今回は、株式会社肉体改造研究所、竹田大介氏にお話を伺ってきました。
健康的な社会づくりをモットーに、運動指導に関するさまざまな事業を展開しています。
「社長の履歴書」だけの特別なインタビューです。ぜひご覧ください!
株式会社肉体改造研究所 会社概要
会社名称 | 株式会社肉体改造研究所 |
代表者 | 代表取締役 竹田大介(たけだ だいすけ) |
設立 | 2016年8月1日 |
主な事業 | パーソナルトレーニング オンラインフィットネス 個別栄養指導 肥満関連遺伝子検査 栄養補助食品の販売 NSCA認定パーソナルトレーナー資格講座(通信) 日本肥満予防健康協会認定資格講座(肥満予防健康管理士、JOPHダイエットアドバイザー)の主催 iTEC解剖生理学コース 資格講座(通学・オンラインLIVE・通信) パーソナルトレーナー派遣 健康関連セミナーの主催 健康経営サポート オウンドメディア「健康経営事例.com」の運営 レジスタンストレーニングに関する学術研究 |
社員数 | 9名(取材時) |
会社所在地 | 〒150-0041 東京都渋谷区神南1-12-14 渋谷宮田ビル6階 |
会社HP | http://nikuken.co.jp/ |
まずは竹田さんのご経歴を教えてください。
出身地は熊本県です。情報処理系の専門学校を卒業した後、建築資材メーカーに営業職で入社しました。
私は学生の頃から、いろいろなスポーツ・格闘技をしていたんです。小学校は野球、中学校は柔道、高校はレスリング部でした。高校から始めた極真空手だけは社会人になっても選手として続けていました。
最後に転勤でたどり着いた地で、仕事が休みの日に空手道場の指導を任されました。教えている生徒が活き活きしていく姿を目の当たりにして、「空手って素晴らしいな」「運動指導って面白いな」とやりがいを感じ始めました。
それがきっかけで、当時はまだ日本ではあまり普及していなかった「パーソナルトレーナー」への転身を決意し、修行をするために転職を試みたんです。
自分は小学生の頃から筋トレもしているし、空手の指導もしているから就職できるだろうと思ったのですが、全く駄目でした。それでトレーニングについて一から勉強し直そうと思って、一念発起して会社を辞めて大学に通い直すことにしたんです。
そして、日本大学文理学部体育学科に進学しました。パーソナルトレーニングスタジオでアルバイトをしながらの学生生活でした。そこのジムにアドバイザーとして在籍されていた、とても有能なパーソナルトレーナーの先生から指導を受けながら、実務経験を積むことができたんです。
また、アメリカにNSCA(National Strength and Conditioning Association)という団体がありまして、そこのパーソナルトレーナー(NSCA-CPT)の資格を取得しました。その後はアルバイトと並行してフリーランスの活動も始めました。
その中で、お客様の個性や目的に合わせたエクササイズプログラムを立案するには、スポーツ科学系の論文を読解する能力が必要だと感じました。それで大学卒業後に、日本大学大学院文学研究科教育学専攻体育学コース博士前期課程に進学することにしたんです。
大学院では学業とパーソナルトレーナーの仕事を両立していました。大学院を修了後、仕事一本に専念すると業績も上がってきたので、株式会社肉体改造研究所を設立しました。
改めて、株式会社肉体改造研究所の事業内容を教えてください。
1、パーソナルトレーニング
大学院での研究活動で得られた科学的知見を用いて、お客様お一人おひとりの体力や目的、既往歴、トレーニング経験の有無など個性に合わせた科学的根拠に基づいたエクササイズプログラムを立案し、動作のエラーを修正しながら目的達成に導きます。
私個人の活動拠点としては、ゴールドジム渋谷東京店・イースト東京店(江東区南砂)・東陽町スーパーセンター店の3店舗です。
弊社所属パーソナルトレーナーは、インフィニティ24Hフィットネスジム(上野駅前)、MY-BODY(潮見店・高円寺店・西八王子店・南橋本店)という24時間ジムに派遣しています。
2、ニクケン オンラインフィットネス
2年前からオンラインでのセミパーソナルレッスンも始めました。他社のオンライングループレッスンとは違い、パーソナルトレーナーが行うレッスンですので、少人数制で、お客様お一人おひとりの体力に合わせて個別に強度を調整し、エクササイズフォームを丁寧にご指導しながら行います。筋トレやストレッチ、ジャズダンスフィットネス、セルフタイ古式マッサージのクラスがあります。
3、24時間営業ジムにパーソナルトレーナーを派遣する事業
手軽に始められることで人気の24時間営業ジムの課題は、トレーニングを教えられる人が常在していないことです。そのため初心者は何をすればいいのかわからないんです。とりあえず有酸素運動のマシンやランニングをするのですが、これだと家の近所を走れば代わりになるということでお客様は退会してしまいます。この問題を解決するために、有資格者を派遣してほしいという依頼を受け、この事業が始まりました。
4、オンラインでの管理栄養士による栄養指導
1回で完結のカウンセリングもありますし、LINEで毎食チェックしてアドバイスするという継続的な栄養指導も行っています。
5、NSCA認定パーソナルトレーナーの資格取得をするための通信講座
合格するためには専門用語が書いてある分厚いテキストを理解しないといけません。テキストの内容を解説した動画と、オリジナルの問題集を使って試験対策のサポートをしています。
6、その他の通信講座
ダイエット系の資格や解剖生理学系の資格など、さまざまな資格対策の通信講座を用意しています。
7、健康経営のサポート
経済産業省が認可している健康経営優良法人の中小規模法人部門の認定サポートをしています。認定を取得するためのコンサルティングをしたり、運動指導者が必要な企業にはトレーナーやインストラクターを派遣して、オフィスでフィットネス指導をしたりしています。また、運動に関する従業員研修会、健康セミナー、管理栄養士を派遣して栄養セミナーも行っております。東京都内の企業には、東京都・東京商工会議所が行っている健康経営の専門家を無料で5回まで派遣して健康経営の取り組みをサポートする事業に私も専門家として登録されておりますので、5回まで無料でのサポートが可能です。
今までどんなことに苦労しましたか?
大学院の研究活動とパーソナルトレーナーの仕事を両立するのに非常に苦労しました。
大学院では研究準備に膨大な時間が必要です。どんな研究をするのか研究計画を立てて、参考になる英語の論文を調べて翻訳をした後レビューをします。被験者を集めて実験をしてデータを数値化して、結果を基に論文を書くためにまた参考文献を翻訳するという作業でした。
それに加えて教授の助手的な仕事もこなさないといけません。教授は会議で忙しいので、海外文献の翻訳などのお手伝いをしていました。
それと同時に、研究室の仲間が行う実験も手伝いました。
それからパーソナルトレーナーの仕事もありました。他の院生は学費も生活費も親御さんに頼っていましたが、私の場合は学費も生活費も自分の稼ぎで賄っていました。しかも大学院に入った目的はパーソナルトレーナーとしての職業能力向上のためです。ですからトレーナーの仕事が完全にできなくなるというのは本末転倒なんです。それで基本的に日中は研究室にいて、夕方以降に働いていました。
中でも論文を執筆していく段階が一番大変でした。論文を書いたら教授の指導を受けるのですが、当然のことながら何度も書き直しを繰り返しました。書き直した論文を翌日の指定された時間に教授に見せて指導を受けるため、時間のやりくりに苦労しました。仕事との両立は本当に大変でしたね。
その状況を、どのように対処されたんですか?
お客様のご予約を自分の都合で変えるというのは、絶対にやってはいけないことだと思います。それでも、どうしてもお客様に時間を調整してもらう必要が生じました。
そこで救われたのは、お客様が非常に理解のある方ばかりだったことです。皆さん「いいですよ。大学院を修了するのを応援していますから、それを優先でやってください」と言ってくださるんです。また、女性のお客様が、私の疲労具合を見抜いたのか、突然ハグしてくださったこともありました。私はいつも通り笑顔でトレーニングを提供しているつもりでも、疲れが顔に出ていたのかもしれません。
お客様には涙が出そうになるような温かい対応をしていただいて、非常に感動しました。おかげさまで、大学院と仕事をなんとか両立できました。
コロナ禍は仕事にどんな影響を与えましたか?
コロナ禍で、活動拠点であるゴールドジムが休館になりました。第1回目の緊急事態宣言が出された頃です。
千葉県のフィットネスクラブでコロナが出て、一時期フィットネスクラブがやり玉に挙げられた時期がありました。その影響で大手のフィットネスクラブは休館になったんです。
ゴールドジムが1カ月休館になると、私も1カ月仕事ができなくなります。ゴールドジム公認パーソナルトレーナーは、社員ではなくパーソナルトレーナー契約で、報酬はお客様から直接いただく形ですので、パーソナルトレーナー活動ができなければ、報酬が得られないんです。まだ当時はオンラインを始めていなかったので、「この先、どうなるんだろう」「自分の会社を守るどころではなく、私自身が生きていけるのか」という不安な状況でした。
それを、どのように乗り越えていかれましたか?
補助金が出たのと、ゴールドジムさんのご配慮が助けになりました。一般の方の受け入れは再開できないけれども、パーソナルトレーニングは受け入れを許可してくれたんです。個別なので感染リスクはないだろうという理由でした。ゴールドジムさんの温かい対応もあって、なんとか会社を続けることができました。
その後、何度も緊急事態宣言が出るという不安定な状況だったので、パーソナルトレーニングをオンラインで行うことに加えて「ニクケンオンラインフィットネス」というオンラインでのセミパーソナルレッスンを始めました。
株式会社肉体改造研究所としての現在の課題は何でしょうか?
24時間営業ジムの派遣スタッフの人材確保が現在の課題です。
24時間営業ジムへのパーソナルトレーナー派遣事業は始まったばかりですが、今5店舗に拡大しました。以前から派遣していた上野駅前のインフィニティ24Hフィットネスジムに、24時間営業ジム「MY-BODY」の潮見店、高円寺店、西八王子店、南橋本店の4店舗が新たに加わりました。
都心の高円寺と潮見に関しては、すぐにトレーナーが集まりました。しかし、郊外の西八王子と南橋本に派遣できる有資格者のトレーナーがなかなか集まらない状態です。
株式会社肉体改造研究所の未来の展望や夢を教えてください。
一人でも多くの方の健康をサポートしていきたいという思いから、運動指導の事業を始めました。
私一人で担当できる人数は限りがあるので、さらに多くのパーソナルトレーナーを雇ってジムに派遣することによって、健康なお客様を一人でも増やしたいと思っています。
今後はそれを拡大していくために、公共の事業にも目を向けていきたいと考えています。例えば、地方自治体が行っている健康教室、高齢者向けの体操教室などです。そのために健康運動指導士に加えて看護師、保健師という別の分野の資格を持ったスタッフを正社員として雇用することを考えています。また法人向けの健康経営のサポートもこれまで以上に注力していきたいと考えています。
これからも健康的な社会づくりに貢献するために、会社として成長し続けたいと思っています。
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投稿者プロフィール
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新入社員を含めたフレッシュなメンバーを中心に、出版サポートの傍らインタビューを行っております!
就活生に近い目線を持ちつつ様々な業種の方との交流を活かし、「社長に聞きたい」ポイントを深掘りしていきます。
代表者様のキャリアを通して、組織の魅力が伝わる記事を発信していけるよう、これからも一生懸命運営してまいります!
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