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株式会社kikiwell代表取締役 菊本裕三氏

今回は、株式会社kikiwell代表取締役、菊本裕三氏にお話を伺ってきました。

「社長の履歴書」だけの特別なインタビューです。ぜひご覧ください!

 

株式会社kikiwell 会社概要

会社名称 株式会社kikiwell
代表者 代表取締役 菊本裕三(きくもと ゆうぞう)
設立 2010年10月1日
主な事業 ■電話・対面・メールによるカウンセリング
■個人及び団体様に向けてセミナー・講演・協業
■各種媒体にコラムなどの執筆
■テレビ・ラジオなどのメディア出演
社員数 8名(取材時)
会社所在地 〒104-0061 東京都中央区銀座6-6-1 風月堂ビル5F
会社HP https://kikiwell.com/

 

 

まずは御社の事業内容についてお話を聞かせてください。

 

株式会社kikiwellは2006年から前身となる任意団体として活動を始め、2010年10月1日に法人化しました。主な事業内容は、個人や法人を対象とした心理的なカウンセリングになります。

 

個人の方に対しては電話・対面・メールというツールを使い、雑談から心理療法まで幅広くカウンセリングを行います。

団体様や企業様向けには、研修やセミナーを行っています。組織内の人間関係が円滑にいくために役立つような内容をお話ししたり、スタッフ同士がお互いに尊重できるような関わり方のご提案をしたりします。また会社内で働くスタッフのカウンセリングもいたします。

マスメディアで弊社を扱っていただいたこともあったので、それをきっかけにお問い合わせがあったり、HPを見て連絡をくださったりするお客様がいたりなど、弊社をご利用いただくようになるきっかけは様々です。

企業様の場合は先方からご依頼いただくことが多いですね。学校などの場合はこちらからお声を掛けさせていただくこともありました。

 

現在に至るまでの、菊本さんのご経歴を教えてください。

 

いわゆる『9時〜17時勤務』のようなサラリーマンは、自分には無理だと学生の時に思っていました。「生きたいように生きる」が基本姿勢なんですが、そのためにはある程度のお金が必要ですよね。自分にはどんな職業が向いているんだろうと思った時、交流のあった人たちに美容師が多かったので、美容師を目指すことにしました。

昔から起業を考えていたわけではなかったのですが、美容師だったら腕一本で稼ぐことができますよね。29歳の時に、自分のお店をオープンさせました。最初の3ヶ月は色々と苦労もありましたが、そこからはずっと順調でしたね。結婚をし、子供も授かりました。順風満帆だったある時、立ちっぱなしの仕事なので腰を痛めてしまったんです。こんなことではこの仕事をずっと続けていくのは難しいと思いました。もちろん当時はお店に立つこともできなかったので、5〜6人いたスタッフに任せて運営していたのですが、つまらなかったんですよね。

 

そんな時、「このお客様は髪を切るためではなく、お話をしに来ているんじゃないか?」と思うくらいお喋り好きな女性のお客様が何人かいらっしゃることに着目したんです。

もしかしたら彼女たちは、月に一度、美容室でお喋りをすることで日頃のストレスを解消しているのではないかと思ったんです。そのままストレスを溜めていたら、うつ病になってしまうかもしれないお客様たちの、病気になる前の“予防”として話を聞くことがビジネスになるのでは? と考えたんです。それが起業のきっかけです。

 

昔から心理関係の本が好きで読んでいましたが、当時は公認心理師でもなかったですし、心理系の資格もとっていませんでした。でも“ただ、聞く”ことは、資格や肩書きなどなくてもすぐにできること。お客様も“うつ病予備軍“で、病名が付いているわけではありませんし。

そこで、このビジネスを他の人にやられる前に事業にしなければ! と思い立ち、失敗することなど微塵も考えずに勢いに任せて美容師から今の事業に転身しました。

 

これまでに苦労したことを教えてください。

 

最初から無借金でしたし、金銭的に苦労したことはないと言えますね。でも事業を一人ですることは難しかったので、中学からの友人に話を持ちかけたんです。さらに「女性がいると事業もスムーズにいくよね」というところから、知り合いの伝手を辿って、当時小学校の特別支援教師だった一人の女性に声をかけました。そんな形で会社が進んでいた頃、NHKから取材の依頼があったんです。大きく取り上げられたら問い合わせも多くなるし、競合ができてしまうと思ったので、最初は断りました。またネットの世界に晒される怖さもありましたし、こちらの素性を明かしたくない気持ちがあったので…。

 

でも2回目の取材の申し込みがあった時に社内の意見を聞いてみたところ、「面白そうだからやってみよう!」となったんです。取材を受けた結果、予想通り放送後は大きく知名度が上がりました。問い合わせがものすごく多くなりましたね。そんな中、事業を一緒に頑張ってきた中学からの友人が急逝してしまったんです。ものすごく忙しかったんですが、「仕事なんてどうでもいい…」と思わずにはいられませんでした。心情的な部分で心が折れてしまったこの時が、一番苦労したことですね。

 

そのつらい気持ちをどのように乗り越えたのでしょうか?

 

仕事をする気なんて起こらなかったのですが、テレビ放送後で、とても忙しくて悲しむ暇がなかったのも事実で。悲しみを仕事で紛らわすことができたので、その時は乗り越えられたのかもしれません。忙しさに救われた部分はあります。また周りのスタッフが、そのことに触れなかったのにも救われましたね。好きなように悲しませてくれたことに感謝しています。

 

社員教育の面で工夫などあれば教えてください。

 

一言で「お客様に寄り添いましょう」と言っても、社員それぞれ“寄り添う”手段や方法は違いますよね。だから基礎的なことを教えたら、あとはお客様が嫌がることを教えるだけにしています。教えるのは外側だけで、肉付けは個人に任せるような。カウンセラーも人間ですから、それぞれのカラーがあって良いと思うんです。お客様が、カウンセラーを個性で選べるようにしています。

 

現在の会社としての課題を教えてください。

 

弊社がこの業界の先駆けとはいえ、今は同じような会社がたくさんあります。お客様にとっては、どの会社も横並びに見えると思います。その中で、どのようにして頭一つ抜けるか。それがここ数年の課題ですね。

 

最後に今後の展望や夢を教えてください。

 

海外在住の日本人は孤立しがちで、深刻な状況なことが多いんです。例えば、タイの駐在員の奥さんは仕事をしてはいけないので、狭いコミュニティーの中で大きなストレスを感じています。海外で孤立するのは可哀想なことですし、今後何らかの形で弊社が手助けして差し上げられれば…と思っています。

コロナ禍もその一つですが、今後は色々な形で心を病まれるケースが出てくると思います。病む方向性というのはいくつかあるんですね。その一つのタイプに特化し、専門的にアプローチするビジネスを進めたいと考えています。そこで他者との差別化をして、世の中に問うてみたいですね。

 

それから、事業に投資した分を回収することを考えています。個人的にもう一つ、仕事にしたいと思ったことがあったんです。でも、コロナ禍でダメになってしまって…。丸々2年も休んでいたらモチベーションが下がってしまいましたが、その事業には既に投資しているのでなんとかしたいですね。

毎日同じような仕事をし続けることが苦手なので、新しいことをやりつつ日々をこなすのが理想です。だから、何か面白いことがあればチャレンジするようにしています。

 

 

菊本さんが経営者におすすめする本を教えていただきました!

 『何をやっても癒されない』 春日武彦(著)

心という不思議。正常と異常の揺らぎの狭間に見えてくるものとは…

 

空虚な日々を生きているのは、わたしだけではありません--ポスト癒し時代に贈る心晴れやかな生きる提言。

わたしのユートピアはここから始まる。

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投稿者プロフィール

『社長の履歴書』編集部
『社長の履歴書』編集部
新入社員を含めたフレッシュなメンバーを中心に、出版サポートの傍らインタビューを行っております!

就活生に近い目線を持ちつつ様々な業種の方との交流を活かし、「社長に聞きたい」ポイントを深掘りしていきます。

代表者様のキャリアを通して、組織の魅力が伝わる記事を発信していけるよう、これからも一生懸命運営してまいります!