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一般社団法人 日本リーダーズ学会代表 嶋津良智氏

ビジネススクール『リーダーズアカデミー』を経営する嶋津 良智さん。

リーダー育成の第一人者である嶋津さんの学生時代からを振り返り、中小企業のためのスクール形式では日本一の組織になるまでの背景を詳しくお伺いしました。

 

一般社団法人 日本リーダーズ学会 会社概要

会社名称 一般社団法人 日本リーダーズ学会
代表者 嶋津 良智(しまづ よしのり)
会社所在地 〒106-0031
東京都港区西麻布4-15-2 レジディア西麻布1403
会社HP https://www.leaders.ac/

 

 

会社の事業内容についてお話しを聞かせてください

『リーダーズアカデミー』というビジネススクールを開講しています。それに紐づくように、企業研修や出版講演も行っております。

ビジネススクール事業は、人材を育成したり組織を作ることに特化していることが強みであり、特徴です。人や組織が変われる理由は、この特徴にあると思っています。学びたい人を集めて、スクール形式で行っている組織としては日本一です。

「育てる側がよくならないと、社会も企業も人も良くならない」と言う想いから、『“あなたのもとで働けて良かった“を全てのリーダーへ』という理念のもとに、「人を育てられる人を作る」こと、「人の育つ組織を育てること」を仕事にしています。

リーダーにとって最も大切なことは、『部下を成功させると思っていることを、部下に心から信じてもらうこと』。これは自分の経験から導き出した答えです。

 

 

どのような方へサービスを提供しているのでしょうか?

当面のターゲットは、リーダーと経営者ですね。僕は子育ての本も書いていまして、子供さん向けにはボランティアで子育て教育をしています。子供教育が部下教育に役立つこともあるし、逆もあるんです。

『一流の男が「育児」から学んでいる5つのビジネススキル』が、まさにそれをまとめた本。

子育てに親がどう関わるべきかを考えてまとめた本になっています。先ほどの話しと同じで、親にとって最も大切なことは、『子供を成功させると思っていることを、子供に心から信じてもらうこと』なんです。だから構造としては同じなんですよね。

 

 

学生時代お話を聞かせてください

教育事業に関心があったので、学校の先生になりたいと思い大学へ進学しました。当時は学園ドラマの最盛期。不良たちを公正させるような、アツい教師に憧れがあったんです。
でも先生になるためには教職課程をとらなくてはならず、毎日大学へ行かなければなりませんでした。その事実を知り、学校へ行った初日の3時間で教職に就くことを諦めましたね。だから学生時代は遊びに夢中で、勉強はそれほど頑張りませんでした。

何の取り柄も才能もない自分でしたが、 多くの生徒と同じように1987年のバブル時期に就職活動をしました。でも、どこも受からなかったんです。そんな自分を拾ってくれた会社が唯一あって、そこに就職をしました。

 

 

社会人時代はいかがでしたか?

1社目で営業の仕事を始めたところ、自分の意識を大きく変える上司との出会いがありました。その上司に出会ったことは、自分で事業を起こす原点になりました。

その上司は、新入社員の自分をサポートしてくれた二人目のリーダーでした。彼は一番最初に、「俺が必ずお前を売らせるようにしてやるから」と言ったんです。それから毎日のように現場へ同行してくれました。そのお陰で『営業の空気感』のようなものが掴めるようになり、仕事に対して色々と気付けるようにもなりました。

上司がとった契約を自分に渡してくれて、「お前がとったことにしろ」と言ってくれたことが何度もありました。新人でよくわからなかったこともあり、厚意に甘えて自分の手柄にしました。上司がそうやって背中を押してくれたので、ある時、初めて目標を達成することが出来たんです。自分だけの努力の成果ではないですから、成功の疑似体験ですけど。上司から成功を疑似体験する機会を与えられたことで、今まで見えなかった世界を見ることが出来たんです。成功すれば、周りの対応はこんなにも違うんだなと、知ることが出来たんです。

人って、一回登った山は降りたくなくなるんですよ。だから一生懸命頑張り、程なく自分だけの力で目標を達成しました。それからはずっと、目標を達成し続けましたね。

そういう体験をした時、二人目のリーダーと比べると一人目のリーダーは面倒見が良いタイプではなかったと感じました。「人って、誰に出会うか、教わるか、相談するかによって、人生が変わるんだな」と痛感しました。

独立志向は全くなくて、6年間サラリーマンとして会社勤めをしました。ところが、ひょんなきっかけとチャンスとタイミングが合って、28歳で仲間と共に独立起業し代表取締役に就任しました。

 

 

起業のタイミングについて教えてください

30歳になった頃、今やっている仕事や人生に対して疑問を持つようになりました。それまでの人生を振り返ってみると、経営の数字を追いかけている時よりも、社員の成長に貢献したり、社員を教育している時が一番楽しかったと思いました。

もちろん、立場や責任もあったので、そこから6〜7年くらいは日々仕事に邁進していましたが、その後いろいろなきっかけがあり、「自分がいるべきはこの場所じゃない」と答えが出て、会社の上場(IPO)を機に、教育事業を新しくはじめました。
一通り経験も積んだところで、やりたかった教育事業を立ち上げたのが16年前のことです。

 

 

起業してから、苦労したことなどがあれば教えてください

教育事業を立ち上げて、何の教育をやろうかと考えを固めるのに時間が掛かったことは「苦労したこと」と言えるかも知れません。

育てる側が変われば社会も企業も人も良くなる、という想いは変わりませんでした。社長学・上司学・人間学・親学…『育てる側』の教育を、学問的な位置づけとして4つのカテゴリーでやっていこうとしたんですが、自身の経験も活かせることから「社長学」と「上司学」を選びました。
社長学は自分のスクールで行い、上司学はプログラムを企業導入していってもらう。このダブルスタンダードで運営していきました。そのうちに「上司学」がキラーフレーズになってきて、一人走りをし始めたんですね。勢いのある上司学へ社長学を統合し、新しい「上司学」として運営し始めました。

実は2005年にこの仕事を始めてから、二つ後悔していることがあります。一つは『コミュニティーを作ってこなかったこと』。もう一つは『安定収入を確保してこなかったこと』です。

会社のベースとして作っていかなければならないと思い、本格的に行動に移したのが2013年。コミュニティーを作って、月額いくらで提供し、安定した収入を得るという方式です。今でいうサブスクですね。そこから正式な、リーダーズアカデミーのスクールがスタートしました。

たまたま良い会社との出会いがあって、今はそこの会社とアライアンスを組んでやっています。

 

 

苦労や困難を乗り越えられた理由を教えてください

二つの後悔に関しては今考えれば失敗でもなんでもなくて、ただやってこなかっただけのこと。実行すれば、解決する問題に過ぎません。

仕事で行き詰まった時は、「コントロール出来ることと出来ないことを分けること」を大事にしています。心だけ持っていかれて立ち止まってしまうのではなくて、出来ることをしっかりやる。後悔するだけで何もしないとか、そういうことだけはやらないようにしています。

解決に集中する、というのが僕の考え方です。

似ているような考え方ですが、モチベーションほどくだらないものはないと思っています。モチベーションが高くても低くても、やることは変わらないからです。高いか低いかに囚われず、やるべきことを淡々とやっていった方が自分のためになりますよ。

 

 

今後のご展望や夢はありますか

コロナになったことにより、東京・大阪・福岡のスクールは全部オンラインでやっています。最近やっと落ち着いて来たこともあり、会場でのスクールを開催したら出席するかどうか?というアンケートを取ったところ、オンラインが良いという意見が8割だったんですね。それでオンライン中心のスクールスタイルに変えようと思いました。
完全オンラインではなくて、年3回くらいは交流を兼ねて、会場を設けて開講していこうかなと思っています。泊まりでの勉強会も考えてみたり。対面で授業を受けることの目的が変わるような感じですね。

今は会員数を増やすことを一番の目標としています。オンラインは、場所確保や収容人数を考慮しなくて良いので。どんどん会員を増やせますよね。事業ビジョンとしては、 学生から経営者まで同じ理念を共有したスクールを作りたいと思っています。

大学生に、大学で学んだことが社会で生きているだろうかと聞いたら、7〜8割が「役に立っていない」と答えた。それは企業側も同じでした。だから私は、大学教育に疑問を感じている人間なんです。

企業で働いて戦力になるための教育を大学で受けなければいけないにも関わらず、大学で学ぶのは形式的なもの。実践的な授業はないんです。大学へ入ったら、社会人として生活していけるだけの術を教えるような専門的なものにしていかなければならないと思っている。
弊社のスチューデントコースは、大学で学べない実践的なことを学ぶ塾のような感じで捉えて欲しいですね。大半の人間は社会に出てから苦労するので、弊社のようなスクールは今後必要になると思います。

 

 

お気に入りの本を教えてください

経営者のためになる本という視点からですと、『ビジョナリーカンパニー』のシリーズです。シリーズ全部を読んで「なるほど」と思うことができ、経営を総合的に理解するのに役立つと思います。経営をしていて、これからどうしていったら良いかと悩んでいる人におすすめ。僕のスクールも同じで、問題意識を持っている人や身に覚えがある人にこそ響きます。

『ビジョナリーカンパニー』シリーズは、成功した企業を比較検討して、どういう起業が上手くいってどういう企業が上手くいってないかを表している本です。経営者の考え方とマッチし、共感できるところが気に入っています。

 

『ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則』 ジム・コリンズ・著

企業の使命として株主への利益還元がさけばれて久しい。しかし、ジョンソン・エンド・ジョンソンのように企業が奉仕する優先順位として1に顧客、2に社員、3に地域社会、最後にようやく株主という基本理念を掲げる企業がアメリカの経営者から尊敬を集めているのも事実だ。    本書は、アメリカの主要企業のCEOから採ったアンケートによって選び出された18社の歴史に対する6年間の調査から生み出されたレポート。企業を組織する人間が企業内に活力を生み出すのは、カネでは計れない動機づけにあるというシンプルな「真理」が、ライバル企業と比較された各社の資料、エピソードから浮き彫りにされる。著者の1人であるコリンズはコンサルティングも手がける大学教授であるためか、随所に抽象化された概念と企業が取るべき方策が図を合わせて示される。しかし、経営指南よりも、世界を代表する大企業の決断の歴史が斜め読みできる魅力の方が大きいだろう。

Amazon URL:
https://www.amazon.co.jp/dp/4822740315

 

投稿者プロフィール

『社長の履歴書』編集部
『社長の履歴書』編集部
新入社員を含めたフレッシュなメンバーを中心に、出版サポートの傍らインタビューを行っております!

就活生に近い目線を持ちつつ様々な業種の方との交流を活かし、「社長に聞きたい」ポイントを深掘りしていきます。

代表者様のキャリアを通して、組織の魅力が伝わる記事を発信していけるよう、これからも一生懸命運営してまいります!