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株式会社ケーズパートナーズ代表取締役 岸本圭祐氏

今回は、株式会社ケーズパートナーズにて代表取締役を務めている、岸本圭祐氏にお話をうかがいました。

 

株式会社ケーズパートナーズ 会社概要

会社名称 株式会社ケーズパートナーズ
代表者 代表取締役 岸本圭祐(きしもと けいすけ)
設立 2017年5月
主な事業内容 資金調達支援、
経営計画作成・実行支援、
士業・フリーランス向け営業力強化コーチング
会社所在地 〒542-0081
大阪府大阪市中央区南船場2-10-21 日宝サンキュービル503号
会社HP https://kspartners.co.jp

 

 

まずは、岸本さんの起業までのご経歴を教えてください。

 

2008年3月に関西学院大学の経済学部を卒業後、機械や工具などを扱う、上場専門商社で営業マンをしていました。金沢支店に配属され、機械工具商や溶材商といった中小・零細企業に卸売りを行うルート営業を、約40件担当しました。

その後、コンサルタント業に就きたくて、2013年5月に大阪の税理士法人に転職したんですが、営業のポテンシャルを買われて、顧問先の新規開拓を担当することになったんです。

希望と異なる形ではありましたが、経験になるだろうと思って取り組み、営業と中小企業のコンサルを並行して任せてもらっていました。そこでの経験を元に2017年5月に個人事業主として開業し、2019年1月に法人化に至ります。

 

起業や独立することについては、元々お考えだったんですか?

 

振り返ってみると、大学生のときに就職活動をしていた頃から、起業したいという思いは、ぼんやりとありましたね。私は幼少期、神戸の商店街の中で育ち、母親が化粧品店を営んでいたので、漠然と中小企業を支える仕事がしたいと思っていたところ、経営コンサルタントという職業を知って興味を持ちました。母親が自営業、父親が小学校の教師ということで、経営者の商売を支援する先生業である士業・コンサルは私の天職だと思っています。

ただ、経営したこともない新卒が何をアドバイスできるんだろうと思ったので、まずは、決裁権者である中小企業の社長と話すことで、少しでも経営に関する知識を深めたり、感覚を掴んだりできる仕事に就くことにしたんです。

それで、中小企業の社長に対して営業ができる専門商社に入社を決めて、社会人歴を積んだ後に、中小企業の社長を顧問先とする会計事務所で働くことにしたという感じですね。

 

株式会社ケーズパートナーズの事業内容を教えてください。

 

中小企業診断士という国家資格を元に、経営コンサルタントとして中小企業のコンサルティングをしております。企業様向けのサービスなので、100% B to Bになりますね。税理士事務所での勤務経験から、資金繰りに関するご相談をいただくことが多いので、融資や補助金などの資金調達のご支援を大きな柱としています。

また、資金調達のサポート以上に、事業を軌道に乗せて、次のフェーズに発展させていくことが重要なので、企業様の顧問として、月に一度訪問したり、zoomを使ってリモートでお話をうかがったりもしています。経営検討会議を開催して、各企業様が前進していくための足場固めのお手伝いをさせていただいているような感じです。

ちなみに、ほぼ100%が紹介でのご依頼になります。というのも、税理士事務所で新規の顧問先を開拓していたときに紹介営業のノウハウを身に付けたので、独立してからもその経験を元に、実際にお会いして私自身の強みや人柄を知ってもらうことで、ご紹介を増やす形でやらせてもらっているんです。

コロナ禍になってからは、お取引先の企業様や税理士事務所さんから、営業力強化のコンサルティングをご依頼いただくことも増えてきました。現在37歳なんですが、年齢の割には企業支援のキャリアが長いので、コンサルを依頼するにあたって比較的声を掛けやすいみたいで、私としてもありがたい限りです。

 

これまでに苦労されたエピソードがあれば教えてください。

 

大阪の税理士事務所に転職したばかりの頃が一番大変でした。専門商社での営業経験を買われて税務顧問先獲得の営業を任されたものの、既存の取引先を回る深耕営業を担当していた専門商社に対して、税理士事務所で必要とされた営業は、新規開拓の営業だったんです。

関係性を強化することで売り上げを伸ばすルートセールスと、一から関係を築いて新たに契約をいただく新規開拓営業ではスタイルが異なるので、1年半ぐらい契約が取れなくて本当に苦労しましたね。営業の仕事に自信があって転職したものの、飛び込みで営業をしても全く結果が出なかったので、前職では社名で信頼を得ていたことを痛感しました。

 

当時、その苦労をどのように乗り越えられましたか?

 

あるとき、専門家としてお客様を導き、行動を促す役割を担う士業において、もし自分が依頼者だとしたら、飛び込み営業をしているような自信のない専門家に頼みたいとは思わないだろうと気付き、営業の手法を変えてみることにしました。

当時、100%フルコミッションで働く外資系保険会社の方との打ち合わせの機会があったので、彼らの営業方法を観察してみたところ、自社で保険をお預かりしている中小企業の社長さんの中で、販路開拓に困っている社長さんと、その製品を必要としている社長さんをマッチングさせて、売り上げを伸ばすお手伝いをしていました。そうして関係性を築いた後に保険の提案をしたり、場合によっては社長さんのほうから保険の加入を希望されたりしていたんですよね。

 

そこで私は、今まで飛び込み営業してきた企業がどんなことに困っているかをリサーチして、銀行からの融資を調達しづらく、資金繰りに苦労している零細企業に着目しました。

更に、地域密着の信用金庫等で定期積金をさせてもらうことで、月に一度、事務所に集金に来る銀行の営業マンと顔見知りになり、資金繰りに苦戦している中小企業のことを相談してみたんです。

こうして融資をアテンドすることによって、「岸本さんのおかげで融資が上手くいったよ」ということで契約に至ったり、紹介をいただけたりするようになりました。同時に、銀行の営業マンにとってのノルマ達成のためのアシストにもなるので、「岸本さんに融資先の企業を紹介してもらったから」ということで、銀行からも中小企業を紹介してもらえるようになりました。こうして、紹介で顧問先を新規開拓できるようになり、契約が月に2~3件決まるようになったんです。私自身が税理士の資格を持っているわけではないにも関わらず、税務顧問というパッケージでのご依頼をいただけるまでになりました。

 

同様に、今度は銀行と司法書士さんをマッチングすることにしました。というのも、法人登記をする司法書士さんなら、まだ顧問税理士が就いていない創業者を紹介してくださるんじゃないかと思ったんです。司法書士さんは銀行から登記の仕事を依頼されることもあるので、それをアシストして司法書士さんに喜んでいただくことで、税理士顧問のいない創業間近の企業をご紹介いただけるようになりました。他の士業や経営者等へも同じ要領で個別のニーズを分析し、貢献手法の仮設検証をし、独自の紹介営業手法を確立しました。その結果、3年間で100件ほどの新規顧問先を開拓できるようになりました。

 

現在、抱えている課題などございますか?

 

これと言った課題はあまりないんですが、強いて言えば、コロナ禍になってから、企業への特別融資や事業再構築のための様々な種類の補助金が出てきて、それらの補助金を活用したい事業者の方が増えているので、その対応に必要な時間が長くなってきていることですかね。

私としては、お金を調達すること以上に、アフターコロナと呼ばれるこれからの時代で、事業を順調に進めていくことが大事だと思っているので、そのための事業支援を円滑に行える体制を今以上に整えていけたらなとは思ってます。

 

最後に、岸本さんの思い描いている未来の展望や、今後の夢を教えてください。

 

実は、興味深いと思う事業に私自身も出資して、役員として関与させてもらっているんですが、そこで改めて商売やビジネスの面白さを実感しています。世の中に役立つものを生み出すことでお客さんに喜んでいただいて、その結果としてお金をいただくという一連の流れは、経済を流通させるためにも必要ですし、すごく面白くてやりがいもあるので、引き続き、より多くの企業に関わっていけたらと思います。

 

それから、創業者支援を強化していきたいとも思っています。資金調達支援の一環として創業融資サポートのご依頼をいただくことがあるんですが、先ほども少しお伝えしたように、資金調達をして終わりではなく、その後に事業を軌道に乗せていただくことが重要になります。

ですが、既に事業が軌道に乗っている企業様に比べると、創業したての企業様は資金調達までのご依頼が多いので、今後は創業して間もない企業様に対しても、資金調達後のご支援ができるようにしていきたいですね。

昨年2月からは、創業当時から仲の良いコンサルタント仲間と一緒に『千の会』というオンラインサロンを始め、できるだけ金額の負担を減らしつつ、創業時の悩みを解決できるような場も設けています。そういったコンテンツも利用しながら、起業を検討している方や、起業したての方を今以上にサポートしていきたいと思っています。

 

 

岸本さんが経営者におすすめする本を教えていただきました!

 

『世界最高位のトップセールスマンが教える 営業でいちばん大切なこと』 小林 一光(著)

プルデンシャル生命の中で、個人、チームともに日本一を達成した唯一の人物であり、世界の保険営業で頂点を極めた者のみに与えられる称号、TOT(Top of the Table)にも輝いた「伝説の男」小林一光氏。

しかし、営業マンとしてスタートした当初は、まったく結果の出ない「ダメ営業マン」だった。そんな人が、一体どのようにして「トップセールスマン」となったのか。

・商品を売り込むのを一切やめた

・「見込み客発見ノート」をつけ始めた

・電車内では、中吊り広告を隅から隅までチェックした

・土日は趣味の草ラグビーに行きまくった

・自分の名前を「かずあき」から「いっこう」に変えた

・平日に三つのスポーツジムに通い出した

・弁当はコンビニではなく、お惣菜屋さんで買って食べるようにした

・トンカツ屋ではヒラメフライばかり注文した

・彼女を捜している人に、交際相手を紹介してあげた

・息子さんの就職で悩んでいたら、相談にのってあげた

・トイレ掃除を日課にした

等々……。

なかには、「これって営業?」と思われるようなことも含まれているかもしれない。しかし、これはすべて「お客様に出会い、お客様の役に立つこと」に注力した結果の行動である。それは、一体どういうことなのか。本書は、その秘密の営業術を伝授する!

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投稿者プロフィール

『社長の履歴書』編集部
『社長の履歴書』編集部
新入社員を含めたフレッシュなメンバーを中心に、出版サポートの傍らインタビューを行っております!

就活生に近い目線を持ちつつ様々な業種の方との交流を活かし、「社長に聞きたい」ポイントを深掘りしていきます。

代表者様のキャリアを通して、組織の魅力が伝わる記事を発信していけるよう、これからも一生懸命運営してまいります!