今回は株式会社プロの副業代表、大村 昂太朗氏にお話を伺ってきました。
「社長の履歴書」だけの特別なインタビューです。
ぜひご覧ください!
会社名称 | 株式会社プロの副業 |
代表者 | 大村 昂太朗 |
設立 | 2024年9月3日 |
主な事業 | プロシェアリング事業 |
会社所在地 | 〒150-0044 東京都渋谷区円山町3-6 E・スペースタワー6階 |
会社HP | https://profuku.co.jp/ |
事業内容について教えてください
株式会社プロの副業は株式会社Full Bet Groupの関連会社として2024年9月に設立されました。
プロ人材のための本業スキルを活かした副業紹介サービス「プロの副業」を主力サービスとしています。
これはマーケティング、広報/PR、人事、財務、エンジニア、デザイナーなど、各分野で経験を積んだプロフェッショナル人材を、企業とマッチングするサービスです。副業やフリーランス市場が拡大する中で、私たちは本当にプロと呼べる人材を企業につなぐことを徹底しています。
サービスの詳細については、下記URLをご参照ください。
コーポレートサイト→https://profuku.co.jp/
サービスサイト→https://profuku.com/
プロシェアリング事業は近年増えてきておりますが、「プロの副業」ならではの取り組みを教えてください
副業・フリーランス市場の中でも、プロ人材の領域は現在大きく成長しています。一方で、ご指摘のとおり同業他社も数多く参入しており、競争の激しい市場でもあります。その中で、当社が差別化のために注力している点は主に2つあります。
まず1つ目は、集客・採用のアプローチです。当社では100%外部広告に頼ることはせず、独自にリアルマーケティングチームを組成し、優秀なプロ人材を個別にヘッドハンティングしています。SNS広告やFacebook広告などを活用して「副業・フリーランスを月◯万円から始めませんか」といった訴求を行う企業も多い中で、当社はあえてそうした手法を取っていません。時間はかかりますが、各企業で確かな実績を積んできた真のプロ人材に対して、1人ひとり丁寧にアプローチし、コミュニケーションを重ねた上で企業様にご紹介しています。もともとプロフェッショナル人材は、口コミやリファラルによって自ら案件を獲得できる方が多く、外部サービスを必ずしも必要としない層です。だからこそ、当社が提供すべき価値は、そうしたハイレベルな人材を見出し、企業と結びつけることにあると考えています。
2つ目は、契約更新率の高さです。現在、初回契約からの更新率は90%を超えており、非常に高い水準を維持しています。これは1つ目の取り組みの成果でもありますが、背景には当社グループ全体の強みもあります。当社はFull Bet Groupの一員として、正社員のマッチング事業などでも高い顧客満足度を実現してきました。そのノウハウを副業・フリーランス領域にも活かし、人材・企業双方の満足度を高めています。その結果、ご利用者様からの紹介も増え、より質の高いマッチングへとつながり、更新率の向上に結びついています。
以上の2点、すなわち「広告に依存せず、優秀な人材を属人的に発掘すること」と「顧客満足度に基づく高い更新率」が、当社の大きな差別化要素であると考えています。
プロ人材の獲得のためにヘッドハンティングをする、というアイデアは創業当時からあったのでしょうか?
いいえ。事業を進めるなかでこの方法がベストだと判断しました。
立ち上げ当時を振り返ると、「お客様目線でのプロ人材とは何か」という点を、今ほど深く理解できていたわけではありませんでした。「プロ人材」という言葉は一見すると明確に思えますが、実際には定義が曖昧であり、さらに企業や業態によってもその捉え方は大きく異なります。多くの企業様と打ち合わせを重ねる中で、そのことを強く実感しました。
だからこそ、本当の意味であらゆる業界・領域に寄り添えるプロフェッショナルを、一人ひとり丁寧にご案内できる体制を整える必要があると考えるようになりました。この2年間でその思いを強くし、実際に体制を改善・再構築してきたという経緯があります。
当社では、キャリアを上げる副業情報をまとめた「プロフクMAGAZINE」というウェブメディアを運営しています。副業を始めたいと考えていらっしゃる方に向けたコンテンツとなっていますので、キャリアや業種ごとの仕事内容にご興味のある方はぜひご覧ください。
プロフクMAGAZINE→https://profuku.com/magazine/
ここからは大村社長のことをお聞かせください。学生時代はどのように過ごされましたか?
富山県出身で、小学校から高校まで野球部に所属し、勉学にも真剣に向き合ってきました。振り返れば、文武両道を大切にした学生生活だったと思います。
両親がともに教員だったことから、非常に教育熱心な環境で育ちました。そのため、授業はもちろん、部活動や生徒会活動といった学校生活のあらゆる面において「手を抜かず真剣に取り組むこと」を幼い頃から繰り返し教え込まれてきました。価値観が形成される時期にそうした姿勢を徹底的に伝えられたことは、今でも記憶に残っています。
また、もともと大学に入るまでは教員を志していました。最も身近に見てきた職業であったことから、自分にとっても親近感が強く、自然と目指すようになったのです。そのため進学先も教職課程を履修できる大学を選び、国公立で4年制卒業、かつ留学が可能であることを条件にしていました。
ところが、大学在学中に経験した留学やインターンを通じて視野が広がりました。1年間スペイン・バルセロナに留学し、その後はベトナムでビジネスインターンに参加しました。特にベトナムでの経験では、ビジネスの持つ可能性や、人の能力を開花させる場面を数多く目にしました。その体験を通じて、「自分も今度はそうした価値を提供する側になりたい」と強く思うようになったのです。
結果として、大学2年生の後半から3年生にかけて、進路を教員志望から民間企業志望へと切り替え、自分のビジョンを改めて見つめ直すことになりました。
留学中に特に印象に残ったことはありますか?
現地で活動していたある芸術家の方からいただいたアドバイスが特に印象に残っています。
当時、私は大学2年生で就職活動のことを少し意識し始めていた時期でした。キャリアに関する相談をさせてもらった際、その方から「今の段階で、自分のやりたいことを完全に見つけようとするのは難しい」と率直に言われたのです。むしろ「今ここで一生の仕事を決める必要はない。目の前にある機会やきっかけに積極的に手を伸ばし、その経験の積み重ねによって、30代・40代になったときに初めて『自分の得意分野はこれだ』『この領域で価値を提供していきたい』と思えるものが見つかる」とアドバイスをいただきました。
それまでは「留学中に必ず自分の得意分野を見つけなければならない」「明確に言語化できるようにならなければならない」と自分を追い込んでおり、かえって窮屈さを感じていました。しかし、この言葉をきっかけに肩の力が抜け、むしろ目の前にある機会やきっかけに貪欲に取り組み、経験を重ねていくことが大切だと考えられるようになりました。これが、自分にとって大きな転機となったエピソードです。
新卒で入社した会社での経験は、今にどう繋がっていますか?
就職活動では、人材系を中心に受け、2020年に株式会社Full Bet Group(旧:株式会社リアホールディングス)に内定をいただきました。そして、株式会社HR team(旧:株式会社リアステージ)に配属され、キャリアアドバイザーとしてキャリアをスタートされました。
私が当時携わったのは、「ジョブコミット」というサービスです。ジョブコミットはちょうどコロナ禍に急速に拡大していくフェーズにあり、新卒紹介事業領域においても、業界2番手・3番手から1番手を目指していくという挑戦的な時期でした。
その中で大切にされていたのは、「目の前のお客様にどう価値を提供できるか」を徹底的に追求する文化です。口コミや紹介にもつながるような取り組みを意識しながら、常に顧客と真摯に向き合う姿勢が求められていました。
私自身も新卒1年目としてキャリアアドバイザーを務め、目の前の学生に対して、どのような言葉を選び、どのようなコミュニケーションを取り、自分はどんなスタンスで向き合うべきかを日々突き詰めながら取り組んでいました。
この経験は、現在のチーム作りや組織運営に大いに活かされていますし、「お客様が本当に求めるプロ人材とは何か」という定義を考える上でも、大きな基盤となっています。そうした意味でも、ファーストキャリアとしてキャリアアドバイザーを経験できたことは、自分にとって非常に大きな財産になっていると感じています。
最初はどのようなキャリアプランを描いていましたか?
正直に申し上げると、当時は今のようなキャリアを描いていたわけではありません。大学時代の留学中に出会った方々からいただいた言葉や、その方々の生き方に触れた経験、さらにはベトナムでのビジネス経験が、人材ビジネスに関心を持つきっかけになりました。その中で、「人にきっかけを与えられる存在になりたい」という思いが強く芽生え、その思いを100%体現できる職業がキャリアアドバイザーだと信じていたのです。
そのため当時は「いかに目の前の選択肢を追求し、キャリアアドバイザーとして成果を出していけるか」ということに意識を向けていました。事業を横断的に立ち上げる立場を志すよりも、まずはキャリアアドバイザーとして確かなパフォーマンスを発揮し、結果を残しながらキャリアを積み上げていく。その程度の粒度でしか、自身のビジョンを描けていなかったのが当時の私だったと思います。
経営者になった経緯を教えてください
事業開始のきっかけとなったのは、前身となるプラットフォームを他社からM&Aしたタイミングです。これは入社3年目に起きた出来事なのですが、その際、私自身が担当していた新卒事業を手放すことになりました。
ちょうどその時に、親会社の代表から「こうした新しい機会があるが、どうか」と打診をいただき、私は「ぜひ挑戦させてください」と答えました。こうして新たな事業に取り組むきっかけを掴むことになったのです。
経営者になってから苦労したことはありますか?
事業責任者から経営者へと肩書きは変わりましたが、実はそこまで大きなギャップはありませんでした。
理由は主に2つあります。
1つ目は、親会社の代表をはじめ、事業責任者には基本的に非常に大きな裁量が与えられている点です。もちろん最終的な意思決定に際しては代表との壁打ちは行いますが、採用・組織づくり・文化醸成・教育といった幅広い領域において、事業責任者の段階からほぼ全権を任されていました。そのため、代表になったからといって特別大きく変わったという感覚はありません。もともとサービスの「顔」として名前を出していたのも私でしたので、その延長線上で代表を務めているという認識です。
2つ目は、Full Bet Groupの文化に由来します。当社は子会社ごとに代表はいますが、独立して経営を進めているというより、ホールディングス全体のビジョンに重きを置き、グループ一丸となって事業を推進する文化が根づいています。したがって「子会社の経営者」というより「Full Bet Groupの一員として、社会にどうビジョンを体現していくか」という視点で常に考えてきました。そうした背景もあり、代表に就任しても大きな違和感はありませんでした。
これはまさにFull Bet Groupならではの特徴だと思います。私自身、親会社の代表の考え方に強く共感しており、そのビジョンを通じてメンバーやお客様をより豊かにしたいという思いが強いからこそ、自然にその延長として代表の役割を担えているのだと感じています。
新卒のサポートとプロ人材のサポートとどちらも経験されていますが、関わるうえで意識していることはありますか?
基本的に、私たちが向き合っているのは、それぞれの領域で専門性を高め、長年にわたり会社や社会に価値を提供してきたプロフェッショナル人材です。たとえばマーケティングであれば、その中でも特定の商材に精通している方、営業であればその分野で成果を積み重ねてきた方といったように、いずれも高い専門性を持つ方々です。
一言でいえば、新卒との大きな違いは「経験則の差」に集約されるのかもしれません。ただ、それ以上に現場では大きなギャップがあり、こちら側にも相応の知識や理解力が求められることを強く感じています。
新卒の場合は、これまでの努力や経験を踏まえながら「自分はどんなキャリアを歩みたいのか」という自己理解を深め、方向性を導いていくことが中心でした。いわば、将来像を引き出すサポートが主な役割です。
一方、プロ人材の場合はすでに専門性が確立されており、自分のキャリアに対する明確なビジョンや強いプライドを持っています。したがって求められるのは「自己理解のサポート」ではなく、「これまで築き上げてきたキャリアやビジョンをどう引き出し、どう企業と結びつけるか」という点です。ここに大きな目線の違いと難しさがあります。
また、スキルセットについては定量的に把握しやすい一方で、その人自身が30年・40年と積み重ねてきた仕事観や価値観が存在します。企業が求めるビジネスに対する姿勢と、この定性的な側面がどれだけマッチするかも非常に重要です。そのため、単にスキル面の合致だけでなく、価値観や仕事観の適合性を見極めることが欠かせないと感じています。
今後の展望について教えてください
2030年までに、まず定量的な目標として「稼働人材1,000名」を実現したいと考えています。あわせて、従業員100名以上を抱える組織へと成長させることで、私たちが掲げている「日本の国力を高める」というミッションに向けた第一歩としたいと思っています。
さらにその先、2040年には「稼働人材1万人」を目標に掲げています。1万人の雇用を通じて、支援する企業数も1万社以上に広げることができれば、日本経済に対して一定の影響を与えられると考えています。もちろん、国全体から見ればまだ小さな一歩かもしれませんが、それでも第二歩、第三歩とつながる確かなきっかけをつくれるはずです。
また、2040年に1万人規模のプロ人材を実現するには、現在活躍されている方々だけでなく、今まさにキャリアを積み上げている若い世代にも認知を広げ、彼らが将来プロ人材として力を発揮できるような基盤づくりを進めていくことが重要だと考えています。
他の経営者におすすめの本を教えてください
私のおすすめの一冊は『嫌われる勇気』です。自己啓発書の中でもよく取り上げられる定番の本ではありますが、今の時代だからこそ改めて読むべき本だと強く感じています。
理由の一つは、私と同世代の経営者が増えてきていることです。その多くがSNSを身近なコンテンツとして活用しており、私自身もその影響力の大きさを日々実感しています。もちろんSNSを効果的に活用し、時代に適応していくことは非常に重要です。しかし一方で、SNS特有の「承認社会」に駆られている経営者が少なくないことも感じています。
例えば、売上や年商といった分かりやすい指標に過度にとらわれていたり、社外への露出を優先するあまり、結果的に社内の従業員の幸福度が下がってしまう企業の話を耳にする機会も多くあります。だからこそ、改めて自分自身のあり方を見つめ直す必要があるのではないかと思うのです。
『嫌われる勇気』は、マネジメントのバイブルとして紹介されることも多い書籍ですが、実際には「人間の根底にある承認欲求とどう向き合うか」というテーマを深く掘り下げています。まさに今の時代において、自分自身の価値観や承認欲求との関係を問い直すための一冊だと考えています。その意味でも、経営者を含め多くの方に改めて読んでいただきたい本です。
ぜひご一読ください。
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企業の「発信したい」と読者の「知りたい」を繋ぐ記事を、ビジネス書の編集者が作成しています。
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