今回は株式会社エムエム総研代表、萩原 張広氏にお話を伺ってきました。
「社長の履歴書」だけの特別なインタビューです。
ぜひご覧ください!
会社名称 | 株式会社エムエム総研 |
代表者 | 萩原 張広 |
設立 | 1989(平成元)年3月13日 |
主な事業 | デジタルマーケティング事業
営業DXコンサルティング事業 デジタルセールス人材採用事業 |
社員数 | 189名(2022年2月現在) |
会社所在地 | 東京都新宿区新宿6-27-56 新宿スクエア5F |
会社HP | https://www.mmsouken.co.jp/ |
事業内容を教えてください
当社のビジネスのテーマは「営業DXの推進」です。企業の営業組織の立ち上げから運用課題の解決、実行人材の提供まで、デジタルセールスの内製化支援に取り組んでいます。従来の営業工程を業務領域別で担当を分け、専門性を高めた上で効率のよい営業活動を行えるよう支援しています。
当社は外資系IT企業と取引があり海外のマーケティングや営業方法を以前から学んでいました。そのため新型コロナウイルスが蔓延し、日本の会社がDXを進めるにあたり営業DXを推進するサービスを展開し始めました。例えばマーケティングに必要なイベントやWebマーケティング、クリエイティブ、インサイドセールスと言われるITツールを活用する営業などをお客様にお伝えしています。
特におすすめのサービスなどはありますか?
営業DXに関わるインサイドセールスを推進する為に、当社の社員をお客様の会社に常駐させ、実行を支援またセールスのやり方全体をコンサルティングしています。当社の社員が常駐することで、お客様の問題解決につながっていきますね。他には人材紹介サービスも行なっています。
学生時代に印象に残っている経験を教えてください
学生時代は家庭の事情で大変な時期がありました。母子家庭で育ち、母親が働き詰めだったため高校1年生から親戚の家に預けられるようになりました。親戚の家の人たちとの折り合いが良くなくて、新聞配達のバイトをして住み込んで働くようになりました。
部活はサッカーをしていたため、早朝に起きて新聞を配ってから学校に行き、夕方は部活をして、夜は飲食店でバイトをするという忙しくハードな日々を過ごしていました。
飲食店でのエピソードを教えてください
働いていた飲食店はよく企業の社長が来ていて、私はとても可愛がられていましたね。高校卒業後は歯科技工所に就職しますが、細かい作業が自分には合っておらず再び飲食店に戻って働いていました。お客様だった経営者の方々に飲みに連れていっていただいたり、お話を聞かせていただいたりする中で「いつか自分も経営者になりたい」と社長業に憧れるようになりました。
歯科技工所を退職された後、再度どこかの企業に就職されるのでしょうか?
営業の力を身に着けたいと思い、英会話のカセットや建築資材を売る営業を経験しました。
営業成績もよく、順風なサラリーマン生活を送っていましたが、仕事をするうちに、より優秀な人たちの中で働きたいと思いました。
起業するために必要な力を身に着け、マネジメント経験を積みたいと考えていた私はリクルートで働こうと考えます。なぜなら、当時のリクルートは優秀な人が集まっているだけでなく、急成長をしていて管理職が足りていない状態だったので、マネジメントを経験できる確率が高かったからです。
リクルートへは高卒の私がいきなり正社員で入るのは難しいと、そこで働いている友達から情報を得ていたので、23歳のときにアルバイトとしてリクルートへ入社しました。
リクルートではどのような仕事をされていたのでしょうか?
リクルートは面白い会社でアルバイトでも正社員でも業務内容に差はなく、新しいお客様を開拓して営業をします。当時は求人広告が紙媒体で、求職者は雑誌を見て求人に応募していました。そのため、営業は各企業の求人の広告枠を売って、誌面に載せるのが仕事でした。
そして、社員の方は頭も良く行動力もあり、私が前職で勤めてきた営業マンより何倍も優秀で刺激を受けました。頑張って業績を上げて1年半程で正社員試験のお話をいただき、合格して正社員になりました。当時業績をあげるために、今後伸びる企業は求人が必要だろうと戦略を練ってベンチャー企業系を狙って営業していきました。リクルートに在籍した6年半は今の私の仕事の基盤を作っていったと思います。
そこからどのように起業されたのでしょうか? きっかけがあれば教えてください
そうですね。6年半リクルートにいて気がつけばマネージャーにまで出世していました。さらに結婚して子どももいて住宅ローンも組んでいたので、起業するのにすこし躊躇いはありました。
しかし義父が病気で倒れた時に、かねてよりの思いを実現すべく起業をしようと決めました。実は義父は長年勤めた会社の取締役になる直前に病気で亡くなってしまいました。亡くなる前にとても悔しそうな義父を見て、「人生何があるか解らない、自分がやろうと思ったことは絶対に実現しよう」と思い、起業の準備を始めました。
起業後に一番大変だったことはありますか?
特にバブル崩壊ですかね。会社を設立する前はバブル崩壊前のとても良い時代で、会社を作って1年半ぐらいは売り上げも上がっていきました。社員も3人から始めましたが、そのうち8人になり利益が出て順調でした。しかし1年半後にバブルが崩壊して、大きな取引先であった不動産会社が倒産してしまいました。売掛で会社がピンチな状態に陥り、バブル崩壊で仕事が来なくなってしまいとても厳しい時代でしたね。
リーマンショックも起きましたが苦労されましたか?
2000年ぐらいからインターネットが普及し始めて、当社もインターネットを使ったサービスを提供しているお客様からの仕事が増えていました。その時はとても売り上げが良く上場の準備をしていましたが、リーマンショックが起きてしまいました。当時のお客様はベンチャー企業が多く、取引先も経営がうまくいかず、当社の12億円あった売り上げが翌年8億円になってしまいました。上場を目指して資金を調達していたので、会社としてはギリギリ潰れずに済みましたが、3年ほど結構大きな赤字が続きました。
会社経営を30年続けられるコツなどはありますか?
未来の計画を考えるときは基本的にネガティブに最悪のケースを考えています。なぜなら、最悪なことを想像しておけば、何か問題が発生しても想定内におさまりますが、想定外のことが起きると一番困ってしまうからです。リスク管理能力を高めておけば、どんなことにも対応でき、冷静に客観的に良い判断ができるようになります。新型コロナウイルスが発生する以前から、長期的には今のビジネスの売り上げが悪くなる事も予測し、新規事業であるインサイドセールス事業の準備をしていました。イベントサービスで10億円の損失が出てしまいましたが、新事業を始めたいたおかげで逆に新型コロナウイルスが追い風に変わり、最終的にはピンチがチャンスに変わりましたね。
株式会社エムエム総研ではなぜデジタルセールス人材を育成していらっしゃるのでしょうか?
2つ理由があります。
1つは生産性の問題です。例えば、昔なら営業は訪問が前提で法人営業であればどれだけ頑張っても1日2~3件が限界でした。しかし、オンライン化が進み、今では最大1日5~6件の商談が可能になっています。そのため、同じ商品を売っていたとしても、生産性に大きな差があることは明白です。
また、人材難の問題もあります。
日本の従来の営業職のイメージはあまり良くなく、人によっては「営業はやりたくない」と思う方もいらっしゃいます。押し売りの営業のイメージが強いんでしょうね。
少子高齢化が進み人材難となっている中、従来の営業方法をしている会社は採用もできず生産性も悪く経営が厳しくなっていくでしょう。
この2つの課題を解決するためには営業DXが必要不可欠であり、デジタルセールス人材の育成が重要になってきます。
デジタルセールスを目指す人に必要な能力はどのようなものでしょうか?
日本ではまだ営業に関して古い文化が残っており、お客様に無理やり売り込む姿勢がまだまだあると思います。しかしアメリカでは考え方が違って、マーケティングの力を使って本当に必要な人や企業にサービスや商品を売ります。今後はお客様に本当に必要なものを売っていくという考え方を持っている人が活躍していきますね。
今後の展望はありますか?
日本全体の営業のマインドチェンジを進めていきたいです。まだまだ日本の90%の企業が古い体質なので、まだまだ伸びしろがあり、多くの会社がこれから新しいインサイドセールスや営業DXに取り込んでいきます。今後長いスパンで、日本の営業DXの変革市場において一番になっていきたいです。
経営者におすすめの本はありますか?
私が書いた本で、『営業の科学―根性主義ではない、普通の人間がやれる必勝の法則』です。私の経験や考えなどが反映されているので、よかったら読んでみてください!
19歳で営業を始めて27年。英会話カセットのフルコミ営業からスタートし、当時急成長中のリクルートのトップ営業を経て起業を果たす。月何千円のASPから1億円を超えるERPソフトまで1200を超える営業アウトソーシングを請け負う。自らの営業体験の苦労から導き出した、「営業の科学」というコンセプトとは何か。営業畑一筋のエムエム総研社長が語る、営業に関わるすべての人にエールをおくる究極のセールスストーリー&実践書。
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投稿者プロフィール
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新入社員を含めたフレッシュなメンバーを中心に、出版サポートの傍らインタビューを行っております!
就活生に近い目線を持ちつつ様々な業種の方との交流を活かし、「社長に聞きたい」ポイントを深掘りしていきます。
代表者様のキャリアを通して、組織の魅力が伝わる記事を発信していけるよう、これからも一生懸命運営してまいります!
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