 今、世の中で何が起きていて、二年後に何が起きるのか? 「大丈夫。まだ間に合う」 |
投稿者プロフィール
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新入社員を含めたフレッシュなメンバーを中心に、出版サポートの傍らインタビューを行っております!
就活生に近い目線を持ちつつ様々な業種の方との交流を活かし、「社長に聞きたい」ポイントを深掘りしていきます。
代表者様のキャリアを通して、組織の魅力が伝わる記事を発信していけるよう、これからも一生懸命運営してまいります!
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